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初めて読んだ星野リリィ作品。
ファンタジーなイメージの強いリリィさんだが、魔法が使えなくてもある意味かなりファンタジーテイストでは・・・と言うくらい、本作はぶっ飛んだ設定だった。
舞台は旧家の艸田(そうだ)家。
「長男夫婦に産まれた子が男の子だった場合には次男以下の男子は同性と結婚する」というしきたりにのっとり、艸田家・次男の慎二が同級生で分家の葵を花嫁に迎えるお話だ。
この手の花嫁もので今まで読んだものと言えば、その殆どが男嫁というありえない設定にもかかわらず、割とすんなりその状況を受け入れているものばかりだった。
葛藤するのはふたりの恋愛部分ばかりで、嫁設定への違和感や疑問点はまずなかったような・・・。
もちろんそういう突き抜けたものも好きなんだけども、この作品に関してはちょっと違っていた。
艸田側の慎二にはしきたりへの反発心が相当あり、冷めた態度で葵に接する。
しかし貰われた葵は慎二対して超熱烈。
なので序盤はその辺りの互いの温度差が切なくて、うっかりのめり込んでしまった(。´Д⊂)
それに旧家ならではのレトロな屋敷に、縁側、障子、石畳。
パジャマじゃなくて浴衣だったり、ベッドではなく布団というセレクトも個人的に非常に好みだった。
なぜ葵が慎二に対して熱烈なのかいうのは、まあ幼い頃から抱いていた恋心があったからなのだろう、ということで説明はつく・・・かな?
やや葵が女性ぽくて(見た目もそうだが、とにかくベソベソとよく泣く)その点は気になる方もいらっしゃるかもしれないが、そこはリリィさんテイストと言う事であまり気にされないように(笑)
その他では、慎二の甥にあたる律とその嫁・公一郎の話も収録されている(20年は先の話になるだろうか)。
彼らは次作「花ムコさん」の主役たちとなる。
これまた叔父カップルとは違った苦悩・葛藤があるのだが、それは別の機会に。
男の花嫁なんて馬鹿らしい!読めるか!と思われるかもしれないが、読み終われば何だか意外としっくり馴染んでくるぞ?という気分になること請け合い。
あれだけ当初は葵を毛嫌いしていた慎二が、自分の気持ちを確信した瞬間から、ベタベタの甘々男に変化する様は少し笑えるくらいだ。
そしてその気持ちに思わず葵が泣いてしまうのも仕方ない事で・・・・・・きっちりラブストーリーを読ませてくれるリリィさんの手腕をとくと堪能してほしい。
後継者争いを避けるため
男同士で結婚するしきたりの家でのお話。
この設定は、このまま飲み込みました。
そしたら「うおー、なんだこれ、きゅんきゅん来る」が味わえました。
久しく読んでない少女マンガ的感覚、懐かしい種類のきゅんきゅんデシタ。
花嫁くん(葵)の表情がコロコロ変わる。
泣いたり微笑んだり、怒ったり。
それが押しが強い風に仕上がってます。
亭主を立てながら、しっかりと自分の思い通り。
自分から誘っといて、いざの時に絶妙な拒み方!
分かってらっしゃる。
そして無意識に煽ります。
これ全部天然でやってますから、男は放っておけませんよね。
天性の花嫁ですよ、葵は!
学校でも(2人は学生)お弁当でかわいい奥さんを発揮。
葵の幼なじみ登場で艸田の嫉妬心をしっかり煽り、グッとキョリを縮める2人。
でも艸田の妹(三咲)だけがまだ認めてなくて、
嫌がらせが始まりますけど、結果オーライです。
それにしても葵さんよ、泣きすぎじゃないかね。
乙女より泣いてますよ。(ん?乙女って何?)
とにもかくにも、感情豊かな葵だからこそ
きゅんきゅんなお話でした。
《花婿さん》
艸田慎二の兄の子供(次男・律)が結婚するお話。
慎二&葵の甥っ子です。
律がもらうのは年下の花嫁、公一郎。
花嫁が攻めで花婿が受けです。
公一郎、若いからなー。
律のこと好きすぎて突っ走っちゃうのよね。
2人は夫婦になれるのかは、続巻の《花ムコさん》で。
《すべてにかえて》
24才が学ラン着ます。
警護する人なのに守ってあげたい感じ。
ナイフ持って襲ってくる女子がスゲーっす。
BL的感想じゃなくてすいません。
ナイフ女子の装備がスゲーっす。
《いつでもお逢いできるなら》
遊廓もの。
リリィテイスト着物かわいい。
女の子にしか見えないけど、この本1冊通して見りゃ
これが1番大胆なアングルエチ。
《花嫁くん・出産編》
《花婿さん》に登場した律のお兄さん、“節”が赤ちゃんの時の風景。
とっても自然すぎて、2人の子供かと錯覚しちゃいました。
なんか、本当にがんばればできそうな気がしてしまうんだな、この2人。
星野リリィさんの作品の中で、一番好きなお話です。
何といっても、花嫁くんの葵が健気で可愛いんです。
艸田家では、長男夫婦に男の子が生まれると、次男は同性と結婚するという(何て素敵な)しきたりがあるのです。そして、慎二もしきたりで結婚することになったのは、同じクラスの葵だったのです。
男同士なんて報われない、側にいるだけでいいと泣く葵。1回だけでいいから抱いてほしいと言う葵。花嫁になりたくて、選ばれるように特訓していた葵。もう一つ一つにキュンキュンします。
最初は戸惑っていた慎二も、幼馴染にはっきりと宣言したりして、かっこ良かったです。
最後の、赤ちゃんを間にイチャイチャしている二人にニヤニヤしました。
花嫁モノは何冊か読んだことがあるのですが、星野リリィ先生の本は初めて読みました。
まず、設定がイイ。『長男に息子が生まれたら、次男以下の男児は相続争いを避けるために“男”の嫁を迎えること』 これだけで、“名家って…ヘン?“という思いと同時に、”どんな子が男嫁に…”という期待を抱かせてくれます。
話の筋立ては他の方が書いてくださっているので、割愛させていただきますが、同時収録されている「花婿くん」の今後が気になりますね~。続刊、あるのでしょうか?
と、書いたそばからよく見たら、続刊があるとのこと。自分的には、「花婿くん」のカプの方が好みなので、近いうちに読みたいです。
家のしきたりで、男同士で結婚をなんて
現実ではまずあり得ない設定も、
リリィさんのロマンチックストーリーで
あら不思議、全く違和感なかったのですよ。
艸田(そうだ)が結婚するお相手は
高校のクラスメイト、宇野でした。
おかしいだろ、と反発する艸田ですが、
宇野の涙ながらの告白にくらっときてしまいます。
ここ、宇野がきれいと言われて頬染める姿が
それは美しいのです。
2人とも恋愛するより先に結婚となるので、
前から好きだった宇野に対して
流されただけのような艸田でしたが、
実はすっかりメロメロになっていたのでした。
結婚してようやく両想いになった彼らは、
学校で友人からの疑いや義妹の反抗などの障害も
乗り越えて、もうラブラブです。
一途な宇野の想いに言葉と態度で応える艸田も、
パートナーとしての風格が出てきましたね。
できたら、学校生活編をもう少し読みたかった気もします。
宇野に詰め寄ってきた友人とのその後が気になるよ。
まあ、どんな問題もきっと愛の力で乗り越えてしまうんだろうな。
お約束(?)の赤ちゃんまで、きっちり押さえていて
確かに、言われればそんな気がしてしまうのが、もう不思議です(笑)