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ドMの変態がエロ男爵に恋をした!?

doM no hentai ga erodanshaku ni koi woshita

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表題作ドMの変態がエロ男爵に恋をした!?

手塚宗助、有名ホテル注目の若手社長、30歳前後
門倉壱、旅人遊郭の男娼、ドM、34歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

昭和風な怪しいエロスが漂う街、通称『旅人遊廓』――そこで男娼として暮らす門倉壱は虐げられることに悦びを感じるドMの変態。
そんな彼の店へある日、エリート然とした長身の男前、手塚がやってくる。
侮蔑の眼差しで門倉を嬲りながらも指一本触れずに帰っていく謎の男。
門倉の股間が疼く。
客に惚れるのはご法度の遊廓だが、ひと月が過ぎ初めて手塚に犯された門倉の想いは募る一方で…。手塚はいったい何者なのか…?

作品情報

作品名
ドMの変態がエロ男爵に恋をした!?
著者
中原一也 
イラスト
nagavic 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879199614
4

(34)

(16)

萌々

(10)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
136
評価数
34
平均
4 / 5
神率
47.1%

レビュー投稿数7

遊郭もの

ラノベみたいなふざけたタイトルですが実は切ない遊郭もの。大好物です。遊郭ものは仕込みはされても結局最後まで攻めにしか抱かれないというなんちゃって系と他の客にもしっかり抱かれる系がありますが私は後者の方が好きでこれもそのパターンです。さすが中原先生わかってらっしゃる。

受けは生まれた境遇はすごく可哀想ですが、34歳の少しトウのたった男娼です。仲良しの男娼仲間もいるしどうせドMの淫乱だから天職だ、なんて諦めながら日々を過ごしていましたが、ある日やってきた手を出さない寡黙な客の事がどうにも気になって…という話。

受けは仕事で客に抱かれるのは慣れていたのに攻めに惹かれ始めてからはそれが辛くなる、というのが切ないです。客に惚れるな、と楼主に怒られえっちなお仕置きシーンもあります。

最近読んでいた中原さんの作品はファンタジックなのが多かったので久しぶりにこういう痛い系のもいいなと思いました。最後はハッピーエンドだし。

4

独特の世界観にドッキューン♡♡やられました!

いやぁ~~~想像の遥か彼方の世界でしたねぇぇぇ。
それもめっちゃ上の上!

いったいいつの時代?これ。
はい、正に今!東京2020の今、まさに今でした!!!

昭和?赤線??
とたゆたゆも、その度に『現代や言うてるやろーがー』とパチンと頬を叩かれ、受けと一緒に「やァん♡そうだった♡」と萌えまくりました。

そしてそして内容はもぉすっごい(∩˃o˂∩)♡
こここここぉんな背徳愛って、私苦手中の苦手で、分かってたらスタコラサッサと読むのも覗くのも止めちゃうハズなのに、ズッキューンとやられちゃいましたー+.(≧∀≦)゚+.゚
『背徳愛』それがどないしてんっっ!!
って堂々と開き直り、この愛と独特の世界観にどっぷりと漬かりまくります。
いや、もっと寄越せ!
たとえ少しでも(いや本当はもっと)「この後も寄越せぇ~~~!!」と叫んでます!

この作家さん、凄いですねー!
攻め受けにもそうですが、惚れちゃいましたよ!
追っかけします!嫌がられても!!

はい、それほど素晴らしい一冊です。
攻めも受けも堪らないし、この攻め、完璧な『スパダリ』。大好きやぁ"♡"♡(*///ᴗ///*)♡"♡"

皆様がもう既に書かれているので、今さらアーだコーだとは申しませんっ。
読むかどうか迷っておられたなら、その迷う時間も勿体ない!
ソッコーあなたのモノにしてください!
愛蔵書間違いナシの太鼓判です。

あぁ書いてたら又読みたくなって来た。
さぁ是非ともご一緒に✧*。٩(´ヮ`*)و✧*。

5

面白かったです!

堅物っぽい感じのエリートハンサム若社長の手塚×虐げられることに悦びを感じるドMの変態門倉

このCP、作品のあらすじに惹かれ購入しました。
…………まさか受けの門倉が無戸籍者だなんて思いもしませんでした。
めちゃくちゃびっくりしましたし、ちょっと心が重たくなるようなシリアスな展開ばかりだったらイヤだな……と思い読みすすめましたが、そんなことなかったです。
一部胸が苦しくなるようなシーンはありましたが、門倉が物事を明るく捉えているキャラなので全然大丈夫でした。あと、門倉の友人の男娼たちも良いキャラしています。
あと、手塚と門倉はまさかの関係でした……!

表紙もさながら、内容もエロく読み応えがありました!

4

この母は、中原さんが書いてきた『オヤジ』像と被る様な気がして

まず、初っ端にひと言。
「私もあの猥雑な所が沢山残っていて、泥臭く、田舎くさい昭和が大好きです!!」

……と叫んでスッキリした所で感想をば。
中原さんの作品とは思えぬタイトル&ド派手な表紙です。特にマゼンタが良く効いたショッキングピンクの『ドM』と『エロ男爵』の文字がポップに踊っていて、たまらなく恥ずかしいです。
ここの所、中原さんの書かれるお話には大変驚かされている私は、とてもドキドキして本を開いたのですが、うわーん!お得意の人情話ではありませんか!それも始まってすぐに、縁日の見せ物小屋的な香りが漂う『昭和遊郭』だなんて……この手の『仕掛け』も、作者のお遊びに粋を感じます。

