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萌×2作品

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女性ふばばさん

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ストイックな若き華道家元

電子短編。挿絵の加東セツコ先生推し。
著者は華麗なヨーロッパやスペインなどのイメージがある華藤えれな先生ですが、本作はしっとりと京都の華道家元の物語です。

若くして伝統ある流派の家元になった怜史。
子供の頃から「家」と「花」の事ばかり、家元になってからは尚更無理やりに笑顔を作り人々に穏やかに接するが心の中は…
そんな時、TVで見たのが新進気鋭の華道家・水嶋。
自由奔放な明るく楽しくカラフルで美しい花の世界に一目で惹かれる怜史だが、自分は伝統流派の家元なのだから水嶋の花に憧れてはいけないのだ…

…みたいな。
両極端な個性を持つ2人が運命的に惹かれ合う。そこに華麗な「華道家元」という縛りも加わって非常に魅力的な作品になっていると感じました。
何より風貌も生活もストイックな和風美人の怜史。
そんな彼が心を波立たせ、自由な水嶋に憧れと同時に嫉妬と反感を抱く。
一方水嶋は屈託なく、あなたが好きです、あなたの花が好きです、とグイグイ。
短編だからか、初めから水嶋が怜史を好きだったという設定で展開は早め。
雨の中で2人濡れながらの長いキスの描写はとてもしっとりとした味がある。
ただし、続くセックスシーンでは怜史の和服設定が文章では大して生かされてなかったかな。挿絵で足袋萌え補給です。
クール黒髪男性が格別な加東セツコ先生に「美しき華道家元・怜史」はピッタリ!

2人の花の世界は決して相反するものではありません。
南フランスの光に満ちた水嶋の花。
京都の地で静かな祈りに添える怜史の花。
怜史の初めての恋を応援したいです!

激コワカタギとかわいいウリ専

作家買いプラスちるちるの記事も後押し。

カップリングは、限りなく裏社会的な一応カタギの金融業者とウリ専ボーイ。
借金、裏金、追い込み、といったヤクザっぽい世界観の中で花開いていく愛情…?みたいな?

連帯保証人の偽造までして、ウリの太客である実業家の裏情報を探れ、と言ってきて。ついでに味見、みたいな感じでちょっかいを出してくる。
そうして始まった恩田とジュン(純也)の関係。
はじめはジュンも怖さから言う事を聞いてるんだけど、恩田の方もジュンを手離せなくなっていく…という恋物語。
この2人の恋愛模様はまあ順当。
しかしながらこの2人でBLするなら、設定がこれでなくても良かったような気も。
だって恩田は組員ではないけど凄みがありすぎてカタギ設定の意味がわからないし、ジュンはウリ専だけどスレてない。学生さんでもよかった?
人物とストーリーのバランスが今一なのかな?
とはいえ、絵柄もテンポも良くグイグイ読めるのはとても良かった。
特に恩田のルックスはカッコイイネ‼︎
怖いのにチラチラ優しいところや、段々独占欲出してくるところなんかもいい。
ジュンは可愛い。
何より本作の恩田とジュンには「目ヂカラ」があった!
読み終わった時の満足度を考えれば、十分に「萌x2」です。

堕ちてこい

電子短編。

年若い少年を喘がせる中年男性・島崎。
少年は、島崎の同級生の息子だ。
そして、島崎は少年が女の胎内に仕込まれた瞬間に立ち会っていた…

…とは一体どういう関係性なのか。
少年・出流(いずる)の父親は出雲。
出雲は政治家の妾の子で、島崎は代々医者の家の子。2人は名門校の同級生。
物語は2人のゆがんだ関係性を炙り出していく。
出雲は島崎がゲイである事を脅して、自分が女を抱く時に呼び出しては見せつける。
一方島崎はそんな脅しなど全く意に介さず、逆に面白がって出雲の言う事を聞いているテイ。
と言うより出雲の隠された欲望を嗅ぎ取って、女との行為の最中の出雲のアナルに指を挿れ、前立腺を責め立てて。
傲慢な出雲と、内面は出雲よりもはるかに残酷な島崎。
行動と精神のバランスを崩したのか、高校生の出雲はその後自殺する…

