親衛隊が存在するほど大人気のイケメン高校生マシュー様(表紙の人物)と、その友人で平凡な高校生勇仁の青春ラブコメ。
登場人物全員魅力的。波乱はあっても悪人はおらず、安心して読める平和でかわいいお話でした。
テンポが絶妙な作品で登場人物が多く賑やかにも関わらず騒がしさは無く読みやすかったです。
当て馬のような人物も登場しますが悪人ではありません。周辺人物全員で二人を見守っているような内容で微笑ましかった。
キャラクターの描写も上手な作家さんだと思います。
ここぞというところでの表情がとても良く、それ以外の部分でも節々で視線から感情伝わってくるような描写のある作品でした。
作中描写でほとんど両想いの二人ですが、明確に付き合うところまでは到達しません。にも関わらず満足感のあるラスト(もっと読みたくはある)。
終始本当にちょうど良い温度感でお気に入りの作品になりました。
ホラーBLアンソロジーの第3弾。
7作品収録。電子で196ページ(表紙等込み)。
過去の東京戦慄奇譚と比べると満足度が低下。
ホラーの種類や描写、シチュエーション、ストーリー展開などは作品ごとに異なるのですが、まとめて読むとどことなく似通って感じてしまうものが多く、アンソロジーとしてはやや退屈でした。
恐怖描写は人間が人間に直接危害を加えるものが多く、怪奇現象的なオカルト要素によるものは少なめ。
恋愛要素は霊的なものに起因するものが減少。
物語開始時点で恋人同士の作品が多く、恋愛面での突飛さが減りました。
短編なので深堀はされませんが、BLとしては読みやすい作品が多くなったと思います。
宇良たまじ先生の作品のみかなり短く、最初は不満を感じましたが、アンソロジー全体として見ると丁度よい休憩ポイントだった気がします。
順不同に誰かの地雷になりそうな要素を簡単にまとめると、流血、首絞め、刺殺、絞殺、自殺、死体、骸骨、ゾンビ、切断、臓物、肉体崩壊、カニバリズム、女性への暴力表現、バッドエンド、メリバ。
ほとんど全ての作品に流血など人体への直接的な恐怖描写がありました。
かなり地味で注意書きするほどものではありませんが、1作目読み終えてページをめくると直ぐ、2作目の1ページ目右上にリアルな蝉の絵があるので虫が苦手な方は少しだけ驚くかもしれません。
Dom/Subユニバースかつ元教え子(成人済)と教師。
キャラクターもストーリーもあまり好みではありませんでした。
ドムサブ要素も私には上手く飲み込めず、登場人物たちは深刻そうにドムサブ性について悩んでいるのですが、読者としてはあまり寄り添えませんでした。
物語序盤で元教え子がかなり問題のある行動を取るのですが(強引に教師と肉体関係を持ち動画で脅す)、それについて教え子が反省しないまま教師と両想いになり、シリアスな雰囲気でありながら最初の行為が有耶無耶になってしまったことが残念でした。
とはいえ、漫画としてはとても読みやすく最後まで手を止めることなく読み進めることが出来ました。
本当に色々な要素が個人的に合わない作品でした。
安心して読めるスパダリもの。
設定や展開が王道かつ、攻めも受けも精神的に安定しているキャラクターなのでかなり安心して読むことが出来ました。
波乱は様々起こりますが、あまりハラハラしないストーリーだと思います。
二人の間に何か誤解や不満が生じても、しっかりと話し合って和解してくれるだろうと思えたところが良かったです。
残念な点もいくつかありました。
特に気になったのは、敵対するキャラクターとの間に大した因縁が無く(あるのかもしれないが説明はされない)、最後まで都合の良い舞台措置の印象が拭えなかったことです。
とはいえ、これもまた王道なので少しガッカリしただけでお話自体は楽しく読むことが出来ました。
Kindle Unlimitedで読みました。
十七歳の誕生日に聖女の力(謎フェロモン)が発現、突然同性から襲われるようになった主人公が、騎士を名乗る謎の男(同級生)に護衛されるという現代日本が舞台のファンタジーのラブコメ作品です。
設定がかなり漠然としており、聖女関連の設定は最後まで読んでもよく分かりません。
全体的に強引なストーリー展開ではあるものの、勢いのあるラブコメという程では無く、設定の粗はわりと気になりました。
キャラクターはどちらも可愛らしく、漫画自体はとても読みやすかったです。
二人とも善人なので恋愛面で応援しやすいところが良かった。
主人公が複数回襲われるので誰にでもはオススメできませんが、そういった要素が大丈夫でドタバタラブコメ好きな方ならある程度楽しめる内容だと思います。
気持ちを向けていない相手とのエッチな妄想を見るようになった主人公のお話。
キャラ設定とファンタジーな状況が上手く噛み合っている作品だと思います。
恋愛感情というものを上手く理解していない主人公の困惑した様子が可愛かったです。
気持ちと思考の合致しない主人公が可哀想でありながら、メインキャラどちらにも悪意が無いため不快に感じることなく楽しむことが出来ました。
しかし、全体的なストーリーにはやや物足りなさを感じました。
妄想のネタばらしがあまりにも唐突だったことと、主人公の感情が本当に恋愛感情だったのか確信出来るほどのものは伝わって来ず、読後の満足感が少し下がってしまいました。
同時収録の短編含めキャラクターは全員可愛かったです。