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表題作天水桃綺譚

桃農家、29歳
モモ
天から落ちてきた桃

同時収録作品虎と桃

白虎
天にいる神さま
コモモ
天にいる桃

その他の収録作品

  • お伽噺のあとで
  • 虎の仔 桃の子 コモモの子
  • あとがき

あらすじ

天から落ちたモモは、桃農家の亨に拾われた。無愛想な亨と天真爛漫なモモ。ゆっくりと想いを通わせるが、それは許されぬ恋だった…。

作品情報

作品名
天水桃綺譚
著者
凪良ゆう 
イラスト
藤たまき 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829626306
4.1

(116)

(59)

萌々

(34)

(16)

中立

(1)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
17
得点
480
評価数
116
平均
4.1 / 5
神率
50.9%

レビュー投稿数17

良い桃(´ω`*)

凪良ゆう先生初期のお話なのだそう。
新人だからこそのストレートど真ん中と後書きにありましたが、私の萌えきゅんにもどストレートでした(*´ω`*)

天の桃林に生った桃の精のモモ。
四神の1人である白虎が起こした風で天から落ちてしまい、桃農家の亨の世話する桃畑へ。
天の桃なので、まさに純粋無垢なモモが、とても一生懸命で健気で可愛い。
とてもとても良い桃ですよ。
少しづつ心を通わせていく2人だけど、とうとう白虎に見つかってしまい、モモは天へ帰されてしまう。

苦しくて切ない。
再会できて本当によかった。
そこに至るまでの亨の愚直な一生懸命さや、モモの健気さとか、胸にくる~(つω`*)


次は、モモと同じ木に生った弟分のコモモのお話。
モモが泣きっぱなしで枯れちゃいそうなコモモのお世話を手ずからしていた白虎。
全くもって素直じゃない、面倒臭い神様ですわ。
コモモのこと、誰よりも何よりも愛おしいって思ってるくせにさぁ。
だもんで、コモモが消えそうになったのは、白虎のせいだと、誰よりも白虎自身が思っていて。
素晴らしく好みの攻めざまぁ(⌒⌒)
コモモの健気さには泣きそう。
こちらもそれはそれは良い桃でした(つω`*)

とても甘くて切なくて優しいファンタジーで、ふんわりします。

2

神話ベースの「天の桃の精」の話

あとがきによると、デビュー前の作品の改稿が「亨とモモ」の話。
書下ろしが「白虎様とコモモ」の話。
出だしは、こんなスタイルから始まったんだなーと、弱者や不器用な人に向ける視点=芯は変わらないけれど、くるんでいた小説の肉付けの違いに少し驚きました。

桃園の主、亨は言い訳や鳥繕いが苦手な正直すぎる不器用。実はとても繊細で傷つきやすい人。昔の恋人の元へ逃げた妻へ自分の不器用な態度を詫びたくて罪の意識をずっと持っていた。
突然桃から変身したモモは、スモモ・コモモの兄弟がいる、枯れそうな細い天の桃の木に実った三つの桃の実の精。

短編の「うすくれないのお伽話」の改稿。
モモは、天界から風に飛ばされて地上に落ちて、人間の亨と恋をした。
天界に連れ戻されて生き別れとなった後、亨はずっと独りを貫く。
桃畑を相続させた幼い勇に、美味しい桃の育て方のヒントとして「とおるとモモの物語」を伝え終わると、寿命が尽きる。
亨の魂を白虎神が迎えに来て、天界で亨はモモと再会。涙 涙 涙の純愛。

モモの兄弟、コモモは白虎神に仕えていた。気に入られて白虎神の妃となり、懐妊する。
コモモは、良い後継者の出産を期待されるが、期待が重荷になって一人でモモ畑まで散歩に出る。コモモの気持ちを聞いて、白虎神がまた惚れ直す、というお話。

続きの予定があるらしいので、探して読んでみたい。
神話がベースの桃の精の恋愛物語、著者の真面目に努力する目立たない路傍の光る石をじっと見つめる愛は、昔から変わらないんですね。

2

泣けました。

天から落ちてきた桃と、桃農園を営む亨のお話。
周りの勧めで一度結婚したが、嫁に逃げられ、両親も他界。
独り身の亨がある日、桃を拾った。
持ち帰ると、桃はなく一人の全裸の少年が。
モモと名付けられ、一緒に暮らすようになり(保護?)モモと亨は、ゆっくり好きあっていくが。。。