さて、13年後。
島崎はその時に作られた子供である出流を引き取り、出流の方から自分に堕ちてくるのを待っている。
そして思惑通り…

この島崎という男の底知れない人間性が怖気持ち悪い。
今は大学の准教授になっている秀才の、本当の人間性。タイトルの「悪い大人」の一言では言い表せない深い闇。
ただ、ラストの一文で。
島崎の方にも隠されていた、いや自分でも気付かなかった気付こうともしなかった愛と哀しみがあふれる。多分島崎も遅すぎたんだと思う。
これから島崎と出流はどこへ向かうんだろう?
短編ならではの「答えを出さない」感じにゾクっとする。

裁きがあるとしても

ほーー……
なんか凄かったです。事前情報無しで読んだので、こういう流れのストーリーとは思わなかった。
一言で言うと、サスペンスホラーとでもいうか。
ホラーと言ってもオカルトとかじゃなくて、ひとの心の業というか…
ある家の積み重なった「罪」がやがて大きなゆがみになって、最期は地獄とわかってその業火の中で生き続ける。

主人公は、老舗画廊の若き社長・長篠京也。
小学生の時に母親と著名仏師・小野里祥玉が再婚し、3人の義兄弟ができる。
小野里の長男祥太郎、次男祥亮、そして祥玉の妾の子で自分よりも小さな祥英。
だが祥英は実の母親から虐待されて舌を切り取られ、引き取られた祥玉からもネグレクトされている悲惨な子供。
そんな祥英(愛称はな)を京也だけが可愛がっていたが…
…という設定がまずあって。
祥玉の死後、継いだ祥太郎と母が事故死。祥亮には「仏師」としての才能は無く、なのに突然素晴らしい作品を世に出し始める…
はなに作らせて賞賛を横取りしているのだ。
なんとしてもはなを助け出す、という京也の想いは…!と続くんだけど、徐々に物語は不穏な色を帯びてきます。
読んでいくと見えてくるざわつき。果たして真相は予想通りなわけだけれど。
この真相。
昔々、大好きだったホラー漫画の「聖ロザリンド」(レジェンド・◯たなべまさこ先生作)を思い出しました。
無垢が引き起こす惨劇。
京也とはなは手を取り合って芸術と名声の高みへ登っていきます。いつまでも若いはなと、何もかもを理解して彼を護る京也を「魔王のように妖しく」と描写するラストに身慄いしました。
神寄りの「萌x2」で。

ああ飲みてえ。

日本酒擬人化漫画「あらばしり」の2巻目です!
非BLだけど、それぞれ個性のある日本酒たちが男前なタクミユウボーイズになって飲む人を笑顔にする、そんなお話です。

1巻の終わりで、新たに出現した日本酒たち。
彼らも前店主で吟の祖父だった故・金蔵さんの日本酒たちで、まだまだ全く金蔵さんに及ばず知識のない吟にとても厳しい。そして優しい。

そんな時、昔気質の父親が自分の結婚式に出てくれない、助けて欲しい、という依頼が入り…

…と、今回は言葉の行き違いで拗れてしまった心を、日本酒を飲み酒に合う肴を食べ、心をほぐして話をよく聞く…そうやって誤解を解いていく吟と日本酒たちの頑張りが描かれます。
やっぱいいなー日本酒。大好き。
またタクミユウ先生による彼らがいいんだ。
もぎたての柑橘みたいにジューシーな「屋守」(おくのかみ)。
複雑な味が混じり合うセクシーでブレのない「篠峯」。
一見イカついのに花のように上品に甘い「村祐」…
ああ飲みてえ。

