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「S社長」の「S」は


ネタバレ混ぜた感想だけ。

*

攻めザマァ小説、そしてタイトルの「S社長」ということで私は最初「レイプは当然出てくるだろうな」って思いながら読み始めました。で、中半まで読んだとき「S社長」の「S」は「Super darling」の「S」だったのか?って(笑)私にとっては花澤さんは結構スパダリに近い方だったので、どうやって攻めザマァになるのかなってドキドキしながら読み進めました。

*

えっとですね。

私、この小説と皆様のレビューのおかげで自分がどれだけ攻めさん贔屓してるのか再確認できました。私は花澤さんのこと世の中、攻めさんたちのキャッチフレーズみたいな「可愛い子ほどイジメたくなる」を自ら実践してるんだなって思っただけですね。

後で藤村さんの反応を読んで「そうだよな。当事者にとっては大問題だろうな」と思いながらも「でもそんなに好きだったのに言い訳とか解明の機会も与えずにあっさりサヨナラって、すごいな」とも思いました。まあ、あの時点で「サヨナラ」が出てからこそ「ここから攻めザマァを皆様にお届けします」が出来るのでしょうがないなって感じ。

*

最終的には攻めザマァ小説じゃなく、ラブコメとして楽しめました。花澤さんは私から見れば可愛い程度の意地悪い人だったし、むしろ最初はウブでいちいち可愛らしい反応してた藤村さんが主導権を握った途端クールで大人しい雰囲気になったので淋しい気持ちになりました。

灰色の世界から


ネタバレ混ぜた感想だけ。

*

最初から75pほどまでは結構しんどい気持ちでした。
次から次へと嫌な人たちが出てくるので、息する暇もないって感じ。

事務所の従業員である糸崎は「先生、俺の話聞いて聞いて聞いて」ってなにこれ子供?みたいな人ですし、雨貝は家庭の事情で早退しまくるので完全に職場舐めてるなって思いました。事務所を引き継ぐ条件が「従業員をそのまま雇う」だったので「こいつら、それを知って好き勝手放題なのか」って苦笑いが止まらないです。後で従業員たちとの関係は改善されたものの、初印象があまりにも最悪だったのでむしろあっさり仲が良くなったなって思いました。

そして南雲さんの元カレ…いや、セフレ野郎はいきなりバイブ持ってきて南雲さんを貶しながらセックスしようとしてる。厳密に言えばレイプじゃないですが、状況的にほぼレイプだと感じちゃうのでイライラが止まらなかったです。

受けの南雲さんは気が強くてクールな人ですが、自分に自身がなくて劣等感まみれなので見てるこっちが息苦しい。だから頼れる人は攻めの海棠さんしかいなかったんです。実際、海棠さんのおかげで最後まで読めたと言っても過言ではないくらい。
でも、セフレ野郎に嫉妬して頭おかしくなりそうと言ってるわりには、セフレ野郎が使ったバイブを大事にとって、バイブ咥えてる南雲さんを想像して毎晩オナるって…私が海棠さんだったらバイブとか絶対ぶっ壊す。セフレ野郎から南雲さんを救ってくれた張本人が、その状況を想像しながら毎晩楽しんでるって…私には理解できなかったんです。だから海棠さんにもなかなか心が開かなかった。

*

南雲さんの世界が灰色から薔薇色に染まっても私はなかなかついて行けなかった気がします。

この小説、私的にはBLより「南雲さんの成長小説」に近いです。恋愛のところは海棠さん一人で引っ張っていくし、南雲さんは海棠さんの甘い言葉に「軽蔑したくなる」とか「エロオヤジ」とかツンツンしてるだけで、最後の最後まで素直に「ありがとう」って言ってる場面が全くないです。

評価に迷ったんですが、海棠さんの色んな甘い言葉と、私がBLで攻めさんが言ってほしい台詞No.1の「あんたが男でよかった。子供要らない。いつまでも二人きりでいちゃいちゃしたい。」みたいなことを言ってくれたので「萌」にしました。

番外編は読むんじゃなかった

あらすじは姐様達が語って下さったので私は私的な感想だけ書いておきます。
電子書籍で購入。
電子限定番外編『金曜の夜の蜜月』ネタバレあり。

*

カーターさん(攻め)はほぼ最初から一目惚れだったので倉田さん(受け)のことを溺愛してるし、倉田さんも昔のトラウマと「(カーターさんのことを)好みじゃない」と言ってる割には素早く恋に落ちるので(笑)、作品の雰囲気は甘々で暖かいです。時々起こる事件もむしろ恋が実るための踏み台にみえるので気楽に楽しめました。

