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表題作アクアブルーに恋は濡れて

崎枝俊太・新人ドルフィントレーナー
三島千知・ドルフィントレーナー・30才

その他の収録作品

  • 白い背に寄せる恋情
  • あとがき

あらすじ

水族館勤務の千知はショーにも出演するドルフィントレーナー。生真面目な性格から周囲の期待を裏切らないような生き方をしてきた千知は、真っ直ぐで物怖じしない新人の崎枝に初対面から惹かれるが、すぐにその気持ちに鍵をかけてしまう。ある日、酔った勢いで崎枝への憧憬と恋情を告白した直後、千知はアクシデントで半年分の記憶を失くし……?

作品情報

作品名
アクアブルーに恋は濡れて
著者
四ノ宮慶 
イラスト
高城たくみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344839670
3.8

(9)

(1)

萌々

(6)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
35
評価数
9
平均
3.8 / 5
神率
11.1%

レビュー投稿数4

秋田弁の出る受けが可愛すぎる…!

記憶喪失ものです!
記憶喪失ネタって、大抵が記憶が戻って…とどうしても同じような話になりがちですが、そうはいかない所がリアリティがあって素敵な作品でした。

ベテランのドルフィントレーナー・千知(受け)は、新人のトレーナー・崎枝(攻め)に指導する事に。しかし、初対面から崎枝に惹かれてしまい…というあらすじです。

受けの千知は生真面目でもの静か。ゲイである事に引け目を感じていて、崎枝に最初から惹かれながらも、気持ちを押し込めようとします。
攻めの崎枝はアメリカ生まれの帰国子女。デザイナーやモデル等のセレブ一家で、本人も獣医師の資格を持ち長身でイケメン。家族とは関係なく、自分の道を目指す真っ直ぐで努力家の好青年です。

前半は、ゲイなので恋はしないと決めている受けが、それでも攻めの物怖じしない態度や一生懸命さに惹かれてしまう…。更に、自分の心にグイグイ踏み込んで来られて、想いを告げてしまい…という展開。受け視点です。
後半は、言い逃げした受けが階段から落ち、記憶を無くした所から。受けに告白された事で意識してしまうのに、当の本人は記憶を無くし、出会ったばかりの頃のような余所余所しい態度に逆戻り…という攻めの混乱した気持ちが書かれています。こちらは攻め視点で進みます。

ドルフィントレーナーというお仕事描写が丁寧にされていて面白いです。
そして、主役2人の心情が丁寧に追ってあります。
惹かれている攻めと仕事をしなくてはいけず、乙女のようにドギマギしている受けや、少しずつ距離が近づき、やっと本音をさらしてくれた矢先の記憶喪失で、また元の距離感に戻ってしまいもどかしい攻めの気持ち。
この攻めがですね、もう最初から受けに惹かれてるだろう…!と端から見てると思うのです。
シャワー室で受けの背中を「きれいですね」と指でなぞり、事ある毎に「かわいい」と呟いてます。ノンケだから、自分の気持ちに気付いてないのね…と。
そして、本当に受けはかわいいのです。攻めに背中をなぞられて珍妙な悲鳴をあげ、感情が高ぶると秋田弁が出てしまう。秋田弁の受けは初めて読みましたが、何とも可愛らしい…! 美人が喋ってる所が、またギャップでいいのです(//∇//)

絡みは本編で1回と、後日談で1回。受けの初々しく素直な言動に、攻めが煽られてしまうという個人的にとても萌える展開です。攻めは背中フェチなんじゃないでしょうかね…。

表紙がとてもロマンテックで素敵ですが、本編のラストも負けず劣らずロマンテックで素敵です。ラストシーンにはキュンキュンさせられました!




5

イルカv イルカvvv

ドルフィントレーナーというのは、
私の幼き頃の憧れの職業でした……
なので、とても興味深く読ませていただいたのですが、
なかなか面白かったです!
トレーナーのお仕事と恋愛が上手く重なっていて、
違和感なくその世界に入って行けました。
クライマックスのショーのところなど、
結構ドキドキして読みました!

BLとしても、前半の千知の切ない片思いの様子にきゅんとしますv
後半は転じて崎枝くん視点になるのですが、
ここからの二人のすれ違いがもどかしい‼︎
千和が頑なすぎてなかなか関係が進まずハラハラします。

四ノ宮さん、二冊目だったのですが(まとめて三冊購入)、
最初に読んだのが『淫魔ちゃんに…』で、
あれだけだったらスルーしていたかもしれない作家さん。
先に読んだ方はひたすら可愛くて甘々な感じでしたが、
こちらはちょっと大人の切ないストーリー。
本によってずいぶん印象が違う作家さんだなと。
あぁ、でも受け様が極端に恥ずかしがり屋で
初心な感じは共通しているのかな。

これは完全に個人的な好みの問題なのですが、
私は巻末のSSには余り萌を感じなかったので、
そちら(どちら⁈)の相性は悪いのかと思ったのですが、
本編前半の千和には結構感情移入して読んでしまったので、
恋愛小説としては面白く読める作家さんなのではないかと。

評価的には、切なくてどきどきでしたが、
後半がちょっともだもだずるずるした印象。
でも、ドルフィントレーナーという設定が上手く絡められていて
面白かったなという読後感。
ちょっと迷いつつ、「萌×2」!