はかない中にも生の力が。

「はかなげ。」の続編、ありがとうございます。
心臓に爆弾を抱える美しき少年・遊馬と、その世話係の篠田の切なき主従愛!
前作ではどこか自らの短命の運命を達観しすぎている遊馬だったけど、本作はそこを越えて「愛」を生きる遊馬を見ることができました。
篠田は…
まあ相変わらず。
見守って、心配して。囲いたがって。
でもそれは強く強く遊馬を愛するがゆえ。失いたくないんですよね。
心臓に負担をかけるから、とHも加減しつつ。
しかし遊馬は煽ってきます。
でもそれはどうせ死んでもいいんだ、という気持ちではなく、今全てを感じたい、という遊馬の愛のカタチ…
その上、冷静な遊馬は遺言書を作成したり自分の姿を録画に残そうとしたり、迅に昔好きだったと言ったり。
悔いも心残りもないように行動する。
これは現実篠田にはキツイでしょうね…でも遊馬が自分を愛してると言ってくれたことや時折流す涙に、遊馬の愛に応えて彼のやりたいように全うさせたい、と思いを新たにする。
元々主従ですしね。篠田は遊馬が何を置いても一番なんですよね!
エロシーンについてはさすが!の一言。
特に「イキ顔」の表現が素晴らしい〜…
今回は「はかなげ。」の2人だけでなく、爽兵x迅や黒田x赤石も登場し、それぞれエロがガッツリあります。
それも良いんだけど、やはり篠田x遊馬をとことん読みたい気もしました。

震えあえる愛

早寝電灯先生によるオメガバースはやっぱり独特だった…!
先生の作品に漂う優しさと少しの寂しさ、ある種の哀しみ、それらが確かにあると感じる。
本作はオメガバースとしてはある程度スタンダードな設定だと思う。
αは優秀で。
Ωはあんまり触れちゃいけない。
攻めはαで、受けがΩ。
みたいな。

主人公はΩの高校教師・白根。
元同級生の清成(α)は旅行会社勤務。修学旅行の担当者同士として偶然の再会…という冒頭。
ところがこの時に白根がヒートを起こしてしまう。
この事が、ストイックで規則正しい生活習慣を続け自己コントロールができていると思っていた白根を揺るがす…
一方、清成は比較的初めからかなり積極的なんですよね。
白根ははじめは特になんとも思ってなかったふうだったけど、ここに「共振」という本作独特の世界観が関係してくるのかな、と。
αがそばにいるから自分の体が変わる。コントロールできなくなる…
「告白」だってちっともロマンチックじゃない。
「俺はおまえが好きなので 迷惑をかけると思う 身体共鳴があるだろ」
「好きだ」と言っていてもそれは恋愛を進めたいから言うんじゃなくて、トラブルが起こってからでは遅いから、と。
なんだかちょっと残酷。
清成は白根が好きだから、両想い!付き合う!キスする!ってなったけどね?
清成が誠実で、白根の抱えていた怖れのようなものを受け止めてくれる人で良かった。一緒に震えてくれる人で良かった。
2人のHシーンは思ったより官能的でした!

愛、see you コミック

マスシタ 

ほんとはそこらじゅうに「いる」?

初コミックスとのことですが、とても絵が良いです!
絵に一目惚れ!って感じ。

主人公は、自動車事故に遭った後幽霊が見えるようになってしまった大学生・智也。
退院して部屋に戻ったら何故かベッドにイケメンが寝ている…
そう。彼は幽霊。
なのに、失恋直後の智也はそのイケメン幽霊を襲うんです。おバカでしょ?
智也は自分のことが何もわからないという幽霊さんに「ジュン」と名前をつけてそのまま同居します。そして隙あらばイチャつく。
とはいえ、読んでいくとそれほどギャグテイストでもなくそれなりにホラー感あり。ジュン以外は結構グロい幽霊がそこかしこに「いる」んです。
そしてただグロ怖いだけではなく、亡きお母さんへの想いや、生きてこそ想いを「伝える」ことができる事がさりげなく語られて。
お母さんとは「会話」ができず触ることもできないのに、ジュンは温かくて…というところからほぼ展開/理由などわかっちゃうんだけど、ジュンの抱えてきた葛藤も切なかった…
ところで智也の「視えるんです」は継続しちゃうんです。ホテルでジュンといざH!というと腐女子の幽霊がジーーっと。腐女子霊はきっと壁になりたかったのよ。

