• 紙書籍【PR】

表題作HOME

直己,無口で不器用な大学生
青木篤,自分に自信のない経理部33歳

あらすじ

好きだった男の忘れ形見を育ててきた篤だが、大学生になった直己と、どう接していいかわからず…。

作品情報

作品名
HOME
著者
木原音瀬 
イラスト
藤田貴美 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
アイスノベルズ
発売日
ISBN
9784872787528
3.3

(17)

(3)

萌々

(3)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
54
評価数
17
平均
3.3 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数9

アリでしょう、うん。

私も、数年前、手術で顔の形変わったんですよ。
義眼にはならなかったんですが、半開きの状態です。
つい最近まで、私もマジで直己と同じでグラサンかけてました。
諸事情あって、今グラサンはやめて、表紙の直己みたいに、前髪で片側の目、隠してる状態です。
手術でではないけど、元から手足が悪くて、足は、今前よりもさらに悪くなって来ているので、正直、最近外歩くのがイヤですね。

まぁ、色々と相違点はあれども似た境遇なんで、直己の態度にイライラしつつも、気持ち的なものは良く分かったたというか。

某所に「主人公が何故直己を好きになったかが全然分からない」というレビューがありましたが、私には分かりますよ。
分からない恋愛だ、というのが分かりました。
だから、アリかな? と・・・もういっそこういうのも。
どこがいいんだかカンペキナゾな旦那に一筋な女ってのは良くいますからね。それとなんか似たような・・・(笑)

「中立」としたのは、まぁ「萌えた」という種類の話では正直ないな、と思ったので、そうしただけです。
はっきり言って最後の部分は、良く良く考えると、(そんだけの金良くあったな) とか (この短期間でよく出来たな) とかまぁ・・・他にも現実的に、色々つい考えたくなる部分はあったものの、そこはまぁ、ファンタジー部分として処理しときましょうかね・・・? って気はしました。
アレでなかったらもっと良かったのになぁ~・・・とも思いましたが、私的に・・・まぁそこは人それぞれお好みで。

関係ないですが、言いたいことをはっきり言い過ぎて時に「毒舌キャラ」とまで称される私は、主人公の友達の立原タイプです。

2

この作品のハッピーエンド

ぅう~ん。痛い…。


お互いこんなに想い合っているのに、
何故、想いは読者にしか伝わらないのだろうか…。


確かに、皆さんおっしゃる通り、明るい話ではありません。


しかしながら、ラスト十数頁を読み終え
「ここまで読んで良かった…」
と読者である私自身、大変救われた思いが致しました。


今までが真っ暗すぎた為か、本ッッ当にかすかな光りがこの世の救いとばかりにとても眩しく感じました。


昨今には無い、木原作品の醍醐味の様にも感じます。


いやぁ~…
大きな爪痕遺していったこの作品、
出会えて良かった!!!

1

罪深き、愛のしるし

タイトルに意味はあまりないです。

久しぶり?に木原さんの作品を読んだ気がします。
相変わらず弱者な人たちでした。
どう書けばいいのか分かりませんが、ある意味では直己が事故に合ったのは罪の証なのかもしれません。

甘いだけではない、もの。
簡単に手になど入れさせない、というもの。

一読しただけではなにかを語れるというほどでもないんですが。

木原さんの作品はどれも痛くて胸がじくじくしますが、それでも嫌いにはなれないです。
好きにもなれないんですけど(笑)

はっ!
好きな人のために顔を変えるってのはすごい根性だと思いました。
でも、それもまた罪の証なのだろうと思います。

何の?
と問われたらう~ん、と唸ってしまうんですが。。。
男同士だとか言えなかった恋心とか打算的な好きな人の甥っ子育てとか。
なのかな。

どちらにしても救いようがないバカ二人ってことですよね!(なんか違う気もする)

0

鬱だ死のう。となりかねない…

最後まで読み終えて、なんじゃこりゃあ、と呆然としました。もう何と言うか怪作ですね。序盤で設定が分かった辺りではこんな展開予想もつきませんよ。ついてたまるかという話ですよ。
いやー、もうホント…何だこれ。

この話はですね、非常に自己愛の強い二人の話だと思います。自分の望む愛を受けて来なかった人間が、自分の最も愛して欲しい人間に対して、とにかく愛して愛してと求めている。ところがその二人ともが態度も言葉も全く!足りておらず、行動が噛み合わず気持ちが食い違う…その連続なのです。

