電子限定描き下ろし漫画付き
『一枚越しフェティッシュ』の柊真(とうま)のサークル仲間の綾野と金田のスピンオフ。
間違えてこっちを先に読むと、あちらを読んだときにひとつジリジリ感を逃します。
さらに前作を読まずにこちらだけ読むと、関係性が全く違うものに見えます。
服飾の専門学校に通っているからには、成人式にカッコいいスーツを着たい!
そう思った綾野は、金田にスーツの見立てを相談するが…。
『一枚越しー』をずいぶん前に読んでいたのでスピンオフと思わずに読みました。
なので冒頭部分から、綾野は陽キャで金田は隠キャ。ふだんはあまり関わりのないグループに属しているんだと思い込んでしまいました。
いや、だって、「俺なんかに頼んでくれるなんて…」みたいな金田の反応、絶対親しくない相手への反応でしょう。
気になって『一枚越しー』を読み直したら、超仲良しでいつもつるんでる風。
この違和感…。なぜこうなった。
それを置いておいても、この話は綾野と金田がメインというより、写真家ナインのお悩み解決シリーズ第一弾という様相です。
それほどにナインというカメラマンががっつり絡んできて、体を縛ることで自由を奪って、綾野の心を逆に解き放つみたいな。
思わずナインのシリーズがあるのか調べてしまったほど、途中からナインが主役でした。
描き下ろしまでがっつり登場してました。
それにしても綾野が若干病的で、1日に何回抜いてるんだ!?と心配になるくらいの頻度で、むしろ何かの暗示にかかってるような状態にすら見えてきます。
恋心というより、肉欲のみ!みたいな。
心理描写を楽しみたい方なので、「あ、金田…。うわ、勃った!オレ、どうしちゃったんだよ…!?」という場面の繰り返しに萌えることが出来ず。無念です。
あらすじの「友人・金田の王子様のようなスーツ姿を見てから妙に意識して、金田に束縛されている自分を思い浮かべて抜いてしまったり……」
というところが、正直無理がありすぎました……。
それまで何とも思っていなかったのに、スーツ姿を見て以来、何かと親友の姿を思い浮かべてはオナニー三昧ってどうなの?って。
色んな女とフラフラしつつも、誰かが自分を束縛するほど愛してくれて、自分もたった一人を愛することが出来たら……という願望を持ってるだけで、決してSM好きというわけではなく、精神的に束縛されてみたいというやつ。
そんな受けが、人気のカメラマンユニットのヌードモデルを引き受けることになり、カメラの前で色々暴かれていく……というところは確かにエロティックなのだけど、他の男の前でおっ立てた姿を晒している受けに妙な残念感というか、その場にいない攻めに思わず同情してしまった。
だって攻めにしてみれば、好きな男のエロい姿は死んでも他の男に見せたく無いだろうし、そんな男達に晒すならまずは俺に見せろよ!ってところだと思うの。
憤死するよね……
そして、このカメラマンユニットの存在が唐突&胡散臭すぎる……。
こんなやつらの力を借りて、気持ちを通わせている攻め受け二人に、何やってんだよ……と思ってしまうというか。
この二人の話に関しては「中立」なんだけど、「一枚越しフェティッシュ」の番外編が入ってたので「萌」で。
『一枚越しフェティッシュ』からのスピンオフです。前作では変人柊真の友達で常識人ってイメージだった金田くん。確かに誰かに恋してる伏線はあったけど、綾野くんのことはすっかり忘れてました。なので、前作を読まなくても問題はないですね。
縛という文字からSM的なことを連想しがちですが精神的な束縛というか、この人でないとダメだという意味の縛りでしたね。綾野くんが金田で妄想し始めたことって金田のスーツ姿と耳元で囁かれたことなのかなぁ?もしそうだとしたら、金田くん、自信無さそうなこと言ってた割には自分の見せ方知ってるわぁ。
全体的にピュアっぽい二人(←最初の頃の綾野くんの女子との付き合いは違うけど)で綾野くんの鈍さにハラハラしてしまいましたが個人的にはナインの先生に少し言い寄られてほしかったかな。先生が大人すぎて、いい人過ぎるのがもの足らない気がしました。
楽しく読みました。
攻の、かっこいいけどヘタレで恋心を秘めてて、大柄の体型ていうのが、個人的に好みのキャラ設定です。
スピンオフで、前作を読んでいたけどすっかり忘れてて、でも全然単体で読めます。ただ、後の短編が前作のカップリングなので、そちらも楽しみたい場合は読んでいた方がいいかも。後から読んでも問題ないです。
緊縛はSMを期待すると、違うかなーと。いじめられたりが苦手な方は、心配しなくても読めると思います。
金田くんの秘めたる恋心と、スーツ姿がよかったかな。綾野くんが金田くんを意識する動機がイマイチ弱かった気がしますが、両片思いをくっつける手段として緊縛が使われてるのは、エロくて良かったと思います。
「一枚越しフェティッシュ」でなんか伏線ありそうな、と匂わせてた金田くん関連のスピンオフ。
前作では、金田が「誰か」を好きなような空気を出してたけど、本作は綾野視点から始まります。しかも女性との事後。
どんな女とヤってもつまんない〜的な、モテ男の愚痴?ほんとの恋はまだなのーみたいな。
肝心の金田はやはり綾野に片想いしていて、でもヘタレで何もできず、という背景です。
綾野が成人式用のスーツを買うのに金田に付き合ってもらう、という所から物語は動き出します。
実は金田は老舗テーラーの御曹司。
着こなしも知識も満点の金田にトキメキを感じて慌てる綾野。Hな妄想が止まらない。
そんなモヤモヤを抱えている所に、緊縛写真が密かな人気の男性ユニット「ナイン」にモデルを依頼され…
ここでテーマの「緊縛」が出てくるわけだけど、SM的な快感に目覚めるという話ではなくて、「ナイン」の撮影を通じて金田への欲情を暴かれる、という展開。
急に「男」で「親友」の金田に欲情して自慰三昧になっちゃう所とか色々突っ込みどころはあるし、リアリティに欠けるが故の説得力の不足は確かにあると感じますね。
エロシーンも急に擬音多め・喘ぎ多めとも感じますがラブが感じられる所は良かったです。
で、また登場人物の思わせぶりな雰囲気が出ています。これはまたここからのスピンオフもありなのかな。「ナイン」の2人と、テーラーの三池さんも。
一枚越しフェティッシュ番外編「スーパークローズホワイト誕生」
柊真x黒江のピッチリコスチュームでの着衣エロ。非常にエロいです。
描き下ろし「純縛ジェラシー」
CPになってからはすっかり大胆にヤってる金田x綾野。
ナインで撮影した写真が出来上がり、コラボの打ち合わせに行く話。
2人のキスに「純愛」が溢れた瞬間を切り取った一枚が、とても綺麗です。