いい加減、俺に喰われちまえって。

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表題作カフェ・ファンタジア

嘉嶋昴大,21歳,カフェ店員
麻木浩夢,18歳,カフェ店員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

とある街中にあるコンセプトカフェレストラン「ファンタジア」。そこで天使のコスプレをして働く浩夢は、実は人の「夢」を主食にしていた。そう、「ファンタジア」は、普通の食べ物以外を主食にするちょっと不思議な人が働くカフェなのだ。「夢」を食べさせてもらうため、「欲望」を主食とする昂大と共に暮らしているが、悪魔のコスプレをする傲岸不遜で俺サマな昂大は、浩夢の欲望を引き出すため、エッチなことを仕掛けてきて――?

作品情報

作品名
カフェ・ファンタジア
著者
きたざわ尋子 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344840263
2.8

(5)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
13
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

異能持ち+コスプレ喫茶

きたざわ先生4作目。
カワイ先生の挿絵と、カフェという単語に惹かれて購入。
が。あらすじにあるように、ファンタジー話がメインでした。
カフェも、スイーツがどうとかコーヒーの豆がどうとか というお話より
コスプレ喫茶。そして天使(♂)と悪魔(♂)のカップリングに萌える
女子たちが押し寄せる店(笑)
ほんとにこんな見目麗しいリアル男子がいるなら、行ってみたい。
本編120P(リンクスさん掲載、加筆修正) くっつくまで と
くっついた後 110Pほど、書下ろし。
かわいめお話でした。

カラー口絵は上半身肌色の二人絡み図、ほわほわピンク色
(受けさん 感じ中♡)。
表紙の二人の格好は、コスプレ喫茶の二人の制服。
あと表紙周りにちみっこく描いてある各種キャラは、全て登場人物。
みなさん異能持ちで、古い時代の血が出てしまった一族という設定。
アリス:最年長。割合やりたい放題な印象。男前な言葉遣い。
ラルフ:金髪ロン毛。まとめ役。
その他 肉食の動物遣い、雪女系が出てきます。
後編では、ニューキャラお子様が一部ご活躍。

******以下 よりネタばれ

お話。
一族の説明や、異能のブラッシュアップ活動や、
見つけられた同族の保護運動等が記載されていて、
ラブ話がややあっさりしているような感じがしました。
入れ込む暇もなく、くっついてしまったような印象です。

後半はニューキャラお子様が、つんつんさんで可愛いけど
10歳なんで恋愛話に参戦するには至らず、可愛いお邪魔虫程度で終了。

メインカプ(ケンカップルまでには至らないですが、きゃいきゃい騒ぎながら
いちゃこらするタイプに感じます)が、好きなタイプだったので
もう少し盛り上がると良かったんだけどな と思いました。

4

ファンタジーっぽい先祖返り





「表題作」+「ファンタジーは日常に」のに2編。どちらも受け視点

原因不明の体調不良に悩まされていた麻木浩夢(受け)は、出会い頭に「うまそう」といって近づいてきた男・嘉嶋昂大(攻め)に突然キスされ倒れてしまいます。病院で気が付くと、父の親友だという男・ラルフが側にいて、自分たちは古の血が濃く出た人間でそれぞれが特殊なものを摂取しなければならない仲間だと聞かされ、ラルフのもとに身を寄せることになります。

小さい時に母と死別し、施設で育った浩夢は父親を知りません。ラルフに会って初めて、父親・ユベールは10年ほど前亡くなっており浩夢のことを知らずにいたと聞かされます。ラルフに保護されることになった浩夢はラルフのもとで「カフェ・ファンタジア」というコンセプトレストランで働くことになるのですが、名前の通りファンタジーの世界の住人(狼男・吸血鬼・雪女・天使・悪魔・他)に扮して給仕するお店です。ちなみに浩夢は天使。
浩夢は父親と同じく夢を食べなければならない体質で、意識して夢を食べるようになってからは体調も非常に良くなります。
夢を食べる以外に触れた相手の夢をのぞいたり干渉したりすることができるそうで、浩夢も訓練してできるようになって欲しいとラルフに頼まれ、ほかの仲間のためになるならと快く引き受けるのですが、その練習台には昂大が選ばれます。出会いが最悪だったため警戒するのですが、他に候補がいなかったため(夢を見られるのを嫌がった)しぶしぶ昂大を練習台にするのです。

昂大は人の欲望を食べ、食べた相手を操る能力を持っています。初めて会った時、浩夢は飢餓状態だったため、浩夢の食欲につられて思わずキスしてしまったのでした。
一目惚れ状態で浩夢が気に入った昂大は浩夢に夢を食べさせる代わりに浩夢の欲を食べるという持ちつ持たれつで同居生活をすることになります。早々に浩夢に告白した昂大は、ラルフから同意なくキス以上のことはしないよう釘をさされているため、両方の意味で食べたいから早く自分を好きになるように迫ります。


浩夢たち仲間が特殊な食べ物(「血(輸血用)」・生肉・油・夢・欲・記憶)を食べ、それぞれの能力もその食べ物にあったもの(生肉は動物を操ったり)というのが、普通ならモンスターと呼称されるはずですが、それを人としての特異体質なだけで、進化し損ねた古の血が濃くでただけの先祖返りだという設定がちょっと新鮮でした。また、同族愛が強く、独占欲などがない仲間たちはそのせいで恋愛して子供を産むこともなく(恋愛に関してはユベールと昂大のみ)、また直接遺伝するということもないため(浩夢が初めての例)数が減る一方だというのもこんな能力のある人たちの数が少ないことの納得できる
理由だったように思います。

浩夢が夢を干渉する練習のため昂大の夢をみることにより、‪一時‬期一緒に暮らしていたという昂大の夢に登場したユベールと邂逅し、父へのわだかまりがなくなってよかったのですが、それ以外の昂大の夢(浩夢と昂大の性交)を見せられたりするのはちょっと気の毒でした。とはいえ、夢なんて一番自分が無防備で意識できるものではないので、それに文句を言われていいところで邪魔される昂大は昂大で気の毒でした。で、そんな普通なら気
まずくなりそうなものを見られても平然と「いいところだったのに」と言い返せる昂大の図太さにも関心しました。

早く好きになれと言われて本当に好きになってしまうのはちょっと絆され過ぎな
ような気もしますが、同族愛しかなく基本恋愛をしない彼らの中からちゃんとしたカップルができたことはこれから仲間の中でなにか進化があるかもという希望が見えた終わりでした。


「ファンタジーは日常に」

ネグレクトにより病院に収容され見つかった仲間とみられる少年・翔真を浩夢が夢の中でカウンセリングのようなことをして、彼の食事を見つけ心を開き助ける話です。
すっかり浩夢になついた翔真が浩夢に執着するので、昂大との火花バチバチ状態は読んでいて楽しかったです。表題作では余裕だった昂大がたった10歳の子供(内面は+10は年取ってると思われる冷静な少年だとはいえ)にイライラさせられるのが少し驚きです。
治癒魔法使いがいるため仲間は基本年を取ることがないため、青年になるまで成長続ける(本人の申告により成長を止める)であろう翔真が二人に追いついたあたりにもっとすごいバトルを繰り広げるのではとちょっと楽しみです。

翔真を引き取ったことにより事件が勃発し、浩夢とともに危機に陥るのですが、それも一瞬で、仲間全員がその能力を使って解決するのがとても面白かったです。
このメンバーで事件を解決する話がもっと読みたいと思いました。

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