電子限定特典つき
俺 お前に見られるとヤバイから…
イケメンで人生イージーモード感のある教師が男子生徒に好かれて『ついに男にまで好かれるオレ、どうしよ・・・』と思っていたら勘違いだった、という出オチが!最高!
勘違いとわかっても、時すでに遅し。その生徒のことが気になって気になって仕方ない。
このままゆったり進んで行くのか?と思いきや、なかなかの急展開です。表題作は後日談含め116ページ。ボリューム的には全然足りないですが、短い作品の中に萌が詰まってます!
無自覚にグイグイくる年下もイイですが、自覚して“あえて”な年下もまた一興です♡
同時収録は、アパートのお隣さんでコインランドリー仲間な二人の話。距離感がもどかしい、モゾモゾ系(日本語が不自由)。こちらはもう一つ、と言う感じでした。
個人的に同時収録作の「水曜のクロノスタシス」がとても印象的でした。
古いアパートに住む、お隣さん同士の財前と岬。
洗濯機は外置きしかできず、二人は毎週水曜日の夜に家から徒歩7分のコインランドリーへ一緒に行く約束をしている。
ゆるっとした雰囲気のショップ店員の岬と、せっかちで怒りっぽい会社員の財前。
二人の性格は正反対なのに毎週水曜日にコインランドリーに行く、只それだけのお隣さん。
前編は岬視点、後編は財前視点で描かれています。
短いお話しながらも二人の心理描写が丁寧で、想いが通じ合うまでのモダモダ感を存分に堪能できました!
前編はとにかく切ない!
財前と二人で過ごせる時間を淡々と数えて、わざと幼稚なやりとりで一緒に過ごす時間を引き伸ばして…という岬の努力や恋心が痛いほど伝わってくる。
また、タイトルにある「クロノスタシス」の意味が回収されるシーンが本当に切なくて、辛い。
アパートからコインランドリーに行く。
只、それだけの日常を切り取ったようなスローペースな物語なのに、二人の何でもないやり取りですら、終盤はヒリヒリとした緊張感が漂っていて胸を締め付けられました。
心理描写が丁寧で且つ、前編・後編・番外編とあるので、短編ですが世界観にどっぷり浸かれますよ!
前編の切ない終わり方でも個人的には神評価でしたが、後編で無事に二人の想いが通じ合って結ばれるのでハピエン好きな方もご安心を!笑
短い物語ながら濃密で、短編映画や深夜ドラマのような良質な世界観でした!
日乃先生初読みです。
この繊細な画柄とストーリーがとてもマッチしていて心地良い。
主人公 高校教師の桐野は、
ある一人の男子生徒 隼人から強い視線に気付き戸惑います。
ここら辺の心理描写、目線がリアル、とても上手。
2人の会話は至ってシンプル。
なのに
多分自分の事を好きなんだろうと感じさせる瞳。
困りますよねぇ。女の方が好きなんだもんねぇ。
隼人は至って普通の男子高校生ですから。
本当に困るよねぇ……
ぐはぁ。もう、サイッコーですね。
相手が見ていると言うことは、即ち先生も意識してる。
恋をした瞬間です。
2人の間の目線の先、矢印→が繊細で萌える。
しかし、隼人はただただ前を見ていただけかもしれないですね。
そうじゃなきゃ 「カッコいいんだ」 の台詞は出ませんから。
先を、未来を見ていた訳では無かった。
そして今度は目が合わなくなる。即ち其れは……
水曜のクロノスタシスも想像以上の素晴らしい作品でした。
ページ数少ないのにキュンキュンした。
詩情的な2人の空気が良い。
中々このような作品が描ける作家先生って少ないですよね。作家買い決定です。
お目々キラキラの作画はどちらかと言えば好みではないのですが、表紙の男子高校生くんの瞳に惹かれて読みました。
男子高校生に憂鬱1〜3話
高校生×教師のお話です。
たまに意味なくジーッと見つめる癖のある人いますよね?早乙女くんもしかり。
だけど桐野先生、自分の事が好きなんだと誤解しちゃいます。意識しちゃって、変な態度をとってしまう。
早乙女くんも早乙女くんで、先生は自分の事を…と思い始めてて…。
卒業生の憂鬱
早乙女くん目線のお話です。この回めっちゃ好きです!
