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表題作善次くんお借りします

花岡清行,高校2年生,野球部エースで善次のクラスメイト
後藤善次,高校2年生,新聞委員,鍼灸院の孫

その他の収録作品

  • その後のふたり

あらすじ

俺、女に生まれたらよかったのになって

荒んだ野球部ヒーローxほっそり眼鏡の優等生
劣等感に揺れ動く17歳
等身大の心を繊細な筆致で描く、玉川しぇんな珠玉の青春ストーリー!

早くに両親を亡くし、野球好きの祖父と二人暮らしの高校生・善次は、顔を見ただけでその人の不調部位が判るという特技を持っている。けれど同時に、野球部のエースだった父のようになれず大好きな祖父の期待に応えることができないこと、貧弱で女っぽいことにコンプレックスを抱えていた。
そんな善次の密かな日課は、同じクラスの前の席の野球部のヒーローで、クラスで少し浮いている花岡の授業中の居眠り姿を見守ること。
逞しい花岡は、善次のなりたい姿そのものだったのだ。
ある夜、祖父と喧嘩をし家を飛び出した善次は、大泣きしているところを花岡に見られ、思わぬ接点ができて⁉︎
憧れと恋が複雑に絡み合う、甘酸っぱい青春ストーリー!
「あんま俺に気を許さんといて 友情以外のもんを感じさせんといて」

憧れだけのはずだった。だけど、好きな気持ちは止められない!
本編後の仲良しエッチ描きおろし収録!

作品情報

作品名
善次くんお借りします
著者
玉川しぇんな 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
シリーズ
善次くんお借りします
発売日
ISBN
9784592720881
4.3

(174)

(91)

萌々

(61)

(17)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
21
得点
751
評価数
174
平均
4.3 / 5
神率
52.3%

レビュー投稿数21

笑えて泣ける直球すぎるふたり

電子版で読みました。
表紙が好みだったのでずっと気になっていたのですが、予算的に後回しにしていた自分のばか。
本当に良かった!!
紙媒体も欲しくなってしまいました。どうしてくれる。

高校野球で活躍した亡き父の母校に通う後藤善次。
クラスメイトで授業中にいつも居眠りしている花岡の存在が気になる。
しっかりと大きな体格、優れた筋肉、花岡の恵まれた身体は善次がいくら欲しても手に入れられないもので…。

という始まり。
両親を早くに亡くして、祖母もすでに鬼籍。
鍼灸整体院を営む祖父に育てられた善次は母親似の細くて華奢な体型で、父親と同じように野球選手として活躍する孫を望む祖父の思いに応えられない自分に歯痒さと苛立ちを感じて生きてきた。
自分が求めても得られないものを当然のように持っている人間を疎ましく思うのが人間の悲しいサガなのに、善次はそうじゃないんですよね。野球を憎んで人を憎まず。
それでもやはり祖父に認められたい、父親のように受け入れられたいという思いが叶わないまま、どんどん大きくなっていきます。

花岡は花岡で問題を抱えていて、それまでちやほやしてきた周囲が一瞬で手のひらを返してくることを知って、人間というものが分からなくなっています。
野球というフィルター越しでしか見てもらえなかった自分を、初めて「花岡清行」として見てくれた善次に特別な感情がわくのは自然な感じでした。

感動すればするほど、レビューの言葉が固くなってしまう!伝わらない、この思い!

設定自体はそんなに新鮮ではないかもしれませんが、人物描写の妙なのです。
これはここでいくらわたしが言葉を尽くしても意味がない。読んで体感してほしい!ぐいぐい引き込まれるから!気付けば善次に感情移入してたはずが、花岡になってたり忙しいくらいこころと頭がフル稼働ですよ。

花岡を亡き息子そっくりだと言う善次のおじいちゃんが花岡に言うシーンとか!
最終話で、花岡を尊敬しすぎるがゆえに善次を目の敵にしていた翼(野球部)が、お父さんの写真を見てから善次に言う言葉とか!
花岡が翼に善次への想いを話すシーンとか!
感動の目白押しですよ。

トラウマとか劣等感とか人間不信、自己受容みたいなキーワードはあれど、重くないです。
笑えます。
笑いながら泣いている。それが神作品。

読んでください。後悔させません。
わたしがすごいすごい言い過ぎたせいで、「期待してたより…」となった方はごめんなさい。

16

心の棘をゆっくり溶かしていく2人の恋

表紙のほんわかさに惹かれて購入しましたが、期待以上に好きな作品でした。

求められている自分になりたくてもなれない葛藤を抱える善次くんに心打たれます。。。

高校生にして自分の能力を理解して収まるところに収まるという厳しい現実を受け止める強さと、ありのままの自分を見つけて欲しいという弱さみたいなものを持つ不安定さが素晴らしいです。そして、ありのままの自分を見てくれる相手を見つけ惹かれていく過程が一冊の中で丁寧に描かれていて、本当にずっと見守っていたくなります。
大満足の一冊です。

8

爽やかな高校生物

野球好きの祖父に育てられた善次は、野球をしていた亡き父には似ず、母親似の痩せ型女顔。祖父の願いには応えられず、コンプレックスを抱えていた。特技は顔を見ただけで相手の不調な場所がわかること。
そんな善次は、クラスの前の席の花岡の居眠りする姿を眺めることが日課になっていたが、ある事から花岡と接点を持つように。

野球が出来る体格になりたかった反面、自分には出来ない野球を嫌う感情。そして、嫌いな野球をする花岡に対して憧れながら、羨ましくも感じてしまう気持ち。様々な思いを抱えながら、目の前の花岡に対して、少しずつ素直に向き合う善次が可愛い。
花岡の自信満々な行動も、善次には丁度良く、話のテンポがとてもよかったです。
互いがどうして惹かれていったのか、環境や人間関係など色々抱えながら、出会えて良かったと感じる二人です。
花岡の、結婚前提でいる潔さが好きです!

6

雰囲気が優勝


とにかく攻めが寡黙で最初はツンツンしていたけれど、気を許した相手である受けにはベタ惚れ!という設定が好きな人にはオススメです!
周りにもツンツンですけど、もう受けを見る目が甘い!甘いよ!!

そんな甘さと「高校野球」をテーマに、互いの苦い思いも分かち合おうとする二人。
受けのコンプレックスや家族の話や切なくなったり、それを受け止めようとする攻めの姿勢にホロっときたり…読みながら感情が揺さぶられました。

読んだ後に情景が思い浮かぶくらい、エモい独特な雰囲気も良かったです。
高校生なのに、雰囲気が大人のような…。
それでも悩みや日常は学生そのもの。
ギャップにとても惹かれました。

風景もさることながら、心情描写も素敵でした。

また、一番印象に残っているのはタイトルの伏線回収。
今、思い出してもキュンとくるくらい完璧でした。

この優しい雰囲気を再び味わうために再読確定の一冊でした。

4

等身大の高校生

とてもおもしろかった!

劣等感や周りへの嫉妬、全部ひっくるめて飾らない自分をお互いにさらけ出し、好きと思える人に出会えて本当かよかった。

花岡の野球も、善次の勉学も、好きでやってるわけではないけど得意でうまくやれるから収まるとこに収まってるだけという達観した考えに高校生なのにすごいなぁと思います。だけどもこの得意を続けてこなかったら2人は出会うことがなかったと思うと、2人とも少し意識が変わってくるんですよね。ほんと、恋にをすると見え方が変わってくるといいますが、まさにこの2人のことのようです。

調べたら、現在続編が連載中のようですね。楽しみがまたひとつ増えました。

3

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