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萌×2作品

エキスパートレビューアー2023

女性ミスTyさん

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レーベル名二度見した

 2023年3月現在2話までの感想。偏見かもしれませんが竹書房あたりから出て来そうな表紙です、これが「花音」さんだった事が衝撃で興味を示しました。
 いかにもエロそうな表紙とタイトルですが、ここは花音仕様だからか中身は想像よりエロくなく、二人のやり取りをメインとしたストーリー比率が多め。

 クリスマスイブ、彼女と別れた譲治は絶望しアル中で死のう!と決意する。フラフラに酔っていたせいで勘違いしてゲイバーに入ってしまい、そこで出会った玲央が話を聞いてくれて意気投合、そのまま上手い事丸め込まれてお持ち帰りルート。
 我に返った譲治はヤっちまった!忘れたい!となり、玲央は譲治がノンケだと知らなかったのだ、そんな二人が仕事絡みでビルで再会するのが2話目。

 タイトルからイメージする内容とは少し異なるような?このビルが仕事場なので間違ってはいないけれど「待てない」+「発情」+「オフィス」=どうしても机とパソコンが並んでいる場所で…なイメージが先行しがち。仕事終わりにビルのトイレでの2話目の方がよりタイトルと合っていると思います。

 ただ、この作品を購入する方の多くは、恐らく表紙のバイーン御開帳!に惹かれて買うと思われますので、タイトルと内容の相互性などはあまり気にされないだろうし問題無さそう。私も花音がヒゲ雄っぱい!?と言う興味から購入し後から、え、オフィスモノだったの?ってなったので。

 Hシーンは1話目は朝チュン回想、2話目は手コキのみ。1話目は冒頭の腕枕シーンがまず良かったですし、酔っていたとは言え合意で譲治が嬉しそうにHを承諾して楽しめていた模様。
 2話目は上手く抜けなくなった譲治を、玲央が抜いてあげる甘やかしエロの後に連絡先まで渡してくれる。プレイ内容は控えめですが肉体や表情、会話のやり取りも良く十分萌えがありました。でももっと見たい、甘々エロもそこから愛に変わっていくプロセスも。

 攻めが受けを甘やかす話って自分ではあまり好きじゃないと思っているんですが、転職を繰り返し仕事に悩みつつも頑張って働いて来ただろうし、彼女にフられて死を考えるくらいには愛情深い譲治なので、もっと甘やかされて幸せになって欲しいな。

 2話セットで220円計50ページなので妥当だと思います。2話目の配信日が2019年なので、2話完結のお話だと思って購入したのですが「つづく」となっております。かなり前の作品なので望みは薄いかもしれませんが続きが出たら喜びます♪

神戸さんチは大家族

 ※ネタバレを見ないで読んだ方が面白い作品です。ただ、人に寄っては地雷踏みまくりだと思うのでご注意を、以下↓ネタバレ有りの感想です。


 神戸豹吾は獣医師を目指す学生、お世話係と護衛が居る他と違う家庭環境に疑問を抱きつつも、夢に向かって勤勉に励んでいた。ところが父親が倒れた事により状況は一転、実は神戸さんチはヤクザの一家だったのだ!
 
 長男次男が諸事情で跡継ぎになれず候補は三男の豹吾に。ヤクザの跡継ぎになどなりたくない豹吾は、兄の事を調べている内に長男次男とは別に二人の兄が居る事を知る。
 
 『ある日その二人の兄に交渉しに行った豹吾は、跡継ぎになってもらう代償として二人に体を差し出す事に…豹吾に歪んだ愛情を向ける二人から理不尽な陵辱の限りを尽くされ、それでも獣医になる夢を叶えるためには耐え凌がなければならず…』


 ……みたいな話を想像しちゃう表紙でしょ?黒地に血文字風の赤で「理不尽」の文字、強そうな男達に挟まれ無表情で佇む中央の豹吾…てっきりダークなお話かと思ってた。
 ところがこれが想像と全っ然違って終始コメディなんですよ。そしてこの豹吾ってコ、意外と気が強いしっかり者で策士でした。

 つい箇条書きにしたくなっちゃうんで書かせてもらいますが、この33ページの短編の中に人が沢山出て来ます。主人公は三男の豹吾と、世話係の大輝&護衛の剛健ですが、その他に…

