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表題作VOID

マキ,元ヒューマノイド保護局主任
アラタ ミズモリ,男性専用愛玩タイプヒューマノイド

その他の収録作品

  • epilogue(描き下ろし)

あらすじ

刷り込まれた記憶を、
愛は、
超えることが出来るのかー
 マキの元にやってきたヒューマノイドのアラタは、容姿と記憶の一部をコピーしたハイスペックな【愛玩タイプ】。
しかも最初に見た人間を好きになり依存する【すりこみ機能付き】。
すりこみ機能により愛情を示すアラタを、マキは嬲るように抱く。
「ちゃんと愛して欲しい」とアラタは涙目で訴えるが、マキの心には決して融けない「永久凍土」があり……。描き下ろし50ページ超収録!

2016年4月28日(木)以降、PC・スマートフォン向け電子書籍サイトで順次配信開始。

※本書は紙本「VOID」(完全受注生産につき完売しております)を電子配信用に再編集したもので、収録作品は同じです。

作品情報

作品名
VOID
著者
座裏屋蘭丸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
X-BL
発売日
電子発売日
4.6

(709)

(535)

萌々

(109)

(40)

中立

(19)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
87
得点
3250
評価数
709
平均
4.6 / 5
神率
75.5%

レビュー投稿数87

心に永久凍土を持つ男と違法ヒューマノイドの、愛と浄化の物語

座裏屋さんの絵や世界観に魅了されてからずっと、エロスオンリーではない作品を待ち焦がれてました。
ついに読めた本作は、萌えにプラスしてカタルシスもたっぷり。
好きなの来た〜!と思わず叫びたくなるお話でした。
もちろんエロス成分は有り余るくらい入っていますが、程度としては「いつもの」座裏屋さんです。
リブレさんが取った「完全受注生産の18禁本」という特殊な販売方法は、座裏屋さんの綺麗な画に無惨な修正を加えないためと、これ以上座裏屋作品を有害図書指定させないための計らいと解釈する程度で良いんじゃないかなと思います。


心に永久凍土を持つ男〔マキ〕と違法ヒューマノイド〔アラタ〕の、愛と浄化の物語です。
ストーリー、キャラ、エロ全てにおいて好きな要素だらけで参りました。

まず、ストーリー。
ヒューマノイドが主役のラブストーリーに「VOID」なんてタイトルを付けられたらハッピーエンドよりカタストロフィーがチラついて仕方ないのですが、それを敢えてチラつかせるところが逆に巧み。
ベタで分かりやすいカタルシスが大好きな私は、作中で実際に「VOID」と発せられるシーンにまんまとやられました(T_T)

「VOID」の呪文が本当に「無効」にしてくれたのは、アラタのすりこみ機能ではなく、マキが何年も心の中に抱えていた悲しみや憎しみ、苛立ち、嫉妬、後悔なんかがぐっちゃぐちゃに混ざった負の感情の方なんだろうなと思うのです。
前半のマキは身勝手で最低な男だけど、その分人間臭くって、アラタが言うようにすごく「怖がり」。
「VOID」は、そんな臆病者のマキが7年間囚われ続けた「暗闇」を抜け出すために用意された救済の言葉だったのでしょう。
そんな風に思ったら、マキにアラタを引き合わせたローウェンの行動までもが、荒療治だけどめちゃくちゃ愛に溢れてるじゃん!!って気づいて。
。・゜・(ノД`)・゜・。
元よりよわよわの涙腺、こんな話描かれたら簡単にぶっ壊れます。
それにしてもレン(マキの永久凍土)の人生があまりにやるせないなぁ…
彼がそんなことをしなければ…と言うのは簡単ですが、それはそれで非情でしょう…

マキがアラタの名前を初めて呼ぶシーンも良いんですよね〜(T_T)
ここが物語の転換点じゃないかな。

この作品、どしゃ降りの雨に閉ざされている「暗闇」の世界と、雲が晴れ綺麗な月が顔を出す瞬間、その先に訪れる「光」の世界の表現が非常に美しいんです。
この美しさは座裏屋さんの画力とセンスがあってこそでしょうね。
座裏屋さんの作品は、闇と月と太陽の使い方がいつも詩的でアーティスティックだなぁと思います。

