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女性chikichikibonbonさん

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二人にとっては互いが全て

初読み作家さん。
表紙イラストに惹かれて手に取りました。
一読のみでも内容を忘れそうにないくらい印象的な話で
この作家さんの少々拙い文章はさておき
独特の痛さと暗さを纏った内容に引き込まれて一気読みしてしまいました。

攻は希少種の虎獣人・アガヒ35歳。
アガヒは東洋語で書くと「吾が日」。←ウラナケによる命名で本名は不明。
青虎にカスピトラとアムールトラが混じる。

受は人外の交雑種・ウラナケ25歳。
本性は妖獣の鵺(ぬえ)。
頭は東洋竜、背が虎で胴体は狼、前後の脚が牛の蹄、尾は狐と蛇の二股、鳴き声はトラツグミ。

読了後の感想を一言で述べるなら「殺し屋夫婦の純愛話」で
もう少し長文にすると
アガヒとウラナケは、白仔兎の人外であるユィラン5歳を匿うことになり
自分たちの家に住まわせ世話をすることで
互いに相手への想いを再認識しあうという話です。

途中には、ウラナケの回想録として
ウラナケとアガヒとの出会いの様子が書かれているのですが
ウラナケは12歳までスラムで街娼をして命を繋いできたため
この回想録は悲哀で痛い(身体的な痛さの描写もあり)です。

けれど、ここの記述があるからこそ、今現在のウラナケとの対比が際立ち
アガヒと共に生きてきた一蓮托生の13年間が
いかに幸福と歓喜に満ちたものであったかが伝わってくるのです。

アガヒに関しても然り。
アガヒのウラナケに対する愛は重くて深いです。
それは「好きな子が宗教。信者は俺一人」の言葉と
ウラナケを堪能するため仕様の愛の巣に集約されています。

この作品は、読了しても読み終えた感がありませんでした。
ここで話が終わったようには思えませんでした。
まだまだ話が続いていきそうな、そのように思える作品でした。
実際、同人誌『虎と小鳥』では彼らの話の続きが読めます。
文庫内容を補完するエピソードも読めます。

花屋カプの新たなる第一歩

久々に龍X明信カプの話がメイン。
この二人が主となる話で明るく楽しいものはないと思っている私だが
今回も例に漏れずドシリアスで苦しかった。

表面上(!)は一番うまくいっているようだった花屋カプなのに
自分の進路について家族だけでなく龍にさえ報告しないできた明信が
龍を連れて家族の前でその事実を報告した途端に
恋人から何も知らされていなかったことに憤り声を荒げてしまう龍。
そんな龍に怯える明信。

お互いの欲を相手に告げることなく穏やかな関係を維持してきた二人が
明信の報告によって心の中にわだかまりを抱えることとなり
上手に仲直りできないまま悩んで苦しんで
やがて別離の危機を迎えてしまう展開はつらい。

龍に対してだけでなく、誰に対しても何も望まず求めず生きてきた明信が
龍を失うかも知れないという現実に直面したことで
真弓の言葉で自分の傲慢さを悟り、自分の本心と向き合う。

相手の気持ちを勝手に決めつけて勝手に自己完結して
1人で生きていないということにすら気付けないでいた明信だけれど
自分の想いを言葉にして伝えていくことの大切さを知ってからは
自分にできる精一杯で龍に気持ちを伝えようと頑張る姿にホッとした。

大人なはずの龍が今回は全然ダメで、でもそのダメさが悲しくて
そんな龍への勇太の言葉は重くて胸に響いた。
…他人同士で一緒にいるためにはお互いにしんどい思いをしなければならない。
 自分を変えることは大変だけれど、好きだから頑張れる。…
また、真弓の精神面での成長ぶりには驚いた。
物語の中で時間が経過しているのと同じように、真弓も成長していたんだな。

重たくて暗い目な花屋カプの話の中に
野球部マネージャーとしての真弓の話と
こじれたままの大人カプ:大河X秀の話が出てくるおかげで
肩の力を抜いて読む時間がもてた。

今作において本当の意味でカプらしくなった龍と明信の今後は
容易に想像がつくのだけれど、その後も読んでみたい。
秀が上梓すると宣言した2人の話も読んでみたい。

どうでも良いことかも知れないけれど私的にすごく気になったのが明信の学歴について。
通っている大学が赤門のある国立なのには納得だけれど
修士過程は早期終了か2年で終了した後に博士課程に進んでくれないと
頭脳明晰という設定に疑問符がついてしまうのだけど…。