父親:剛輝  母親:アルヴィナ 
長男:一二三 次男:四葉
長女:一姫  次女:双葉 
大輝&剛健の母:蘭&蓮 
父の執事:森さん

 一人一人の出番はちょい役程度ですけれど、サブキャラクターが沢山居て和気あいあいとした雰囲気が好きな私は、この部分も楽しかったです♪長男&次男はなかなかクセ強キャラですね。

 Hシーンが全部斜め上の方向に行って衝撃でした!ページ比率はストーリーに対してそこまで多く無いけれど、3Pもあるしやや濃いめ。
 体格差でどちらが攻め・受けに拘りのある方、3人モノのカップリングの組み合わせに拘りのある方、左右固定厨の方にはオススメ出来ない、何が起きても大丈夫な方向けです。

 私は全部美味しく頂けたので良いサプライズだったのと、予想外過ぎるこの展開に拍手を送ります。今後は攻め受け自由入り乱れが予想される、前も後ろも両方頂こうとするのは「BLならでは」の最上級ではないかと。

 ちょっと古めの作品ですが、110円の読み切りでこの想定外の内容は良い買い物をしました♪

挿入なしが逆に良い

 読み切り好きなのと表紙が良かったのでDL、実は勝手にお笑い芸人コンビのお話と勘違いして購入(^-^;俳優同士のカップルでした。
 実は芸能人同士のカップルってあまり好みで無いのですが、大御所俳優を含めた仲間達との飲み会の様子も楽しく、嫌味でない人間味を感じられたので問題無く楽しめました。

 はっきり言ってストーリー展開に、特に凝った内容や斬新さは感じられませんでした。先輩受けの誠に、実は長い事片思いしている後輩攻めの流風(ルカ)。誠の失恋がきっかけで、酒に酔って出る本音から迎える一夜で関係が進み出す。
 それから誠はルカを意識するけれど、彼の態度にモヤモヤや会話の流れから思い込みで落胆する場面も、ルカの態度には好きだからこその理由があって…。  
 
 …と、不安要素からの逆転ハッピーエンドなBLでよくあるセットメニューですが、絵とキャラデザ、愛が重い攻めと兄貴肌受けの組み合わせのお陰で良い味が出ていると思います。
 拗らせた重さに不安も募るルカの気持ちを、誠が笑顔でドーンと受け入れるシーンが良かった!これぞ男前受けって感じがしました。最初の一夜は朝チュン的な描写のみで、実際のHシーンは両想いになってからです。
 
 誠はノンケ、後ろなんか弄った事も無いでしょうし、指だけでもいっぱいいっぱいで上手くイケない。ルカはご立派なモノをお持ちですが、こんな感じ↑なので無理に挿入はしません。
 やたらと挿入を急がないのがルカの優しさ溢れる愛と、少しだけリアリティを感じるこの作品の良い所の一つだと思います。前立腺の感覚を指で教えるのと最後は前で一緒に楽しむので、エロは損なわれず満足出来ました。
 
 一歩間違えばヤンデレ化しちゃうかもしれないルカですが、今の所は怖さや面倒臭さはあまり感じられず、愛に溢れて心配無さそうです。Hもこれから少しずつ、挿入目指して一緒に慣れていくのが目に見えるようですね。

 解り易く親しみやすい王道ハッピー、コミカルタッチで笑える箇所も有り。絵も上手でHシーンも控えめなので、初心者さんも年季入った方も気軽に楽しく息抜き出来そうな作品で良いな、と思いました。

BOY’SピアスH vol.6 外人SEX 電子 コミック

エロくてラブい異文化コミュニケーション

 外国人アンソロジー、私が知っている限りでは初めて見ました。もしかすると人種に対する配慮などの観点から、日本のBLで外国人を主題とするのは難しいのかな…?
 外国の方が見たらどう思うか解らないけれど、あくまでも日本人が考えた外国人をイメージしたキャラクターと思ってくれれば幸いですし、我々もそうやって楽しむべきものだと思います。

