御影さんのマイページ

レビューした作品

アドバンスドレビューアー

男性御影さん

レビュー数22

ポイント数90

今年度108位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • 映像
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

スパダリ予備軍くんの初めて

 このお話は、バスの中でいつも一緒に乗り合わせる社会人の辻さんとイケメンで頭も良い杉浦くんのお話です。杉浦くんは、おじいちゃんに席を譲ろうとする辻さんが気になり、無事に!席を譲れたその日に声をかけます。 
 杉浦くんは何でもできてしまうタイプの学生で、これまでも女性と恋愛経験はありますが、辻さんを前にすると何でもできてしまう学生というより、どこにでもいる男子学生になるから不思議でした。
 辻さんが自身と杉浦くんとの年の差、社会人と学生の立場の差を考えるとこの恋愛が難しいと考えるのは理解できますが、後で杉浦くんに「諦められない」と言っても、杉浦くんは納得できないのは共感でした。辻さんが一度断ったからこそ、杉浦くんの本心を知れたのは皮肉だと思いました(笑)

あのとき伝えようとした意味

 季節は巡り、航平、太一も大学2年生になります。同じ大学には、航平の知り合いで耳が不自由なマヤが入学してきます。
 私は太一が大学をやめて、サインに就職することが驚きでした。いつもどこからか落ちる太一はかわいそうですが、太一は人生の転機のときはどこかに落ちるのでしょうか(笑)
 運命がどこで待っているのか分からないものです。あのとき航平の手話の意味を分かっていたならば、また違った未来だったのかもしれません。
 一度決めたら行動に移す太一の真っ直ぐさがうらやましいです。

おいしそうに食べられることが才能

 大人しい航平と明るく元気だけど、誰とでも衝突してしまう太一のお話です。太一が転落したことでお弁当を食べようとしていた航平と出会いますが、よく考えてみれば最初からお弁当、食べ物つながりです。お弁当や航平の母親が作ったケーキを食べる場面がありますが、何でも心からおいしく食べられるのは才能なのだと思います。
 航平は難聴のため、周囲とのコミュニケーションが上手くとれないときもありますが、読唇やノートテイクを使って大学生活を送っています。
 航平は、積極的に自身が難聴であることを言っていませんが、周囲から誤解されてしまうこと、誤解されたまま諦めてしまうことにはやりきれなさを感じました。自分で自分を受け入れること、納得できることは難しいものですね。

夜、チャット、不思議な交流

 アオイは、かつて好きだったバンドのサイトでヨウと名乗る男と出会います。アオイは重度の不眠症で夜に眠れず、チャットで時間を潰していたのですが、同じ時間に年が近くてバンドが好きだったヨウと実際に会い、二人の関係はぐっと近づいていきます。ヨウはアオイのことを抱きかかえるようにして寝ますが、アオイが自然と眠ることができたのが驚きでした。
 ヨウはアオイのことをかつて好きだった女性と性格が似ていると言いますが、ヨウとその女性との関係、過去は分からなかったので、ミステリアスな雰囲気でした。
 お話の中でアオイが海の中に落ちていく場面があり、海というモチーフが何を意味しているのかも気になりました。

新しい感情

 ちょっと無愛想な太雅と明るくて誰にでも優しい咲哉のお話です。
 咲哉は誰からも話しかけられる明るくて容姿が整っています、周囲から話しかけづらいと思われている太雅とも当然のごとくコミュニケーションをとってしまいます。
 太雅も容姿が整っていますが、太雅の目的は咲哉の体です。咲哉がどんな顔をするのか見たくて、咲哉との関係が始まるのです。
 咲哉はセックスにあまり抵抗がないどころか、一瞬で受け入れて実行してしまうところは咲哉らしさなのかなと思いました。
 咲哉が太雅に友達の丸と裕也、担々麺と太雅も「好き」と言っていますが、咲哉は後で好きがもっと好き、恋人としての「好き」があることを実感します。「お前がいい」と言った意味がよく分かりました。