心情描写が良い

初読み作家さん。
試し読みをしたときに、冒頭(事件シーン)から作品世界に引き込まれたことと
麻々原絵里依さんファンということで購入。

頁数から予想していたよりもしっかりとした内容が良かった。
解離性人格障害をテーマにしたBL小説はいくつか読んだけれど
これはサスペンス的要素が薄めで話の先が直ぐに分かってしまう。
なのに、頁を繰る手は止まらないという読ませてくれる作品。

二次的人格であるマサトに焦点が当てられた内容展開は
途中からサスペンス色よりも心情描写に重きが置かれており
マサトの心情描写は切なくて何度もホロリとさせられる。
また、マサトと東護を応援する気持ちの果てに明らかとなる
基本人格である優の本音は意外なもので不意打ち食らって落涙。

優とマサトの人物像の対比には
彼らそれぞれの言動だけでなく、彼らが書いた作品をもってくるところが興味深い。
それらの作品タイトルがまた心惹かれるもので
特に優の作品のタイトルは秀逸で読書欲が刺激される。

物語の着地点は私的に好ましいものだったが
3人の関係性を考えるとスッキリした気持ちにはなれないため
先の方が書かれているように本編の続きとなっている同人誌の内容も収録して欲しかった。

今作を読んでいる途中で、何度も秀香穂里さん作品を思い出した。
こちらも二次的人格であるリョウは残る話なので、良ければ是非。
ちなみに、奈良千春さんの表紙イラストが全てを物語っていて
リョウが生きていることは秀さんご自身に確認済み。

ラヴァーズ文庫『ダークフェイス ~閉じ込められた素顔(上)~ 』
       『ディープフェイス ~閉じ込められた素顔(下)~』

男同士の恋愛の終着点

ー神様、無垢な禁忌を裁くのですかー

圭介×彰、結城×和巳、各カプの完結話2編が収録されている。
背徳の生誕に取り憑かれた男たちの悲哀を描いた傑作。
読後感が色んな意味で凄い!
上巻よりずっとダークでヘヴィーで痛いので元気な時に読むことをオススメします。

「背徳のマリア-後編」イマージュクラブ1996年11月号初出
研究の末、実弟・和巳との間に胎児を誕生させた結城は
本人に知らせないまま和巳の体内にちいさな命を埋め込む。
けれど、和巳は体内で蠢く存在の正体を安藤から知らされたことにより
自分は生体実験の器としてしか結城に愛されていないと思い込んで絶望し
自身の命もろとも胎児を絶命させるべく
果物ナイフで自身の腹を割いて胎児を取り出しす。
瀕死の重体となる和巳。
凄惨な現実を見て精神が崩壊してしまう結城。
和巳の命を救ったのは安藤だった。
手術さえままならないほどの血の海の中で
安藤は自身の勘と触覚だけを頼りに視覚を封じた神がかり的な処置で
死の淵から和巳を取り戻したのだ。

一命を取り留めた和巳は安藤が人体実験には無関与だったと証言。
安藤は大学病院を解雇処分となるが医師免許剥奪は免れて
一年間にわたる和巳の療養生活の担当医をさせてもらった後は
彰達の経営する富良野の診療所に居候として転がり込む。

それから丸2年が経過して、突然安藤を訪ねてくる和巳。
去り際には、安藤に好きだと告げてキスをする。
そして、和巳が残していった手土産は、大学病院から盗み出した兄の受精卵とデータと手紙だった。
その手紙に綴られれていたのは和巳の想いと願いで……
  自分が死にかけたこと、結城が狂ってしまったことによって
  結城の自分に対する想いが初めて理解できたこと。
  結城の想いに応えたい。
  二人の絆を永遠のものにしたい。
  自分と結城の精子による受精卵を命としてこの世に誕生させたい。
  だから、安藤には自分たち兄弟を見捨てないで欲しい。


「背徳のマリア~Mary Magdalene~」書き下ろし
ほぼ完全な女性体を手に入れたことで新たな苦悩に苛まれる彰。
圭介の愛情を信じ切れず、圭介の心変わりに怯える日々。