 3作品がアメリカで他は韓国とアラブのイメージ、外国人側が日本に来る設定で殆どが外国人攻×日本人受。カタカナ表記に英語交じりの日本語、長身・大柄な体格に端正な顔立ちと巨根、これらのお約束的要素も楽しめました。以下、各作品の感想です。
 
「人生に必要なことは、ジャパニーズBL漫画から全て学んだ!」
 河川敷にBLを捨てたヤツちょっと来い、話はそれからだ。表紙の二人でこれだけ外国人受け、扉絵に積まれているBL本にも注目です。
 短編なので唐突・駆け足ではありますが、誤解からのやるせなさに亀裂が入りかけ、そこからの逆転ハッピーエンドが良し、王道シチュ「誤解が解けたあとの甘々エッチ」は私も好きです。サブキャラの高橋が最後に話を盛り上げ、まんがゲーム同好会の人達もみんなが自分の好きな物を謳歌している様子が微笑ましかったです。

「韓流アイドル・ミンジュンのお忍び訪日デイズ」
 アジア枠が意外で新鮮、洋風とは異なるアジア系イケメンの雰囲気が上手く出ていると思います。アイドルとファンのカップルだからこその気遣いや心配事、それらを抱えながら限られた時間での甘い逢瀬に萌える作品。ハメ撮り風やクリームプレイ的な少し凝った要素も、ケーキが紡ぐ出会いのエピソードも組み込まれストーリー性もしっかり。
 ハングルが出て来てやや本格派かも、一般論的なもので全ての人が当てはまる訳で無いけれど、韓国の方の考え方や恋愛傾向も描かれ、その要素もミンジュンに反映されていました。

「巨根彼氏が襲ってくれない!」
 地域振興課の仕事がきっかけで外国人攻めオリバーとお付き合いする事になった受け陸は、シャイでジェントルマンな彼氏になかなか抱いてもらえないのが悩み、お付き合いするまでの流れのエピソードも少し欲しかったです。
 各行為の動きが丁寧に描かれているエロは見応えがあり楽しめました!白抜きにも関わらず一目瞭然なオリバーのメガトン巨根も凄いですが、ジャパニーズ陸のエロさもインパクトがあります。ア〇ニーバレからM字開脚で誘いハート交じりの淫語実況も、オリバーの方は恥じらい赤面し可愛い印象、これからはもっと二人で楽しめると良いですね。

「王子と家政夫~本当は淫らな千夜一夜物語~」
 高校卒業後いきなり豪邸に連れ去られ家政夫にされる受け夏希、何故?攫ったのはゲームのチャットでやり取りをしていたアラブのハイダル王子だったのだ!
 ゴージャスで忙しい非日常のような日常に振り回され、セリフや心の声がたくさん書かれて紙面から伝わる情報量が多い!夏希が強気で王子相手にはっきり本音を言える性格なのが良くて、刺客(?)にも見事打ち勝って見せ、王子への気持ちを自覚して両想いに。唐突に何でも出来ちゃういきなり感はあったけれど、ここは財力と権力、人力あってこそ、アラブ王子のスーパーパワー&ラブも感じました。

「訪問セールスは金髪碧眼と共に」
 失敗続きの訪問販売員、弘は道に迷っている外国人ライアンと出会う、案内してあげたら感謝されて好かれ一緒に回ってくれることに。
 「サムライ」「オシルコ」、知っている日本語を駆使して弘の事を例えたり褒めるライアンが面白く微笑ましい。酒が入って出る本音、イケメンライアンを妬んでしまい自分を卑下する弘と、それを否定し愛してくれるライアンの気持ちのやり取りもきちんと。ほろ苦い別れのラスト…かと思いきや最後でちゃんとハッピーエンドになって良かったー、弘の苦労が報われるような暖かくハートフルな作品でした。

 「外人SEX」というタイトルはもう少しオブラートに包めない物かと思いましたが、しっかりエロエロだけれど全てラブありきなので楽しめました!各作品単体での配信もされているようです。

 今度は逆に日本人が外国に旅立ち、その地で恋に落ちるアンソロジーもあったら面白そうだなぁと思いました。

二人が結ばれる日が来て欲しいな

 1話目のみの感想です。褐色肌でやや大きめの体格に、金髪の長髪を束ねピンクのベストを着ている、というBLではあまり類を見ない個性的なキャラデザが目を惹きました。なかなか続きが出ないので1話完結の短編なのかと思いDLしてみましたが、やはり続きモノのようです。
 
