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「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性RoonyFriendsさん

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これはただのラブコメじゃない!名作です!!

売れっ子お笑い芸人×8年前に死んだけどクローンとして生き返った相方です。
精神的には同級生ですが、クローンとして生き返った人は、死んだときの年齢のまま復活するようなので、肉体だけなら年の差カップルとも言えます。なんかエロいな…(?)

衝撃的な設定を活かしながらも、全体的にとても良くまとまっていると思いました。終始ラブコメの雰囲気は保ちつつ、クローンという存在を世の中が受け入れられるのかという問題に対するある程度の言及はしてくれています。また率直に漫画として非常に読みやすく、面白いものを描こうという心意気も伝わってくるし、主要人物の描き分けもしっかりしていて、これがデビュー作ってまじか、と舌を巻いております。

時代は2030年、たった9年後ではありますが、莫大なお金さえあればクローンはつくれる(ただし、倫理的な議論はまだ途中)という世の中が舞台です。クローンには生前の記憶を転送することができ、肉体も完全再現、もはや本人と呼んでも差し支えないレベルのものです。

人気コンビ・イースターの片割れである攻のソーマは、受のミツヤを失ってから、ミツヤを生き返らせるために8年間仕事しまくって、貯めたお金でクローンをつくった…と思われます。「と思われる」というのが本作のミソである「行間」で、この辺りのことは詳細に説明されている訳ではありません。でも8年かかったというのが、それだけお金がかかったということを証明してくれています。
費用はどれくらいなんだろう、売れっ子芸人さんでそれなりの生活費除いた8年分って、5億くらいでしょうか?
もうこの時点で攻の愛が重すぎる。でも普通だったら人が死んでもクローンをつくろうとは思わないだろうけど、ミツヤの生前に布石になるような出来事が描かれているし、なまじ売れっ子なのでお金は工面できると思ったんだろうから、最愛の人のクローンをつくるために人生の全てを賭けようという気持ちもわかります。

そしてその8年間のソーマの生き方に思いを馳せちゃうんですよね。大好きな人を失ってつらくて寂しくて、でも目標ははっきりしてるからある意味イキイキしていたかもしれない。一方でその目標がまだ倫理的に受け入れられるかわからないものだから、不安もあったでしょう。それでも8年も耐えてミツヤを復活させたんだなー…。
物語全体が明るい雰囲気なので見逃しがちなのですが、こういうところに目を向けると、泣きそうになりますね。いくらでも感動的に描けるテーマなのに、あくまでハッピーラブコメを貫いているのがすごいと思います。そしてそれ故にみんながなかなかこの作品の良さに気付いてないんじゃないか!?って過度な心配をしてしまっています。すみません。その心配から既にレビューが1000字を超えてしまいました。でもまだ続きます。すみません。

ミツヤをクローンとして復活させておきながら、コンビ活動の再開には慎重だったソーマ。それは外聞を気にしてではなく、一緒に過ごしてミツヤを好きな気持ちがバレないようにするため。
いや、でも、とんでもない大金叩いて復活させてくれたんだから、ただのコンビ愛や友情を超えたものがあるのはバレちゃうんじゃ、と思っちゃいますけど(笑)。でもミツヤちゃんは超鈍感野郎なんですよ〜。だから胡麻崎にいさん(元先輩芸人)にけしかけられるまでソーマの思いに気付かないんですよね。関係ないけど胡麻崎にいさんのお店のラーメン食べたい。胡麻の効いた担々麺と見た。

中盤でついにソーマがミツヤへの長年の思いを打ち明けることになる(と同時にミツヤはソーマに抜かれる)のですが、ミツヤはあれ、全然嫌じゃない…むしろ自分のことずっと好きだったなんて…ドキドキ…ってな感じで両思いに。
コンビ活動の再開に向けて動き出します。
まずはミツヤのお母さんへの報告でしたが、確かに子どものクローンつくったことが広く世間に知られたら、ソーマ以上にお母さんが何言われるかわかったもんじゃないですね。でも気にしないと言ってくれたのは、きっとソーマがミツヤを復活させると決めたときに、お母さんも腹を括ったんじゃないかな〜と思いました。

