天水桃綺譚

天水桃綺譚
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神27
  • 萌×215
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

4

レビュー数
10
得点
217
評価数
52
平均
4.2 / 5
神率
51.9%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
シリーズ
プラチナ文庫(小説・プランタン出版)
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784829626306

あらすじ

天から落ちたモモは、桃農家の亨に拾われた。無愛想な亨と天真爛漫なモモ。ゆっくりと想いを通わせるが、それは許されぬ恋だった…。

表題作天水桃綺譚

亨・桃農家・29歳
モモ・天から落ちてきた桃

同時収録作品虎と桃

白虎・天にいる神さま
コモモ・天にいる桃

その他の収録作品

  • お伽噺のあとで
  • 虎の仔 桃の子 コモモの子
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数10

天水桃、食べてみたい

なんとも可愛らしい、桃ファンタジー。
表題作は、天の桃が地に落ちてきて人間と恋に落ちるおとぎ話を、天寿を目前にした男が自分の後を託すと決めたこどもに語り聞かせるスタイルだったので、「お伽話のあとで」で二人のその後が語られても、その先の話はもっと人間界寄りで展開するのかと思ったら、後半の「虎と桃」からは舞台はガッツリ天界へと移り、天に住まう白虎の神様と天の桃のお話が展開。
ちゃんとサブタイトル見れば想像できそうな物なのに、その辺気付かないまま読み進んだので、ちょっと意外というか、多分、私の中で凪良さんとおとぎ話系のファンタジーが結びついていなかったので意外に感じてしまったのかな。
表題作は、その結末も含めて、なかなかジーンとして良かったです。
で、後半の白虎の神様と桃の精のお話がねぇ…。
コモモは健気が過ぎて寧ろ卑屈だし、白虎は甘やかされすぎた我が儘っ子だしで、最終的な感想はギリギリの萌2.

0

優しく甘やかな、夢のような物語

なんとも心癒やされるファンタジー。
優しい世界観の中、切なさもありながら、
でも最後は幸せな気持ちで本を閉じる……
何度でも繰り返し浸りたい、甘やかな夢のような物語でした。

衒いがない王道の物語でありながら、
特に後半は凪良さんのテイストもちゃんとある、そんな一冊。


時は昭和、舞台は桃の畑が広がるとある地方。
過去に傷付きを持つ、桃農家の青年・亨と、
そこに落っこちてきた、天の桃の精・モモ。
天の桃はとても美しく可憐、そして健気なよい桃。
一方の亨もまた不器用だけれど一途……
ふたりの恋の行方は切なくも、最後は甘い。

という表題作もとても良かったのだが、個人的好みは
後半に収録された、書き下ろしの『虎と桃』。

天の桃の主たる西域の王・白虎。
銀の髪の美貌の神が可愛がるのは、モモと同じ木に生ったコモモ。
この上もなく美しく可憐なモモに反し、コモモは栄養が足りず
いつまでも熟さないみすぼらしい桃……

こちらの話は、切なくて愛おしくて涙がポロポロこぼれた。
麗しの白虎様の、素直になれないいじめっ子ぶりがなんとも好き。
可愛くてお続きかしくて、ウルウルしながらニマニマしながら読みました。

このまた続編、SSでいいから読みたいな!!


1

優しい気持ちになれる物語

作家買いしてる凪良先生の今作は、可愛らしくもあり切なくもありの童話のようなお話でした。
とにかくモモの可愛さに亨だけでなく私もやられました。
モモと亨が離ればなれになり、亨はその後も一人きりで歳をとり「えー!」となったんだけど、白虎様に感謝です!!
表紙のティーカップの使われ方にじ〜んときました。
ホント良かったね…モモ…。

2作目は白虎様とコモモのお話。
これまた一途なコモモがいじらしくって…!
ツンデレ?ひねくれ者?な白虎様にやきもきします。
想いが通じあった後、幸せになるんだよ…と親の気持ちになりました(笑)
エロは控えめな優しい物語で、読後はじんわり温かな気持ちになれると思います。