 あらすじを見た時はてっきり大きい方がお師匠(薬師さま)なのかと思ったのですが、お師匠は手前の小柄な方で大きい方がルカでした。ちなみに1話の時点ではHシーンはありません

 幼い頃捨てられていたルカはお師匠に引き取られ、薬師の仕事を手伝いながら覚えていき、その内お師匠に家族として、先生として以上の特別な感情を抱くようになる。
 物覚えが良くもうすぐ薬師として独り立ち出来るルカ、でも本当はお師匠とずっと一緒に居たい。ある日プロポーズに使われる「リーンの花」の話を聞いたルカは、思いを伝えようと花を探し出し渡すのですが…。

 表情のはっきりした絵が好ましく、ルカの明るくて好意真っ直ぐな性格が可愛い、お師匠も美形で物腰穏やか。
 二人は街の人々にも好かれ、一見癒し系の優しいお話なのですが、最後のシーンの引き出しの中とお師匠の言葉…両想いのはずなのに結ばれる事が出来ないのは何故なのか?
 回想シーンから現在でルカは大きく成長しているのに、お師匠の外見が変わっていないように見えるのも気になりました。ルカの記憶操作?の事も踏まえると、本当にお師匠はただの薬師なのでしょうか?

 …と、続きが気になるのですが、2022年1月に1話目が配信されてから続きが見当たらなく、それ以降のcomic picnの雑誌配信にも作者さんのお名前はありませんでした。(2023年1月現在)
 作者さんも出版社さんも諸事情があると思うので強くは言えませんが、二人の恋の続きが読めたら嬉しいなと密かに思っております。
 
 まだ未完結なので強くはおすすめ出来ないけれど、個人的に好きなのと期待の意味も込めて萌2評価とさせて頂きます。

これより凄いあらすじの本ってあるのかな?

「-童貞 包茎 デブの後輩犬獣人に種付けしたい-そんな皆様の想いが、本になりました。」

 …人の事は言えないけれど、一部のマニアの方にとって以外は三低揃った絶望のプロフィール。そんなマニアックでピンポイント過ぎる性癖の方が、この地球上に果たしてどれくらいの割合で存在するのか存じ上げ兼ねますが、そんな事を書かれたら興味本位で読んでみたくなる悪い癖が出てしまう人なら、少なくともここに一名居ます。

 犬獣人のタブチくんとセンパイ(攻)の宅飲みストーリー。タブチくんの紹介から始まり、じゃれ合いや回想、犬化の悩みについてのお話などで進み最後にHシーン。説明通り見開き2ページずつ別な日のお話、何度も一緒に飲んでいるのも心を許し合っているのが解って微笑ましい。

 おデブ君なのでお腹はポヨポヨ、脚もむっちり太めでセンパイより大きい体格。でも獣人なので体はモフモフでお顔は可愛いワンちゃん。素朴な雰囲気の絵で描かれるタブチくんの様々な表情が可愛い!もちろんHシーンも。性格も素直で穏やかな良いコで好感が持てました。
 センパイも「尊い」とか、心の声で言っちゃうくらいタブチくんの事が好きなので安心です。

 人間の姿のタブチくんの顔は上手く隠され描かれていません。電子で白抜き修正版以外のものがあるのかは解りませんが、どうしても包茎の要素だけは白抜きだとあまり楽しめないので、心眼の精度を磨くしか無いでしょう。
 チン〇が小さい事は白抜きでも十分解ります。巨根も良いけれど、加虐心をくすぐる小さいコンプレックスもまた別な魅力があると思うのは私だけ?
 
 紙媒体版を扱っているお店を調べたらジャンルは男性向けの模様。ここに登録されていると見境なくDLしてしまうけれど、きちんとAmaz〇nでお金払って買って左右ページ同時表示モードで読んだので許してねm(__)m
 同人誌の電子版なのでどうしても割高、私がDLした時は600円くらいで30ページちょい、もっとタブチ君とのいちゃいちゃが見たかったぜ…。
 購入はお財布と要相談なので強くはお勧め出来ないけれど、甘めのエロにラブ要素もしっかりあり、絵も上手ですしBL好きが読んでも十分楽しめる内容でした。

 読了後にはあらゆる未知の性癖に目覚める危険性があり、冒頭に書いたインパクト大なあらすじが共感出来るようになってしまうかも?なんだか素直ぽっちゃり受けとか、逆体格差の大柄獣人受けとかがもっと読んでみたくなってきた…どうしよう?