圭介が東京に出張中、安藤不在の夜
彰がシンナー中毒の旅行客に輪姦されるシーンは
血まみれ精液まみれで無惨で残酷。
圭介には決して言うなと安藤に命令する彰。
事件後に帰宅した圭介は佐伯家との養子縁組み書類と婚姻届を差し出すが
彰はすぐに婚姻届けに署名できない。

突然圭介を訪ねてくる圭介の母。
診療所で安藤を前に、息子への思いを涙ながらに愚痴る母。
戸惑って言葉が出ない圭介。
隠れた寝室で話をすべて聞いていた彰。

圭介の幸せだけを考える彰は
妊娠出産できない女性体であることの苦しみから
ついに結城がした移植手術を自分に施すことを決意する。
圭介と安藤を睡眠薬で眠らせた後に局所麻酔のみで自身の腹を切り開き
圭介の精子と玲奈の死んだ胎児から採取した卵子との受精卵を腎臓に移植しようとするが
出血・血圧低下・酸欠などで手術途中で瀕死の状態となる。
安藤によって一命を取り留めるものの、意識を取り戻した彰の精神は崩壊していた。

おまけに、脳酸欠状態による後遺症のせいで下半身麻痺と言語障害が残り
医師としては引退して車いす生活となる。
言葉もままならず
彰の時間は受精卵を自身の身体に移植した時点から先には進まない。
けれど、圭介と安藤に見守られながら療養生活を送る彰は
何かから解き放たれたかのように笑顔をよく見せるようなっていた。

そんな彰の身体は男性に戻っている。
圭介の手によって乳房が切除され、安藤が男性器を創りあげたから。
二人の男たちに深く愛されている彰は、夢の中の住人で
純粋無垢で一切の苦悩から解放されたかのように幸せそうだった―。

時代を超える問題作!!

ー狂おしいほどに響く君の呼び声ー

T大医学部付属病院の外科医たちの
悲哀と狂気に満ちた愛のかたちを描く衝撃の医療サスペンス。
上巻には3編収録。

受・佐伯彰
T大医学部付属病院長の一人息子。
眉目秀麗、気が強くて一途な青年。
自身の結構披露宴で圭介がくれた言葉
「女だったら絶対に女房にしようと思った」により
自死ではなく男である自身を抹殺することを選択するが、
その過程で精神的ショックにより一時的に言葉を失う。

攻・早坂圭介
彰の大親友。優しく穏やかで誰に対しても平等で懐が深い美丈夫。
看護師たちの評判もピカイチ。

安藤仁
彰と圭介の同僚。粗野で下品。
ごつい見た目に反して神懸かり的なメス捌きと天賦の勘を持ち合わせている天才外科医。
全ての話に登場するキーマン。

攻・黒崎結城
酷薄な美貌の医師。
実弟・和巳への愛情は妄執的だが和巳に対する態度は冷淡。

受・黒崎和巳
兄とよく似た顔立ちだが性格は明るい高校生。
早くに両親を亡くして結城と2人きりだったせいか、肉親の情を超えた強い想いを結城に抱いている。


「人魚の声が聞こえる」イマージュクラブ1997年3月号初出
圭介の愛を得るために安藤と父・修三の手を借りて女性体となり、男としての自分を抹殺した彰の話。

「体温は証明する」同人誌1995年5月初出
修三が用意した富良野の早坂診療所での圭介と彰+病院を回顧された安藤の同期3人の日常が、子宮外妊娠で運び込まれた玲奈の治療を通して綴られる。彰の新たな苦悩。安藤の彰に対する想い。

「背徳のマリア-前編」
イマージュクラブ1996年11月号初出
他病院からの引き抜きでT大医学部付属病院に移籍してきた外科医の黒崎結城。
結城は自身と実弟の精子の受精に成功し、その受精卵を培養した後に弟の腎臓に埋め込もうとする。
執刀医は安藤。手術開始のシーンで下巻に続く。 

必ず3冊揃えてから読んで下さい!

何度読み返しているか分からない作品です。

この話は中世ヨーロッパの歴史が好きでなくとも楽しめます。
やんちゃな王子さまと
騎士から流人へと身を落として公爵様の羊飼いとなった堪え忍ぶ美丈夫との
冒険的恋愛話です。
1巻は前置き的な話でゆる~いですが、最後の最後では驚きのシーンがあります。
2巻からは、フリードリヒの母を捜してエルドランの森を目指すという冒険面においても恋愛面においても話が急展開していきます。
なので読み始めると止まりません。

2巻以降は
何をしでかすかわからない麗しのフリードリヒ
口数は少ないけれど頼もしくて勇猛果敢・謹厳実直なエラム卿
気の利いた喋りができる愉快な好色家の色男エドアルド
この3人の関係性や遣り取りが楽しめます。

さすがの秋月さんという感じの作品で
淀みなく続く文章と飽きさせない内容展開に満足できるし
3冊できれいに完結しているところも気に入っています。

円屋さんのイラストも、この時代の雰囲気とマッチしていて美しいです。

それから、一押しキャラは羊飼いヨールことエラム卿です。
血統も容姿も性格も何もかもが素敵です。
ちなみに・・・・秋月さんは『富士見シリーズ』桐ノ院圭や『王朝ロマンセ』業平さまが好きだとおっしゃっていましたが、このエラム卿も好みのタイプだそうです。
私は秋月さんと好みがかぶるから、より作品を楽しめているのかも知れませんが、その部分を抜きにしても楽しめる作品だと思います。
是非一度読んでみて下さい。

内容はほとんどなかったけど、鷹臣だけは素敵だった!

レビューがないので書かせて頂きます。

私的に・・・続編はエロまみれって感じで内容がほとんどなかったです。

前作で、すでに運命の伴侶が鷹臣だと判明してしまっているから
この続編で、話がどう展開していくのかワクワクしながら読んでみたら
期待外れの不満いっぱいな内容でした。

申し訳ないけれど、
萌評価は、鷹臣の好感度が更に上昇したことに対する評価であって
作品そのものに対しては中立未満です。

今作は、プログラム続行ということでエロメインの話です。
印象的には、とにかくエロ、エロ、エロのオンパレードで、あまりにも中身が薄いです。
大人な魅力の志狼先生も年下ワンコの遊馬も、単なるエロ要員としか思えず
それぞれの魅力が生かし切れていないところが勿体なかったです。

鷹臣に関しては、魅力的な素顔がいろいろと明らかになり好感度が急上昇しました。
ずっと未尋を好きだったことにはビックリ。
少しズレている求愛行動や独占欲丸出しの言動には萌えましたが
鷹臣と未尋の関係が焦れったすぎるというか、進展のあまりの遅さには大不満でした。

エロ描写と比べて心理描写が少なすぎるように感じて不満が募る今作でしたが
鷹臣のキャラが予想外に私好みだったので
彼が頑張ってくれるのなら、鷹臣のためだけに次も買ってしまうと思います。
前作では、遊馬が好みだったんだけどな(苦笑)

こんなにも美しい愛は初めて

ファンタジーは苦手なので、ずっと避け続けてきたのですが
「骨太な作品を書かれる作家さんのファンタジーだから…」
と、思い切って手に取ってみました。

読んで正解!
静かで穏やかだけれど、一途でとっても熱い想いにウルッとくるお話でした。

とはいえ、一読目の時は
予想していたよりも淡々と話が進んでいくため
涙ポロポロとはならず、何となく物足りなさを感じました。

なので、しばらく放置してから期待感を抱かずに再読したら
きましたっ!
淡々と進んでいく話の中で
ユーリスとカレルそれぞれの愛の美しさが浮き彫りにされていて
ジンときました。

ユーリスの愛は
表面的には静かで穏やかだけれど、
その実、肉欲をも凌駕する激しくて熱いものでした。
こんなにも禁欲的で純粋で美しい愛に、心ときめかずにはいられませんでした。
カレルへの想いに生きる姿には心を鷲掴みにされました。

カレルの愛は
どこまでも静かで穏やかで、そして美しい。
その美しさが寂しくも悲しくもありました。

ユーリスの愛が青色の炎(静かで穏やかな色なのに最も高温)だとすると
カレルの愛は冷たく冴えた氷(触ると冷たさより熱さを感じる)のようだと思いました。

私の例え方が拙いために誤解を招くかも知れませんが
彼らの愛に温度差はありません!
それぞれが、それぞれの精一杯、全身全霊で相手のことを愛しています。

本当に美しい愛のかたちを、この作品では見ることができます。
ファンタジーが苦手な方であっても
SFアニメとか『間の楔』とかが大丈夫ならOKな設定だと思いますので
是非読んでみて下さい!

