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表題作shilly-shally

ルカ・オリーブ、記者、隣人
ニコラス、大学生、隣人

同時収録作品shilly-shally

ニコラスの義父
ニコラス、義理の息子

同時収録作品shilly-shally

アルバート、ニコラスを決定代行として雇う
ニコラス、大学生

あらすじ

大学生のニコラスは、引っ越し先の街で奇妙な男と出会う。
店の前で佇む男に「右足と左足、どちらから店に入るべきか」と尋ねられたことをきっかけに、
ニコラスは優柔不断な男に代わって身の回りのことを決める
「決定代行」のバイトを引き受けることになった。
しかしその頃街では連続殺人事件が起こり、ニコラスの中にとある疑惑が芽生え始める。
──もし自分の選択が、誰かの命を奪っているとしたら…?
思惑が交錯する考察系BL!!
描き下ろしは、その後の幸せで甘い日々を16P収録

作品情報

作品名
shilly-shally
著者
しちみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
電子発売日
ISBN
9784799765319
4.2

(39)

(17)

萌々

(17)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
166
評価数
39
平均
4.2 / 5
神率
43.6%

レビュー投稿数12

「選択」と「選択肢」決断に於いて重要なのは……?

今回はあらすじを読んでみて、しちみ先生の作品では初めて紙本を購入してみました
決め手はあらすじにて言及して下さってる描き下ろしの内容がある事

しちみ先生作品を既読の読者さまにはお馴染みのニコラスくんですが、基本は「不憫」がお約束です(´Д⊂シクシク
その上今回の作品の本筋には不穏な言葉が…‼
またしても読後にずーーん。。。と重くなっちゃうヤツなのかなぁ、、、と思いきや「描き下ろし」に救いがありそう??!!という文言を発見です
と、いう事で電子配信情報が分からなかったので居ても立っても居られず本屋へGO‼


以下本筋に触れないよう努力はしますがネタバレ回避希望の方はお気を付けてお読み下されば幸いです

さてさて、、、この作品に登場するキャラは主に4人
ご存知しちみワールドの専門受け担当の「ニコラスくん」
今回彼が心機一転新しい街に引っ越して来る所から物語がスタート
ページを捲った1ページめの不穏で強烈なプロローグは一旦スルーで話が展開していきます

ニコラスくんが作中出会う順に他の3人をご紹介
1人目は新居の隣人
初出は女性に頬を引っ叩かれている所に出くわす気まずい感じの出会い
2人目は街なかで挙動不審な動きをするスーツの男性
困りごとかな?と訝しげに思いながらも声を掛けるニコくん
この出会いからお話しが転がっていきます
3人目はニコくんの義父
どうやら出所後にニコくんを探し出し無理矢理の再会の様子…不穏です…

さて4人の主要キャラですが名前があるのはニコくん含めて3人です
義父は関係性は明かされていますが名前は出ません
ニコくんには「アイツ」呼ばわりされており望まぬ再会は明白。。。

今作の表紙にニコくんと共に描かれているスーツの男性が2番目に出会った「アルバート」
この作品の裏主人公とでも言いましょうか…?
彼は作中ではニコくんを自身の「決定代行」としてアルバイトを頼む雇い主です
決定代行とはアルバートが選択を迷った時にアルバートの代わりに選択の決断を下す、というのがお仕事内容
その選択肢の詳細は深追い禁止
それは例えば「朝食の卵はボイルかフライか」「ネクタイの色は赤のラインかシルバーか」「男か女か」「頭か心臓か」。。。
様々に投げ掛けられる選択肢から選択を委ねられます
それにニコラスは決断をしてアルバートに伝える
そんなちょっと変わったアルバイトを通して近付いていくアルバートとニコラス

そして1番最初に出くわした隣人のルカとも徐々に関りが増えていくニコラス
最初は厄介な隣人
でも次第に交流を重ねる事で近付く2人

そして3人目は招かれざる客の義父、、、
ニコくんのお母さんと昔3人で暮らしていた様ですがどうやら義父が服役中に母親が亡くなり、それを機にニコくんは引っ越したようですね
ところが知らぬ間に出所していた義父は新たに小さな姉弟を携えてニコくんの目の前に表れ金の無心をします
自身の要求に応えなければ幼い子供が辛い目に遭うぞ、と…完全に脅しです
更にこの再会はこの1度きりでは終わりません。。。
義父はニコくんのお家さえも突き止め、金のみには留まらず美しく育ったニコくんの色さえも欲します。。。
。。。出ました……先生得意?のイタイ展開です(ノД`)ツレェ…

少しずつ交流が芽生え、訳あって気にかけている隣の部屋の異変に駆けつける1番目の男、ルカ
さて、、、このルカはニコくんにとってのどんな存在に?
はたまた2番目の男、アルバートとの関わりはあるのか?

そして彼らが住まう街で頻繁に起こるシリアルキラー、通称「ブラックコート」のニュースが騒がしい。。。

さてさて、、、この4人はこの事件と関係があるのか無いのか
今回のニコくんには本当に救いがあるのかどうか、、、

不穏な空気に包まれながらも読み進める手は止まりません (>ㅅ<)

読後の感想は安易には言葉には出来ませんが私的には「救い」があった、、、と受け取っています
「選択」を下す重み以前に「選択肢」を増やせる広い視野と知見を得る事が大事
そして可能性を広げ、選択肢を増やす方法は1人で生み出すのではなく誰かと考える事で自ずと広がるハズ
そんなメッセージを私は受け取りました

しちみ先生テイストは損なわれず、でもいつもよりも読後の感情は穏やか
それでも間違いなく「先生の作品」と分かる作風は健在
こういう作風で個性を出しながらも考えさせる作品を描ける作家さまの作品は最大限評価したいな、と思います
しかもちゃんと商業と同人での描き分けもしながらも一貫したテイストは崩れない…流石です
これぞ才能でありプロフェッショナル‼

修正|描写自体が少ないのですが性器がハッキリ分かる描写は1回で縁取りありの白抜き(紙本)

4

【〝僕が決めていない〟ということが重要なんだから、正解か不正解かなんて関係ないんだよ(アルバート)】


エロス度★★

考察&サスペンス要素が絡んだストーリーがとても面白かった!

偶然出会ったアルバートの〝決定代行〟をすることになった大学生のニコラス。
〝そんな事まで決められないの!?〟ってくらいアルバートが優柔不断で、迷う彼の代わりに答えていくニコラス・・・と、微笑ましさを感じますが、連続殺人事件が絡む事で自分の選択が誰かを害しているのでは?と暗い影を落としていくのがよかった。

他者の迷いには簡単に答えられるけど、自分の迷いには躊躇してしまう・・・。

キャラの心理の描写が素晴らしい魅力を放っていました♡

2

サスペンス映画みたいなお話

BLって感じではなくミステリー色の強いお話です。初っ端のちびっ子が血まみれでナイフ握ってて誰かが倒れているシーン、これが伏線なんだけど私は完全にミスリード。

しちみ先生ってイヤァなお話描かれるって思い込んじゃってたからニコ君まわりに現れる人物は、一見好青年やいい人そうでも疑いの目で読み進めてしまうクセが付いてる。

さて、今作はどうだったでしょうか?
読んでみてください。
私的にはそこまで胸糞ではないし、いい終わり方して良かったなと思いました。

物事が自分で決められないから[決定代行人]に決めてもらってるアル。大きな穴がぶち開いた部屋に住んでるのにいい身なりのアルの事が気になってしまった。基金のお金がたんまりあるんだろうか?

描き下ろしが粋な終わり方したけど、でもでもやっぱりBLならばその先の濃厚なやつが見たかったです。同人誌で出ませんかね?

紙本で購入。
白抜き修正

4

タイトルの意味は「優柔不断」だそうです。

しちみ先生の作品といえば、バッドエンドのイメージ。
そして今作のあとがきにも、プロット段階では超バッドエンドだったと書かれていて、そちらのバージョンもちょっと読んでみたかったまりあげは、、、


そんな今作ですが、ニコくんは3人の男性と接触します。
まずは、引越し先で「決定代行」というバイトを持ちかけてきた黒髪スーツのお金持ちイケメン。

AかBか決められないイケメンの代わりに、答えを決めてほしいとニコくんは頼まれるのです。

ちなみにそれ専用の携帯電話があって、そのバイト内容は他言してはいけないというルールもあり、少し様子はおかしそう、、、


と、その出会いのすぐ直後に女性トラブルを抱えた隣人ルカとも出会います。
彼は近隣で起きたシリアルキラーを調べる記者。

そして、さらには出所したばかりの父親。


この3人がニコくんを翻弄し、しちみ先生だしラストまで気が抜けない!! なんて思っていたら!!

帯に書かれていたまさに「新感覚の考察系BL」でしたので、しちみ先生にしては新鮮なラストをぜひ見届けてほしいです!!


3

世界に浸らせてくれるお話

大学生のニコラスが引っ越してきた街で優柔不断な男・アルバートと偶然出会い、不思議な関係になっていくところから始まるお話でした。

深く考えずに始めた決定代行のバイトは最初こそニコラスの心も軽くしていくような感覚があったけれど、そこに隣人のルカが関わってくると様々な疑惑が生まれていくという目の離せない展開に。
自分の考え以外を知ったニコラスが謎だったアルバートの質問を頭の中で繋げていってひとつの仮説を立てた時の表情が、その先の恐ろしい結末を予想しているようでものすごくゾクゾクしました。

めちゃくちゃクズな義父も登場してきてさらに先が読めないモノになっていきましたが、思ったほど苦しい結末ではなく。
考察系BLとあったので入り組んだ展開になるのも覚悟で読んでいたのですが
たくさんの出来事が絡まり合っていても複雑というわけではなく、でも上辺だけを見ていては結末に辿り着いたときに感情の行き場を無くすような。
引き込まれる要素たっぷりなお話だったけれど、想像以上に読みやすかった印象でした。

3

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