いつか救われてほしい

 大学生の光里と高校生の瑛斗のお話です。二人は同じ家に住んでいますが、親の再婚で家族になったので、義兄弟です。
 光里は実の母親と住んでいたときは彼女の気持ちに振り回され、幼いながらも家事を手伝うなどのヤングケアラーだった過去があります。大人になった今、光里は何もなかったかのように振る舞っていますが、時々幼少期のことを思い出してしまいます。
 瑛斗は高校3年生で大学受験を控えていますが、光里には兄以上の感情を抱いています。
 光里、瑛斗、そして継母、誰の立場に立っても、多かれ少なかれ複雑、辛い気持ちになりました。だけど、光里の立場で読むと、幼少期にひとりぼっちでアパートにいたこと、帰ってくるはずもない母親を待ち続けた、母親にすがるしかなかった「あの日の光里」を瑛斗が救ってくれたのです。救われてほしい、救われて良かったと思える作品です。

えっ?不思議すぎて…

 岬で灯台守をしているエヴァンと嵐の夜に保護したかもめの子、ルネのお話です。
 エヴァンはカモメの雛だと思っていたのですが、ルネはみるみるうちに幼児、少年、そして立派な青年に育ちます。
 そして、最大の謎は、ルネが成長すればするほど、老人のような風貌だったエヴァンがどんどん若くなっていくのです。不思議すぎてストーリーの理解までに時間がかかりました。
 これはファンタジーなのか現実のことなのか、そしてエヴァンとルネは恋人になるのかとても気になりました。恋愛要素は一作目ではあまり感じなかったので、きっと二巻目以降で二人の恋愛模様が見られるのだと期待しました。扉絵に登場した金髪のセーラー服の方と、エヴァンとの関係もとても気になります。

桜の中の想い人

 律が体調を崩し、玄関前で倒れているところを高野さんが助けますが、高野さんは後に律の友達、尚と対面することになります。ふたりとも律のことを気にしている以上の感情を持っていますが、特にイギリス留学時代からの律の友人である尚は、高野さんへ上司として律を見ているのかなどを責めていて、敵対心を感じるお話でした。
 本の中で印象的だったのは桜のシーンです。
 高野さんが大学時代、きっと律を思いながら見た桜、律が熱にうなされて見た高野さんと桜の映像、そして桐島さんと横澤さんの夜桜の下での花見。みんな何十年たっても忘れられない思い出があるのだと思うと、少し胸が痛かったです。

長い片思いの後で

 引退を決断した野球選手の来斗と会社員の佑のお話です。二人は高校時代に同じ野球部で、先輩、後輩の関係です。
 大人になった二人が飲み会で再会するときは、先輩、後輩の関係は崩れませんが、二人きりになると、先輩、後輩の延長の関係になります。
 来斗はプロ野球ではけがに苦しみ、思うような結果が出せないまま引退の決断になりましたが、引退を決めたことで「どんな野球がやりたいか」、弟との関わりの中から自分の姿をどうみせていきたいかを考えていくようになります。
 来斗がまだ若いのに野球を諦めて就職することは驚きましたが、佑の高校時代からの片思いが大人になってついに報われる、決着がつくのは再会ものの醍醐味だと思いました。

手紙の鮭の意味

 幼なじみの凪沙と一颯のお話です。凪沙は先生に注意されながらも高校に通っていますが、一颯は市場での仕事、魚や漁師の仕事に魅力を感じているため高校にはすでに通っておらず、退学を考えています。
 私は、一颯の方言や一颯が時々見せるおじいちゃんのような言動がツボでした。
 一颯が漁船に乗るためにしばらく凪沙と会えなくなりますが、一颯が凪沙に宛てた手紙に朝ご飯に「鮭を食べよう」と書きます。この「鮭を食べよう」の意味が最後まで分からなかったのですが、一颯の独特な告白だと分かって思わず笑ってしまいました。