人外交尾性欲図鑑 電子 コミック

獣人以外が多い珍しいパターンかも?

 いつもは「H」になっている所がさり気なく「交尾」になってる!しかしそこから連想する獣人モノが今回は意外にも少なかったです。悪魔系が多く、ロボットに宇宙人とあまり見られないタイプも、以下各作品の感想です。

「ラブ・ヒート」
 今回唯一の獣人枠、美人で優秀な軍人さんなのに好意真っ直ぐなアーロンの無邪気で積極的な行動が、受け→攻め派にはたまらず魅力的でした!そしてそれは獣人ルガーの理性と欲望の天秤を揺さぶる…。獣人と人間の体格差、力の差ならではの不安から去るルガーは人外モノならではの葛藤がある。
 この短編の中に二人のバディとしての絆、冷遇されている獣人と人間の身分差や、すれ違い的別れ展開を経由してハッピーエンド、ストーリーありきのラブ&Hで面白かったです。

「天使さまを堕とすお仕事」
 堕天が容易な事では無く、それを助ける為の職業「堕天業務取扱管理士」が出てくる設定にオリジナリティを感じる。
 でも何故か終盤の何でもOKなヘルマスに少々闇の匂いが、依頼者に頼まれればどんなハードなプレイでもしなければならないのかなって。堅物ファヌエルの中に生まれた欲望とそれに伴う嫉妬描写は魅力的ですが、深読みすればヘルマスにもっと自分を大事にしろって意味も含まれているように感じる…考え過ぎかもですが。

「平凡会社員、宇宙人に懐かれる」
 女性社員も憧れる紳士的なスーツイケメンが、落下する看板をスマートに素手で受け止めぶん投げる、謎の紋様が浮かび上がる真顔で「私はこの星の者では無い」と。
 テーブルを挟んで向かいに座るイケメンだったハズの者の背後から無数の触手が伸びてきたり、ドロドロの何かで拘束されながら調査と称して犯される!
 …ごめんなさい笑いが込み上げて来ちゃう。イケメンのカッコ良さ重視に逃げず、かなり崩して攻めた人外ビジュアル&プレイで描いてくる大胆さが素敵!
 THE平凡でフラれ続けてきた和田、本当の長所は普段見られない部分にある、設楽はその良い所を見つけ気に入ってくれた存在、ストーリー部分も楽しめて絵も上手でした。

「落ちこぼれ淫魔をドスケベ教育してみた件。」
 「〇〇してみよう」系、具体的で生々しいセリフも加わりSEX指南漫画みたいなノリでイマイチ。絵もエロを堪能出来るほど上手とは言えず一人で描いているのなら努力賞ですが、ストーリー原作とイラストが別々の方のようなのでどちらももう少し頑張って欲しい。
 精気を満足に取れずピンチだったエルプを助け、最後にプライベートで合いに来ている所はBLのL要素もあったのでそこは良かったです。

「開発が遅れている!!」
 セクサロイドとかは所詮機械、と思ってしまうと複雑な気持ちになりますが、ここまでガチロボットだともはや怪物に犯されている感が楽しめるので逆に良かったです。
 犯される中でもAIが完全に自分で考えて行動している点に希望と絶望を同時に味わう展開が上手い。プライド高めな社長が快楽に溺れて行く姿はエロかった!最初はなんで尻尾?と思いましたが、軍事用のロボットにtnkは必要無いもんね。このプログラムを仕組んだ田中もカップリング要員と言えるのでは?

「悪魔はその実にしゃぶりつく」
 目を閉じて口を開けた泣き顔、腕を折った女性的なポーズ、大きめの乳首、らめぇ、やだやだなどの喘ぎ、攻めは俺様…何となくHシーンがTLっぽい。
 でも犬として家族として過ごしたクロとマリエルの絆と優しさが、特にペットと暮らす読者としては暖かく癒されるストーリーでした。

 個性が際立った作品が多くかなり楽しめました!各分冊でも配信されているようです。 

特殊プレイは合意の上で、気持ち良く、愛ありきで!

