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表題作神様には逆らえない

近海 一颯
神水流 百合音

あらすじ

白蛇信仰が根付いている町に生まれた百合音は、
男でありながらも女として育てられてきた。
百合音の家系は白蛇の白妙の加護を受ける一族で、
そのおかげで現在まで栄え、裕福に暮らしている。
しかし、白妙は男嫌いであり、男の子が生まれても
一歳になるまで育ったことがない。
女として育てることで、生きていけるのだ。
十七歳の百合音は、奇跡的にも男だとバレずにいるが……。

作品情報

作品名
神様には逆らえない
著者
若月京子 
イラスト
こうじま奈月 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775527528
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

後半の駆け足感が…

白蛇信仰が根付いている町に生まれた旅館の子である百合音は、男嫌いの白蛇からの呪いを避ける為に、名前に「百合」とつけられて女の子として育てられています。
白蛇からの恩恵もあるのか、外見も女の子らしく、町の人も白蛇の件を知っているので虐められこそはしないものの、遠巻きにされているような腫れ物に触るようなちょっと肩身の狭い思いもしているようです。
普通の幸せを諦めていたところに旅館の東京のリフォーム会社である一颯と出会い、人生が動いていくという感じです。

最初は男としての理想として一颯を見ていたようですが、夏休みを利用しリフォームについて東京の会社へ行き、一緒に食事をしたりしている間にどんどん仲良くなっていきます。
一颯は違和感があるのか「百合音くん」と呼んでいます。ただの女の事は思っていなかったという事でした。

百合音には姉が2人いて、お姉さんが良い役割をしてくれます。でも、本当の自分として生きていけないという環境故か大人しいというか色々諦め気味な様子でもあります。そこが庇護欲を掻き立てる可愛さを表していると思います。
高校では白蛇信仰については何となく知っているけれど、町ほどではないので完全に女の子と勘違いされていて、好意を持っている人が多いというような様子が幼馴染である男の子の瑛太から読み取れます。この男の子は百合音が好きという訳ではないので2人の仲を掻きまわすというような事はしません。本当に百合音を心配しているだけのお兄ちゃんみたいな存在です。

一颯に男の子とバレてからの展開が少し早かったかなと思います。男と分かってもそれでも一颯が好きという事を表し、瑛太と仲良く話していると嫉妬するという子供らしい一面もあります。
一颯のお見合い現場へ乗り込んだ時の度胸と言葉など、このシーンはとても良かったです。ただこれも後半なので、このお見合いの件がありそこできちんと両想いになり体を重ねて、終了!というので、あれ?という感じです。
まだ高校生の百合音で、白蛇から拒絶されないといえ今後「子どもは?」とせっつかれる事間違いない家庭の相手なのにあっさり感が凄かったです。

もっと重く悲壮感があっても良い内容にも関わらず重すぎないのは良かったですが、どうしても後半の駆け足感が残念でした。また大きな事件らしい事件もない分、あっさり感があります。せめて大学はどうなったのかとかその後の2人についてなどもあればなと思います。

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