ここから、せっかくお付き合い開始したのに、ソーマが忙しくてなかなかいちゃいちゃできず、時が過ぎていきます。悶々とするミツヤ。と我々読者。
ミツヤの復活記念日に、ようやく時間が取れて、念願の初Hです!ゴムの袋を破る攻の視点という構図に工夫を感じてとても良かったです。ソーマの最後のセリフには泣きそうになりました。

そしてコンビ活動再開前にミツヤの存在が世間にバレてしまい、いろいろな反響がある中、決意の生配信です。ここのオチのつけ方もとても上手かったです。見事に作品全体のハッピーオーラを崩さずにまとめられたなと。
ミツヤは鈍感ちゃんだから気付かなかったけど、多くの視聴者は気付いたんじゃないかな、ソーマの思いに。クローンとして復活させるなんて、絶対に特別な感情があるってこと、みんなもわかったから、「思ったより批判が少ない」状況になったんじゃないかな〜って思いました。
もしかするとミツヤの登場によって、本当に復活届っていうものができるかもしれませんね。

後日談は単体でも忙しくなったミツヤと、ソーマの休日が奇跡的に被った1日の悶々→ラブラブな様子が見れました。

2人のコンビ名のイースターって、復活祭のことなんですよね。日本ではイースターって卵に絵描く祭りみたいになっちゃってるから、あとちょっとでスルーするところでした。ニクいな〜。

兼業作家さんのようですが、どうか無理のない範囲でこれからもBLを描き続けていただきたいですね。きっと作家買いします。なんなら胡麻崎にいさんのスピンオフとかも良いですね。芸人辞めた詳しい経緯も気になるし。先生、胡麻崎にいさんに筋肉質のSっぽいソーマ以外の男を用意してあげてください!

ガテン系エロ天使

クール美形な医者×Hなこと大好きマッチョです。

やることやりまくってるのに心がピュア!!受の佐伯はものすごく無邪気で素直なワンコ系。仕事柄見事なガチムチボディを誇る一方、初恋に悶える心はさながら女子中学生(いや、小学生か?)で、ギャップが可愛いキャラクターでした。
電子で試し読みしたときの、「か、可能ならなんですけど…ちんこ挿れてくれませんか…?」というセリフの時点でもう大好きでした。表紙の印象だとオラオラしてそうだなと思ったんですが、実際には全くそんなことはなく、むしろ無茶なお願いの前にちゃんとお伺いを立ててるところが、まともな社会人って感じで、良い意味で裏切られました。いや、頼んでることはめちゃくちゃなんですけど(笑)。

対する攻の桐嶋はモテるが故の面倒を避けるため、恋愛はしないと言っている男。クールなんですけどなんだかんだ優しいというか、前立腺の場所を教えてくれって言われて、自分の休憩時間潰して受のちんこ扱いてまで教えてあげる医者っているんでしょうか?(笑)
淡々とした口調でありながら返しも気が利いてるしイケメンだし金持ちだし、超超超優良物件!だと思います。よくぞ独身でいてくれた。
そしてややSっ気があり、敬語攻め。なんでしょう、私あんまり敬語攻めってピンと来ないことが多いんですが、桐嶋先生のは好きなんですよね。子どもを甘やかすみたいな敬語だからかもしれません。あと単純に見た目が好み…。

なまじセフレになってしまったために、本気になったと知られたら捨てられると悩む、というのはBLでは珍しくないと思いますが、佐伯のさっぱりとした人柄のおかげでそこまでうじうじせず、明るく楽しく読めます。後輩くんと普通に仲良いのもわかる。

佐伯の告白に桐嶋がとっさには反応できなかったのもわかるし、そのあと挽回するために自ら行動を起こしたところも良かったです。桐嶋に気持ちを返されてパニックになる佐伯が可愛かった。

