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お前のためなら、世界だって手に入れてみせる
やっぱり全部の作品が序盤から面白いのって宮緒葵先生しかいない。
と思わせられるくらい、今回の作品も最高のスタートを切っていました。
まだ今年も始まったばかりですが、2023ベスト執着攻めに選びたい…。
展開が序盤で予想できるのですが、そう!それが読みたかったの~~!!と的確に私の性癖を突いてくれます。
誰からも恐れられる強者を助けた女神のような受け。
そして救われた強者が従者のように捧げものをしたり、どうにかして受けに気に入られたいワンコのように早変わり。
か~ら~の、どんな手を使っても手に入れたい悪魔になるまでが、本当にゾクゾクする執着っぷりです。
そしてその狂気に怯える理不尽な受け。
可哀想で可哀想で最高に可愛いです。
ああもう上下巻あるのが幸せでたまりません。
ただ、地雷要素でよく見かける設定があるので、もし不安な方はチラッとレビューを見てみるなど自衛されると良いかと思われます。
いいですね~♡
攻め様のそりゃー重たい重量級の執着愛♡
こんなお話、大好きです。
隣国アヴァナルから攻めいられ、蹂躙されつつあるソルグランツが舞台。
受け様は、ソルグランツの敬虔な神官であるアリーシェ。
両性であるため、幼い頃は実の母に疎まれ、折檻を受け、神殿に保護された過去を持つ。
ある日、瀕死の状態の傭兵を保護し、献身的に看病するのですが、驚異的な生命力で持ち直し、アリーシェに貢ぎ物をしまくり始める。
これこそが、攻め様のであるヴォルフ。
『俺だけの女神』とアリーシェを求め、執着するヴォルフに、いいねぇ、とにやにや( ^ω^ )
母から化け物、と罵られてきたアリーシェにもとって、両性の身体は受け入れ難いものなのだけど、ヴォルフは美しいといって、愛しまくる。
アリーシェの心が手に入らないなら身体からでも。
他に人に盗られないよう、そりゃもう念入りにマーキングですよ。
実はソルグランツの幼い王の義理の兄にあたるヴォルフ。
その気もなかったのに王都奪還の旗印となったのも、義弟を助ける体で、自分が王となり、アリーシェには王妃の座を差し出せば、自分の愛を信じてくれるかも、という期待からだし。
全てがアリーシェの為で、アリーシェが全て。
神官として慎ましく過ごすつもりだったアリーシェにとって、ヴォルフはまさに悪魔でしかないのだけど。
でも、そのヴォルフの愛が、囚われていた過去の母の憎悪の幻影から救ってくれて。
少しづつだけど、ヴォルフを受け入れる気持ちが育ち始めているようなアリーシェの姿で、下巻へ。
上下感で読めなかったから、気になりまくっただろうなぁ(^_^;
上下巻、まとめての感想。
これは上巻から順に読まないと、下巻だけでは粗筋を掴めないので、上下巻セットでお勧め。値段なりの価値がある、面白い小説だと思います。
吉田珠姫著「神官は王に愛される」にひょっとしたら似ているのかな?と期待して選びました。
神官がヒロインだけど、似ているようで違う。
「ヒロインの神官が、強い王子に熱愛されて妃になる」という、大まかな粗筋は似ているけれど、
違う点は、ヒロインのアリーシェは両性具有=姫。
BL苦手な人でもOKな内容だろうと思う。
狼と女神を始祖とする伝承がある地域の物語。
アリーシェは、神殿に来る前の記憶がない。虐待のトラウマは残っている。
両性具有の為に生母から虐待を受け続け、見かねた使用人が、神殿に連れてきた貴族の子。
「女神の星=アリーシェ」と神官から名をもらう。
ある日、傭兵の「鮮血」が、毒矢に撃たれ倒れていた。
看病をするアリーシェに一目ぼれする鮮血。
実は鮮血は王子で、アリーシェは連れ去られて強引に妃にされてしまう。
自分を「化物」だと忌むアリーシェは、自分の価値が分からない。
最初は、情が交わない夫婦だったけれど、王子の執着愛を受けて、未成熟の子宮が成長し、子を為し、幾多の苦難を乗り越え、無事に出産するまでの物語。
大戦乱を鬼のように強い王子が国々を平定していく中、強いだけではなく、苦しむ民を救いたいと、王子の考えが慈悲深いアリーシェに感化されて、理想の統治者に育っていく。
色々な要素が盛り込まれている、とても読み応えある物語でした。
今度はオオカミ攻めですね!
愛を知らないアリーシェ。一神官でいたかったアリーシェ。誰にでも何にでも等しく優しく美しいアリーシェ。
助けた男は狼だった。
助けたばかりに連れ去られ后にされ…。
アリーシェからするととんでもない悲運なんですがね、ヴォルフの愛は本物なのです。
忌み嫌われる瀕死の自分を見返りもなしに助けてくれて追手からも庇ってくれて。
何かと気を引こうと貢いだり囁いたりするのですがいっこうにわかってもらえず。
ヴォルフはアリーシェが男でも女でも醜くても構わないのに。
狡猾に周りを固めアリーシェに愛を捧げるヴォルフをまるで狼だと恐れるアリーシェ。
愛を知らない、母から化物と虐待を受けてきたアリーシェ。早くヴォルフの愛を受け止めて!
明後日の方へ頑張ってるヴォルフですが、アリーシェの愛を得ることはできるのでしょうか?
そして伝説と重なるのでしょうか?
あとイラストのヴォルフが今時のイケメンに見えて…。
お話の獰猛でムキムキで端正とちょっとイメージが違うような。
上下巻まとめての感想。
二冊一気に読み終わり、様々な思いを抱きつつ読んだ下巻あとがきに
「攻はともかく、受がここまで攻をきちんと愛しているのって、私が書くお話ではすごく珍しいんじゃないでしょうか」
とあるのを見た瞬間。
「それな!」と力いっぱい頷いてしまいました。
そう、そうなんですよね…
宮緒先生の本は好きで今までたくさん読んできたのですが、受けがここまで攻めを好きなのはすごく珍しい。
宮緒先生の受けというと、いつも攻めにロックオンされて逃げられず、囚われているうちにほだされて流される展開がほとんどだった。
しかし本作は相思相愛!相思相愛なラストです!!
とはいえ、宮緒先生の執着攻めが好きな私にも、本作はとても楽しく読めました。
好きなのに報われない攻めの苦しみがとてもおいしい…
それゆえに受けに無体なことを強いてしまい、より嫌われる攻めがたまらない…
ここらへんがいつもの宮緒先生作品のうまみですが、本作はこの先の展開が丁寧だった印象でしょうか。
「これだけのボリュームのお話を書かせて頂くのは私も初めて」とあとがきで書いておられましたが、是非またこのボリュームの話を書いていただきたい!
今後のご活躍を楽しみにしたいなと改めて感じた本作でした。