2

大事な夢は目を開いて見るもんだ ←いい言葉だー

表紙のモモちゃん可愛いなあと思ってget。
(手に持ってるカップ 大切!)
「闇を呼ぶ声」の応募券と当作の応募券と500円で
書き下ろし番外編小冊子が全員もらえるとのこと。
プランタンさんの回し者じゃないけど 一応お知らせ。

どのお話もせつない もしくはせつなさの効いた甘々話 という印象。
朝通勤車内で読んでしまい、涙をこぼさないよう堪えるのが大変でした。
車内読みは避けた方がよいかも です。

結婚式、妊娠(出産はまだ)、浮気などが地雷として
ありますが、そういうシーンはちょびっとだけ と思います。

1.天水桃綺譚 
  旧題 うすくれないのお伽話 小説花丸2008年掲載 を
  がっつりリライトしたとのこと。
  せつなーーーーーーーーーーーーい。落涙もの。
と書き下ろし3つ
2.お伽噺のあとで 1の後日談短編。甘めお話。
3.虎と桃:白虎様とコモモのお話。せつなめお話。
4.虎の仔 桃の仔 コモモの仔:3の後日談短編。甘めお話。

登場人物
モモ:天の白虎様の庭でなっていた桃。人型になる。
   酔っぱらった白虎様の起こした風に続きより天から落っこちる。
   純粋無垢、一生懸命。金髪翠瞳。
亨:バツイチな桃農家。言葉が足りない不器用さん。
白虎様:天の東西南北を守る四神の一人。桃酒好き。銀髪ロン毛。
    素直じゃない。神なんで割合尊大な態度(当然か)
コモモ:モモと同じ木になった桃。白虎様の身の回りの世話をしている。
    諸事情によりちっちゃくて未熟。早く熟したいと思っている。
    頑張り家。
勇:徹の親戚筋の子。亨の桃畑を継ぐ。一生懸命なワンコタイプ。

私は、銀髪ロン毛の尊大な白虎様が一番好き。
神様のくせに、不器用ったらありゃしない。
それが原因で 神様なんだけど必死に頑張らないといけない状況になります。
ご都合良くとはいかないので、白虎様も大変。
頑張った分だけ、報われてますので ご安心ください。

タイトルは 当作で一番好きなフレーズ。
いい言葉だな と、とても思いました。
さあ 明日も頑張ろう。

1

一途に誰かを想う気持ちは神様にも止められない

12年前に書かれた作品だそうで、凪良先生の作品に共通している『一途な恋』の原点かと思うと2作とも感慨深いお話でした。

1作目は、妻と上手く心を通わすことができずに独り身となった桃農家の亨が、天から落ちてきた桃の精のモモと出会い、その純粋さに頑なな心を次第に溶かされていくお話です。愚直に一途に誰かを想う気持ちは神様にも止められない。二人が起こした奇跡に最後は涙しました。

2作目はモモ達の育ての親である神仙白虎とモモの弟分の桃の精コモモのお話でした。こちらは、打って変わって、まるでギリシャ神話の大神ゼウスのような、ヤキモチ焼きで人間臭い白虎様に終始ニヤニヤさせられっぱなしでした。

2作とも、お話としては楽しめましたが、凪良先生の他の作品と比べて、恋愛面でのもどかしさや切なさがちょっと物足りない感じがしたので、評価は『萌』にさせて頂きました。

2

はぁ~、ラスト30Pはどうなのかな?