次いで、キャラ。
アラタちゃんですよ。可愛い。
最初に見た人間に身も心も依存する「すりこみ機能」付きのセクサロイドなんて反則も反則でしょう。
起き上がった(=起動)瞬間からワンコのようにマキにくっ付いて歩く姿も可愛いですが、手酷く扱うマキに「ちゃんと愛してほしい」なんて泣いて懇願するとこ見たら萌えないわけがない。
座裏屋さんの受けキャラは、どんなに攻めに従順で可愛い子でも受身なだけじゃないとこにいつもきゅんとさせられます。
タフで太陽みたいな性格もこのストーリーによく合っています。
鳥籠とバードハウスの違いを語るアラタのセリフが泣かせてくれました。

最後にエロですが。
受けの虐められ度的には「PET契約」と「眠り男と恋男」の間くらい?
まぁまぁ虐められてます。
前半はちょっと可哀想な虐められっぷりなので好き嫌いが分かれるかもですが、私は縛られてるのがやっぱりどうも好きなようで、責められてイケなくて泣きじゃくりながら乱れに乱れるアラタの可愛さは萌え転がるレベルでした(鬼でゴメン)
エロスシーンは、自分の性癖に従順に楽しませていただきました(*´艸`*)
アラタ可愛いよぅ!!!
アラタの最後の「おねだり」でようやく晒されたマキの裸体も眼福でございました。

前作が自分的にハマらなかったので、少々恐る恐るの予約だったのですが、買ってよかった!
受注販売制の困るところは後で買えないところですね…
この作品エロは確かに多いけど、所謂「エロ本」ではないと思うのですよ。
ガッツリ描写するのは座裏屋さんの魅力の一つでもあるわけだからヘンに控えて欲しくもないし…難しいですね。
ともあれ、リブレさんの試みには感謝です!
白抜きがホントもったいなくて仕方なかったので、ようやく画的に満足出来ました。
無惨に消されてなければ、修正テープの幅が少々太かろうが気にしません。

26

文句なく神作品でした☆

座裏屋さんのR18作品ということで、発売を非常に楽しみに待っていました。
さて、それでは内容を。すみません、ネタバレしてます。




ヒューマノイド保護局の主任として働いていたマキのもとに、マキのかつての同僚であるローウェンによって一人のヒューマノイドのアラタが連れてこられます。

アラタは、とある人物の容貌と記憶の一部をコピーされたハイスペックのヒューマノイドなのですが、そのコピー元となった人物は実はマキのかつての恋人・レンで。
レンを心から愛していたマキですが、7年前にレンの手ひどい裏切りを受け、それ以来マキはヒューマノイド保護局もやめ心を閉ざしてしまっています。

レンの記憶の一部をコピーされ、また最初に見た人物を好きになる『刷り込み機能』をもつアラタはマキを愛し、彼を求めますが、レンに似た面差しを持つアラタにレンの思い出を重ねてしまうマキはアラタを乱暴に抱くのですが…。


というお話でした。

マキ視点で話は進んでいきます。
心から愛したレンの裏切りで、いったんは心を閉ざしてしまったマキが、アラタという存在を得て、また再び前進することができる。
それももちろんすごく萌える設定なのです。

ハイスペックでビジュアルもイケてるのに、心に大きな傷を抱えたマキ。
素直で、どんな酷いことをされてもマキの事だけを求めるアラタ。
うん、この二人はとても良い。
特にアラタの可愛さは反則。マキのために料理をしたり彼に尽くす健気さんなのですが、それだけではなくて自分のしたいこともきちんと持っている精神的に自立した男の子。

けれど、マキの心の傷となったレンの存在もとても良かった。

異性愛者で妻子持ちのマキの兄・ヨシアキ。
本当はヨシアキを愛していたレン。
レンを心から愛していたマキ。

この三人の過去の話はうっすらとしか出てきません。
なのに、そこから透けて見えるレンとマキの、二人の恋心が何とも切なく、そしてとても萌えました。

アラタが、マキを初めて見た時に発した言葉。
あれは、レンの本心であり、自分を愛してくれたマキへの謝罪の気持ちであったと思います。ヨシアキへの想いとは違うけれど、それでもマキのことも愛していたのだと。

終盤で、アラタの記憶を消去するマキですが、過去の記憶を「VOID」し、解放されたのは、マキの方だったのかもしれないな、なんて思いつつ読みました。レンへの想いを昇華できて、本当に良かった。

ストーリーも良かったですが、座裏屋さんらしいエロは健在。
R18ということで修正はあるものの最小限で、ちらりと見えるtnkやその他もろもろが何ともナイス。
そして何といっても体が綺麗!腹筋とか胸筋とかおしりとか、もう勘弁してくださいっていうくらい男の色気にあふれて悶絶しながら読みました。