 地雷もありそうだったので分冊にしようと思いましたが、コスパ的にこちらの方が良かったので購入、正解でした♪

 両片思いか出来上がっている相思相愛カップルしか出て来ません。一方的な押し付けや陵辱は無く、特殊プレイへの姿勢が私の考えや嗜好性と合っており、不快感無く楽しめました。以下、各作品の感想です、独断ですが特殊性癖度も併せていきます。


「窒息性愛、気絶するほど愛されたい。」 特殊性癖度 ☆☆☆☆
 首絞めプレイ苦手なので不安でしたが、超ニコニコ笑顔で帰宅するポジティブドM受け!杞憂でした。
 全体的にSMプレイ、これを「与える側」である攻めの視点で描いているのがポイント。表面上だけ見たら痛々しく支配的なプレイも、攻めが何を思っているか?が描かれているとガラリと印象が変わります。欲求を満たしてあげたいし性癖を否定したくない、でも危険を伴うプレイなので受けを守りたい…そんなギリギリの狭間で上手くバランスを取りながら営む攻めの深い愛情がある。
 首絞めは最後の10秒、これも二人で決めたルール。その後は受けを気遣う攻めと、キラキラ目を輝かせながら次にしたいプレイを語る受け。合間には攻めが受けの事を好きな理由も描かれ、互いの事を理解し想い合う強い絆が感じられて予想外に良かったです。

「ラブ・欲望・バカンス。」 特殊性癖度 ☆☆☆☆☆
 これも苦手そうでしたが面白かったです。大好きだからこそ壊してみたい、大好きだからこそ壊されたい、自分と同じになって欲しい…受けの性癖に通じる破壊衝動的心理。それに目覚めた幼なじみ二人の過去、きっかけを交えながらストーリー性のある特殊エロを楽しめる作品。
 器具で口を開いた状態に固定し、喉への玩具挿入やイラマがメイン。こちらは受け側の視点で、喋る事が出来ないので心で思っている事として描かれ、嬉しい、気持ちいい、もっと欲しい…望んで行っているのが解り安心して読めました。ほんのり仄暗く歪みながら、これも相思相愛で良かったです。

「発情ネコの甘いしたたり」 特殊性癖度 ☆☆
 異種交配がテーマですが獣人モノが広く普及したBL界に置いては、あまり特殊性癖感はしませんでした。ですがBLという枠を超えて客観的に見ると、生物的種族の違う者と交わるのは一番特殊性癖度が高いと言えるかもしれませんね。
 隊長×副隊長の主従ラブ、攻めの独占欲と受けの片思いの切なさを楽しめる作品。美しい絵で描かれるお顔と肉体美、色気あるHシーンを堪能出来て目の保養にもなりました。

「足の先まで愛してる。」 特殊性癖度 ☆☆☆
 仕事場で出会った色っぽいモデルと風俗で再会モノ。バニー衣装のストッキングが足フェチ要素に活かされ、太腿責めや足コキも楽しめます。
 個人的には受けより小柄で慣れて無さそうな攻めが頑張る姿と、体格良いバニー姿で抱かれたがりの受け、と言う部分の方が性癖にヒットしました。割とガチムチ系になるかと思われ、肉感的で勢いあるエロも加え、その界隈では定番の萌え属性が多々含まれ安心の萌えでした。

「紳士はスーツのままのSEXがお好き。」 特殊性癖度 ☆☆☆
 スーツを着たままで、にこだわり抜いた作品。広がる夜景に向かってガラス張りの窓に手を付いてのプレイはロマンティックながらも、外から見えるかも?&ガラスに映る自分の姿でW羞恥プレイ要素もありますね。Hシーンの動きや書き込みがあっさりしており、もう少し熱量が欲しかったかな。

 先入観に囚われず読んでみたら、全作品楽しめて良かったです!

二次元は裏切らない

 どうやって二次元キャラが実体化し、しかも性別まで変わるのか?なるほど…前者はAR機能、後者はプレイヤーの育て方によるもののようです、強くし過ぎた!