全編通してセックスのシーンが多いですが、ストーリーがちゃんとあるしメイン2人のキャラも立っていて、エロだけではないと断言できる作品です。

2人の幸せな姿に涙

最終巻です。
4話目の誠治の誕生日からの5話目のクリスマスで、もう泣いてしまいました。イルミネーションに浮かぶ大好きな人の笑顔、そして駆け抜けた街…うう〜あまりにも幸せすぎて、このレビューを書くために読み返しているとまた涙が(笑)。
2人の幸せは永遠に続くんだなぁと、心に沁み入りました。

相変わらず誠治一筋の晋と、すぐおちゃらけるけど可愛い誠治の日常です。
猫ちゃんの飼い主を探したり柔道の大会で優勝したりしますが、やっぱりクリスマスの話が…最高です。
ヒゲを剃って若見えしてる誠治は可愛かったし、晋が苦戦しながら計った誠治の指の太さの情報が無駄にならなくて良かった(笑)。

まだまだ2人のネタはあるようですが、ひとまず最終巻として素晴らしい終わり方だったと思います。

途中からトーンダウン

受の兄の友人×童顔のデザイナーです。

あらすじだと結構すぐに酔った攻にやられてしまう感じに読めるのですが、実際にはそこに至るまでに時間がかかっています。受が会社を辞めるまでの苦しい経緯が描かれており、思いの外重い反面、ここからどうなるんだろう!?とワクワクしながら読んだのですが、なんだか最終的にはモヤモヤが残る結果に。

受は意地悪な上司の村井に仕組まれて(?)会社を辞めることになるのですが、その辺りの真相が完全には明かされておらず、また、受が再就職してから職場に届いた怪文書も、どうやら村井の仕業だろうということはわかるのですが、それもはっきり断言されている訳ではありません。すべて村井の口から明かされるか、あるいは村井の目の前で他の人が証言して認めざるを得なくなったのならもっとすっきりしたはずなのですが、人伝てに聞いてどうやらそうらしい、というレベル。村井が会社を解雇されたという情報も人伝てでした。
せっかくの悪者をストーリーの盛り上げに活かしきれていない印象です。

受が地方のデザイン会社では成功していたのに東京に出たら村井にボロクソに言われて一度もデザインを採用してもらえなかったのに、プライベート的に請け負った攻の会社の標語のポスターや攻の同僚の結婚式のウェルカムボードは大好評で、再就職先でも高く評価されている、というのも、つまり前の会社では絶対村井が受のデザインをパクってたんだ!と思ったのに、そこもはっきりとは書かれておらず。パクリはしてたみたいですが、「受の」デザインをパクっていたとは書かれていなかったと思います。
前の会社での評価は受の実力不足だったと結論づけられている風でしたが、その会社でだけ評価が低くて他の場所では軒並み好評ってこと、本当にあるんでしょうか??それは実力不足ではなくて評価がおかしかったんじゃないかな〜と。そういうところが曖昧なのが、作品にモヤモヤが残る原因になっています。

また、そもそも攻の魅力がちょっとわかりづらいというか、受を特別に可愛がっているのはわかるのですが、受の言動が可愛くなかった(人としてどうという訳ではなく、ただ攻の気に入らなかっただけ)から受に謝らせるというシーンがあり、あくまで2人にとってはプレイのようなものかもしれませんが、理不尽に自分よりも上の立場の人に謝罪を強要される姿に、私が耐えられませんでした。受も納得してなかったし。

読み始めは楽しかったのですが次第にう〜ん…となってしまったため、総合して萌評価です。

ジャングルで恋なんだぬ

朗らかなテレビマン×ツンデレゲイの美貌の研究者です。

タイトルに使った「〜だぬ」というのは作中の小ネタですが、こういうのを入れてくるセンス、どうでもいいタイミングで笑わせてくる感じ(失礼)がまさに典雅節で、あ〜先生の作品読んでるわ〜と味わわせてくれます(笑)。

トラブルによりたった1人でジャングル奥地に取材に行くことになった攻。そこでダヌワ族という人々の研究をしている日本人である受の協力を何とか得られることになるのですが、受はツンツンしまくりで…という始まり。

典雅先生の作品らしく、あ〜最初からお互いちょっとイイなと思ってたじゃん、ということがわかりやすい、親切設計。
頼れる相手が受しかいない状況で、ツンツンしつつ攻の代わりにゲテモノ系の料理をさりげなく食べてくれる受にときめく攻に共感しました。
2人が恋人同士になってから、受が1人で過ごしている時の、初めてできた彼氏に浮かれまくっている姿は、めちゃくちゃ可愛かったです。

ダヌワ族は性的な触れ合いでコミュニケーションを取る種族。ここまで奔放な人々が実際にいるのかはわかりませんが、なんかまあ世界は広いからいるかもしれないな…と思わせていただきました。パタエカはびっくりしたけど(笑)。いや、これ、女同士だったらどうするのよ。別の儀式があるんでしょうか。

メインの2人の次に出番の多かったトゥクトゥムは、有能でピュアでとても良かったです。トゥクトゥムの挿絵欲しかった〜!

物語後半のブンデス野郎(ブンデスリーガに失礼)にはもう少し暴れてほしかったというか、あそこでトゥクトゥムにやられておしまいだと、ちょっともったいなかったかなと思いました。あと一回、受に求愛しにくるぐらいの根性見せて、ストーリーを盛り上げてほしかったですね。
というかブンデスリーガって言葉が何の説明もなく出てきて驚きました。本筋には関係ありませんしユニフォームと書いてあるのでだいたい雰囲気はわかるとは思いますが、一瞬でも「?」となりそうな表現は避けて、ドイツのサッカーリーグとか書いていただいた方が、サッカー詳しくない方にとっても読みやすかったんじゃないでしょうか。
それにしてもユニフォーム見ただけでドイツリーグとわかるとは、この受、かなり海外サッカー詳しい可能性ありますね。

無表情イケメン攻がものすごく可愛い件

同じ会社の無表情な後輩×人当たりの良い先輩です。

攻の滝藤にとっては、受の志島が初恋の相手。ということでいろいろとウブで不器用!無表情の裏で初恋に翻弄されまくり、頑張りまくりなのが伝わってきて、めちゃくちゃキュンとします。
特に、初デートにおすすめの場所を周囲の人に聞きまくって情報収集していたのが、すごく可愛かったですね〜。人の教えを乞う素直な人柄もうかがえて、とても良かったです。
寝てる志島に「髪おろしてるのも好きです」ってつぶやくのも、うおお〜〜!!!!とめちゃくちゃときめきました。
中途半端なことはしない男なので、駆け引きはなしで真正面から、相手が少しでもためらったら引く。という感じで、前後にしか動かないスライド式の機械みたいな人です(笑)。

対する受の志島は、誰とでも適度に仲良く、来るもの拒まず去るもの追わずで恋愛してきた人。それは苦しい恋愛から逃げてきたということでもあり、心の奥底では本気で好きになった相手と結ばれることへの憧れを持っています。
志島も良いやつで、重大なミスをした営業の広瀬ちゃんへの言葉とか、優しすぎました。BLと少し離れてしまいますが、この広瀬ちゃんは最初、明るくて冗談を言うような子として登場していて、後で自分のミスを言い訳せず謝る落ち込んだ姿が描かれており、人間的な描写もドラマがありました。

滝藤からの突然の告白以来、ずっと滝藤のことを考え続けてきた志島。滝藤が自分を避け始め、引き留めるために思わず出た真冬の「アイス食いたい…」にも悶絶!なんでこの人たち、こんなに可愛いんでしょうか。

Hはあっさりめですが、そこまでの流れがこれまた良かった。2人のお互いに対する愛が伝わってきました。

『メルトアットナイト』の可愛いトモさんも見られてうれしかったです。ハルくんとは相変わらずラブラブそうで何より。

めちゃくちゃ俗っぽいうさぎのぬいぐるみ

ハーフの御曹司イケメン副社長×お人好しの貧乏大学生です。

このうさぎのぬいぐるみ、ま〜喋りまくり!!
コテコテの下世話な関西人のおじちゃんって感じのうさぎです(笑)。でも小椋ムク先生の挿絵の効果もあってか、なんだかんだ可愛いんですよね。
ぬいぐるみが動いたり喋ったりしてくれたらな〜と思ったことのある方には、ぜひ読んでいただきたいですね。こんな喋り方を夢見た人は少ないと思うけど(笑)。