私的読書時の注意事項としては以下2点だと思います。
・作品に何も期待せず淡々と読む
・初読み時にイマイチだと思った時は結構な日数を開けて再読する

静かでロマンティックな雰囲気の作品だと思うので
これからの寒い季節に向いているような気がします。

気に入ってもらえると嬉しいです。


評価は再読してから

途中で思いっ切りネタバレしています。ご注意下さい!

ーあの時キスしたの、覚えてる?ー

小山田あみさんの表紙イラストが素晴らしく美しい
この作品には、スルメみたいなところがありました。

初読み時には分からなかった・気づけなかった文章表現や描写の意味が
重みを持って心を打ってきたのは、再読している最中でした。
沙野さんらしさのある細やかで意味深な描写の数々に
ハッとさせられ、その巧さに唸らされたのは、再読している最中でした。

ただ、初読み時でも
最後の最後でやっと、章介の言動の意味するところが判明して
泣き笑いさせられましたが。

けれど、再読時には
章介の心中が手に取るように分かってしまうので
切なくて苦しい気持ちでいっぱいになり、涙腺は緩みっぱなしでした。

3年前までは自制心の利かなかった章介が
自制心を利かせまくって生殺し状態のまま
恵多を過保護なほどに見守り続けている姿は本当に切なくて苦しいです。

恵多が記憶の一部を喪った原因には納得がいきました。
父の事故死は当時18歳だった恵多には重すぎる罪です。
章介への想いと決して切り離すことができない父親への罪悪感。

痛みを伴う2人の関係がとても苦しいです。
でも、大人な章介の愛は深くて重くて前向きだから
恵多は激痛を伴う章介への愛を諦めることなく
2人で一緒に幸せになるのだろうと思います。

評価をつけるのは、是非、再読してからにして欲しい作品です。

自分の好みに合えば神評価になると思う話だった

初読み作家さん。
ガチ兄弟モノが好物だから手に取りました。

以下、ネタバレしています。

実弟である真陽の愛情から逃げようとして交通事故に遭い
病院のベッド上で1ヶ月間ほど眠り続ける光。
冒頭から続くのは、その光が見ている夢の内容で
光の過去の記憶と願望とが入り混じったもの。

夢の中では実弟の真陽は義弟で、光とは恋人同士でもある。
仕事の都合で遠くに住む両親と離れて2人だけでマンションに暮らし、甘く幸せな日々を過ごしている。
けれど穏やかな日常は光が頻繁に見る悪夢と同じものへとやがて変化していき
光は真陽に無理矢理に犯されたり、軟禁・監禁されたりするようになる。
脱出を試みようとしても何故か失敗して、どうしても真陽からは逃がれることができずにいる。
そして、逃げようとすればするほど真陽に酷く犯されるようになり・・・・

そんな夢の中では、真陽の昏く歪んだ愛情が怖い。

幼少時から天真爛漫で誰からも愛されてきた真陽は
自分を抱いてマンションから投身自殺した母を亡くした時から光への愛情を深め
父や従兄弟が異様に思うほどの激しい執着を見せるようになっていく。
一方、母に顧みられず友達もおらず常に独りぼっちだった光は
今も昔も真陽だけを愛しているのだが、表面上では真陽からの愛情を拒絶し続けている。

そんな2人の関係が動くラストでは、愛について考えさせられる。

真陽に対する想いを認めることで、真陽をがんじがらめにして自分の望みを叶える光。
光にとって真陽は幼い頃から唯一無二の存在で世界のすべてだったから
真陽に抱かれるだけでは傍にいるだけでは満たされなくて
殺してでも手に入れたいと思ってもらえて初めて愛されていることが実感できる・・・・

光の愛情は静かに激しくて静かに熱くて底の見えない深さがあって昏い。
歪んでいて重たくて怖い。
でも、そんな昏さが、ガチ兄弟という設定にはピタリとはまっているように思える。

サスペンス調で謎めいた内容は、最後まで飽きずにドキドキしながら読めるし後味も悪くないけれど
エッチシーンが私的には過多なのと無理矢理エッチの内容が好みではなかったことで
評価は中立とさせていただきました。