はっきり言って悲劇です。

事故が無ければ…という事もありますが、もう少し篤が直己を慈しみながら育てていれば、もう少し直己が素直な性格で幼い頃から篤に甘えていれば…まだ何かマシだったような気がしてなりません。
篤は、優しいと言えば聞こえは良いですが、心の弱さをかき集めたような人だと思います。もっとぶつかって行けよと!育ちからしてやむを得ないのでしょうけど…。
直己は良くない意味で甘え人間だと思います。上で書きましたが、幼い頃に上手く甘えられなかったせいとは解っているのですが…。そこまでの感情の示し方と行動にも大いに問題ありですが、怪我をしてからの様はいくら何でもあんまりだと思います。そりゃあ生きてくれって言ったのは篤だけど、最終的に選んだのは自分でしょうに。色々と努力が見えないのはちょっと…。絶望するのは仕方のない事ですが。(しかし出て行ってからちゃんと自分を養えるだけ働けていたんだな、と感心しました。例の資金も貯められたわけで。)

ラストのクライマックスはもう、負のカタルシス絶頂といった印象で…いやー……面白いですけど。
料理を作り続けるのも怖かった。

ただ展開があまりにも鬱屈としており、結構ストレスが溜まりましたので神評価までは行かないかなと思いまして、萌え評価とします。が、萌えはあまりありません…残念ながら。
養い子×義理の親って大好きな設定なのに…。甘さ補給のために崎谷先生の『ハピネス』でも読もうかな…でもあの作品もすんなり萌えという訳では無いし。

そうだ旅に出よう…義子×義親で切なくて最後は安心できる作品を探す旅に…。

3

くもとり

ミドリさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。(初めてコメ頂きました!わーい♪)

この本のラストはですね…本当に衝撃的でした。直己(攻)のとったある行動が尋常でないのです。
そうですよね絶版ですよね。私はたまたま近くの図書館にあったので気軽に読めたのですが、もう中古でしか入手できないのですね…。あまりオススメしても内容的にアレなので、もし機会があって気分が向いた時にお試し下さいませ。としか言えません…(泣)。

ではでは。

ミドリ

こんにちは、くもとりさん。
ミドリと申します。

この作品、どんな作品なのかめっちゃ気になります。
そんな鬱展開でどうやってラストを迎えたんだろう…
怖いもの見たさ、な気分です。
でもそれだけ鬱展開なら私は最後まで読み切る自信はないですね…
しかも絶版なんでお目にかかる機会もないだろうなぁ~

背筋がゾッとするラストでした。心底怖かった…

主要登場人物は三人。
主人公の受けと、相手役の攻めと、主人公の親友と。
三人とも性格が違う。
気が弱くて優しいけど優柔不断な性格の受け、
気難しくて無口で虚勢は張るが弱い攻め、
熱血漢だけど思い込みの激しい親友。
性格が違うなりに、みんなフツーの人たちです。
一人一人はフツーなのに、少しずつ頭がおかしくて。
で、この三人が、思い思いに「自分にとって最善だと思うこと」をしているうちに、どんどんホラーな展開になっていくのだ。
全員に「なぜ?」と問いたかった。
「なぜ攻めにぶつかっていかない?」
「なぜ受けに甘えていかない?」
「なぜ余計なお節介をやく?」

ゾクッとくるラストは、ホラーの世界です。
お化けやゲテモノを登場させるよりもずっとコワイ。
人間の心ほどコワイものはない。

何度か書いたことがあるけど、木原音瀬さんがBLの世界だけで書いてるのがもったいないです。
BLを卑下してるわけじゃなく、BL以外の小説を書いてほしいという意味でもないです。
一般小説なら、このレベルのホラー小説が、長く絶版になったまま文庫化もされてないなんてあり得ないので。
BL界に木原音瀬ファンは多く、圧倒的な人気作家の地位にある木原音瀬さん。私たち腐女子は趣味のためならお金を惜しまないタイプが多いし、デキがよくても悪くても「木原音瀬さんは作家買い」って決めてる読者が多い――けど、絶対的に分母が小さいんだよね。狭い世界では読まれるんだけど、その輪っかの外へはなかなか広がってゆかない。
木原音瀬作品は、BLに萌えも興味もない人間が読んでも、遜色ないレベルの小説だと思う。
けど、そういう人たちが気まぐれに手に取ることは、まずめったにないのだ。
BL系のレーベル以外で出版とかしてくれないかな。小野不由美さんの『十二国記』みたいにさー。
直木賞取れるよ。つーか、直木賞取った〇〇〇さんやら××××さんやらより、木原音瀬さんのほうがずっとレベルが高いですよ。うん。

後半はコノハラーのボヤキでした。
スイマセン。

えーとこの小説は、前半は切ないBL、後半は上質の日常ホラーです。
弱く醜い人間がどこまで弱く醜くなれるか、ほんの少しのすれ違いが拡大していくことでどんな悲喜劇を生むか、そして、なにが狂気なのか。
色々考えさせられました。

7

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP