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表題作騎士花嫁のしつけ方

ライアン・ブラッドレイ、貿易商
春都・スタイナー、名誉ある「王の騎士」である少尉

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

地方領主の父が投資に失敗し、このままでは領地で暮らす貧しい民や年老いた親族が路頭に迷うことになる。
名誉ある王の騎士である春都は、資金援助の見返りとして男花嫁になれという提案を貴族の男からされる。
自分の犠牲で皆が助かるなら──そう決意する春都に、士官学校時代のライバル、ライアンは、
男花嫁になる資質があるかを試すため、春都を抱いてやろうと言うが──。

作品情報

作品名
騎士花嫁のしつけ方
著者
真宮藍璃 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775528372
3.8

(18)

(4)

萌々

(8)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
70
評価数
18
平均
3.8 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数5

ヒヒじじいの男花嫁からは想像も付かない展開でした。

作家買いです。

あらすじやタイトルからエロ特化を想像されるかもしれませんが、実は読み応えのある宮廷ものです。
陰謀あり、危機に陥るハラハラドキドキの展開あり、そして痛快なオチありって感じで。

あとですね、予想外の甘さでした。
いやもう、あらすじでは立ち位置がイマイチ分からなかった攻めがですね、もう大活躍。
受けの貞操を守る為、必死ですよ。
健気過ぎて涙が出ちゃうレベルですよ。
とりあえずそんな感じなので、痛い系や切ない系が苦手な方も、安心して読んでいただけると思います。


内容ですが、士官学校時代のライバルで貿易商のライアン×没落貴族ながら高潔な「王の騎士」・春都による、ヒストリカルロマンになります。
春都視点です。

父親であるスタイナー伯爵が投資に失敗し、多額の負債を抱えている春都の生家。
資金援助の見返りとして、大貴族であるモーガン卿(好色なヒヒじじい)から提案されたのは、春都が「男花嫁」となる事ー。
領地の民や家族の事を思い、男花嫁となる事を決意する春都の前に、士官学校時代のライバル・ライアンが現れます。
貿易商として成功を治めている彼から、男花嫁になるための手助けを申し出されますがー・・・と言うものです。

で、手助けと言うのが、モーガン卿に気に入られる為のエロエロ調教です。

まずこちら、「男花嫁」のインパクトもさる事ながら、攻めの真意が理解出来ないと思うんですよね。
そして、受けが不憫そうと言う印象を受けると言うか。

が、実はかなり甘いんですよ。
攻めであるライアンですが、士官学校時代を共に過ごした親友でライバルです。
突然、士官学校を辞めてしまった事から、ケンカ別れはしているものの。
で、今回、再会した彼はですね、春都の事情を聞くと、男花嫁の契約を止めさせようとする。
ここが格好いいんですよ。
身分や階級に囚われる時代は終わり、そんなものに縛られる必要は無いー。
狭い世界で貴族として多くのものを背負って生きている春都。
正反対の二人の、対比が印象的なんですよね。

ここで、領民を見捨てる事が出来ず、頑なに男花嫁になろうとする春都。
すると、「ならば猟色家であるモーガン卿を満足させる為、俺が男花嫁としての作法を教えてやろう」と言う流れです。

で、エロエロ調教。
とは言え、こう明らかにライアンは春都にベタ惚れ。
ひたすらトロトロに甘やかし、大切に大切に抱きます。

春都はですね、高潔で真面目で意地っ張り。そして穢れを知らずと、無垢なのです。
そんなワケで、ウブウブな反応が楽しいったらありゃしない。
何たって、「そんな冒涜的な!」と自慰の経験すらないんですよ~。
そんな彼を、ひたすら甘い言葉で調教して行くライアン。
そして、花開くように艶っぽい媚態をさらすようになる春都。
いやもう、甘々でひたすらエロエロ。
ヒヒじじいの男花嫁から、この展開は予想も付かなかったよ!!

そんな中、モーガン卿が賊に襲われると言う事件が起こります。
少尉として、自分の感情とは別に、モーガン卿を守ろうとする春都。
すると、どうやらモーガン卿襲来の事件に、ライアンが関わっている事を知りー・・・と続きます。

先にも書きましたが、ライアンはとても健気なのです。
春都の貞操を守る為に必死で、貞操帯まで着けさせてたりする。
しかも、「調教の一環だ」とか嘘をついて。
だからこそですね、なんかちょっと気の毒なんですよ。
こんなに一生懸命なのに、春都から疑われちゃったりすると。
いや、確かに怪しさ満点だけど、もうちょっと信じてやってよ、春都!みたいな。
まぁ、この生真面目さも春都の魅力一つではあるんですけどね~。

とりあえず、このオチは痛快なものとなってました。
ジャジャ~ンって感じで。
ライアンはかなりいい男だと思うんですけど、その正体も格好いいものなんですよ!
この男、意外性の固まりだな!!

あと、ラストがとても素敵なんですよ。
甘ーーーい!
そして爽快!!

そんな感じの、とても好みの作品でした。

13

躾だの調教だのという言葉にまずトキメク

躾だ躾だと言いつつ
なんやかんや攻の気持ちは駄々洩れだった気がするのは私だけだろうかw

家のためにジジイの花嫁になることになってしまった受。
士官学校時代にライバルだった男と再会し
その事実を告げると、自分が調教してやるとのたまうところから始まります。
結局言いくるめられて調教されることを望むとか
けっこう単純だなと思うてしまうw
調教という名の甘い快楽攻めの日々。
そしてとうとう~な展開なのであります。

初めから感じてしまう受は多々ありますが
個人的に媚薬を盛った初体験が一番好き((ノェ`*)っ))タシタシ
心ウラハラな描写が何よりの好物でありまして。
毎度とはいえ真宮さんのエロスに感服でございます。

ただ、いかんせん甘いなと思うのは
結局のところジジイに最後まで喰われてしまわなかったことかな。
むーん。
強姦スタートなのに結局一穴一棒な展開が勿体ないかなと
思ってしまった。
そっちの方が需要あるんだろうなとは思うのだが
落とされたあとに上がってくるからさらに甘さが増すと思うんだよな。

6

王道設定が活きた花嫁調教モノ

今回は受様の良き友だった隻眼の貿易商と
伯爵家の次男で王の騎士である少尉のお話です。

悪徳総督ので愛人になるはずだった受様が
再会した攻様と恋人になるまで。

受様は王国の地方都市に
領地を持つ伯爵家の次男です。

父は長子である兄の母を亡くした後
日本の商家の娘との再婚で受様が生まれた為
受様は王国では珍しい黒い髪と瞳です。

受様は差別的な待遇も己の実力で跳ね返し
士官学校を首席で卒業した後には
功績を上げて名誉の称号である
「王の騎士」を賜るまでになります。

伯爵家は先々代の借金と不作等で
財政は火の車だったのですが
父が銀鉱山の投資に失敗して
更なる借財を作ってしまいます。

そんな伯爵家に総督職につく大貴族が
無利子のでの資金援助を申し出ますが
貸し付け条件は受様を「男花嫁」として
差し出す事だったのです!!

総督の男色趣味は有名らしく
宗教的に禁忌とされているのですが
地方領地に大貴族を諫る者などおらず
受様は進退極まってしまいます。

翌日、総督府の中庭にて
貴族達の集う慈善パーティがあり
受様は警護を務めますが
同僚と交代して詰所に向かう途中で
受様は総督に捕まってしまいます。

総督は好色さを隠しもせずに
自分のものになれと迫っている所に
無遠慮に挨拶して男が割って入ります。

その男こそ今回の攻様になります♪

攻様は右目をアイマスクで覆う
長身の美丈夫で士官学校時代には
受様のライバルだった男ですが

今では貿易商として海外を渡り歩き
今回は総督が探す品を入手した攻様が
取引を持ち掛けているようです。

攻様との再会は実に5年ぶりで
その夜2人は近況とともに
それぞれの総督との関りを語ります。

受様は男花嫁になるしかない憤りを
攻様に話しますが攻様も総督が
横暴な男色家だと知っており

受様が辱めに耐える事はない
王国外での新生活を目指すなら
手を貸すと助力を申し出ますが
先祖代々の土地も民も見捨てられない
と自らが犠牲になる道を選びます。

攻様はそんな受様の決意を知ると
今度は清廉潔白な受様では
好色な総督の相手は務まらないと言いだし
受様が男花嫁になれるかどうか
攻様が実地で試してやると言い

その夜受様は
攻様に初心な身体を押し開くのです!!

更に攻様と一夜を過ごしても
男花嫁になる決意が鈍らないと知ると
総督が用意するだろう閨の調教師を
自分がやると言い出すのです。

受様は見知らぬ者の調教よりはと
攻様の提案を受け入れて
攻様による夜のレッスンが始まります。

受様に男花嫁になるしか道はないのか!?
受様を淫らに躾ける攻様の真意とは!?

高位貴族が愛人として目を付けた受様を
友人だった攻様が奇抜な方法で守りつつ
受様を守り抜くという

ハーレクインロマンスでは
王道設定でありお約束な展開を満載した
ヒストリカルロマンスになります♪

2人のやりとりがもうすっごく
MYツボなお話でした (^O^)/

受様は貧乏貴族の次男坊ですが
父や兄を盛り立てるべく王の騎士となる
高潔な志を抱く貴族です。

攻様は貴族でありながら
貿易商として国外の世界へと飛び出して
新しい時代を切り開く先方者です。

受様は周囲に認めさせる為に
常に志高く努力を重ねて行動していた為に
世情に染まらぬ純な青年となり

攻様は良くも悪くも慣れた青年な為に
受様を心から心配しつつも
恋焦がれる受様が据え膳状態なら
遠慮するような男ではありません。

受様を狙う総督は
高位貴族である選民意識が強く
私腹を肥やす事を厭わない
という見事な悪行貴族ですし

総督が何やら暗躍してそうな事は
想像に難くありません。

総督の悪事が白日の下に晒されて
2人の恋が実るまでワクワク&ドキドキ
とっても楽しく読めました (^-^)

総督が悪事を働いている事は
受様が秘密任務を請け負った際に
襲われた段階での彼の言動に
モロに現れていましたし

攻様の恋と正体は
攻様の装いと受様との会話等で
暗示されていますので

読めなかったのは
ある人物と総督の関り方くらいかな。

ほぼほぼ予定調和で勧善懲悪な
展開を安心して楽しめたのも
とても良かったでっす。

今回は真宮さんの既刊から
『ヴァージンハネムーンは御曹司と』を
おススメしてみます。
3P作より1対1が好きなのですよ♪

3

つゆだくはお好き?

予想通りにつゆだく(個人的見解)。手酷いイタさがあまり無くツユたっぷり系統でした。受けさんが真面目ちゃんで、だんだん目が開いていくという展開だったのが良かったのかな。ただ喘ぎ声は飽きてしまったので萌にしました。本編270P弱+先生のあとがき。

スタイナー伯爵家の次男であり、病弱な兄に代わって国王、王族に忠誠を誓い、誠実に「王の騎士」として勤める春都。先々代の当主が作った借金と、今季の不作により家の台所は火の車、春都の得る現金収入も焼け石に水という状態の時、春都が警護するダントン総督府の総督から資金援助の申し出が。ただしそれには春都を男花嫁として差し出せという条件があり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ダントン総督(もちろんイケメンではないw)、受けの父(商才なし)、兄ぐらいかな。

**つゆだくについて

生真面目な騎士ちゃんですが、伯爵家のために総督のもとへ差し出されようとするときに、「まったー」てな感じで出てくるのが、パブリックスクール時代にライバルだったライアン。口八丁手八丁で総督を言いくるめ、「花嫁として仕上げてくっから、下ごしらえは任せとけ!」といって騎士ちゃんを持って行っちゃうわけです、ナーイス♡

ライアンの最初の挿絵もめっちゃカッコよくて最高!(神絵!)で、冒頭良かったんですけど、もうちょっと受けさんにメロメロで余裕ない感じをにおわせてもらえると面白かったかな。と思いました。

最後はがちがち頑固な騎士ちゃんも、新しい世界に目を向けて、二人伸びやかに生きていきそうに思ったので、良かったです。

つゆだくが読みたいの!という時におススメしたい1冊でした。

3

ライアン脅かしすぎ(笑)

2019年刊。
おおよそ近世終期から現代に差し掛かる辺りの欧州をモデルにしたような舞台だ。
ちなみにこの話は”花嫁もの”とは違うのでご注意を。
ついでに付け加えると、調教ものでもないのでエロ描写もキツくはない、と思う。

没落寸前の家名と領地を守る為、東洋的な美貌の色濃い春都の元に男色趣味の悪辣貴族の男花嫁となる話が舞い込んできた。
悩んでいた春都は偶然再会した士官学校時代の友人で、その後は貿易商として手腕を振るっているライアンに相談を持ちかけてみる。
すると、今の春都の覚悟では生ぬるい、清廉なお前に耐えられるかどうか俺が試しに抱いてやると協力を請け負ったもらう事になったが…

その経緯に持っていくまでのライアンってば春都を脅かしすぎ(笑)
悪辣貴族がどれだけの少年青年を餌食にして、飽きたら容赦なく追い払うのか、強欲な相手が求める通りの従順で淫乱な奉仕ができるのか?と、おぼこい春都が怯んでしまっている。
だがまぁそこはライアンの巧みさで春都の指南役に収まった訳だけど。
そういった合意を得ているので、この話には無理矢理とか陵辱シーンは一切ない。

春都目線で進行するのもあってか、丁寧なエロ指導を通してライアンの優しさ、紳士的な行動ぶりが伝わり易い。
勘のいい人なら、ライアンが悪辣貴族に近づいた真の目的も想像が付くのではないかな?
全体の話の流れは、西洋なのにどこか時代劇めいた雰囲気を感じてしまったかな。
当然ながら良くある時代劇と違うのは、お色気シーンに力が入っている点、ではあるが(笑)

春都を広い世界に導きたいライアンと、その想いに惹かれていく春都といった展開から両想い確定路線は分かっていたものの…
あの後の騒動で春都は実家に対してどう踏ん切りをつけているんだろうかね…ってのは気になるところではある。

3

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