表紙もとても素敵。
絵柄はもちろんなのですが、手に取ったときの紙質とか、配色とか、座裏屋さん作品は表紙もとてもセンスがいいなといつも思いながら拝見しています。

ストーリーも、絵柄も、素晴らしかった。
文句なく、神評価です。

23

「VOID」出来ない愛が、籠の鳥を解放した。

 18禁の女王、座裏屋蘭丸先生の商業18禁コミックス。商業既刊のコミックスよりも同人2次作品の『ある男の敗北』に一番萌えを感じていた私は、こういうのを待っていたんだと思える作品でした。

 ヒューマノイド≠アンドロイド、作りモノなのは同じだけど、肉体的には人間で心も持つヒューマノイド。目覚めるまでの記憶は埋め込まれたもので、目覚めた時から自我を持つ。ただし「すりこみ機能」付きで…。
 マキを一心に愛するアラタと、レンの顔をしたアラタを酷く扱うマキ。似ているのは顔だけだと本当はわかっているのに、必死にレンを重ねようとすればするほど、アラタの姿はレンから遠いものになっていく。
 鳥籠はマキの心の永久凍土で、小鳥はアラタなのだと思っていたけれど、何度も読むうちにあの小鳥はマキ自身なのだと感じるようになりました。レンの顔をしたアラタと出会うことで永久凍土と向き合って、アラタから真実の愛を得て永久凍土から解放される。鳥籠の扉はいつでも開いていたのに、一人では飛び立てない場所からアラタが救ってくれたのかな。
 これからはアラタと作ったバードハウスを巣(居場所)にして、どこへでも自由に飛ぶことが出来るのでしょう。

 マキの心を永久凍土にしたレンの愛は、命をかけるほど強い愛でした。だけど愛する人の弟を騙すなんて勝手過ぎるし、愛ゆえに命を賭けるのも、そうされた人のことも考えていないなあと嫌悪感があったのですが、レンなりの精一杯の真実の愛だったのでしょう。記憶だけになってもアラタの姿で兄を求めて涙するレンと、アラタが初めに口にした「ごめんなさい」の意味を知って、私のレンへの嫌悪感も薄れました。

 PG程度の修正はありますが、18禁に相応しい描かれ方だと思います。本当は局部を詳細に描かれると下品に見えることが多いのであまり好まないのですが、座裏屋先生が描くと下品に見えないんですよね。格調高くさえ見えてしまう、さすがの画力です!
 欲を言えばもう少し、せめて後1話は増やしてほしかった。アラタ視点のお話があったら間違いなく神だったと思います。
 ストーリー構成の評価は萌×2です。だけど新しい試みと素晴らしい絵にやはり神を付けたい。
 
 ところで私、鳥籠というモチーフが大好きです。好きなアーティストや作家が鳥籠をモチーフにMVを作ったり描いたりしていて、それぞれの鳥籠の解釈がとても興味深いのです。

20

待ってました!

お待ちしていました。
実は2話までは、雑誌で読んでおりまして。
一冊に纏まってから読もう、と待っていたこのお話。
まさかの完全予約受注生産でしたね。

まだ読めていない方もいると思うので、あまりネタバレし過ぎないようにレビューしたいんですが。
そうすると、いつものボンヤリしたレビューになりそうなんで。
もしかしたら、かなりネタバレレビューになるかも…?


※ここからは一応、ネタバレ要注意で☆


簡単あらすじ。
ヒューマノイドの虐待や違法製造の摘発と、
行き場の無いヒューマノイド保護を仕事としていたマキ。
事情で仕事を辞めた7年後。
かつての仕事仲間だった友人のローウェンから、保護された「男性専用愛玩タイプ」のヒューマノイドであるアラタの世話を押しつけられます。

アラタは、実存する個人の遺伝子と記憶の一部が使われている違法タイプ。
しかも最初に見たものに依存する「すりこみ機能」付き。
彼はマキのかつての恋人、レンによく似ていました。
しかし、性格や行動や発言は全く違います。
マキはアラタをレンに重ね、比較しては楽しんでいましたが…?