モモが可愛くて、可愛くて!健気で泣けてくる!
お別れの場面は泣けました!
最初に、年老いた亨が出てくるので、別れがあることは気づいていましたが、その先がホントに良かった!
私的には、亨とモモで十分幸せな気分だったので、白虎とコモモの話は、なくても良かったかなぁと。面白かったのですが、後半に結婚、妃、懐妊など、BLでなくてもいい感じの流れになってきたので、冷めてしまいました。なので、萌×2評価にとどまりました。
桃が、女の子なら児童書などで出ていても、違和感ないかもと言う感じの、ファンタジーなお話でした。

6

一途な恋の健気さ、尊さに、幸せな気持ちになる

夏の終わりごろ、凪良さんが「うちの桃たちもよろしくです」とツイートされていて、読んでみたくなりました。

モモ(受)は天上の木に生る桃でしたが、ある日、白虎様の不注意で地上に落ちてしまい、桃農家の亨(攻)に拾われ、桃畑の手伝いをするようになります。妻が出ていってから頑なに閉じていた亨の心が、純真なモモと過ごすうち柔らかくほぐれていく描写に、温かい気持ちになります。

亨は、同性のモモに初めての恋をしたことで、元恋人へ走った妻の心のうちを理解していきます。世間的に許されない、亨の恋、妻の恋。ふたつが胸に迫ってきて、とても切ないです。
妻が去った理由が、慣れない農作業が嫌だったとか、亨の至らなさとかではなく、ただ恋しい男の元へ行きたかったからだと分かったとき、亨の心は解放されたのでしょう。不器用な亨のモモへの愛の告白が、素朴で真っすぐで、尊いと思いました。
二人が初めて体を重ねる場面は短く、直接的な描写はほとんどありませんが、二人の想いが甘い桃の香りに重ねられ、とても優しい印象を残します。

結ばれた途端の二人の別れは、たまらなく切ないですが、最後のあっと驚く展開は、『奇譚』というタイトルにふさわしい意外性に満ちています。一途な二人の想いが白虎様の心を動かし、再び結ばれる姿は、幸せな甘い味わいで、まるで桃の果実のよう。晩生の桃を食べながら、そう思いました。

同時収録の「お伽噺のあとで」、「虎と桃」、「虎の子 桃の子 コモモの子」は、モモの弟分・コモモと白虎様の恋のお話。またもや白虎様の不注意で、亨の畑を受け継いだ勇の元にコモモが落ちてしまい、白虎様とコモモはすれ違ってしまいます。
白虎様が、表題作のときよりも人間臭く(?)、偉そうな態度にコモモへの想いが見え隠れして、フフッと笑ってしまいました。大声でわんわん泣いたり無茶をするコモモは、表情豊かで可愛いです。あわやコモモが絶命しそうになる波乱を越えて二人が結ばれるまで、ハラハラしながら楽しく読みました。

それにしても、桃の栽培は手がかかるものなのですね。農家さん、たくさんの愛情をこめて世話していらっしゃるのでしょうね。来年はもっと桃を食べたくなりました。そして、この作品をまた読み返そうと思います。一途な恋の健気さ、尊さに、幸せな気持ちになりました。

6

この上なく愛おしい御伽噺

人の子・亨と天の桃モモ、四神・白虎様と天の桃コモモ のおとぎ話。
ファンタジーです。
涙腺緩い私は、相変わらず号泣です( ;∀;)

こういうおとぎ話系もファンタジーも大好きです!
とにかく可愛い!
愛するという事の尊さ、愛しさを教えて貰いました。

亨とモモのお話は本当に素敵な恋物語でした。
どのシーンもやり取りも本当に可愛くて。
そして、白虎様の人間臭さ。
モモもコモモもスモモも、この桃の木に生る桃の素直さは格別です。
スモモの物語も読んでみたいです。
性質の良い桃達、本当に愛おしいです。

これは時々読み返したくなる上質なおとぎ話だと感じました。

そして、表紙絵!
最初見た時は不思議だったのですが、
読了後だとティーカップのこのイラスト見るだけでうるっときてしまいます。

早く桃の季節にならないかなぁ~。
天水桃、食べたいっ!

4

marilyn

snowblack さま、こんにちは!
コメントありがとうございます!
ピュアで可愛い素敵な物語、また大好きな作品がひとつ増えました!
小冊子応募があったので購入したのは確か桃の頃でしたが・・・積み本多数です(;・∀・)
桃の季節迄まだ我慢ですが・・・また桃の季節に再読したいなと思います♪

snowblack

marilynさま、こんにちは。
『天水桃綺譚』素敵でしたよね〜
こういうピュアなおとぎ話は、一つ間違うとわざとらしかったりあざとかったりもするのですが(と個人的には思うのですが)これは気持ち良く泣かせて貰いました。
私も涙が止まらず、そして桃が食べたくてたまらず(丁度桃の出始めの季節に読みました)でした。

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