ちなみに電子で読みましたが、本編のカットはありませんでした!><
代わりにもう一本SSが入っていました。

0

ドルフィントレーナーの恋。

イルカとドルフィントレーナーと。
初めてのお仕事内容で楽しくて、イルカショーとか、セイウチ園子のプロポーズ大作戦とか、見たいなぁって思いました


受け様は先輩ドルフィントレーナーの三島。
攻め様は新人トレーナーの崎枝。

ゲイである三島は、爽やかイケメンの崎枝に一目惚れ。
ドルフィントレーナーとしては優秀な三島だけど、恋愛方面は奥手で臆病で。
最初はそのグズグズっぷりに、少々イラついたのですが、ちゃんと崎枝に向き合ってトレーナーとして育てよう、と意識を変えてからは好印象。

三島が酔っ払ってヤケクソのように告白し、階段から落ちてここ半年程の記憶をなくしてしまう。
ここまでが三島視点。
これ以降が崎枝視点へ。

記憶喪失ものっていろいろ読んできましたけど、告白した直後に告白した方が記憶をなくす、なんて設定は初めてで、どうなるのかな、とドキドキで読み進めました。

三島の中ではあの告白は無かったことになってるけど、崎枝はあれ以来、三島の事が気になりだして。
三島の好意を知ってしまった後だと、あれもこれも自分が好きだからか、といじらしくて可愛らしく思える(*^^*)
いいね、いいね(≧∇≦)
そんな崎枝の気持ちに萌えまくり。
最後まで三島が失くした記憶を取り戻す事はなかったですけど「あの日の告白は俺だけの宝物」だと言う崎枝が可愛くてきゅんでした。

2人の成長をによによと見守らせて頂きました( ^ω^)


イラストは高城たくみ先生。
イルカも可愛かったです(≧∇≦)

0

ドルフィントレーナー同士の恋

ドルフィントレーナーの三島千知(受け)は新人の崎枝俊太(攻め)に一目惚れしてしまいます。誰にも知られないように心に鍵をかけるのですが、ドルフィントレーナーになるために一生懸命努力する姿をみているうちにどんどん惹かれていってしまい、
何度も何度も自分に言い聞かせて自分の想いを認めないようにします。自分のことを理想のトレーナーだと言ってくれる崎枝に先輩として逃げることもできず、懸命に努力する彼が一人前のトレーナーになるよう指導しようと決意します。
そんなある日、崎枝が担当するイルカの体調が悪くなり、何日も泊まり込みが続く中やっと光が見え気が緩み、少しのアルコールで判断力が鈍って、ついうっかり告白してしまいます。動揺した千知は階段から落ちてしまい半年ほどの記憶がすっぽり抜けてしまいます。

千知はゲイですが、誰かに受け入れられるとは思っていないため、好きになる前に自分の心に鍵をかけるようにしていて、恋愛経験はありません。小さい時に見たイルカショーに感動し、それ以来ドルフィントレーナーになることを夢見、夢を叶えメイントレーナーとして活躍しています。イルカと家族のように接し、イルカには心を開いて接しています。

崎枝は、両親はデザイナーとアパレルメーカーの社長、双子の姉はモデルというセレブ一家の末子です。帰国子女として日本に転校してきた時に虐めに遭い、心を癒してくれたイルカとともにいる道をさがして、獣医師免許をとり潜水士、船舶の資格もとりドルフィントレーナーになるため努力しています。千知を理想のドルフィントレーナーとして尊敬していて目標にしています。
告白され驚いてとった行動により、千知が動揺し階段から落下したことを、気に病み、かつ告白されたのに忘れられていることに苛つきます。

前半は千知視点で、崎枝に恋してしまった千知がひたすら切ないです。懐かれてはうれしくなり勘違いしないようにし、尊敬してくれていることを知ってからは、より一層、崎枝が一人前になるように尽くす姿が何でそこまでと思うくらい切ない。

記憶を無くしてからは崎枝視点になります。告白されたことで千知を意識し、自分が千知のことをどう思っているかがわからなくて、でも出会ったころまで記憶が後退していることで告白自体がなかったことになってしまって苛つき、他の人と仲良くしているのを見ると苛つき、トレーナーとしてなかなか担当イルカとうまくいかないことに苛つきます。

後半は自分とのことを全部忘れてしまった千知のことを意識するあまり苛ついたり、千知にまた告白してもらおうと思わせぶりな態度をとったり八つ当たりしたり、崎枝は切ないかもしれないけど、記憶をなくしてしまって不安な千知の方が可哀想でした。
千知の気持ちを知っているアドバンテージがあるだけ、前半よりもずっと思わせぶりな態度をとっており、前半でどきどきしたり切なくなったりしていたのを読んでいただけに、それ以上の切なさを味わってるだろうと思うとちょっとしんどかったです。自分がどう思っているかわからないから相手に告白されたらわかるかもと思わせぶりな態度をとって、千知に崎枝の気持ちを考えてほしいと丸投げするのには20代も半ばすぎているだろうにと思うとちょっとがっかりでした。

頭を打ったせいで、しばらくの間大好きなイルカとのショーもできなくなるし千知にとっては辛かったとは思うけれど、千知があまりできなくなった分、今まで千知に頼り切っていた同僚たちが自立するようになり、みんなで水族館を盛り上げようという機運が高まり、今まで頼られることに存在意義を求めていた千知が人を頼ることができるようになり、結果的に水族館全体として良かっだと、思います。

私は千知の方に感情移入していたので、千知の切なさが物語全体を覆っているような感じで(崎枝視点でさえ)、ちょっと重いというか、あまり明るい話ではなかったかなと思いました。千知がうちに籠って耐えるタイプなので、崎枝がもう少し明るいタイプだったらもう少し全体が明るくなったんじゃないかと思うんですが。前半は千知が切なかったので、後半は千知が切なくならないように、崎枝がもっと悶々としてくれればバランス取れて良かったのではと思いました。

1

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