一番心に残ったシーンは、カーターさんが今までの悩みを語るところです。

ずっと女の人と交際してきたが何故か本気になれなくて、自分に問題があるんじゃないのか相当悩んでいたが、倉田さんに出会って、一目惚れして、ようやく性的指向に気が付いて、自分がゲイだったという衝撃よりも誰かを普通に愛せる人だったことにほっとするんです。

なんかこんなことは受けさんの専売特許だと思い込んでいたので結構新鮮でしたし、カーターさんが一時の火遊びじゃなくて本気だとはっきり感じ取ることが出来てとてもいいシーンでした。

本編自体は萌2ですが、限定番外編『金曜の夜の蜜月』が趣味じゃなかったので萌にしました。

*

私は基本的に、攻めさんと受けさん以外には全く興味がないのです。だからカーターさんの友人であるヘザーとかケイレブが二人のことを見守りながら色々しゃべっても「…だから何?」って感じちゃう。番外編だと他人のことより、カーターさんと倉田さんがいちゃいちゃしてるところとか、『大☆成☆功・初夜は1/3だったけど、今回は根元まで合体出来たよ!』とか期待してたので残念。

そして、友人の二人があまりにも嫌いなタイプでした。ケイレブは親友の性的指向を「俺は今でもカーターはゲイじゃないと思う。」、「カーターに性別はあんまり重要じゃない」って自己完結してるし、ヘザーはさらに加えて、もう…… ヘザーが語ってることを要約すると、こうなります。

『私も以前女に一目惚れしたことがある → 私はレズビアンじゃない。彼女が特別だっただけ → だからカーターもゲイじゃないと思う。倉田さんが特別だっただけ』

……は?

あのですね、二人ともまだ中二病直ってないですか?w見てるこっちが恥ずかしくて死にそうですがw本編でカーターさんが性的指向を認めた時の感動が台無しだよ。どうしてくれるwああ、もう……

カーターさんの友人の二人がこうしているとなんだか苦笑いが止まらなかったんです。ゲイなのか、ゲイじゃないのか。これを言える人はカーターさん自身であって、他人が芸能人のゴシップのように軽々しく言えるものじゃない。親友のことをそのまま認めず、自分勝手にしゃべってるところを読みながらあまりいい気分じゃなかった。

限定番外編は不愉快でした。

応援し続けたいと思ってるシリーズ


レビューする前ちょっとだけ愚痴。(ここはスルーしていただけると幸いです!)

いつか名倉和希先生の作品をレビューするのならどんな作品を最初に選ぼうかな~ やはり先生のお名前と作風を確実に認識できた『神さま、お願い』じゃないのかな~

今はこんな思いあっさり消えちゃいました(笑)「名倉和希」という認知度高めな作家さんをちるちるという巨大サイトでサーチすると、一番上に(しかも二番目まで!)自社のレーベルと出版社名が出るのがどれだけ宣伝になるのかについて新書館はまったく興味がないみたいですね。
はい、小説Dear+ Vol.72のことです。あんまりにも無神経すぎて、残酷すぎて… 結構長い間根に持ってそう。貴社の作家さん扱いはよ~く分かりました。作品リスト+作家コメントという周年特集の鉄板ができない作家さんだけどお祝いしちゃうんだ!うわっなにその覇気!ホントスゴイデスネって感じ(笑) じゃあ私も残念ながら私にとって記念すべきな作品より先生の作品で一番超大好きな『アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋』をレビューすることにしました。



このレビューには先生の作品『純情秘書の恋する気持ち』のネタがほんのちょっぴり出てるのでネタバレ嫌いな方々はご注意してください。



この作品は導入部読んで少し焦りました。
なぜなら、今か今かと読み続けても攻めさん出て来ない!(笑)
どうしよう。早く攻めさんと一体化して読みたいのに。あっ、でも坪内さんいい感じ。会ったらすぐに運命の恋を感じちゃうのかな?一目惚れ的な?とか、遠くで見守る気分で読み進めるところ、攻めさんよりも先に柴田野郎が出てくるんですね。名前書いてるだけなのにムカついてきた(笑)
この作品そして『純情秘書の恋する気持ち』も相当嫌な、目障りとかそんな可愛い単語で表現できないほど、人間であることを辞めましたっという奴らが登場します。こいつらのせいで受けさんたちは仕事をやめる羽目になってるしストーキングまでされて。
まあ、『純情秘書の恋する気持ち』の先輩野郎はこの作品の柴田よりマシなほうなんですかね。人でなし先輩野郎も一応最後には人間のようには見えてきたんで。

