• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作つがいは愛の巣へ帰る

アガヒ,35歳,オス虎の獣人で凄腕の殺し屋
ウラナケ,25歳,元街娼でアガヒと共に殺し屋夫婦

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

獣人・人外・人間が共に暮らす世界。幼いながらに街娼をしていたウラナケは、
虎の獣人アガヒと出会い一緒に暮らすようになった。それから十三年。
二人はいまでは知る人ぞ知る凄腕の『殺し屋夫婦』。日常生活も仕事もなにもかもを分かち合う。
そんなある日、ウラナケは何者かに追われていた仔兎の人外・ユィランを拾ってしまう。
二人が最近関わった一件とユィランとの繋がりは…?そこへまた新たな殺しの依頼が舞い込み…。

作品情報

作品名
つがいは愛の巣へ帰る
著者
鳥舟あや 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
シリーズ
つがいは愛の巣へかえる
発売日
ISBN
9784879199683
3.9

(36)

(14)

萌々

(13)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
137
評価数
36
平均
3.9 / 5
神率
38.9%

レビュー投稿数7

愛が濃い✧*。

再読。イルミナシティシリーズ1作目、葛西リカコ先生のイラストが美しい✧*。
虎獣人アガヒと人外のウラナケ夫婦の元に仔兎のユィランが飛び込んできて〜ってお話です。騒動に巻き込まれる中で自分たちの在り方に揺れるウラナケが悲しい。そんなウラナケを愛してるのが「好きな子が宗教」って言えるアガヒで良かった。ユィランが小さいけど賢い子で、親子じゃないけど寄り添う3人には感動だった。大きくて温かく濃いい愛が感じられて大好きな作品です

3

葛西リカコ 先生の虎の絵が素敵

「つがいは・・」シリーズは4作あって、この作品はシリーズ最初の作品。
一作毎、違うキャラ。

「つがいは・・」
 寝床で愛を夢見る 2022年 サマミヤアカザ  (トキジx,オリエ)
 庭先で愛を拾う 2021年 サマミヤアカザ  (ウェイデxコウ)
 キッチンで愛を育む 2020年 サマミヤアカザ (ナツカゼxアオシ)
★愛の巣へ帰る 2018年 葛西リカコ  (アガヒxウラナケ)

イラスト付きの電子版、再読。
挿絵が綺麗。絵師は、葛西リカコ 先生。
虎模様の毛を一本一本、書いている。虎の描写が写実的で、手抜きの無い綺麗な絵。
葛西先生は、最近お仕事が減って、挿絵担当した過去作で堪能するしかないのが残念。

人間・人外・獣人が存在する世界。人外の幼児期は、獣人。
殺し屋夫婦が玉兎族の子ウサギを助けたことから、事件に巻き込まれていく。

★夫婦になって13年の二人
●ウラナケ:アガヒの嫁。12歳まで路地の男娼、美貌の虎つぐみの人外
・・(色々混ざっている、人外の特性顕著とか、文中の表現あやふや)

●アガヒ:大型の虎獣人、青虎の希少種。凄腕の殺し屋。

★ユィラン:街で保護した玉兎族の子、人外。賢い。実の両親は死亡。実は、かなり癖がある。

★クェイ家 背景謎の薬屋。クェイ家の大蛇子蛇が、ユィランの殺害を狙う。

--
幼い頃の仕事が理由で、発達障害傾向を持つウラナケは、子供を生めない。
開いた骨盤で、トテトテ歩く幼い頃のウラナケ・・想像すると、切なくなってしまう。
そんなウラナケを深く愛するアガヒ。

アガヒとはウラナケの母国の言葉で「我が朝日」という意味らしい。
アガヒが造った家は、どの部屋もウラナケが最高に美しく映えるように各部屋を設計していることをウラナケは知らない。
ウラナケに言わないけれど、アガヒは深く慈しんでいる。
・・それに、気付いた兎の小僧。この子は末恐ろしい知能犯。



素敵な話で、よく理解しにくい部分(著者の独りよがり)があるけれど、再読したくなる本。

1

このCPも最高でした!

大好きな鳥舟あや先生の「つがいシリーズ」ですが、1番最初に出たこちらがまだ未読でした。

こちらだけイラストが葛西リカコ先生なのですね。ウラナケの美貌がとても葛西リカコ先生の繊細なイラストに合っていたと思いました。

こちらのシリーズは攻めの溺愛と、お話に小さい子が関わってくるのが凄く好きなのですが、今回はウラナケの隠された秘密と身体能力の高さに痺れました。

子どもの頃に男娼をしていたとあったので、勝手にアガヒに救い出されて今の生活があるのだと思っていました。
ところが救われたのはアガヒも同じで、ウラナケに出会って居なければ生きていなかっただろうと思っている事を知り、アガヒがどうしてウラナケを大事にしているのか納得しました。

アガヒの名前をウラナケが付けたと知り、その意味を知って更に感動でした。

1番新しい「つがいは寝床で愛を夢見る」は今年発売されたばかりですが、ずっと続いて欲しいシリーズです。

1

互いへの愛が深すぎるバカップルです

こちら、殺し屋夫婦です。
互いへの愛が深すぎる、バカップルでございます。

この作家さんですが、設定といい作風といい、かなりアクが強いので好き嫌いが分かれると思うんですよね。描写にもエグい部分がありますし。
私も合う時は萌え転がるし、合わない時は主題すら理解出来ないと言う、振り幅が大きすぎる作風なのです。

