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エキスパートレビューアー2022

女性甘食さん

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兄弟ラブコメ

兄弟ものです。義理なので血は繋がってませんが、エリート助教授兄27歳×ワンコ系解体業者弟20歳です。親同士の再婚で兄弟になったけど幼い頃から10年以上は普通に家族として過ごしていたので、まあちょっとお互い変態かな。

シリアスではなく終始明るいラブコメディー。兄は口が悪くていかにもSっぽい口調だけど実は甘々の溺愛体質なのが面白かったです。弟はただただ可愛いワンコですが、天然小悪魔的な所もあり時々兄を生殺し状態にさせます。

悪い人は出てこない楽しい話なので、ドロドロ系が苦手で溺愛ものが好きな方にはおすすめです。登場キャラの中で別カップルもできるのですが、そちらはスピンオフになりそうで個人的にはこちらのカプの方が好きそうです。強がりエリート受け、好物なので。

佐倉ハイジさんのイラストもエロ可愛くて素敵でした。

征四郎のキャラが良い

1951年、敗戦後の日本から進駐軍が引き上げる直前という時代設定のBLロマンス。アメリカ軍人×日本人バーテンダーのお話です。レトロで切ない雰囲気が良いです。進駐軍基地の近くのキャバレーで働く征四郎。女性目当ての店のはずなのにやたらと男にモテてしまう人です。私の好きなやつ。萌えー。

黒髪で儚げに見えてバーテンダーの制服が似合う。細身のベストで腰がキュッとしまって見えるやつ。あのスタイルの男性が出てくるだけでテンション上がります。バーテンダー受けのBLに大体ハズレはないので(個人の感想です)。男の経験もないのに積極的にゲイのジムを誘うなど大胆な所もあるのですが戦地でのトラウマを抱え夜は1人で寝られないという弱さも持ち魅力ある受けだと思います。征四郎という名前も凛々しくて好き。

ハッピーエンドというのも夢があって良い。あの後も時代的には色々困難だらけだったとは思うけど征四郎とジムの2人には図太く幸せに生きてほしいなあと思いました。あれだけ色々詰め込んで一冊にまとまってるのもすごいと思いました。

上質な一冊

90年作。帯にルビー文庫創刊!とありました。新時代の夜明け、BLという素晴らしき大海原への船出みたいなパッションに溢れていたであろうBL黎明期を勝手に想像しました。

この作家は後書きにもあるようにジュネ(JUNE)で書かれていた方で、小説としてのクオリティがとても高く、文章が上手くて話も面白いので一気読みしました。文芸作品との差があまりないようでいてちゃんとBL。ジュネってパドエンが多いイメージだけどこれは違うのがまた良かった(2作の内1作)

表題作「鼓ヶ淵」はホラーBL。終始不気味な昔の角川映画のような雰囲気が良かった。情緒がある。ミステリアスな16歳の少年「雅美」が色っぽかったです。故人である有名声優が攻めの洋ちゃん役をやっていたと知り、作品に興味を持ったのですが大当たり。その声優はBL作品のスタジオ入りする時は「今日は可愛がってやるぜ」と言っていたというハートウォームな話がWikiにありました。

同時収録の「ガーデンセール」はさらに文学的傾向が強く、森茉莉さんみたいな雰囲気があると思いました。切なくて辛くて痛い展開ですが。読んでいてヒリヒリして受けの事が心配になります。登場人物の固有名詞が出てこなくて主な登場人物は「船長」と「男」と「教授」の3人。こういうのも戯曲とかお芝居みたいでおしゃれというかよく考えられていると思う。今見ると逆に新鮮。

これは楽しめる作品

読み終わった後素直に「あー面白かったー!」と思える作品でした。今流行り?のタイムリープもの。過去に戻って生き直し、現在では死んでしまった元彼(攻め)を絶対に救ってやる!と受けが頑張る熱いお話です。

受けも辛い過去を持ってて、シリアスではあるんですが、少し過去を遡った2度目の人生が攻略ゲームのようで面白い。人の頼みを断れない行き過ぎたお人好しの性格の攻め、ブラック企業で自分も壊れそうなのにその会社に後輩をしつこく勧誘する先輩、受けを嫌っていそうで自分の会社の借金を大きくしたまま死んでしまいそうな攻めの父親。難関ポイントが多すぎて無理ゲーっぽいけど、受けは愛する攻めのために立ち向かっていくのです。

真面目すぎる受けの行動も所々コミカルだし、元彼とは言っても清い関係だったのがまた萌えポイント。体の関係はなくても好きの気持ちは特大なのでキュンキュンできます。これぞBLって感じ。最後のえっちも盛り上がるわけです。

ちょっとSF・オカルトチックで最後まで「あのおでん屋の紳士はなんだったんだろう」と謎が残る。こういうテイストの不思議なお話、好きです。そんなに複雑な話じゃなく起承転結もしっかりしてるので読み終わった後もスッキリ。こんなBL映画があったら見たいなあ。

うん、愛だな、愛

ファンタジーではなく、現代日本男子達のお話。なんだかホッとします。リアリティがあるかないかでいえば、まあないんだけど、こういうちょっと現代のおとぎ話のような感じも好きです。

挿絵が草間さかえさんだと特に読んでみたくなる不思議。画家を目指して金持ちの家を飛び出した青年26歳×可哀想な過去を負った訳ありのアンニュイな謎めいた青年22歳のお話。20代の若者同士です。

プロローグから見ると、訳あり美青年・慧くんは絶対攻めの亡くなったお兄さんの愛人だと思った。ミスリード、騙された方多いと思います(私だけ?)。お兄さんそんな人じゃなかった。可哀想な慧くんを密かに育てていたのでした。

実際、彼を教育し、育てたのはデキる秘書の緒川さん44歳。彼のことが気になってたまりません。最後の書き下ろしショートストーリーが面白かった。慧くんの育ての親みたいなもんだから息子の彼氏も気になるんだろうなあ。また私の気に入った人を受けにしてしまいたい病が!スピンオフないかなあ。当て馬とかではないけど、わりとキーパーソンだと思います。

どこか人として不完全で自分を空っぽだと思っていた慧くんが愛というものを知り、戸惑う姿が良かったです。最近海外BLを読んでたので久しぶりに日本のBL読んだな、という感想です。

セレブに振り回される

コーダシリーズの1作目と2作目の主役達である元セフレ、元彼達の紹介からブラインドデートをして(紹介してくれた人抜きでいきなり2人きりでデートする)恋が始まる…というお話。今回の2人はコロラドへは行きませんでした。

攻めのジョナサン視点で話が進みますが、彼は毎日社畜のように働かされ、明らかに尋常じゃない状態なのに出世したいがために必死で働きアメリカ中を出張で飛び回っている人です。対して受けのコールは本物のセレブで働かなくても一生遊んでいけるような人。

こんな2人うまくいくの?って感じですが、コールは料理の腕が最高なので、気まぐれにそれをジョナサンにふるまってベッドでの関係も重ね、ゲイ同士の割り切ったセフレ以上・恋人未満みたいな関係が続きます。

コールが「いかにもゲイ」なピッタリした中性的な服を着た、オネエさんっぽい人だったのであまりBLという感じはしませんでした。イラストでは可愛くて言葉遣いも普通でしたが。攻め受け固定型でしたが、本当は攻めのジョナサンもたまには抱かれたい人だったのでは?と思いました。彼の方が父親の前で涙しちゃったり可愛い面も持ってる人なので。

コールは富はあっても親の愛はない、みたいな環境で育った人でジョナサンとは対照的。だからこそお互いにない物に惹かれ上手くいったのかもしれません。コールの自由奔放で先の読めない感じ、急に怒り出す感じ、自分だったらついていけないなあと思いました。ジョナサンは辛抱強い。

コールが謎めいた自由奔放なキャラクターでそれが少しずつ解き明かされ、ジョナサンもそんなコールに感化されて人間らしい生活を取り戻す…というような話ですが、ラストが少し不穏な終わり方でした。私の読み取りが足りないのかもしれないですが、養子をとる?それとも自分もそれで傷ついたのに女性に生ませる?私にとってコールは最後まで読めない、理解し難い人でした。

堂々完結

3ヶ月連続発売だったカササギシリーズ、ついに完結です。長く楽しませてもらいました。最終巻表紙はカササギに囲まれた幸せそうな2人。見ているこちらも幸せになるイラストです。

クライマックスらしく今作は1番盛りだくさんだったと思います。お互い愛し合っているがゆえの大喧嘩、ベッドで熱い仲直り、そして迎える2人の絶体絶命の状況。スプラッタな殺され方をする事件被害者達の表現が恐ろしい。ハラハラドキドキさせられる展開です。

幸せな後日譚も2作収録されていてお得な一冊。今回スティーヴンがブラック間違い無しの仕事を責任感からなかなかやめられない人みたいになっていてルシアンの心配する気持ちもよくわかります。

出来上がって3巻目のカップルなので濃厚なラブシーンの数々も魅力的です。日本のBL作家とはまた違った表現が楽しめます。

クラヨリ様が堕ちるまで

ちょっと古い作品ですが、内容は斬新です。一つの作品に4カップル登場し、人外攻め、人外受け、オジさん受け、ジジイ(精神が)受け、リバあり(形態を変えて)と様々な要素が詰まっています。

何より表紙を見てわかるように(4巻あたり?)、メインカプがセツ×昭からツムギ×クラヨリ様に乗っ取られています。これはかなり珍しいパターンなんじゃないか。

鈴木ツタ先生は最近の作品「BARBARITIES」でもなかなか落ちないオジさん受け(難攻不落レベル)というのをやってらしてお好きなものがブレないんだなと思います。最終巻まで焦らされましたが、えろクラヨリ様が見られて本当に良かった。ツムギも最初は料理のうまい嫁キャラに見せかけて最後は「嫁だけど夫抱いてますが何か?」ってキャラで良かった。半妖・半ジジのクラヨリ様を見ても全く揺らがなかったのが感動しました。彼の愛は本物だ。

この作品のBLCDの声優陣を見てびっくり。昔のBLCDって豪華だったんですね。売れる前とかじゃなく充分にメジャー作品に出た後でもBLの出演あったんだ…と驚きます。

すごいボリューム

定価約2000円という事でちょっと高いなと思ったのですが18世紀イングランドのヒストリカルBLというのに惹かれ購入。18世紀、19世紀の英国ものって多いですね。日本も江戸時代の小説結構あるのでロマンがあるというか興味深い時代です。表紙の絵、モーツァルトみたいな格好してますが。

元強盗×貴族のお坊ちゃんの話でリバあり。初体験のシーンは「えええーそっちだったの?」と驚きました。それまでの雰囲気が逆の感じだったので。yocoさんのイラスト両方可愛いしカッコいいので慣れてしまえばどうという事もないんですが。

話は面白かったですが字が細かすぎてぎゅっと詰め込まれてる感じでした。文庫本2冊分以上のボリュームは余裕でありそうなのであの値段もしょうがないのかも。変な所で切れてるよりは完結している方がいいけれど。買ってから小さく表紙にシリーズ1と書いてあるのを見つけました。2冊くらいで終わるならいいけど、あのボリュームと値段でシリーズ4.5とかなるならちょっと考えてしまいます。

贅沢3カップル

千葉先生のディストピアもの。荒廃した世界で子供が悪い大人達に利用されているような話。小説だとNO.6とかガンダムワールドのスラム街みたいな所とかそんな雰囲気。全編千葉先生の素敵な絵で見られるのは嬉しいです。

主人公ケイの本当の姿とか色んな謎を秘めている割には3冊で上手くまとまっています。深みが足りないという面もありますが他の作家さんで似た設定の漫画は何年もかけて6巻くらいで止まっていて、あれちゃんと完走できるのかな?という作品もあるのできっちり完結させてくれるのはありがたいです。

1巻からメインの受けが男娼設定で他の男と致していたり、メイン男前攻めが受けの目の前で他の男に犯されていたり、とショッキングなシーンの数々に驚かされました。そしてコンパクトな3巻の中にサブカップルが他に2組も登場するのが魅力。主人公カップルが経験豊富なので、荒廃した街の仲間のイサミ×ゴウのカップルの初めてシーンがピュアででエロ可愛いくて良かったです。

あと1番大人のカップル、ケイの世話役的立場のレオ×八重樫カップルは出来てる設定なのにエッチなシーンは無し。出し惜しみなのか尺が足りなかったのか…でもビジュアルが素敵な2人なので妄想だけでも楽しいです。千葉先生の絵が好きなのでストーリーと共に楽しめた一冊でした。