凪良先生大好きで、この作品もドキドキ、わくわくしながら読み進めて、途中うるうるしながらやっぱりいいなぁ~好きだわ~と改めて感じていたのですが、終わりが近づくにつれなんだか別の作家の作品を読んでいるような違和感がありもやもや…しました。
なので、この作品が大好きな方には後味のよくないレビューになると思いますので、ごめんなさい、スルーして下さい。

まずは神評価の部分から、というかほぼ神評価なんですが。
大きく分けて2つのCPの話。前半は桃農家の亨と天から落ちてきた桃のモモの話で、後半は神仙白虎とモモと同じ木に宿った桃のコモモの話となっています。
どちらも相手を思いやる気持ちでいっぱいの初々しい話で、お伽噺風のファンタジー色の濃い作品です。

亨とモモの話は12年前に書かれた作品を改稿した話とは思えない素敵な作品で『ショートケーキの苺にはさわらないで』をちょっと彷彿させる作品。
美しくピュアで一途で世間からはかなり浮いた存在のモモが、離婚の痛手から自分の殻にこもって周りと距離を置いている亨の固く閉ざされた心を少しずつほぐしていき、戸惑い、躊躇しながらも恋を受け入れていく流れ続きは王道ながらもやっぱり素敵。

中でも、モモの純真な思いとは違う恋情を伴う気持ちに歯止めをかけることができなくなる前に、間違いを起こし傷つける前に施設に入れようと考え山程買い物する亨に対し、モモのこれからも二人で一緒にご飯を食べるために紅茶用の茶碗を買ってもらって大喜びするシーンは特に切なくて、二人の意識のズレがますます話を盛り上げます。
たとえそれが悲しませることになろうとも、相手のために自らが身を引いてしまうという状況を描かせたら凪良先生は最高‼あぁ、やっぱりいいわぁ~と実感しました。

結ばれた直後に引き裂かれてしまい、再びモモに会うことだけを祈り生きる亨と、眠りについてまで泣き続けるモモ。相手を一途に想い続ける二人の姿にうるうる…再会したシーンでまたうるうる…
やっぱり一途に恋するっていいよねと思わずにはいられない話でした。うるうる…

後半は小さくて青くて固い見た目にコンプレックスを抱えているコモモが、見目麗しく色恋の盛んな白虎に身分違いの恋をしてしまう話。

恋心に全く気がつかないコモモに厳しい言葉ばかり言ってしまう白虎。好きな子にほど、意地悪したくなっちゃうのよね~ニンマリ。
コモモ本人はさらに自信をなくして、自らの恋心を隠すために亨の孫の勇を好きになろうとする始末。これがさらに白虎をイラ立たせ、酔っぱらって暴走の後、西王母により幽閉…困った神様だ

実際は幽閉されていたのではなく留め置かれていただけだったにも関わらず、そうとは知らずに必死に険しい山を登り瀕死の重症となったコモモが、助けに来た白虎に意識を失いながら今までの感謝と恋心を語るシーンはぎゅっと胸を締め付けられました。

白虎の自らの身を削ってまでコモモを生かそうとする想い、昼夜を問わず献身的に見守る姿が奇跡を呼び、長い眠りからコモモは目を覚まします。一途な愛は奇跡をも起こすのね、うんうん。と、終わればよかったのですがこの後に地雷が…

ここからは残念評価。
凪良作品を全て読んだ訳ではないので私の勝手な思い込みかもしれませんが、障害を乗り越えてやっと結ばれた二人でもめでたし、めでたしと終わらずに、年齢からくる焦りだったり、とりまく環境だったり、病気だったり、安全牌だと思ってたキモウザ彼氏が周りからはいい男認定されて戸惑ったり、焦燥感にさいなまれたり(笑)何らかの不安要素を抱えてながらも、二人で生きていこうとする姿勢が胸を打ち、全く揺るがない愛が凪良作品の良さだと考えていた私にとって…浮気って何?