時々「健気受け」タグがつく小説で受けさんが感情過剰と感じられる作品ありますよね。自分の哀れな過去とか語り続けるの読んでると「ハイハイワカリマシタもういい加減聞き飽きた」という気分になっちゃうみたいな。
名倉先生の作品の健気受けさんはなんというか、ちょうどいい程度といいますか、むしろ「もっと怒って!もっと泣いてもいいのに!」と慰めてあげたい気持ちになるんです。こんな受けさんだからこそ私は素早く熱い恋の熱病におかされる。いつの間にか攻めさんになりきってこの子を幸せにしてあげたい。生涯を捧げたいって(笑)

作品の冒頭から坪内さんは退職届を差し出して、 すでに行われてしまった柴田の悪行を坪内さんの回想を通じて読むことしか出来なくて、そして「(レイプが)未遂でよかったじゃないですか」ってほざいてる警察官まで。
ここまで読んで思ったのが、この柴田のヤツこれで終わりのはずがない。絶対また出てる。私のBL脳細胞がそう言ってる。その時アーサーさん、アメリカ人の専売特許な「訴える!弁護士雇って絶対に訴えてやる!」ほどで済ませるとマジがっかりだからね? そうすると私は、『アーサーシリーズ』読み続けること出来ないからね?一発だけでもいいから必ず殴って?
すみません。アーサーさんと出会いがまだだったので。ごめんなさい。アーサーさんは真に名倉先生のご立派な攻めさんでした。めちゃくちゃカッコイイ!よく出来ました!
アーサーさんが柴田の悪行を目の前にしたとき、素晴らしく文句無しの対応してくれて私は起立拍手の状態になったんです。角野さんが止めなかったら柴田はその場で確実に…(笑)

実のこというと、アーサーさんそんなに遅い登場ではなかったんですね。ただ、ストーキング描写、こいつマジで正気じゃないな、頭どうかしてんなって思えるほど、住居侵入した柴田の態度と言動があまりにもリアルすぎてぞくぞくして、この状況早く何とかしてほしい。だからアーサーさんの登場が遅いと感じたようです。(そして柴田の住居侵入は後半でもう一回出てますが、後半のほうがすごくキツい。心臓壊れると思った)

話の最初と最後は「柴田、絶賛悪行中!」みたいな感じですが柴田が出てこない、内容のほとんどはラブコメです。とくにアーサーさんの変化ときたらw 「全然好みじゃない → 好みじゃないはずだが → いやいやいや好みじゃない!断じて違う! → 可愛い…これだけは認めよう… → トキ、愛してる!愛してるんだ!私のものになってくれ!」みたいな。初対面の人がちょっと体調悪いって自分の部屋に姫抱っこして連れてく時点からもう一目惚れでしょうが。
名倉先生の攻めさんは基本、年齢関係なく一貫してます。情熱的で猪突的でありったけの熱い想いを注ぐ、恋を自覚するとさらに色々すごくなります。そして「受けさんのこと心から愛してる」っという感情がほかの感情より最も優位を占めている気がします。受けさんなしじゃ生きていけないっと全身で叫ぶような感じで。アーサーさんはもし坪内さんがいなくなったら「生きることに何の意味がある?」とか言っちゃいそうなお方なんです。遊び人の初恋ってすごい!



名倉先生、20周年真におめでとうございます。
そして『アーサー・ラザフォード氏の甘やかな新婚生活』の増刷もすごく嬉しかったんです。増刷のお知らせを見たとき『ダリア文庫』というレーベルの好感度が一気に上がりました。
さらに!2019年5月13日に発売予定の待望の4作目まで!アーサーさん、記憶喪失ですって?(笑)大好物です!たまんないです!これからもずっとずっと『アーサーシリーズ』と連呼し続けたいです!

