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表題作お弁当にはハートを添えて

久遠裄久,26歳,グラフィックデザイナー
藤井律,26歳,カフェの店主

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

料理上手な律は高校時代、女友達の彩に頼まれて彼氏に渡すための弁当を三年間作ってやっていた。
十年後の現在、律の経営するカフェに、その彼氏が偶然やってきた。
写真でしか見たことのなかった彼、久遠は、美形ではあるものの、とてつもなく口が悪い男だった。
ムッとする律だったけれど、久遠が最後に「ごちそうさん」と言ったときの笑顔にほだされそうになって……。

作品情報

作品名
お弁当にはハートを添えて
著者
今井茶環 
イラスト
天路ゆうつづ  
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775528297
3.2

(15)

(1)

萌々

(7)

(2)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
44
評価数
15
平均
3.2 / 5
神率
6.7%

レビュー投稿数4

思い込みは超危険

今回はフリーのグラフィックデザイナーと
祖父の喫茶店を引継いだカフェ店主のお話です。

天然な受様と俺様な攻様の恋が実るまで。

受様の祖父は
こだわりのコーヒーを出す
昔ながらの喫茶店をしています。

不仲の両親のために料理を覚え
ゆくゆくは飲食業界で働きたい
と思っていた受様は

祖父にいずれ店を継がないかと誘れ
高校卒業すると即上京し、
調理師専門に通い、
祖父の知り合いの店に修行に出て、
1年前やっと祖父の店に戻ります。

しかし半年前に祖父が
ぎっくり腰で引退して隠居したために
店を完全に任される事となりました。

そこで受様は集客力UPのために
コーヒーの美味しさのみが売りで
味は二の次の簡単ランチ3種を
ワンプレートの日替わりカフェ飯2種にし
ランチタイムの評判も上々になります。

そんなある日、
受様は高校時代から付き合いのある
女友達から結婚するとの電話を受けます。

美人ながらも気も押しも強い彼女は
詳しい話は来月会った時にと通話を終え
受様は肝心の相手の事を聞けません。

ただ彼女には高一の時から
喧嘩して別れ、仲直りしてヨリを戻しで
付き合い続けている彼氏がいたので
受様は彼が相手だろうと思うのです。

実はその彼に受様は
事情があって高校時代の3年間、
お弁当を差入れていて

食べ終わった彼は欠かさず
ハートマークを描いた紙切れに
感想を返してくれて受様の心を
ほっこりさせてくれた人だったのです。

この彼こそが今回の攻様になります♪

受様は1度だけ友人の携帯で撮られた
攻様のイケメン写真を拝んだだけで
結婚式が初対面かなと思っていましたが

友人の電話から数日後、
受様の店のランチタイムに現れて
受様をびっくりさせます。

緊張している受様の客向け笑顔を
胡散臭いと言う攻様の口の悪さに
受様は怒りさえ覚えますが

攻様が自家製ぱんを1口食べるや
プレートを一気に平らげる様子に
思わず頬が緩んでしまったところに

会計の際にむちゃくちゃ美味しかったと
つげられてふっとほほ笑んだ攻様は
男の受様でさえクラっとくる
文句なくいい男だったのです。

その2週間後、
攻様は店の向かいのビルで
デザイン事務所を構える常連客と
連れ立ってやって来て!?

友人の結婚相手を誤解した受様が
攻様との関係にグルグルする
ラブコメディです。

攻様はフリーになったばかりの
グラフィックデザイナーで
常連客の依頼で締め切りの迫った
案件を引き受けたそうで

最初に店を訪れた時の
イケメン男子の面影は見えないほど
清潔感の欠片さえない疲れきった有様で
受様は攻様のメニューに手を加えずには
いられませんでした。

その後、
仕事を仕上げて俺様モードな攻様に
スーパーでばったり会った時には
受様は攻様の押しに負けて
自宅にて手料理を振る舞った挙句、
受様自身まで美味しく頂かれて
しまうのですよ~ (^m^)

受様は友人の婚約者と寝てしまった、
攻様も結婚するのにどういうつもりなの!?
とグルグルすることになります。

両視点で進展するので
読者には早い段階で受様が友人の恋人を
誤解している亊が容易に想像出来るのですが

攻様は受様に誤解されている訳が
全くわからずというか
誤解されているとは露知らずなので
攻様も途中からグルグルに(笑)

