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黒屋敷の若様に、迷狐のお嫁入り

kuroyashiki no wakasama ni mayoigitsune no oyomeiri

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表題作黒屋敷の若様に、迷狐のお嫁入り

御槌 信太村の若様 くれるが妖狐
信太褒名・18歳 大学生

あらすじ

大学生の褒名は夏休みを利用して旅に出た。だが山奥の宿へ向かうバスが来ない。
途方に暮れていた褒名は通りかかった車に拾われ、とある村に案内された。
そこは自分の苗字と同じ信太村。祭りで賑わう村の様子はどこか古めかしくて奇妙だ。
わけがわからないまま褒名は、仏頂面の美丈夫、黒屋敷の若様こと御槌の世話になることに。
ところがほんの数日間の滞在のつもりが……。
独善的な黒狐の若様と無自覚な迷狐の輿入れ騒動顛末記。

作品情報

作品名
黒屋敷の若様に、迷狐のお嫁入り
著者
鳥舟あや 
イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879198860
2.8

(27)

(6)

萌々

(3)

(6)

中立

(4)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
5
得点
64
評価数
27
平均
2.8 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数5

妖狐と半狐の婚姻譚

大学生の褒名(受け)は、雑誌を見て心惹かれた山奥の地に旅行に来たが、宿泊所への道に迷い、車で通りかかった老婆に案内してもらうことになる。しかし老婆にそのまま奇妙な村へ連れて行かれ、褒名はその村の若様と呼ばれる御槌(攻め)の世話になることに。御槌との同居生活が始まるが、強面で口数も少なく怖い御槌とはなかなか心が通い合わない。そんな折、家に帰りたいと申し出た褒名は座敷牢に監禁され、おまえはこの村で俺の嫁になるのだと告げられて…。


ぽんぽん話は飛ぶし、視点はころころ入れ替わるし、ジェットコースターに乗っているようにとんでもない展開の連続です。まあ勢いはあるし、作者さんが楽しんで書かれているのは伝わりましたが、商業作品としてはもう少し推敲が必要かと思います。言葉は悪いですが、作者さんの萌えのおもむくまま書き散らかされたような印象でした。

攻めは妖狐で、受けは孤児で身寄りのない、施設育ちの人間…と思いきや実は人間と妖狐のハーフだった、という設定です。受けが施設育ちのせいで抱っこされたことがなく、攻めに抱っこしてもらって羞じらいつつ喜ぶのとか、大人に怒られたら怖がるところとか、萌える箇所は多々あるんですが、なんかいろいろ書き込みすぎで、わざとらしくあざとく思えてしまうのも惜しかった。受けの人格が豹変するのもちょっとやりすぎでした。
あと受けが妖狼一族に拉致されたところの描写が容赦なさすぎて怖かった。六青みつみさんのハードな陵辱輪姦ものを彷彿とさせる描写でした。あとかなり激しい獣姦とか、そういうのがお好きなかたには楽しいかもしれませんが、そういうのが苦手なかたにはきついかと。お気をつけください。

4

やはり…

自分の本当の素性を知らない褒名が、迷って連れてこられた信太村。 実はその村出身の狐の母と人間父との子だった褒名。 知らない間に若様の嫁に?! 嫁のつもりで世話してる若様と、旅行感覚で数週間の滞在ののち村を去るつもりの褒名。 お互いコミュニケーションが少ないので事実を伝えてない若様も悪いが、変だと思いながらそれを問いたださない褒名も悪い。 その結果、離れていこうとする褒名は閉じ込められてしまうのですが、秘めてた力が出て、気づけば白虎になっていた。 最終的には結ばれて子も成すのですが…うん。 やはりこの作家様には付きものの「グロ」が今回もサラッと入ってましてね。 別になくてもストーリー的には全然かまわないのに、入れたいんですかね。 

1

タイトルに偽りなし

黒狐×白狐の和風ファンタジー物。自分が半分妖狐だと気付いていない大学生が不思議な村に迷い込み、若様の嫁に選ばれます。若様は最初から迷狐が気になっているくせに、なかなか素直に言葉にしません。そのため嫁になるのを受け入れられず、村の結界から抜け出して大神に襲われます。そのシーンはちょっとグロイです。全体的には甘い感じなのですが、視点がコロコロ変わって読みにくいです。文体も古風な文から現代的にと移り変わります。何というか惜しいという感じでした。

8

痛い汚いは今回は控えめ。

ここのところ、続けて鳥舟作品を読みましたが、これはグロや暴力描写は抑えめですね。
展開的には「竜…」などと同じようなパターンです。登場人物のキャラ設定も含め、作者様の趣味なんだろうなぁ……と。そういう感想が真っ先に出てくることからも、やはり「同人誌的」なんですよね、色々な意味で。

今作、冒頭の導入部分はワクワクできる展開でした。誤解したまま「嫁」になっていく主人公は、ボケすぎだろう?とは思いますが、可愛らしいとも言えるでしょう。
途中の新婚さんコントのようなやりとりは、思わず笑ってしまいました。

なんだかんだ言いつつ読んでしまっているわけですが、今回もやはりなんだか惜しい。面白くなる種みたいなものは潜んでいると思うのですが。

2

冒頭部は最高に面白い!ただ後半は……

山奥の道を、バスを待ちつつてくてく歩いている主人公の前に現れた真っ赤なオープンカー。七十歳近いおばあちゃんがにこっと笑って、バス通りから外れていた主人公を車に乗せてくれる。
そうして連れて行かれた村は、祭りの最中。
でも不思議なことに洋服の者はなく、機械製品や、屋台・夜店につきものの発電機もない。
大きな黒い鳥居の前で、おばあちゃんは言う。「ようこそ信太村へ」
主人公の名前は、信太 褒名(しのだ やすな)──

この冒頭部がとても印象的で、一気に引き込まれました。
村の生活を知らない受けの面倒を見てくれる攻めは、口数少ない硬派。受けはぼんやりしてて、変だな?と思っても深いことを突っ込まないタイプ。前半まではとても楽しく、わくわくしながら読みました。

そのテンションが一気に下がったのは、後半。理由は3つ。
①受けは、キレる(&酔っ払う)とガラが悪くなる(大阪弁)という設定
②獣姦
③妊娠、出産

優しいほんわかタイプが怒ってキレる展開は大好物なのですが、今回は、受けの大阪弁が本当の本当にガラが悪すぎて……正直ドン引きしました。その後、可愛い受けに戻るんですけど、関西ヤクザの片鱗がチラホラするので、可愛い言動にもドン引きしてしまって……後半は全く萌えられませんでした……。
また、ガラが悪くなって酔っ払って酒乱になって、結果ピンチに陥る展開は全く同情できないし、そこから畳み掛けるように②③へと続くので、後半はちょっと……キツかったです……。

この3点(特に①)が大丈夫な方には、萌えられる作品だと思います。
でも私にはちょっと無理でした。

視点がころころ変わるのは、他の方のレビューの通り。
多少気になりましたが、読みにくくはない。ただ、受け視点かと思えば攻め視点になり、第三者視点になり、別の人の視点になり……と落ち着かないかな?とは思いました。

1

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