半裸の男と万札だらけのベッドの上――!?

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表題作可不可幸福論

上条ゆうき 500万の借金を持つ大学生
小野寺直 元売れっ子小説家

同時収録作品ENDLESS WORLD

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下:漫画

あらすじ

貧乏学生上条(かみじょう)ゆうきに突然ふりかかった500万の借金。
父親のせいで散々な目にあい、自棄になって飲んでいたが…
気がつけば半裸の男と万札だらけのベッドの上――!?

目覚めた男に「お金もあげる」なんて言われて…

慌てて逃げ帰るゆうきだったが、また謎の男・直と再会してしまう。

「お金をあげるからセックスしよう。肉体労働だと思って」と言い出す直にゆうきは…

作品情報

作品名
可不可幸福論
著者
ハルイチ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758075961
3.4

(51)

(8)

萌々

(15)

(22)

中立

(6)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
172
評価数
51
平均
3.4 / 5
神率
15.7%

レビュー投稿数7

支えあえる存在に

こちらの作品は以前ちるちるさんのインタビューを読んで気になっていたので購入してみました。

大学生の上条が突然父親の借金500万を背負うことになり、少しやけくそで居酒屋で1人で飲んでいたところに小野寺が居合わせ自分の身の上を話すと、笑って聴いてくれる、とにかく愚痴をうんうんと聴いてくれる。
おもわず泣いちゃう上条。朝起きたら大金と隣で半裸で寝ている小野寺。

500万持って行っていいというけど、そんなわけにもいかず帰るのですが、また小野寺に会ってまた一緒に過ごします。

小野寺がなぜこんなに大金をもっているかというと、小説家で以前描いた小説がヒットしてその印税らしいけど、自分は使わないからと借金返済に貸してもらうことに。体で返してくれたらいいからと、関係を持ちます。

小野寺はいつも笑顔で上条を励ましてくれるので、本当に色々うまくいくんじゃないかと思わせてくれる大切な人に徐々になってきて。

最初は体の関係から始まった二人だけど、徐々にお互いのことがわかってきて、好きになっていきます。小野寺は昔元担当者とのことが好きだったけどキス写真を撮られてしまったせいで小説家をやめてしまった過去があって、自分のせいで元担当者が別の部署に異動になったり心にトラウマを抱えています。

今度は上条のおかげで前向きな気持ちになれる小野寺。お互い立場は違うけど支えあえる相手がいるのは良いなと思えたし、足りない部分を補いあえる関係に萌えました。

デビューコミックスとのことですが、絵が綺麗だしお話も好みでした。
また、次回作があるようでしたら、追いかけたい作家さんです。

1

同時収録作は神

もう一歩〜
もう少しで神評価でした。

内容としてはとても良かったんですが、色々な伏線が回収しきれないまま終わってしまっています。
まず、借金を残したゆうきの父親の事。
それから、直の元編集に対する今の気持ちと、その元編集自身の直に対する気持ちがどういうものだったのか…。
ただ、最後の描き下ろしはとてもよかったです。

同時収録作の「ENDLESS WORLD」は最高でした。
同性愛禁止法とは…斬新です。
とても切なかったし、読後の余韻がたまらなかったです。
このあと2人がどうなるのか?それを考えると胸が苦しくなります。

0

笑顔に救われる心

作家さんのインタビュー惹かれ購入。

サンプル画像の突然降って湧いた500万の借金に途方に暮れてる大学生の寝てる上にばら撒かれた万札が印象的で、お金と引き換えに寝る関係お話は精神的にキツイすれ違いなどが起こるのかなぁ…と思ってたのですが、その辺は良くも悪くも【良い子の為のガトーさん】らしさが出てました。攻めの借金問題も受けのトラウマもサラリと円満解決。人の優しさっていいなぁという読後感。
受けも攻めも何かしらを抱えながらも、笑顔で支えて・支えられて、
フワッとした優しさを感じる1冊でした。

攻めの心の澱を笑顔で聞いて吐き出させてあげた受け。
笑顔ってそんなパワーもあるんだなぁとジンワリ(;ω;)
スッキリしたと言いながら涙を流す攻めにキュンとしました。

人を元気にさせる笑顔が素敵な受けもトラウマ持ち。
好きな人に押せ押せで軽くチュってしちゃう若気の至りで、押し付けの軽いキスが好きな人の立場を悪くし、自分の書いてきた小説を否定され…。書きたいけど発表するのは怖い、沢山の人に迷惑をかけた罪悪感で動けなくなってる元小説家なのですが、後にも先にも進めず立ち尽くしてる背中を押す攻めの言葉の強さと優しさにジンワリ(;ω;)

お互いの存在で前へ進むキッカケになる関係がいいなーと思いました。

あとですね!
エロい顔がすごくイイっ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !
エロ面が【良い子のガトーさん】じゃないのはグッジョブw受けのグズグズトロトロのお顔とか、攻めが顔を真っ赤にして固まってる→ガッツくへの変化とかニヨニヨしちゃいました(^w^)
(ちなみにアニメイト特典ペーパーもエロが…!帯の下に隠してくれた店員さんありがとう)


◆ENDLESS WORLD
1話完結。2304年、男が人口の2割と少なく同性愛禁止法がある世界で生きる高校生のお話です。
男というだけで国の補助があり、とにかく女を抱きまくって孕ませ的な世界なので、少しだけ女とのエッチシーンを含みます。

同性愛禁止法があるので、破ると当然罰則があるのです。
男友達が好きで女が抱けなくて罰則である矯正施設へ入る前に思いを告げるシーンが切なくて胸が痛かった…。ボロボロ泣きながら「ごめん」を繰り返す男の子と、辛そうな顔で命がけの恋を受け止める男の子と。好きなる気持ちが法を侵すなんて理不尽だよ(;ω;)
どうしようもない壁を目の前にキスする姿に切なキュン。
余韻を残すお話でしたが、この2人が救われる道があったんだろうか…考えるのツライ。

4

印象的なデビュー作

父親がカジノで作った500万の借金を背負わされた就活生攻めが、ヤケ酒中に出会った元小説家受けに愛人契約を持ちかけられるお話です。
年下攻めで、攻め視点のお話。

「借金をかたに愛人契約」モノは、金を出す方が攻めで借金持ちが受けというのが王道だと思うのですが、この話は逆でした。個人的な好みから言えば王道の方が好みではあるものの、まあ新鮮さはあったと思います。

受けも攻めも、あまり好きなタイプではなかったです。受けは明るい割に卑屈だし、攻めはなんか綺麗事ばっかり言ってるし。でもお互いがお互いに救われて、前を向くことができて、とても良いカップルだったと思うし、読後感は心地よいものでした。

同時収録の短編が1本、近未来の人口が激減した世界が舞台の高校生同士のお話でした。
同性愛が禁止されているという設定で、個性的でよかったです。

特筆すべき点は絵の美しさ。好みはあると思いますが、ちょっとのところにも手を抜かず丁寧に作画されている印象がありました。この本がデビュー作のようでしたが、このままのクオリティで小説の挿絵なんかもされたら素敵なんじゃないかな〜と思ったりしました。

3

笑顔の裏のホントの気持ちは…。

しっかりとしたストーリーで、心に沁みる素敵なお話です。プッと笑えるギャグも所々で入ってるので、重くなり過ぎず楽しく読めました。

ノンケの大学生×ゲイの小説家です。
上条(攻め)は父親に500万の借金を押し付けられ、ヤケになり飲んだくれていた居酒屋で小野寺(受け)と出会います。二人で話し込むうちに泥酔してしまい、朝目覚めると半裸の小野寺と万札だらけのベッドで寝ていて…という展開です。

初読みの作家さんですが、絵が非常にキレイでカワイイです。特に表情が魅力的で、小野寺は全開の笑顔でよく笑う子なんですが、その笑顔が素敵なんです。そして絡みでの表情がとても色っぽい! エッチの時の受けの表情をとても重要視するので、これだけでも購入したかいがありました(*^^*)

小野寺はいつも笑っていて、年上の包容力があります。最初に居酒屋で知り合った時に、いつも借金をつくるだらしない父親、それなのにいい思い出もあり縁を切る事も出来ずにいる上条を「君の親父サイテー!」と豪快に笑い飛ばしてくれます。「うんうん、分かるよ」と話を聞いてあげ、「好きなだけ泣いていいぞ」と頭をなでてあげる小野寺は包み込むような優しさに溢れています。しかし、小野寺には辛い経験があり、笑顔の裏には諦めにも似た気持ちを隠しているんですね。

500万をあげるから、肉体労働だと思ってセックスしようと小野寺が誘い、二人は関係を持ちますが、その裏にはこんな小野寺の気持ちも関係しています。
過去の経験から、自分の言葉は人に届かないと思い込んでいる小野寺。しかし、小野寺の言葉は「まっすぐ心に届くから好きだ」と上条が言ってくれた事により、笑顔の裏に隠していた辛い気持ちをさらして、心を開く事が出来るんですね。いつも笑顔だった小野寺が子どものように泣く場面では、ホントに良かったねとじんと来ます。

絡みは2回で、濃厚という訳ではないのですが、艶っぽくてかなり好みです。なんと言っても受けの表情が素敵で萌えます! 受けが攻めをギュッと抱きしめて、「大好き」というシーンにはキュンキュンしました(//∇//)

この本編の他に別の話が一つ入っています。
人口が減少した世界で、「同性愛禁止法」が施行されているといったストーリーです。
設定としては大変好みですが、いかんせんページ数が少ないためあまり掘り下げられずといった感じ。
切ない終わりです。

上手くまとまっていてテンポ良く読める、素敵な話でした。

2

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