加藤くんシリーズが大好きで作者買いしているのですが、その感じを期待しているとちょっと違うなあと思ってしまいます。
もちろん全く別の作品なので当たり前ではあるのですが。
物語はどの要素もさらっとなぞっていくような展開で、あっさりと読めてしまいました。比翼という独自の設定があったので、そこをもっと深く広げてくれた良かったのになあと。
2人でいる時間はだいたいえっちをしている印象で、心を通わせるようなエピソードが少なかったので、よりあっさりとした感覚になってしまったのだと思います。
内容はさらっとだったのですが、キャラが魅力的だったのでキャラ萌えのような感覚で楽しみました。
主役2人だけでなく、脇キャラとのやりとりもわちゃわちゃとして楽しかったです。
扱われている題材から、重めの話だと思っていたのですが...
その部分自体は描写も少なく、あっという間に時間経過してしまうため、そこまで暗くならず重さも感じませんでした。
再会後の攻め自体があっさりとしていて、過去を振り返ることも少なかったので、すぐにその印象も薄れてしまいます。
そこは拍子抜けしてしまいました。
けれど2人の感情のやりとり自体は丁寧で、お互いに持つ感情の違いを焦点にして擦り合わせていく点は読みごたえがあります。
過去がなければこの攻めはできあがらないので、必要な要素だったとは思います。
ウリがメインの話ではなく、それを踏まえた2人の心のやりとりが主軸でした。
もっと長めにしっかりと読めたなら、より素晴らしいお話になっていたのではと思ってしまいました。
異世界ものは苦手なのですが、ドラゴンに惹かれて購入しました。
個人的に求めていた、ドラゴンと人間のいちゃいちゃを見ることができたので、読んでよかったかなと思います。
異世界にいるときのドラゴン姿がなんとも可愛らしく...その体躯を存分に活かした受けとのいちゃいちゃは最高です。
ただ現代に戻ってからは攻めの姿は終始人間ですし、受けとの未来のためにもその姿を選ぶので、ドラゴン姿は異世界でしか見ることができません。
御伽噺にになぞらえた方法で人間になろうとしますが、ただ受けのために自分の姿を変えてまで傍にいようとするので、その点はよかったかなと思います。
内容的にはよくある展開パターンで、新鮮さは感じませんでした。
二度と異世界には戻れないのだと思っていましたが、普通に帰っていたので結構なんでもありなんだと感じました。
束原さき先生の絵柄がアンドロイドという設定にぴったりで、そこだけで雰囲気が増していました。冷たさを感じるくらいの美しい絵柄は、無機物のアンドロイドにかっちりとはまっていると思います。
あらすじにも「人間とロボットたちの世界が回り始める」とあるとおり、さあこれから動き出すぞ!というところまでで1巻は終わります。
人間とアンドロイドが主従関係で結ばれている世界で、アンドロイドで結成された解放軍の存在があり、人間と対立する様子も描かれています。
人間とアンドロイドはわかり合うことができないのか。
この部分を主軸に物語は進んでいくようです。
伏線がちりばめられた1巻で、2巻以降で物語が盛り上がっていく予感。
恋愛要素は少ないですが、物語は楽しそうな予感。
これからな1巻なので正直なところ物足りなさを感じてしまいましたが、2巻でどのように動いていくのか楽しみにしています。
上巻は攻めのインパクトが強くて、なかなか物語に集中できていませんでした。
下巻はそのような描写は全くなく、上巻を忘れて楽しむことができました。
受けの過去の出来事により触れられなかった音楽が、攻めの存在があってまた楽しむことができるようになる。トラウマとなっていた音楽と向き合うことにより、攻めに対しての気持ちを確信します。
上巻から受けは攻めへ気持ちを傾けていたので、これがきっかけで恋愛に発展するところの流れは綺麗でした。
正直なところどうして攻めを...という気持ちがよぎったこともありましたが、受けにとっては最善の形だったと思います。
個人的にとても好みだったのは、受けのお尻のぷりっと感。
あまりに柔らかそうで、その描写に驚きました。
初めて読む作家さんでしたが、物語のブツ切れ感がどうしても気になってしまいました。
2人の距離の詰め方があまりに急すぎて、あっさりとしていたためにそう感じたのだと思います。
いくら過去があったとしても、受けは記憶を取り戻す前ですから...そんないきなり?!とかなり驚きました。
前半に比べると後半で描かれる過去の出来事と、そこから繋がる今に関しては丁寧でした。
ただやはり時間経過が細切れに感じて、物語の流れを感じることができません。
他の作品を読んだことがないのでわかりませんが、こういう作風の作家さんなのでしょうか。
ドラマチックな設定だっただけに、もう少し隙間を丁寧に描かれていたら良かったなと思いました。
癖のある絵柄ではありますが、受けの丸いお目目と愛らしいお顔は好みでした。