が、今回は個人的な好みにどストライク!
受けの事をただただ全力で愛し、彼の幸福のためだけに生きる攻め。
そして、攻めが全ての受け。
もうピンポイントで、これでもかとツボを突かれまくる作品でした。
今回は、スカトロもカニバも流血も無しと比較的ソフトですので、わりと読みやすいと思うんですよね。
エグいはエグいんですけど・・・。

内容ですが、虎の獣人・アガヒ×元街娼・ウラナケと言う、殺し屋夫婦による子育てものです。
獣人と人外と人間が共に暮らす、欧州や東欧をイメージして書かれた世界が舞台となります。

知る人ぞ知る凄腕の「殺し屋夫婦」である二人。
日常生活も仕事も、何もかも分かち合い幸せな日々を過ごしています。
そんなある日、何者かに追われる子兎の人外・ユィランを拾ったウラナケ。
二人が最近依頼された「仕事」とも関わっていそうでー・・・・といったものです。

こちら、二人が保護する事となったユィランの謎。
そしてユィランの出生に絡んで事件に巻き込まれてゆきと、推理サスペンス要素も面白かったりするのです。

が、更に面白くて萌えるのが殺し屋夫婦の日常。
そもそもですね、私は既に出来上がってるカップルの日常みたいのが大好きなのです。
色々な困難を乗り越えて結ばれる二人と言うのも萌えるのですが、長年共に居るカップルにはカップルの、また違った困難と言うものがある-。

で、この二人は共に暮らして既に13年。
ウラナケをただただ愛し、何一つ不安にさせたりしないように全力を尽くしてきたアガヒ。
そして、アガヒが全てなウラナケ。
二人は息をするように共に居て、それが自然なんですよね。
まさに「夫婦」と言った気の許し合ったやりとりなんかが萌えるんですよ。

また、そんなありきたりで幸せな日々を過ごしてる二人ですが、実は過去がかなり痛くてですね。
出逢った時、ウラナケは12才で街娼。
そしてアガヒは人生に飽き飽きしている浮浪者もどき。
街娼として獣人相手に身体を酷使しているウラナケがめちゃくちゃ痛々しいんですよね。
物心ついた時からその境遇に置かれ、自身が不幸だと言う自覚すらない・・・。
で、たまたまウラナケが客をとる路地裏で、死んだように動かずひたすら座り込んでいたのがアガヒ。
そんな二人が少しずつ交流してゆくー。
そしてウラナケにより、自分を取り戻すアガヒ。

ホント、この部分は痛々しいのです。
子供が性的に酷い目に遭いと、地雷の方もおられるとは思うのです。
何と言うか、二人の関係て、ちょっと特殊なんですよね。
二人で一つみたいな。
が、こんな過去を経て、今の二人があるんだと思うと、その関係がとても自然で当たり前のものに思える・・・。
人によっては二人の関係は共依存でしか無いと感じられるかも知れないのですが、私はそうは思わない。
一緒に泣いて、一緒に笑い、共に全てを分かち合う-。
愛し合い、互いに支え合う関係なんですよ。
これぞ夫婦ですよ!!

あとですね、そんな二人の関係のちょっとした変化だったり、ウラナケの意外な正体-。
そして分かる、驚きの事件の顛末と、ストーリーとしてもとても面白かったです。

ちょっと注意点ですが、5才であるユィランの前で二人は普通にエッチしてたりするんですよね。
まぁ、獣人の特性だったりでこの世界観ではおかしい事ではない感じですけど。
あと、二人の過去編だったり、エッチの描写で結構エグいものが。
苦手な方はご注意下さい。

12

二人にとっては互いが全て

初読み作家さん。
表紙イラストに惹かれて手に取りました。
一読のみでも内容を忘れそうにないくらい印象的な話で
この作家さんの少々拙い文章はさておき
独特の痛さと暗さを纏った内容に引き込まれて一気読みしてしまいました。

攻は希少種の虎獣人・アガヒ35歳。
アガヒは東洋語で書くと「吾が日」。←ウラナケによる命名で本名は不明。
青虎にカスピトラとアムールトラが混じる。

受は人外の交雑種・ウラナケ25歳。
本性は妖獣の鵺(ぬえ)。
頭は東洋竜、背が虎で胴体は狼、前後の脚が牛の蹄、尾は狐と蛇の二股、鳴き声はトラツグミ。

読了後の感想を一言で述べるなら「殺し屋夫婦の純愛話」で
もう少し長文にすると
アガヒとウラナケは、白仔兎の人外であるユィラン5歳を匿うことになり
自分たちの家に住まわせ世話をすることで
互いに相手への想いを再認識しあうという話です。

途中には、ウラナケの回想録として
ウラナケとアガヒとの出会いの様子が書かれているのですが
ウラナケは12歳までスラムで街娼をして命を繋いできたため
この回想録は悲哀で痛い(身体的な痛さの描写もあり)です。

けれど、ここの記述があるからこそ、今現在のウラナケとの対比が際立ち
アガヒと共に生きてきた一蓮托生の13年間が
いかに幸福と歓喜に満ちたものであったかが伝わってくるのです。

アガヒに関しても然り。
アガヒのウラナケに対する愛は重くて深いです。
それは「好きな子が宗教。信者は俺一人」の言葉と
ウラナケを堪能するため仕様の愛の巣に集約されています。

この作品は、読了しても読み終えた感がありませんでした。
ここで話が終わったようには思えませんでした。
まだまだ話が続いていきそうな、そのように思える作品でした。
実際、同人誌『虎と小鳥』では彼らの話の続きが読めます。
文庫内容を補完するエピソードも読めます。

5

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP