特典付き
戦後の日本が舞台のお話。
主人公が戦争で友人を失っていたり、PTSDを患っていたり、同性愛が禁止されていたり、取り扱っている要素は重たいのですが、それほど重たさを感じることの無いままサラッと読み終えてしまいました。
そういったギャップが魅力の作品も存在するのですが、この作品はもっと重たさを感じながら読みたかったなと思います。
設定的にも色々と気になるところはありましたが、それよりもタイトルにもなっている『ひとりで夜は越えられない』の部分をもう少ししっかり表現して欲しかったなと思います。
絵柄やキャラクターは好みでした。
本当の出来事と時系列凄くうまく絡み合って、当時の人付き合いと価値観、家族関係、人間関係が良く描けます。話の空気から絶対どこかに「穴、洞窟」が来るのかなって思ってたらから涙の準備はしていたけど・・ひらいしんに吸い込まれた雷見たいに自分を3回も泣かした。まじで、枕がびっしょりになちゃったwジムくんまじでイケメンで優しすぎる!歴史系、イケメンが好きな人におすすめしたいBL!まぁ、自分みたいに大人になってから涙もろい人にはティッシュを準備しないと、俺みたいに枕がビショビショになちゃうw
ずっと気になっていた作品。アワードもランクインしましたね。やっと読んでみました。初読み作家様です。
実は連載中に、うっかり4〜5話あたりをチラっと読んでしまい、ちょっと重たそう…と思って、なかなか単行本を読めないでいました。
読み始めてみると、戦後日本の少々仄暗い雰囲気を漂わせつつも、征四郎のサバサバした男前な性格や、ジムの健気なワンコの可愛さ、テンポ良く進むストーリー、あと少しのコミカルさもあって、とても読みやすくて引き込まれるお話でした。
特に攻めのジムが、体の大きいハンサムだけど、性格がとっても優しくて、真面目で、健気で、もうめちゃくちゃ可愛いい!でっかいワンコ攻めが大好きなので、たまらないキャラでした♡
ジムが征四郎に、好きになってくれたら貴方をください、とキスするシーンはキューンとしました。
征四郎はそんなに好みなキャラじゃないかもと思ってましたが、普段は普通に男前なのに、時々ドキッとするような色気を見せることがあって、ギャップがいいなと思いました。
キスシーンや濡れ場は、そんなに激しい描写ではないけど、すごく官能的で美しくて素敵です。
特に中盤の、征四郎が煽った濡れ場は、初めて征四郎に触るジムの必死な表情がとてもエロチックで良きでした。
先生の描く男性の裸体はとても美しいです。ジムは筋肉が綺麗で格好いいし、征四郎も細っそりしつつしっかり男性体型で良いですね。
後半にはシリアスな展開となりましたが、ラストは希望のある終わり方でよかったです。
しっかりしたストーリーで、キャラクターも魅力的で、素敵な作品でした。読んでよかったです。
アニメイト特典小冊子が今月電子書籍化されました。渡米後の二人が描かれているそうなので、そちらも読みたくなりました。
シーモア 白抜き修正
健気攻めが読みたいと思って「健気」にチェック入れて詳細検索したところ、こちらがヒット。
ジム、あまりにも日本語が達者すぎる……という違和感はありましたが、良き攻めでした。
でもこの内容なら上下巻が必要だったと思います。
一巻にまとめてるからどうしてもサラリと描くしかないと思うのだけど、あっさりしすぎというか、心に残る前に通り過ぎていく……。
背景としては
・攻め側:宗教上の問題で同性愛は禁忌とされている。
・戦勝国と敗戦国という立場
・受けを日本人としてまともに扱ってくれるのは攻めのみで、周囲は「ジャップ」扱い。
・受けは戦争で親友が自決&自分だけ生き残ってしまったPTSD持ち。
・受け父は鬼畜米英を地でいく元教官で、受けへの理解ゼロ。
「申し訳ございません、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」とカタカタ震えながら父に謝る姿が被虐待児みたいで闇の深さが……。
なんつー無理ゲー。
それをモノともせず愛を貫いた話ではあるんだけど、まったく愛を貫いた感がない……。
もっとも征四郎は、攻めに好意を抱いたから受け入れたわけではなく、あくまで踏み台利用してやろうという魂胆でOKしただけという打算的な付き合いから始まってるので、それが愛に変化するまでとその愛を貫くという二段階を描かないといけないわけで……
やっぱりどうしても最低2冊は必要だったと思います。
疑問点がいくつか。
メリケン男がNGなだけで、そもそもキャバレーで働いたり不特定多数の女を渡り歩いてる生活そのものは不問なのか?
お給金を実家に入れるシーンがあったが、受け取るんだぁ……と違和感が。
あの親父なら、メリケンとメリケン相手の売女が乳繰り合ってるような店の金なんて汚いとか言ってのけそうなのに。
ジムの友人トーマスとの会話は、何語だったのか?
トーマスが日本語で話すわけがないし、征四郎の英語力はゼロに等しいのに「寮にいる」ってなぜ通じたのかしら?
ジムと出会い流れに身を任せるようにただ生きていた征四郎の顔つきが明るくなり、魅力が増していき美しいです。
2人の筋肉の描き方が違い体格差が艶っぽかったです。
単話の表記がNight.1 となっていて作品のキーワードは「夜」なのかな?
ひとりでは超えられない夜もふたりならきっと大丈夫。
最後、征四郎がこれからの2人のことを決断する経緯がうーん、説明不足?大事なシーンなのにサラッと終わってしまった。
ほんと少しの違和感なんですが、すごく気になりました。
どう描いて欲しかったのではなく、それまでのこの作品の良さ、雰囲気がそこだけちょっと違っている印象でした。
そこ以外は素敵なお話だったので、ちょっと厳しめの評価になってしまいました。
申し訳ないです。