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表題作凪子の話

あらすじ

真面目で品行方正な海原和也。
派手で少し軽いところのある山治浩平。
幼なじみで親友のふたりは、高校でも目立つ存在だった。
和也と初めて会った瞬間、凪子は彼に恋をしていた。
だから、彼の幼なじみの浩平が
和也に恋していることに気づいてしまう。
そして、和也を好きだからこそ、
彼の心が誰を想っているのか気づいてしまう。
交差する想いの行方は……

作品情報

作品名
凪子の話
著者
後藤 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
ISBN
9784813031383
4.1

(192)

(123)

萌々

(26)

(12)

中立

(9)

趣味じゃない

(22)

レビュー数
28
得点
764
評価数
192
平均
4.1 / 5
神率
64.1%

レビュー投稿数28

噂通り心抉ってきた

単純なBLではない人間ドラマ味あふれる作品でした。

ドラマ化っていうのも頷ける内容で放送されたら観たかったです。(制作中止残念でならない)
BL誌じゃないとこで連載されてたらあるかもしれないですが、前半はタイトルにある凪子ちゃん視点です。

中学生凪子ちゃんが社会人になり20代半ばで亡くなるまでの期間、甘酸っぱい青春から苦しい恋のお話です。
少女マンガのヒロインポジションなんですよね、凪子ちゃん。道で転んでしゃがみ込んでたら憧れの和也くんが絆創膏を膝に貼ってくれた事がキッカケで親密になっていく。

真面目優等生王子様タイプ和也くんは、チャラくて目立つタイプの浩平くんと幼馴染でニコイチな感じでいつも一緒にいて目立つ存在。カースト上位な2人と平凡な凪子が仲良くなる事で面白く思わない女子達も居たりして、もうここまでは王道少女マンガですよ。

でもね、凪子ちゃん和也くんの事好きだけど告白しないのよ、3人で仲良しの関係崩したくなくてずっと心に秘めたまま友達続けてんの。
そんな事してるうちに、和也くんのこと狙う女子はいるもんだから彼女できちゃったりしてさ。
切ない…。
しかもね、浩平くんが和也くんの事を友達以上の意味で好きだって知ってしまうの。
それでも3人で仲良しの友達関係続けてたんだけど、ある時それが崩れちゃう。

凪子ちゃん余命宣告される末期の病気発覚。
もう何振り構わない、和也くんに卑怯だけど余命宣告を盾にプロポーズ。
和也くんは優しいから受け入れてくれる。
浩平くんに対しての後ろめたさを感じつつもエゴを押し通すんよ。だってさ、そこ遠慮してる場合じゃないわ、凪子の行動間違えてない。
ここまでも少女マンガ的ストーリーだよ。
でもね、ここから地獄展開が…。

実は和也も浩平の事がずっと好きで2人は両片思いだったと発覚!
凪子ってば、2人のお邪魔虫だったんじゃん…。
今まで少女マンガのヒロインポジションだったのに、一気に脇役に。

うぅ…、なんで知ってしまうかな。
知らずに死ねたら少しの罪悪感ありながらも幸せな最後を遂げられたのに。
最後は贖罪で終わるなんて。
でも、残された和也と浩平の心の中でずっと凪子は忘れられないし残っていく。

出来事としては単純なんですが、とても考えさせられる心えぐるストーリーでした。

シーモアで読了。
修正が必要なシーンは無し。

0

切なく、尊く、とても素敵な作品でした!

初めての作者様です。
またまた好きな作品が増えて、とても嬉しいです。
表紙のイラストもとても素敵です。


***

同級生である和也、浩平、凪子のお話です。
お話は3人それぞれの視点で描かれていて、心情が伝わりやすく、ストーリーに惹き込まれました。
3人とも仲が良くて、みんな好感がもてるのです。

タイトルにあるように、凪子を中心とした恋愛、友情が描かれていました。
両片想いの和也と浩平。ここに凪子が加わり、微妙な三角関係。

和也と浩平については、男性同士の恋愛に対する後ろめたさなのか、固定観念、世間の目、成就しないなら友人としてそばにい続けたいと思う気持ち、じわじわと沁みて共感できるものでした。
互いに向けられている好きという感情にはしっかりと蓋をして、成就するはずがない、むしろ告白でもして相手を失うことの方が辛い、失うことなど考えられないというスタンスです。
こうした苦しさ、切なさ、どこにも持って行きどころがない気持ち、決して口に出すことができない切なさを随所に感じました。


友情と愛情、バランスを保っているように見えた3人の関係が崩れる。
傷つけることは本意ではなかったのに、みんなが傷ついてしまう。


凪子亡き後、すぐに2人がくっつくことはなく、凪子の3回忌まで、和也も浩平も自分の気持ちは伝えることなく、そして和也は結婚指輪をしたまま、互いのそばにいる。
そこには、確かに凪子への愛、友情、気持ちがわからない相手への配慮、いろいろあると思ったけど、凪子を2人が大切に思っていることが伝わり、とても尊いなと思いました。
うまく表現できないですが、自分を律する気持ち、とても尊い。
そして、凪子はそれを見越して、あえて3回忌に手紙を渡したのではないか。


凪子に背中を押され、ひっそりと隠し、抑えていた本当の気持ちを認め、幸せを掴んでいく。
やはり凪子がキーパーソンであり、いなくてはならない存在であり、彼女がいることで保たれていた微妙なバランスがありました。彼女はとても好感がもてる素敵な人でした。
凪子は一瞬でも幸せだったのだろうか。両親に託した手紙を書く凪子を想像するだけでしんどい。

長い2人の両片想いが実る。
そして、幸福と残存する痛み でべったりくっつく2人。幸せそうでよかったです。

後藤先生のpixivを拝見しました。
凪子を失った2人の複雑な気持ちが垣間見えて、さらに尊さが増しました。
凪子の女友達や、その後の浩平、和也も見ることができて、これは嬉しいプレゼントでした。
さらに本作品が好きになりました。
とても素敵な作品をありがとうございました。

0

BL枠に入れない方がいい

これを読んでいて、なんとなく望月花梨さんや高尾滋さんを思い出しました。
少年少女の心情を描くのがうまいところに共通点を感じたのかな?

そのためか、BLのジャンルじゃなくて少し前の花ゆめやLaLaあたりで掲載していた方がマッチしてる感じがしました。
BLっていうよりは同性愛や少年愛っていう方がしっくりします。

私は泣きはしませんでしたが、同じ女性として凪子の立場で読んでいて、心情がわかる分とてもつらかったです。

1

怖い面もある

女子中心なのはタイトルで示されていたので、凪子視点なのはBLへの伏線だと思って読みました。

凪子がやさしく健気でいい子だけど、自分のエゴを貫いて、罪悪感から「ごめんね」と言い、和也の思うようにしてほしいと書き残す。
私はこういうのがいちばん怖いんよな〜とずっと思ってしまいまして。ひねくれているからかもだけど。
一見善人で常識人だけど自己中で周りを傷つける。
凪子が偽善者に見える時があって。あの笑顔に隠された本音が見え隠れするから。それをわざとああいう笑顔に描かれているんだろうなと。
や、本音を隠すのは悪いことではなく普通なんだけども。

回想の場面が長く、コマ外が黒いのが不気味で。
3人とも笑ってはいるけど目の奥が笑っていないのも怖くて。
残酷な話よな。これも人間よなと思いました。

かわいい絵柄で無垢な笑顔が並び(逆に怖い)祖母の狡猾さとか、善人に無自覚に潜む陰湿さを描かれるのがお上手だなと感じます。

最後の最後にやっとBLぼくなって、これが見たかったんだけど、それまでが長いのは、作家さんはタイトル通り凪子の話を描きたかったからだろうと。
凪子がいなかったら逆にくっつかなかったかも…てことでもあるんかね。

ラスト、浩平が
「俺ばっかりお前をこんな風に一人占めして 凪子ちゃんに怒られないかな」
「どうなんだろう」←
「やっぱ凪子ちゃん怒ってんのかなぁ…」
「そうかもな(笑)」←
和也、そこは否定するとこではー?!とツッコミました。ボケで言うてはるの? からかってるの?

0

大切で美しい

ひとり対ひとりの恋愛のお話ではなく
その結末に辿り着くまでの長い道程を
3人それぞれの目線で描かれているというのが斬新だなと思いました。

浩平、和也、凪子、誰の目線になっても切なく苦しい部分があり、それぞれに葛藤もあって
想いが強くなるほどにその切なさも増すので読んでいて辛いところはたくさんありました。
でもそれだけではなく、辛さと同じくらいの幸せを彼らは確かに感じていたんでしょう。
好きな相手と両想いになることがゴールならば、もっと脆い関係だったかもしれない。
そうならなかった彼らの絆を感じられるお話だったなと思いました。

0

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