うさぎのぬいぐるみに話しかけられて、かつてのお屋敷に戻れるようにしてくれ〜なんて、無理難題なのですが、受の希翔が本当にお人好しで、文句を言いつつもウサ吉(ぬいぐるみ)の願いを叶えてあげるため奔走します。奇跡的に募集のかかっていた攻・理章の会社のクリーンスタッフに採用され、理章とまずは仲良くなろうとするのですが…。「どうなっちゃうの!?」とわくわくしながら読めました。

ウサ吉の声はごく一部の人間にしか聞こえないのですが、その人間と身体的な接触をすると、一時的に声が聞こえるようになるのです。理章の屋敷に住み込みで働くことになった希翔は、理章にウサ吉の声が聞こえるようにするため、理章とキスすることが習慣に…という美味しい展開。
でもすれ違ってしまいキスがなくなった時期も、理章がウサ吉の言いたいことを全部わかっていたのが面白かったです。

恋愛偏差値がゼロに近い2人。理章が希翔に喜んでもらうために、貰い物を装って高級フルーツを買って渡していたのが可愛かったですね。

物語の山場、強盗に刺されそうになった理章をかばってウサ吉が刺されたときは、ぬいぐるみだとわかっているのに思わず涙が出てきました(笑)。
ウサ吉は腕の良いぬいぐるみ修理士(当て馬)の手で無事に現世に舞い戻ってきますので、ご安心を。

欲を言えばHシーンがものすごく短かったので、あともうちょっと詳細に描いていただけていたら…とは思いますが、とても楽しい作品でした。
希翔と理章が死んじゃったら、ウサ吉どうするんだろう…と心配ですが、そうなる前にエミリー方面のツテで渡英できるように取り計らうか、もしくは大阪の菜那に今度こそ引き取ってもらうかもしれませんね。ウサ吉に寿命あるのかな?(笑)

受の純粋さに心を打たれる

大学の同級生で、モデルばりの容姿のモテ男×コミュ障の天才です。

短編ですがストーリーの山場があり、キャラクターにも好感が持てる作品でした。
受の理人を、ここまで浮世離れした人物として描き切ったことがすごいと思います。口調とか考え方とか、常人とは一線を画していますね。でも実は面食いだったり、イケメンの攻・真崎が話しかけてきて内心めちゃくちゃ動揺していたり、人間らしいところもあるし、何より可愛いと思ったのが、真崎に「ツッコミ入れろよ〜」的なことを言われてから、テレビでツッコミを勉強して実践していたこと。ま〜いじらしい!!キュンとしました。

対する攻の真崎は、キラキラしてるけど実際は無理して上辺だけ良く見せているイケメン。まあそのおかげで面食いの理人にも好意を持たれたわけですが(笑)。
理人が電話をかけてきたときの、真崎の「好きだぜ」にはキュンとしましたね〜。ちなみに理人は携帯電話を持っていないので、固定電話からかけています。理人が真崎の電話番号をすっかり暗記していたエピソード、理人らしくて良かったです。

理人は、真崎みたいなイケメンは自分にはもったいないと思っているのですが、真崎も理人があまりにも純粋できれいすぎて、自分なんかには釣り合わないと悩みます。確かに理人は、もしかすると真崎は目的があって自分に近づいてきただけで、本当は自分のことが好きではないのではないか?と思った時ですら、恋愛感情を教えてくれた真崎に感謝していると伝えています。嫌味でも何でもなく、本心からそう思っているのがわかるんですよね。
こんなに混じり気のない人を前にしたら、私も「私なんかと会話させちゃだめだ」と思ってしまいそうです。
それでもそんな理人を離さないと決意した真崎もかっこよかったです。
アパレルブランドを持つ夢は…、結構大変だと思いますが、このご時世ならSNSで人気が出れば一般人でも一躍有名人になり得ますもんね。がんばれ真崎。

今野先生の面倒見の良さにはびっくりですが(笑)、あんな天然記念物の理人をほっとけないという気持ちもわかります。

狸は可愛い

若手社長×由緒ある家柄出身の落ちこぼれ化け狸です。
電子は挿絵なしなのでご注意ください。

狸は本当に可愛くて、やっぱり動物が人間になって人間と恋に落ちる設定は最高だなと思いました。ちょっとあまりにも人間への擬態が下手くそすぎましたが(笑)。発言にも変化にもボロが出まくりで、ここまでバレバレの狸も珍しいかも(笑)。

ただ本作は、人間と人外が結ばれるにあたって必ずと言っていいほど描かれる「試練」があまりにもあっさり解決してしまい、これまで読んだすべての動物ものの中でも、一番肩透かしをくらったと言ってもよいかもしれません。
他にも、攻が受を気に入った理由をもう少しはっきり描いてほしかったなとか、攻はなんで口語っぽくない口調なのかなとか、受の師匠である猫又・錦院の客寄せの力は若干危ない風に描かれていたのに、最終的にそれにあやかっちゃってるけど良いのかなとか、細々と気になる点はあったのですが、何よりストーリーで最も盛り上がるべき「試練」の描写の弱さは非常に痛いと思います。
ここがもっとドラマチックに描かれていれば…と悔しい気持ちになりますが、作品を読んでいてつまらないなと感じた訳ではなく、基本的には「ここからどうなるんだろう」と楽しく読めました。だからこそ結末に拍子抜けしてしまったという感じです。

メインの辻堂×健太のカップルだけでなく、狼の妖怪である黒崎×辻堂の店で働く料理人の能登のサブカップルも出てきます。こちらは健太が純朴すぎる反動なのか、アダルトな雰囲気が漂ってました。いや〜こちらのカップルの話ももっと書いてほしかったですね。

惜しむらくは電子だと挿絵がないこと。くそ〜っ表紙だと辻堂と健太と錦院しか出てこない!黒崎と能登さんも見たかったッッ!!

大人と子どものラブバトル

高校生と、その父親の部下のサラリーマンです。
最後まではしていないですが、読んだ感覚ではサラリーマンが攻です。

恋心に振り回される高校生と大人、それぞれの行動は違えど「自分の気持ちの方が大きくなってしまってるんじゃないか」という不安や、「傷つくのが怖い」という気持ちは共通していて、とても共感できました。
また、かなりすっきりした絵柄でありながらどこか色気を感じる、なんとも言えない魅力のある絵が、作品の雰囲気とマッチしていました。

サラリーマンの一郎さんは、上司の飲みの誘いを断れず、家にまで連れて来られてしまうようなお人好し。高校生の弓彦はそんな一郎さんを侮っていましたが、この一郎さんが少し曲者で、弓彦との恋愛においては、真正面からは勝負しようとしません。というのも一郎さんにとっては弓彦は未熟な高校生だし、何なら上司の息子なので、いろんな理由で安易に手は出せないんですよね。この「かわされてる」感が、弓彦をやきもきさせ、一郎さんにのめり込ませていったのかなと思います。

対する一郎さんは、作中の描写だと、ノンケとして生きてきたけど本当は同性の方が…という自分自身に薄々気がついていた、ということなのかな?弓彦を率直に可愛いとは思っているけれど、本当に恋愛の相手にするには、年齢的にも会社での立場的にもよろしくないということで、ずっとセーブし続けている印象です。

ついに弓彦と触り合いまでした一郎さんが、弓彦に「ついに俺の勝ち?」と言われた瞬間の、高校生の子どもに手を出せてしまう自分への絶望や、もう取り返しがつかないほど弓彦を好きになってしまったという諦念が、一気に脳を駆け巡ったんだろうなという描写がとても良かったです。

全体的に切なくはあるけど淡々とした絵柄やコマ運びのおかげで切なくなりすぎず、かつ心理描写が丁寧で、とても読みやすい作品でした。