複雑な気分

雑誌の内容と感想はすでにあーちゃん2016様が書いてくださったんですね。
私も岩本薫先生の作品だいぶ良かったんです。久々に岩本薫先生の王道BLを拝見するのができてファンとして嬉しかったです。
そして海野幸先生!わあ…… 私最近海野幸先生の作品読ませて頂いておりますが、驚くほどハズレがない!私は苦手な設定とか沢山あって作家買いはあまりしないほうなんですけど、海野幸先生ならこれから作家買いしても大丈夫な気がしました。



ここから『岩本薫先生20周年特集』について言わせてもらいます。これ書くべきか躊躇ったんですが特集の感想なので、やはりちょっと言いたいです。これはあえて遠慮なく、結構ド直球に、そして露骨的に書いてるつもり。とてもちぐはぐです。苦手な方はお避けてください。



Vol.69『渡海奈穂先生デビュー20周年特集』、Vol.64『月村奎先生デビュー20周年特集』、Vol.60『久我有加先生デビュー15周年特集』、Vol.58『砂原糖子先生デビュー15周年特集』、そしてVol.73では『小林典雅先生デビュー15周年特集』予定等々。

今まで『雑誌 小説Dear+』がしてきた記念特集は当たり前というかむしろ『雑誌 小説Dear+』にお祝いしてもらうのが当然って感じ。じゃあ、今回の『岩本薫先生デビュー20周年特集』はどうなんだ。私は先に書いたとおり岩本薫先生のファンだけどこれは嬉しいよりなんだか唖然とした。

『ディアプラス文庫』で岩本薫先生の一番最後の文庫が2013年12月。だから約5年間『ディアプラス文庫』とご無沙汰してた作家さんがいきなりデビュー20年特集の形で『雑誌 小説Dear+』に出てるということに。

そして驚愕のハイライトは岩本薫先生と同じくデビュー20周年を迎えた名倉和希先生がお祝いコメントを<する側>に登場。……なんだか私が大変申し訳ない気持ちになった。岩本薫先生と名倉和希先生のご親交はすべてさておき、これちょっとおかしくないですか? 名倉和希先生がお祝いコメントを<もらう側>だったら良かったんじゃないですか? 今になってもまだ理解出来ない。

岩本薫先生のファンとして言わせてもらいますけど、先生はすでに先生のファンなら自然に浮かぶ出版社の『リブレ』でとてもとても大事にされておりますよ。こんな出版不況に、(コミックじゃない小説、シリーズもの、昔の作品)というリスクがあるにもかかわらず発掘しリニューアルし世の中に出す。『タフシリーズ』はマイナーなジャンルの出版社が送り出す精一杯な愛情表現、信頼の塊そのもの。

じゃあ新書館はどうなの?

岩本薫先生より名倉和希先生が今まで『ディアプラス文庫』、『雑誌 小説Dear+』に貢献してきたと自信もってハッキリ言える。ちるちるでちょっとサーチすればすぐにでも分かること。誰でも分かる事実をディアプラスだけ知らないんだなんて?

夢見るBL雑誌をみながら「大人の事情」とか「ネームバリュー」とか何故こんな嫌な気持ちを感じなければならないワケ? 新書館の『雑誌 小説Dear+』でしょう?『雑誌 小説Dear+』は『ディアプラス文庫』というレーベルを持ってる、ただ新書館の雑誌にすぎない。だから岩本薫先生をお祝いするより、自社のレーベルで活躍してらっしゃる作家様をもっと大事にするべきじゃないのか。

岩本薫先生ファンの私さえこんな気持ちだから、名倉和希先生の書き下ろし目当てで『雑誌 小説Dear+』、『ディアプラス文庫』を買ってきた名倉和希先生ファンの皆様はどんな気持ちなのか見当もつかない。残念極まりない。

攻めさんがとても興味深い


2回読みましたけど、この作品は再読した時がもっと面白かったです。
再読してると見えるものが増えるというか。この作品は最初から最後まで星名君の視点なので、都築さんのことを自分勝手に色々想像するのがとても楽しかったです。作品の都築さんは本当にスパダリそのものですね。ただ、私が想像で作り上げた都築さんにタグをつけるなら『執着』そして『腹黒』を選びたいです(笑)

[ 寂しいそうな横顔が気になる → 視線さえもらえない相手を見つめる → ずっと見つめ続ける → 見つめながら話をかけるチャンスを狙う → お喋りできた当日さっそく名刺を差し出しながら口説き始める ]

作品の中で具体的なのは『お喋りできた当日』ところなんですけど、都築さんの台詞に頼ってその前を想像するだけでもなんだかニヤニヤが止まらなくて。ドキドキしながら星名君を観察してる都築さんの様子が目に浮かぶようでした。
『かわいい執着』のまま想像が終わらず、『腹黒』を感じたのが星名君がバイト遅刻する寸前だった時。都築さん、これ本当に偶然なんですか?本当に偶然の偶然で、たまたま近くにいたんですか?ただ神のタイミング?私はなんだか信じがたいな……(笑)
そしてこれはあくまで私の想像ですが都築さんの性格は、もちろんスパダリの優しさもあるに違いないですけどロールプレーの時にやんちゃで俺様なところも都築さんの自然な一部じゃないのかな。でもこれを披露したとき星名君にウケるどころか泣かせてしまいましたね。そして「これはダメだった」と感じた瞬間臆病な都築さんは素早くスパダリに戻る。

都築さんは時々「理想の恋人」って言ってる。これなんというか。凄く意味深いな感じがします。やっと巡り会えた「理想の恋人」は外側から見ても『我儘な人』より断然『頼りになる人』が必要そうにみえる。これを都築さんが分からないわけがない。だから都築さんは「理想の恋人」を絶対失いたくないため、必死で自分の中で一番優しくてやわらかい部分だけ見せる努力をし続けるのじゃないかなって。

あとでもう一回読みたいです。
その時は都築さんと完全に一体化できる気がしますので。

そして私的には美作はちょっと残念だった。美作は最初から星名君にけっこう強めな態度をとるんで、じゃあこうなったらいっそ最後まで、この作品のたっだ一人の『嫌なヤツ』そして『恋のライバル』になって緊張感を盛り上げる役目を貫くことを期待しましたけど『じつはコイツもいいヤツだった』になりまして。
また美作と会える機会ができるなら、ヘタレワンコ攻めの匂いがする荒川さんに惑わされる受けさんとかどうかなって想像してみました(笑)

攻め目線で想像と妄想を繰り返しながら充実な時間を過ごしました。
とても楽しかったです!

*

メモまでしてたのにレビューで書くの忘れてしまいましてそっと補充しておきたいです。

都築さんは腹黒じゃないかと思った決定的な場面というか、『本当に腹黒かもしれない』って思ったシーンがあります。
都築さんは時々ご自慢の『いつも笑顔』が出来ず、微笑が崩れる瞬間があります。顔から一気に表情がなくなる。これが一番出てくるシーンが星名君がパスファインダーのことで都築さんじゃなくて楡崎に相談したときです。これを後で知った都築さんが『ほんの一瞬』隠せなかった気持ちというか。星名君を目の前にして、一瞬だったとはいえ星名君が大好きな笑顔ができない都築さんだなんて。これ結構印象的に残りました。そして星名君が慌てて『言い訳』するんですね。これを言い換えればその時、星名君は都築さんの顔を見て『何も言わずにはいられない』って感じ取ったんでしょうかね(笑)
物語を読んでいると、ここでは都築さんの考えることなど文に出てきてもいいのではないかと思える場面がありました。けど、作品では都築さんの心を読める描写は一切出てきません。 これくらいならたぶん、先生は『都築さんの解釈は皆さんにお任せします』というお考えでしょうか。なんとなくそんな気がします。

*

タイトルが指すのは星名君ではなく都築さんのことですね。だからこの物語は星名君の成長と恋のお話だと読んでもいいですけど、都築さんが「理想の恋人」のため徹底的に(もしかして色々堪えながら)『溺愛』するお話だとも思いました。


辛かった

このレビューを書いている私は攻め贔屓、攻め推し、(例え受け一人称だとしても)徹底的に攻めの目線で作品を楽しむ人なんです。
相模原について相当キツいこと言ってるので、こんなレビューが苦手な方はスルーしてもらえると幸いです。


*


私は疲れた時、間之あまの先生の「嘘つき溺愛ダーリン」を手に取るんです。読むたびに癒されるし幸せな気持ちになれる良い作品だと思います。今回も「嘘つき溺愛ダーリン」みたいに先生の優しい作風で、最初はつらくても最後には笑ってる二人を見守りながら、私も幸せな気持ちを満喫したいと思ったんですが残念ながらそうはいかなかったんです。

何故なら、

1.相模原、お前マジで出しゃばるなよ。いい加減にしてくれる?

そして最後の最後までいい加減にしてくれなかった(笑)
ssまで出るとは…… はあああ……
私は相模原が初登場したとき、イラストが蓮川愛先生だったので先生の作品「恋愛操作」の式さんを思い出しました。式さんは攻めさんの秘書で、身内で、イジメ上手な方なので相模原も式さんみたいな人なのかなって思いました。
結果、本当に式さんに大変失礼な考えでしたね。

式さんのイジメはいつも「嫉妬を煽る」、「適材適所なツッコミ」という分かりやすくてはっきりとした<理由>があります。そしてスムーズに役を果たして、またスムーズに離れる。本当に理想的な味方ですね。
相模原の場合、<理由>が見えない。つまり<イジメの名分>が立たない。ただ自分勝手なやり取りを楽しんでるだけに見える。もはや味方じゃない。

じゃあ当て馬?私にとっては当て馬でもないと思います。当て馬は恋のスパイシー役目が終わったら存在感が薄くなるはずなんですが相模原は薄くなるどころかむしろ利仁さんよりもますます存在感が強くなる。攻め味方な私にとってはとんでもない邪魔者としか考えられない。目障りにも程がある。
利仁さんよりも出番多いんじゃない?これは私の気のせいだけじゃないと思います。それほと相模原の出番が呆れるほどすごい。利仁さんと日向のツーショットより、日向と相模原のツーショットが多いと感じられるほどに。

一番腹立つのが利仁さんが自ら言ってほしかった話はほとんど相模原が横取りする。家族との関係や今の立場と状況、そして「ことり」のことまで。利仁さんはクライマックス前までちょっとHして、ちょっといちゃついて、ちょっと拗ねるだけ。二人の関係で本当に大切で大事な話は愛の告白を除いて(笑)ほぼ相模原の口から出てる。いや…… 違った。愛の告白さえも相模原に追い越されてしまった。
この作品で一番インパクト感が欲しかった場面(市民ケーンのケースで例のアレとか、元カレ誤解とか)はなんとも言えないイマイチな流れだったのに、相模原が「好きです」から「冗談です」につながる場面は本当にもう…… 相模原がふざけてる場面でこの作品の一番のクライマックスを感じさせられてしまうなんて。実はただの「冗談」では見えないですが、もう散々疲れてしまって冗談だと信じていたい……

いい加減にしてくれる?とか言ってもしょうがなかった。
この男は<加減>自体を知らない人のようで。


2.曖昧な態度が本当に寂しくて悲しい

日向は私が期待していた王道の健気受けとはちょっと違いました。まあこれはいい。利仁さんが愛する人だから、この時点で私は文句を言いたくない(笑)ただ、攻め目線で話を読んでると時々悲しくてしょうがない気持ちになっちゃう。辛かった。

一番辛かったのが相模原が「好きです」と「冗談です」を吐かすところ。日向は利仁さんには結構嫌味も言えるのになぜ相模原相手じゃこんなにも控え目なのかな。利仁さんじゃなくて相模原と恋愛してるの?だから「好きです」とか「冗談です」なんて聞いても一言もいえないのかな。
ここでは怒ってほしかった。 「敵だらけな利仁さんが一番頼ってる貴方だからこそ、これはどうかと思います。言っていいことと冗談でも言っちゃいけないことくらい分別してください」とかマジで言ってほしかった。せめて「こんな冗談は好きじゃないんです」でもいいから。

日向のことはここまでにしておきます。
利仁さんに本当に申し訳ない気持ちになる前にこのへんで。


*


本来なら「しゅみじゃない」ですが、心に残る場面もあったし、利仁さんのことを応援する気持ちを込めて「中立」にしました。相模原が出てくる前、特に過去の話は本当によかったんです。二人だけの穏やかな時間、二人しか存在していない病室が目に見えるようでした。

利仁さんはこれから、たぶんこの先ずっと大変そうですね。恋人に告白した男が、その恋人のことを「小鳥さん」と愛称で呼ぶ。相模原が「小鳥さん」と呼ぶたび私はマジでぶっ切れそうになったんですね(笑)相模原のいたずらネタのために過去の話が存在してたのかって…… 過去の透明感ある好きな場面が「小鳥さん」一言でいきなり穢れてしまいそうな、本当に嫌な感覚が……
私が利仁さんだったら絶対に耐えられない。キツすぎる。

利仁さんはこれを毎日見る羽目になるんですね。
応援したくもなるんじゃないですか。