 冷静に考えるとそもそもこれはBLと言いきれるのか?から始まる。女体化が物議をかもすように、逆に女性キャラが男体化するのはどうなのか?と。
 元々「〇〇だ」、「〇〇だぞ」と言う話し方をするので違和感が無く、男性化した姿が女騎士である事も忘れるような漢だった為、何も気にならず普通にBLとして楽しめてしまいました。りりたんが漢になっても景の推しの気持ちは変わらず、喜んで受け入れるのも良かったです。

 二次元キャラとの夢溢れるラブコメ一直線かと思いきや、前半に描かれるのはほろ苦いリアル。ぼっちオタクにしか解らない羨望、失望、劣等感、現実逃避、孤独…。りりたんに泣きながら懺悔する景の言葉の最後の方は、りりたんだけに向けられたものでは無いように見えました。
 このお話の内容自体は全くリアリティの無いものですが、私はこのぼっちオタクのあるあるや感情描写こそがリアリティの部分に思え、共感してしまいました。

 リリアはゲームの機能によって具現化したもの、夢の無い言い方をすれば所詮はプログラムのままだ。
 これで本当に幸せなのだろうか?などと思っては負け。二次元のリリアが景を裏切らないように、景もまた最後まで二次元愛を貫く。そんな景こそが、我々のような二次元でしか生きられない一部のオタク層を裏切らない、希望の二次元キャラでは無いでしょうか?

 景に近い境遇の読者ほど耳に痛い言葉もあるけれど、このお話により深みを感じる事が出来ると思います。そうでない方は、色々ツッコミを入れたくなるあり得ない設定だとは思いますが、ストーリー性のあるコミカルエロとして楽しめると思いますよ。

 もしかすると、ゲームの機能やプログラムだけでは無く、実はリリアが「異世界召喚」された可能性もありますよね。真相は解りませんが、そちらで解釈すると真の三次元ハッピーエンド♪と言えるでしょう。

珍しい?受け二人の3人モノ

 かつて表紙に3人居る本は地雷として避けて来た者です。近年は作風や絵が好みの作品が多くなり積極的に手に取るように。でも圧倒的に攻め2人×受け1人の作品が多く、受け2人など他のパターンは少ないような気がしますね。

 仕事で田舎暮らしを体験する事になった彩斗を現地で迎えたのは幼馴染の双子、陽向と紫月。昔から彩斗が好きだった二人はその想いを同時に告白、彩斗は困惑しすぐには決められない、けれど二人同時は不誠実なので「最後はどちらか一人を選ぶ」と宣言します、その言葉が後々双子と自身を悩ませ苦しめるとも知らずに…。

 二人の家を社宅とし、自給自足の生活を実体験してレポートを提出するのが仕事内容。趣ある古民家と豊かな自然を舞台に、雰囲気はほんのり農業BL。芋を植えたり木材を採取しに山へ行ったり、三人の和気あいあいが楽しい♪特に田植えの回は数ページ使って丁寧に描かれていました。
 
 もう一つ…お仕事には二人の夜のお相手も。各話前半はストーリー、後半はHシーンの構成が多く、3Pはもちろん、双子それぞれとのHもあり。小悪魔双子に振り回され組み敷かれてタジタジなのかと思いきや、それに応じる彩斗も意外と積極的に、だけど優しく攻めており、全体的に甘めで安心して見られました。

 でも一番印象深かったのは、場面によってそれぞれの視点で描かれる心情描写です。自身の発言と二人の間で揺れる彩斗、そんな彩斗に自分を選んで欲しいと想いつつも、それと同じくらい互いの事も大切な陽向と紫月。
 名前の通り太陽と月のように似て非なる二人、三角関係だからこそ生じる迷いや嫉妬、そこから拗れていく意外にも切ない展開が待ち受け、恋愛部分もしっかり楽しめました。

 結局最初からこうすれば良かったのに…と遠回りし過ぎたようにも見えますが、時には対立し、傷付き、色々考えさせられる時間があったからこそ、より絆が深まって幸せな結末を迎える事が出来たとも言えるでしょう。
 私は3人モノの結末はやっぱりこれが一番理想的ですね、みんなが笑顔なハッピーエンドで良かったです。