相手を救うためにやむなく抱かれるとか、すれ違いから衝動的に誰かを抱いてしまうとか外的要素があってやむを得ず事に至るっていうならまだしも、やっとの思いで生き返ったコモモがいるのに、風の神様とはいえ浮気の虫が収まらない白虎の不誠実さにガッカリだし、バレて悲しませたうえに物で機嫌をとるとか最低だし、痛い目みてもまた性懲りもせず浮気してるなんて、はぁ⁉という感じ。
物じゃないのよ、大切なのはプライスレス!誠意でしょう、誠意‼
「浮き名を流す白虎様がコモモと結ばれた途端、全く他には目もくれず一途になりました」の方がよかったな…カミサマだって一途に恋して欲しい。

その上、結婚式、妊娠の話が続いてさらにちょっとウンザリ。妊娠自体は地雷じゃないけど、凪良作品でまで出てこなくてもよかったな…桃は性別がないし、いいのかもしれないけど…
せっかくページ数使うなら、小さくて青くて固くて全然熟れてなかったコモモが、白虎の優しさ溢れる言葉や舌や手や腰で昼夜愛されてどんどん美しく熟れていく姿が見たかったなぁ。

ラスト30Pがなかったら文句なしの神評価なのに…う~ん、残念です。

5

桃を隠すには桃の中

天界に生った桃の実であるモモは、不慮の事故で天から落ち、桃農家の亨に拾われる。亨の元で桃の世話を手伝ううち、モモはだんだん天に帰りたくない気持ちでいっぱいになり、亨もまたモモに対し恋情を覚えはじめ…。


『うすくれないのお伽話』という電子書籍作品の改稿と続編、そのスピンオフを加えた1冊になります。
電子書籍なので読めていなかった身としては、今回の文庫化はとても嬉しいです。続編やスピンオフ満載なので、電子書籍を読んだ方にも嬉しい1冊なのではないかと思います。

内容は、桃農家の攻めと、天から落ちてきた桃とのファンタジーBLです。
自分を桃だと言い張るモモを頭の弱い子だと思い込み、最初はあからさまに持て余していた攻めでしたが、その心根の優しさ、天真爛漫さ、可愛らしさにどんどん惹かれていきます。でも親から虐待を受けていた可哀想な子(だと攻めは勘違いしています)にそんな劣情を抱くなんて、と自分を許せずモモを手放す決意を固めます。
モモの方も、自分を匿ってくれ、ふわふわの布団で寝かせてくれ、食べたことのないものを食べさせてくれた攻めに惹かれます。行き違いのあと結ばれた2人は、幸続きせもつかの間、モモの主である白虎さまに見つかってしまいます。

健気で明るい受けは良かったのですが、攻めの視点で攻めが受けを持て余している様子などを見ているとあまり攻めに好意は抱けませんでした。
受けが攻めに惹かれた理由も、保護した受けに名前をつけ、ご飯を食べさせ、寝床を提供してくれたという感じで、これは攻めじゃなく他の桃農家さんが受けを保護していたらそっちに惹かれていたのでは…的な印象が拭えず。
でも、くっついたあとの2人はとても微笑ましく、幸せになってほしい気持ちでいっぱいでした。エロは実質1回だけなので、正直もっと読みたかったです。


スピンオフは、そのモモの主である白虎さま×モモと同じ木に育ったコモモというカップリングです。
個人的にはこちらの方が好きでした。攻めの傲慢さのせいで受けがピンチに陥り、攻めがそれを悔やむという攻めザマァ展開が大好物なもので…。
受けが人間の男に心を寄せたり、攻めが浮気性だったり、そういうところは萌えられなかったのですが、うるっとさせられる良いお話でした。

2

とても凪良先生らしい1冊!!