両想い状態なのにすれ違う2人に
ジレジレしつつも
どういう決着がつくのかと
ワクワク読めました♪

受様が天然すぎるけど
お仕事面ではしっかりさんなので
弱々しい印象はなく

俺様な攻様の押せ押せも
仕方がないと受け止めていても
強引さに負けた感じではないのも
良かったです。

受様がお料理上手なので
出てくるメニューが美味しそうで
想像して読むと小腹が空きました。

空腹時は避けられたほうが
良いかと思います (^_-)

今回はお料理の上手な受様で
犬飼ののさん『料理男子の愛情レシピ』は
いかがでしょうか。
こちらもすれ違ってのハピエンです♪

3

2人の初エッチに萌えました

受けの律は可愛い天然王子なのにエッチの時は素直で大胆でした。
攻めの裄久は最初のエッチからフェラとかしちゃうし、男同士に抵抗が無いようだったので全くのノンケだったのに驚きました。

初読みの作家さんだったんですが、セックスシーンを書くのが上手かったと思いました。
ダラダラと数ページ続いて読むのが嫌になってしまう方もいますが、攻めが受けの媚態に滾る様子が書かれててかなり萌えました。

律が親友の彩の結婚相手を挙式直前まで裄久だと勘違いしてるのはちょっと無理があったような気がしましたが、天然な言動で裄久を慌てさせる律を考えれば有りかなとも思いました。

1

表紙で買ったら失敗しました

表紙がきれいだったので購入。
この作家さんを読むのは初めて。
文章は読みやすいが、そこを説明してほしいという部分をふっとばし、どうでもいいようなことがていねいで、ちぐはぐ。落ちはバレバレなので、それをどう読ませるかがキモだと思うんですが・・・・
月村奎が書いたら読める話になりそうな設定で、好き嫌いはおいといて突っ込まないで読める月村さんはやっぱりすごい。
イラストも表紙はよかったんですが、モノクロは微妙・・・・・

2

面倒くさい攻め

カフェでのお仕事と律の日常をメインにした、軽めの読み口で楽しめる作品だと思います。
律がカフェを経営していることもあって、ご飯についての描写は非常に丁寧で美味しそうです。
ですが、その他の描写が少しわかりにくく、読んでいて「どういうこと?」となることが多々ありました。
冒頭のチャコールの辺りでいきなり「誰?」となってしまったので…
律の誤解と思い込みが非常に長い設定も無理があるかなあ。
料理上手なお人好しの受けがいつの間にか攻めにほだされ…というお話です。

うーん、かなり辛口になってしまってとても申し訳ないのですが、攻めにも受けにも好感があまり持てなかったです。
特に攻めの裄久になかなかはまれず。
その日作る予定の夕食を問われた律が「スフレチーズオムライス」と素直に答えたのに対して「美味そう」と言っただけで当たり前のように「俺も食べるから俺の分も作れ」と言った気になっていたり、"普通ならこれだけでも分かるのに"天然で鈍くて空気が読めない人間として扱う裄久がちょーーっとだめでした。
まだそんなに親しくもないのに。
その後のやり取りも遠回しで、め、面倒くさすぎる…食べたいなら素直に言いなよ…という気持ちでいっぱいに…
当時お弁当を作ってくれていたのが男と知って怒りが込み上げたというのも分からない。
そしてあっという間にその男に惹かれてセックスまでしてしまうのが更に分からないです。
ツンデレを通り越して面倒くさい系の攻めがお好きな方にははまるかもしれませんが、亭主関白系がだめな方は結構イライラするかも。
高校時代、毎日お弁当の感想を書いていたところは良いなと思いました。
(律が作っているとは知らずに彼女に宛てていたんですけどね…)

かなり辛口に書いてしまいましたが、初めに書いた通りお料理描写は丁寧で良かったです。
ベッドシーンも色っぽくて、律が初めてなのに潮まで吹いてしまう感度の良さなのも、大胆に乱れてしまう姿も、普段のぽやっとした雰囲気とのギャップが激しくて良いなと思いました。
展開と描写にもうひとひねり何かがあれば面白かったのになと少々勿体なく感じてしまった。

1

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