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オタクな美坊主とイクメンアクター

otaku na bibouzu to ikumen actor

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表題作オタクな美坊主とイクメンアクター

古城幸人(朝日アツシ),スーツアクター
大池慈円,25歳,特撮オタク,僧侶,幼稚園副園長

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

宝龍寺の僧侶、慈円は寺が経営する幼稚園の副園長。美形なのにディープな特撮オタクで人見知りのこじらせ童貞。
そんな慈円の前に、彼が愛してやまないシャインレンジャーのスーツアクター、朝日アツシが…。
転園してきたばかりの五歳児、真紘の父、幸人――しっかり者の真紘に叱られながら毎朝、ヨレヨレの姿で園に現れるあの怪しげな男が!?
はからずも幸人の正体を知った慈円は、ワケアリ親子と急速に親密になっていくが…。

作品情報

作品名
オタクな美坊主とイクメンアクター
著者
淡路水 
イラスト
加東鉄瓶 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879190086
2.7

(9)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
22
評価数
9
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

サラッと読めて良かったです。

タイトルから「オタクな美坊主×イケメンアクター」だと思い込んでたら、逆でした。
オタクで童貞な美坊主が、子持ちのイケメンアクター受けで童貞卒業する話だと思ってたの。
(どんだけ勝手な思い込みなんだか……お恥ずかしい)

受けの慈円は僧侶だけど剃髪していないし、幼稚園の副園長をやっていて園児の面倒を見ているだけなので、僧侶感はほぼ皆無です。
いつもサングラス&ヨレヨレの姿でお迎えにやってくる園児の父が、実は大ファンであるシャインレンジャーのスーツアクター、朝日アツシだと知った慈円。
そんな親子と急接近して……というやつ。

二人の恋愛模様は想定範囲内なんだけど、彼らを支える脇役が良かったな。
まずは連れ子の真紘。
大人相手にお説教しちゃうファンタジー5歳児で、登場したキャラ達の中で一番大人なのは彼かも。
だけど小憎らしい感じは全くせず、かわいい。
「ぼくをだしにつかわないで」には、さすがにそんな用語使える5歳児はいない……と遠い目になったけど。

それと慈円の親友でオネエの大地も、何かと面倒見が良くていいキャラだった。

慈円は女の子と手を繋いだ事がなく、一生童貞のまま生涯を終えてもいいとすら思ってる子なのに、攻めの幸人と兜合わせを経験した後、その先についてググって乳首いじりながら初アナニーを経験するとか、目覚めすぎてこの子なんかすごい………!と。
そして、それが後日バレちゃうのもお約束で良かったです。

ちょい後ろ向きで臆病で何かと逃げがちだった慈円が、幸人と出会う事によって、自分もヒーローのようにならないと!と発奮するところが、良かったです。

0

戦隊ものの『ブルー』は格好いいと思うのです

電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。

『スケスケ☆ヒーロー』が私のツボを突いていたので、淡路さんの同じ様な匂いのするこちらも読ませていただきました。スーツアクターに対するオタク愛が溢れた部分がとても面白かったです。

大池慈円は宝龍寺の跡取りで寺が経営する幼稚園の副園長。園では数少ない男性としてお母様方に愛想良く振る舞っているけれど、実は人付き合いの苦手な筋金入りの特撮オタク。今はスーツアクターの朝日アツシに入れあげています。慈円はその綺麗な顔立ちに惹かれた女性と何度かお付き合いをしたことがありますが、見た目と違うからとふられ続けた過去があり、特撮への愛があれば恋はしなくても良いと思っています。オタクと言うだけで白眼視されることを恐れて、慈円はキャラのTシャツを着たり趣味の買い物に出る時は鬘とメガネで変装をすることにしていますが、その格好で訪れた親友が経営するカフェの二周年記念パーティで、先日、幼稚園に転入してきた古城真紘くんとその父、幸人と出会います。身元がばれないだろうという気軽さから、慈円は現在イチオシの特撮ヒーローもの『激光戦隊シャインレンジャー』について、特に隊員の一人で朝日アツシが演じている『シャインブルー』がどれだけ素晴らしいかを熱く語ってしまうのですが、真紘の口から実はシャインブルーを演じているのは幸人だと知らされます。おまけに、変装にも関わらず真紘には慈円の正体がバレバレ。結果として、父子家庭で大変な幸人と真紘の親子を手伝い、真紘を寺で預かったり、夕食を共にする様になります。朝日アツシに憧れてドキドキしているはずなのに、精一杯真紘を育て、仕事にも手をぬかない幸人本人に、慈円はどんどん惹かれていくのですが……

『しっかりしていて、父親を支える5歳児』とか『恋に後ろ向きな主人公を後押しするゲイの親友』とか『真紘にメロメロになってしまう人のいい両親』とか『普段はあまり自分を語らないのに、仕事には一生懸命かつ、来る時はワイルドに攻めてくるスーツアクター』とか、何と言っても『真面目な僧侶&副園長なのに実は自分の一番大切にしている世界をひた隠しにしている主人公』という、ある意味、萌え要素満載のお話なんです。
ただ、残念なことに、中盤で慈円が自分の想いに気づいてグタグタする部分が、ちょっとだけ説得力が弱い様に感じてしまったんですね。何の問題があって消極的になっちゃうのかが分からなかった。そこが「惜しい!」ということで評価が少し下がりました。

でもですね、ラストの爽快さは満足です。
「特撮ものならこう来るだろう」という、予定調和の出来事でもあるのですけれど、予定調和だからこその格好良さ、爽快さだったと思います。
このラスト、戦隊ものがお好きな方は満足されると思うんですよね。
なんたって、攻め様は『シャインブルー』なのですよ。『ブルー』って、結構、攫っていくスタンスですよね(笑)。

2

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