この本、完全予約受注生産という事は。
エロだけではなく、ヤバい表現(暴力的とか)があるのかな?
なんて、かなり身構えて購入いたしました。
まあ多少は怖い?シーンもありましたが。
やっぱりエロシーンのせいなのかな?
エロい!というよりも、美しい!と思いましたよ。

雑誌で読んでいた2話までは、暗~く重~く痛~いイメージだったんですが。
3話から徐々に変化が…。
マキさん、雑誌で読んでいた時はもっと酷い人なのかと思っていたんですが。
実は一番純粋で、悲しい過去を持つ人でした。

マキは、レンとアラタを比較してしまう自分が嫌で。
それはかつて、自分自身が味わった比較された経験からでした。
そして、もしもアラタにすりこみ機能が無かったら…?と思う疑念。
そんなものにとらわれて、なかなか心を開けなくて。
とても悲しい人でした。

アラタは料理と自然が大好きで、とても世話好きで行動的な、元気な男の子ヒューマノイド。
マキとのエッチの時だけは、恥じらいながらも従順で一途です。
やがてマキのかつての恋人、レンと比較される事に気づいていきます。
もっと暗い感じの男の子だったら可哀想ですが。
マキよりも余程強いと感じました。

どのキャラも、読み終わると2話までとはイメージが違っていて。
皆好きでしたが、特にマキが好きかな?
このお話実は、メリバなのかな?と思っていたので。
意外に甘いハピエンで、逆に驚きました。
甘い、特にエピローグのエロシーンが!
眼福ありがとうございます。

不満があるとすればやはり、修正ですよね。
こういう作品ていつも、修正って必要だろうか?と思います。
修正の白線があるから余計にそこに目がいくんですが…。
こういう修正って意味無いよなぁ~、と毎回思います。
仕方無いですけどね。

座裏屋先生には、これからも発売規制と戦い続けて頂きたい。
そして、美しいエロシーン盛り沢山で楽しませてくださる事。
何卒よろしくお願いいたしますm(__)m

ごちそうさまでした♪

18

修正はもう少し頑張ってほしかった…

ストーリーは神評価・修正は中立です。

R18での出版は、リブレ修正のライトセーバーや過去に座裏屋さんの本が都条例に引っかかってしまったコトを思えば大正解だったとおもいます。その点は感謝してます。

しかし店頭に出ない完全受注生産・R18指定で購買層を絞り【成年コミック】と銘打つのなら、もっとギリギリを攻められたんじゃないのかなぁ…。修正線が太くてガッカリしました。比較対象がリブレ修正で言えば全く別次元で素晴らしいけど、他社と比べると…。せっかくのR18が勿体無いです。
成年指定で期待してただけに、修正に関して言えばリブレさんの守りに入りすぎてる姿勢に中立評価です。

でも太い修正線に負けず作家さんの努力は溢れています。
何よりも玉の皺のインパクトが大きかった‼︎(゚∀゚)血管や筋なども細かく描かれていて、3冊目の単行本でようやく座裏屋さんの美tnkを拝む事が出来ました\(^o^)/


肝心の内容ですが。。。
胸がキュッと締め付けられるようなお話でした。
受けはヒューマノイド(人型ロボット)で"攻めを愛する"というのは最初から組み込まれてる設定ではあるのですが。
涙も流すし、オリジナルに対して嫉妬もするし、愛されたいと願う。
本当に普通の普通の恋する男の子です。
座裏屋さんの描く一途な健気受けは可愛くて抱きしめたいですね!
大好きです+゚。*(*´∀`*)*。゚+

このお話の主人公は攻めなのですが、心が変わっていく様が良かったです。
死んだ恋人の遺伝子が組み込まれたヒューマノイド。自分を裏切った恋人と重ねて手酷く扱ってたのが、だんだんとヒューマノイド自身を大切に思うようになり、又、設定ではなくヒューマノイド自身が望んで愛して欲しいと思うようになるーーー。
過去に囚われて動けなくなった臆病な男が、立ち上がって、恐る恐るまた恋を始める姿に胸がキュッとなりました!最初とラストの表情の違いに萌えです+゚。*(*´∀`*)*。゚+

最初、難しそうなお話なのかな?と思ったけど、シンプルで読みやすいです。臆病な男とヒューマノイドが出会い、ぎこちなく始まり、愛し合う。ちょっと切ないところもあったけど、素敵なお話が読めて心が満たされました。

完全受注生産なので紙書籍は難しいですが、電子販売は決定してるので買い逃した方はしばしお待ちを。できるコトなら二次募集で再販があるといいのですが…(転売屋対策にも)個人的にも保存用にもう1冊買っておけば良かったと後悔してます(-ω-;)

16

この作品が収納されている本棚

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