カネやモノじゃない想いを受け取りたいんだ

作家買い作品。
そして期待通りに良かった!
まず人物のルックスが最高に好み〜。特に玲司さんサイコーです。長髪大好き。
また、ボーイの翔君の褐色もイイ。
そしてU先生の描くガチムチ系筋肉も良いですね。
今回玲司さんは着衣が多く翔君の肉体が主ですが、今回はそれほどガチでもムチでもなく、程よいプチマッチョな感じがよりリアルだし万人向けな気がしました。

さて、内容は。というと。
起承転結キッチリという感じで、非常にわかりやすく読みやすく面白い。
セクキャバでなぜかボーイ君と遊ぶことにする上客、という起。
二人の距離がどんどん近づいていく承。
玲司の「愛」は違う、となる転。
そして……
結はもちろん、翔が思いの丈を玲司にぶつけ、玲司が気付き、今度こそ2人は…というハッピーエンディングです。
この全体の流れも良く練られていると思うし、シリアスとコミカルとエロのバランスもメリハリあり。
エロに関しては結構強め。
玲司と翔の「愛」はすれ違っている。ですが、玲司には玲司なりの強い想いがあるわけなんですよね。
その「想い」をカネやモノじゃなく受け取りたいんだ、という翔のこれまた強い想いがある。
そこが私好みのストロングスタイル。やっぱU先生イイわ。
絵良し、ストーリー良し、エロも良し。神寄りの「萌x2」で。

本人が良ければそれで幸福、なのかも

こちらに誘導されましたが持っているのは旧版の方。
短編集です。

「まさかさかさま!」
ドSの黒澤とドMのコンビ。と思われてる山吹の視点で。
山吹には黒澤が自分の出方を伺ってる、と見えてるらしいけど、黒澤視点は描かれてないから本当はどうだかわからないよ。
本当の矢印の向きは外からも、当人同士でもわからないのかも。それが「まさか?さかさま⁉︎」なのだ。

「愛のポルターガイスト」
いつも優しいおじいちゃんの家には美しい男の幽霊がいる。おじいちゃんが亡くなってもいなくならずに、逆に怒って家族に復讐してやるという。なぜなの?
…というお話。
一度は愛を誓って、でも裏切られ。死んだら会えるかと思ったのにこちらには来てくれない。
よく考えたら可哀想で苦しいな。「みえる」孫が身代わりになる?身代わりじゃ無くていつか報われたらいいと思うけど、幽霊との恋ってどうなるんだろう?

「僕は見た目が99パーセント」
主人公は転校生の宮崎。
隣の席にすごい美少年でドキドキするけど、どうやら彼は孤立している。
なんで?と思ったが、普段の学校生活の中で少しづつ彼がおかしい事に気づく…
顔だけ抜群な彼の性格は、実にオシイ。

「仔猫もらってください」
オレが好きにイジワルしちゃってるカワイイ仔猫チャン。でも本当は…的な、まあよくある話。アンタは仔猫の下僕なんだよ。

「エムのリビドー」
すぐ暴力を振るう彼氏に我慢できず…だったのに、暴力や束縛が無いと愛された気がしない、というズブズブ。閉じてます。

「ラブサービスマン」
ダメ男ばかり好きになってしまう…って思ってたけど、実は尽くしすぎちゃって相手をスポイルしている子のお話。気付いたのにそのまま行っちゃうのが何とも。

「法医学者異感情発生事件簿」
これはちょっと異色ですね。
人体が色々な原因で死ぬ、その原因を調べるのが楽しくてたまらない法医学者の安藤。
死体を見て吐く新人刑事に興味を持ち、自分が分析するはずだったのに逆に…
生きている人間はコントロールの枠外であって、それは自分にも当てはまるのですね。

「愛だとか恋だとか友情だとか〜善玉コレステロールと悪玉コレステロールの場合〜」
「窓際の林檎ちゃん」収録作の続き。
弟・善のもとに疲れた初老男がやってくる。この人なら兄に靡かないかも、と尽くす善。
一応誠実っぽいけど、ど〜〜うかな〜?


病んでる設定だけど、読後感はどこか抜けがあって重くない。側から見ればそれでいいの?という境遇も、当事者たちは「ま、いいか」と思ってそうだから。