晴れてお付き合いするようになった二人。
卒業まではHはしなさそうですが、やるときはどちらがどっちをするのかと、早乙女くんから素朴な(?)質問が。
早乙女くん的には攻め希望。
背が先生より高くなったらそれでいいよ、と。
卒業式の日、先生より背が高くなった早乙女くんの姿が…。
第二ボタン、先生のために取っといたとか、ボタンのお返しに先生ちょーだいよとか…キュン♡
先生への気持ちが溢れ出すモノローグがまた良いんですよ泣
年下彼氏の思惑
前からか後ろかどっちが好きか聞いてくる早乙女くん。
キスする時も顔を見たいからわざと目を開けてるとか言うし、無自覚に恥ずかしい事を言わないで欲しい。という先生の心の声。
無自覚?…まさか?
水曜のクロノスタシス 前後編
レビューを見ると、こちらの方が人気が高いようですね。
私は表題作推しですが、こちらも素敵なお話です。
アパートのお隣さん同士が毎週水曜日に一緒にコインランドリーに行って洗濯するって話です。
もっと一緒に居たいから、時間稼ぎをしたい岬くん。
だけどそう思ってるのは自分だけみたい…切ない片想い?
後半は財前くん目線のお話になります。
岬くんに別れ際にキスをされて二週間。
顔をあわせることも連絡もお互いにしない。
なんと岬くん、何も告げずに引越しちゃったんですね…普通ならそのままもう二度と会えずにバドエンパターンですよね。
しかーし、財前くんも引越ししてお隣さんが…岬くんキター。
当たり障りのない、お互い何もなかったかのような会話をして別れようとした時!財前くんが岬くんを追いかけて…。
財前くんの面倒くさがり
毎日部屋にくる財前くんだけど、ホントに来るだけ。
恋人同士みたいなイチャイチャも一切なし。
俺って財前くんのなんなの?俺の事好きなの?
俺は好きだよ?
面倒くさがりというより、照れ屋さん?可愛い♡
◆男子高校生に憂鬱(表題作)
予想とはまったく逆方向に進んでいったストーリーなのですが、良い意味で予想を裏切ってくれ、日乃先生の巧みな脚本力に引き込まれた作品でした。タイトルや表紙から、この男の子が健気に誰かを想う話なんだろう、きっと受けかな、と勝手に想像していたのだけど。表紙の生徒・早乙女にじっと見られていると感じていた、教師の桐野。彼はいつの間にかその瞳の魅力に抗えなくなっていく。でも、早乙女のそれは癖のようなもので、桐野に対してだけやっているわけではないんです。
相手が自分を見ているのか? 自分が相手を見ているのか? 相手のことが気になって仕方ないのは一体どちらなのか…。本当は最初から、自分の方が相手の虜になっていただけではないのか。心のそんな繊細な揺らぎが炙り出されていて、共感せずにはいられませんでした。結構あるあるだと思うんですよね。でも、勘違いが本当にもなっていく。桐野の態度に早乙女も感化されて、彼もまた先生が気になって仕方なくなっていくんです。そして、彼は桐野の可愛らしさをどんどん引き出していくんですよ。女慣れしていた桐野が、あんなにも可愛い男性だったとは思いませんでした。己ではコントロールできない本物の恋に落ちたんだなぁと。桐野を困らせることを言いつつも、素直に牛乳を飲んで身長を伸ばそうとする年相応さもある、早乙女のキャラも絶妙でした。
◆水曜日のクロノスタシス
こちらもモノローグが素敵で、萌えた作品です。詩的過ぎて難解というほどでもなく、あっさりし過ぎて読み流してしまうというほどでもなく、適度に詩的で適度に物語に馴染んでいる。そんなモノローグが好きなんです。クロノスタシス。速い眼球運動を行った直後に最初に見たものが、長く続いて見える現象のこと。たとえば、時計の秒針が止まって見えるとか。あの手この手で2人の時間を止めようとしてきた岬の健気さ、それに気付かぬふりをしてきた財前の狡さ。どちらも必死で可愛くて。いい大人同士の駆け引きって、もどかしいけれど見ていて楽しいですね。