正直買う前に人外だと知ったときけっこう不安だった。しかし作家買いしてる作家さんなのでとりあえず買いました。読みながら、「これこそわたしが求めている切なさ!」とでも叫びたい。とても凪良先生らしい「泣ける救済話」の1冊なので、凪良先生の作品をまだ読んでいない方にはおすすめです。


かわいらしく、天真爛漫なモモが健気すぎて…読んでいて胸が締めつけられているように痛んだ(泣)。それと不器用で優しい男もじれったくて、もどかしさでモヤモヤした。
亨さんの最期の「せめてもの詫びの品」とアレを出すシーンで涙腺崩壊。凪良先生って本当にこういう小道具を活用して人の涙腺を崩す技がうまいな…と感心した。(「ショートケーキ〜」のあのセリフとか、「薔薇色〜」のアイスとか、「おやすみ〜」の花の名前とか…)
また、文庫化のおかげで「そのあと」などの書き下ろしもたくさん出してくださって、本当に出版社さまに感謝いっぱいです。亨さんとモモのラブラブな日々を自分の目で確かめることができて本当に幸せ。さらに白虎さまのスピンオフまで読めて、クールなふりする神仙さまの可愛さで身悶えそう。ちなみにこちらのスピンオ続きフも本編に負けないくらい切なさ満々なので、これから読む方は覚悟しておいてください(笑)。
2012年にもうこんな素晴らしい作品が書けた凪良先生に改めて脱帽。素敵な作品、ありがとうございました!

3

中国の神話風

2カップルのお話が収録されています。
前半部分の亨とモモのストーリーは“神”だったのですが、すみません・・・後半の白虎とコモモのストーリーは中立寄りの“萌”です。

亨とモモ
桃農家の亨は、妻と離婚して以来一人きりで畑の世話をしていた。ある時金色に光る美しい桃をみつけ、新種かもしれないと家に持ち帰ったところ、目を離したすきに桃は消え、そこには全裸の美しい少年が。(序盤はかぐや姫+桃太郎っぽい)少年は自分を天の桃だと言い、一緒に暮らす様になる。最初は不審がっていた亨だったが、段々とモモの一生懸命さと心の清らかさに惹かれ、養い子としてではない別の感情を抱くようになる。このままだと良くないと感じた亨はモモを施設に預けようと決意するが・・・。

モモがとても健気で、別れを選んだシーンは本当に悲しかったです。でも、人としての生を終えた亨と再会できたので、これから先はずーーっとふたりで桃園を守っていくんでしょうね。これぞまさに桃源郷ですな。お幸せに。


白虎とコモモ
美しく恋多き四神のひとり白虎と、モモと同じ木で育った出来損ないの桃、コモモの話です。
コモモはいつになっても続き熟すことない自分を恥じ、誰かと契れば熟すのではないかと、亨の身内である勇と恋しようと決意する。それは、熟す為だけでなく本当の気持ちを誤魔化すためでもあった。

コモモがかわいそうで辛かったです。結果的に恋を叶えられはしたけど、好色な白虎はこれからも浮気を繰り返す気がするし、元々の身分が出来の良くない桃だったゆえに、他の神仙からの当たりもきつそうです。地上に降りる前の白虎の心無い言動にも苛立ちました。

全体としては良いお話でした。桃たちのピュアさは愛らしかったですし、亨と勇の絆も胸が熱くなりました。相変わらず凪良さんの書く文章は素晴らしかったです。

1

初期の作品だそうですが

作家買いです。
凪良さんがデビュー前に書いた作品で、小説花丸2008年4月号に掲載されその後電子書籍で配信されていた『うすくれないのお伽話』に加筆・修正した作品だそう。

加筆したとのことですが、これだけの作品をデビュー前に書いていたとは驚きです。ちなみに電子書籍版の『うすくれないのお伽話』は未読なので、加筆・修正した部分については分かりません。残念。電子書籍ってあまり好きじゃないので手が出なかったのですが、読んでおけばよかったなと後悔しきりです。