『旅人遊郭』で体を売る角倉壱には戸籍がありません。母は所謂『お手つき』で壱を産み、自分を捨てた相手を恨むことなく愛情を込めて育ててくれました。成人した壱は、一度は街から離れるのですが、まともな仕事に就けないままこの町に戻ってきて、亡くなってしまった母と同じ仕事をしています。壱は自分の仕事を卑下してはいません。それぞれハンディ(借金であるとか、年齢であるとか、障がいがあるとか)を持ちながらも、自分の力で生きていこうとしている仕事仲間のことが大好きです。それに加えて、壱は大の『ドM』。だから、この街で暮らして行こうと思っています。ある日、壱は身なりも金払いもよい一人の男を客に取ります。彼は壱に侮蔑的な言葉を投げかけるだけで、抱かずに帰ります。好みのタイプだったけど二度と来ないだろうという壱の予測に反して、その男、手塚は壱の元に通うようになりますが、相変わらず壱には手も触れず、軽蔑の言葉を吐き続けるだけ。しかし、壱が別の客を取っている日に訪れた手塚は、制止を振り切り部屋に乱入し、客に札束を投げつけると壱との行為を見せる様に要求して来て……

『仲間』を書かせたら、大変お上手な中原さん。
今作でも壱の男娼仲間、ぽっちゃりパティシエのルイと高齢M爺の三蔵が良い味を出しています(特にルイが乙女で可愛い。ああ、あたし、こういう人になりたかったな。もはや「時、既に遅し」なんだけど)。
でも、この辺は「実に中原さんらしい」ので、安心して読める範疇というか、定番というか、なのですけれども。

私が今回のお話で面白いと思ったのは『プレイが好きなのと、人を好きになることは違う』って所です。
最初はドSな手塚のふるまいや、その態に惹かれていた壱ですが、その後、恋に気づき戸惑い、胸をギュッとさせてしまう姿がいじらしいのです。
『純な娼婦』というのは、今まで延々と書かれてきたものなんですけれども、中原さんの描くのはいつでも『男性』ですから。女々しくない、セックスワーカーの『漢』が、恋に千々心を乱される様が愛おしかったです。

今までレビューを書かれている方が皆さん触れていますが、母と子というのが今作では大きなテーマとして書かれています。今まで書かれてきた方の文章はとても素敵で「全くもってその通り」なので、私はその部分はパスさせていただこうかな、と。
ただ、今回読んでちょっと思ったことだけ書いておこうと思います。
中原さんと言えば『オヤジ』なのですが、今まで書かれてきたこの『オヤジ』と今作の『母』が、イメージ被りました。
その表し方は違えど、庇護する存在なんだなー、と。
慈しみ、守り、育てる大人の存在を、繰り返し繰り返し書いてきた中原さん。
どうして私が中原さんにこんなに惹かれてしまうのか、その理由がひとつ、解ったような気がします。

長くなっちゃって恐縮ですが、もうひとつだけ。
『あとがき』が最高です!感動しました!
もう、生涯、中原さんに付いていきたいですっ。

8

心に沁みる名作なんです!!

表紙やタイトルからは想像がつきづらいと思いますが、笑ってホロリと来てと、心に沁みる感動作でした。
逆に、このタイトルで「感動作ね!!」と想像される方がおられたらビックリですが(^_^)ゞ


まずこちら、現代が舞台でありながら、昭和感漂う「旅人遊郭」が舞台です。
そこで男娼として暮らす門倉と、客としてやって来た手塚と言うカップリング。

この門倉が、根っからのドMで変態なんですね~。
で、門倉を買うものの、冷めた態度で蔑むだけで決して手を触れようとしない手塚。
序盤は手塚の冷たい拒絶とも取れる態度に、ゾクゾクと身悶えてる門倉のドMっぷりにゲラゲラ笑えます。

が、ここからどんどんストーリーは深みを増し、思わず引き込まれてしまう切なくほろ苦い展開。
これ、ネタバレ避けた方がいいと思うので感想のみ書かせてもらいますが、テーマとして強く「愛」を感じます。
ただ単に恋愛感情としての「愛」だけでは無く、親子愛に、仲間の愛。
それらを全てひっくるめた大きな意味での「愛」。

手塚ですが、誰もが羨むような恵まれた生まれです。なのに、愛だけは与えられなかった。
そして浮き世離れしたシングルマザーに育てられ、男娼として働きと、周りから見れば不幸な境遇の門倉。
彼は溢れんばかりの愛を与えられた。
とても対照的な二人なのです。

よく「運命」とか言ったりしますが、読み進めるうち、この二人が惹かれ合うのは運命と言うより必然な気がしてくる・・・。
とりあえず、このへんはネタバレで驚愕して下さい。

う~ん・・・。しかし毎回、中原先生の作品を読んでいると、「愛とは何ぞや」と作品を通して問いかけられている気分になります。
たとえ、アホエロトンチキ系であっても。
あと、突飛な設定の方に意識を持ってかれちゃうのですが、その裏にあるのは現実の社会問題だったり。かなりの社会派なんですよね。
こちらの作品では、その側面も強く出ています。

実はこちらのレビュー、(これでも)何回も書き直しました。
私にはなかなかレビューが難しい作品で、普段ならさっさとレビューを諦めるのです。
ただ、こちらは強く心を動かされて、どうしてもレビューをしたかった。

とりあえず、表紙やタイトルには良い意味で裏切られる、心に沁みる素敵な作品です。
第一印象で避けず、多くの方に読んでいただきたいなぁと思います。


9

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