真雪は、大学を卒業したことを機に、母の親友であるアキコおばちゃんの家に住むことになります。本来なら、独りで住むはずでしたが、そこには彼女と同棲中のはずのアキコの息子、岳がいるのです。
岳はかつて真雪に勉強を教えていたお兄さんですが、体の関係もあり、気まずい同居生活が始まります。
真幸は社会人1年目で、慣れない生活にストレスをためてしまう場面もありましたが、岳が「発散の仕方」を教えているところが印象的でした。深夜のドーナツ、甘いコーヒー、カップラーメンは、格別のおいしさだと思いました。
岳と真雪は元々交流があったため、社会人になっても距離を感じません。距離感が近くて、恋人でもあり先輩、後輩でもあるそんな関係に感じました。
桜坂稲荷神社の神楽坂理央は、若いながらも神社の神主を務めています。
桜坂稲荷神社は、理央のお告げがよく当たるから人気なのですが、理央は、宇迦(うか)と呼ばれる狐の言葉を、お告げとして相談者に伝えているのです。
この特殊な能力は、神楽坂家と烏城家の人間が契りを交わすことで子どもに引き継がれますが、許嫁である烏城家の百合は逃げてしまいます。
その上、理央は宇迦の言葉が聞こえなくなり、理央も桜坂稲荷神社もピンチを迎えます。
烏城家からは百合の弟である凪が来ますが、凪は男です。
私は最初に理央の元に凪が来たときの理央の戸惑いが忘れられません。本当に自然な表情、感情だと思います。その上理央は凪から好きと告白されますが、理央の受け入れることへの戸惑いや時間がかかるところも自然な姿で、感情の波を追体験しているようでした。
もうひとつこのお話で楽しかったのは宇迦ちゃんです。宇迦ちゃんがかわいいです。
放課後の教室で寝過ごしてしまった尾瀬が目を覚ますと、手にはきれいなマニキュアが塗られています。
それは、同じクラスのクールでのりが悪いと評判の一ヶ谷がやったことですが、ともかく最初の始まりで驚きました。
けがで陸上をやめてしまった尾瀬とプラモデル作りが好きな一ヶ谷との交流が始まりますが、ふたりの交流は手や足の爪にマニキュアを塗るちょっと変わった交流です。
一ヶ谷からかなり距離を詰めてきても、それに気がつかない尾瀬は鈍いとも思いますが、それはそれで男前です。
尾瀬、一ヶ谷をはじめ、たくさんの学ラン姿をみることができるのも本当に楽しかったです。尾瀬の大和系の顔立ちに学ラン、鈍さとやるといったらやってしまう潔さは男前だなと思いました。