という事で内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。






前半は表題作『天水桃綺譚』
こちらが『うすくれないのお伽話』のお話だと思われます。

一人の老人の昔話から始まります。
妻や子どもを持たない老人ですが、親戚筋の男の子・勇に自身の桃畑を譲ることになっている、入院している彼。その彼の語る、おとぎ話。

時は戦後間もないころの日本。

両親を亡くし、その後結婚するも離婚し、今現在はたった一人で桃農家として働く亨。
そんな亨は、ある日金色に輝く桃を拾います。新しい品種の桃かもと思い家続きに持って帰る亨ですが、その桃が一人の少年に変わってしまい…。

というファンタジーモノ。

自分は天に生っている桃。
酔った白虎さま(神さまのことらしい)が起こした風のせいで下界へ落ちてしまった。
と自分のことを語る「彼」は、金髪に翡翠色の瞳を持つ見目麗しい少年。

当然のことながらその少年の言う事を信じられない亨ですが、奇想天外なことを言うのはもしかしたら親から虐待を受け逃げてきたからなのでは、と危惧した亨はそのままその子に「モモ」と名付けしばらく自宅に引き取ることに。
桃と会話ができるといってみたり、食事や入浴といった日常生活がままならないモモに手を焼きつつ、一心に自分を慕い、気を配ってくれるモモに徐々に惹かれていく亨ですが。

まだ子どもで何も知らないモモに対してどう接していいのか悩む亨ですが、モモが仕えている神さまの白虎さまがモモを迎えに来て…。

ええ、そこで終わり?
と思ったら、なんとも優しい結末が待っていました。
白虎さま…、ナイスだぜ…。

モモが欲しがり、二人で使おうと買った紅茶用の茶器が、これまた素敵な演出を醸し出していて、思わずウルっとしてしまった。モモちゃん、それはご飯を食べる器じゃないんだよ、と思いつつ、モモの健気さが可愛くて悶えてしまった。

ハピエンを迎えた二人ですが、この二人のお話は前半半分まで。

後半はどういう展開なのかな、と思っていたらこちらは違うCPのお話。
タイトルは『虎と桃』。

モモが白虎さまに連れられて天に帰って行ったあと。
亨と別れることになり、哀しくて眠ってしまったモモ。
眠りながら涙をこぼすモモを不憫に思った白虎さまが、自身の手元に木を植え替えて自らお世話をしてくれるようになるのですが、モモが生っている木に新しく実を付けたのがコモモ。

モモが泣き続けていたため実がなるときに養分が足りず、小さい身体に出来損ないのような見た目のコモモですが、中身は思いやりにあふれた優しい子。
そんなコモモに冷たい言葉をかけつつ、それでも手放さないのが白虎さま本人で。

という事で、この二人が両想いというのは端から見てるとバレバレなんですが、当の本人たちは全く気付いていないという王道の両片想いの二人のお話。

自分などが白虎さまを想うことなど許されないと思ったコモモが取った行動は…。

で、ここで亨の跡継ぎとなった勇が登場します。
亨のおとぎ話を聞いていた彼はコモモの存在に普通になじむ姿がなんとも現代的。
戦後の(と言っても、戦後直後の設定ではありませんが)亨と、現代っ子の勇の比較がちょっとした小道具や描写等で描かれていて違和感なく話に入り込めるのはさすが凪良さんといったところか。

神さまたちの寿命は長いので、下界の亨や勇たちを見守りつつ、時系列としては長期にわたるお話でした。

コモモと想いが通じた後はベッタベタにコモモを甘やかす暑苦しい攻めさんへと変化を遂げた白虎さまに笑い、健気なコモモにウルっとする、なんともホンワカなお話でした。

個人的には亨×モモのお話のほうが好きかな。
天真爛漫で明るいのに、他人の感情の機微に聡く、そして一途に亨を思い続けるモモちゃんがとってもツボでした。

あ、そうそう。
凪良作品の『闇を呼ぶ声 -周と西門-』と『天水桃綺譚』の2冊+500円の負担金が必要ですが、凪良先生のデビュー10周年記念の書き下ろし番外小冊子が全サでいただけるようです。
興味のある腐姐さま方、要チェックですぞ。

12

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