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エキスパートレビューアー2022

女性えすむらさん

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異文化コミュニケーション

単純にBたちがLして萌えるっていう作品じゃないです。
私が好きな”多様性”のかたちが表現されているようにみえて、とてもいいな~と、いろんな人に読まれてほしいな~という意味で推したいです。(とはいえ、タイトル!!そのまま攻め受けとして、期待しちゃってていいかしら?)

定年退職した銀次、これからは老後をゆっくり…って思ってた矢先、妻が突然死してしまい、生活能力ゼロなお父さんを心配した娘(既婚)が同居しようとしたところ、家の片づけに助っ人として来ていた娘の義父(桃田)が家事の達人な上に仕事場が近いということで、銀次と同居することになり…という、ホームドラマです。

んでもって、桃田はゲイなんすよね。銀次が典型的な昭和のお父さんなもんだから…価値観の相違でバチバチしていくわけです。そも、人はわけがわからないものに拒否反応を起こすし嫌悪するんです。ゆえに、最初は(自分が理解できない)ゲイである桃田に対して嫌悪感を示していた銀次も彼と一緒に暮らしていくうちに、桃田というひとを理解しながら、徐々に昭和育ちなりのスタイルで、自分と違う価値観を受け入れるようになっていくんす(尊)。いろんな価値観が共生できる、どちらかの見解を100%にするっていうんじゃない、優しい多様性が描かれている気がしたんですよね。

しかも、この銀次の次女がまたLGBTとゆ~。でも別に無理に父親にわかってもらおうとしてない(そも、無理だからw)。これがまたいーんです。お互いに無理に歩み寄らない感じ。

ちなみに、桃田は銀次にちょっとほの字(←死語)になってるみたいだし、本当に人生何があるかわからんよね…ってしみじみ。若いときのような勢いや情熱がなくても、その年齢、その年齢なりのラブって絶対あるはずですよね。というわけで、死ぬ直前までの自分の可能性も信じたくなるのでした。

骨太ヒューマンドラマ

ラブっていうより、サスペンス、ヒューマンドラマ的な印象強めでした。
数年前の事件の復讐のため、その対象人物に接触し、観察していくうちに、果たしてこの人が、本当に自分が思っているような人なんだろうか…?と主人公が葛藤する様子が丁寧に描かれていて…適度な緊張感と読み応えがありました。あるべき善意や優しさってなんなんだろ?と考えさせられました。

ただ、主人公(攻め)がそこまで近所の”ジジィ”の復讐にこだわった動機がいまひとつ見えにくかったんですよね。でも、BL的な読み方をすると、なんとなく、これは”ジジィ”の復讐というより、公判の際に忘れられない表情をしていた志田という人物への執着だったのかなと思ったり。そうなると、なんとなく個人的にはしっくりくるんですよね。

脅迫のように送られるメールの謎があるんですけど、これはネタバレなしで後々”なるほど”って思ってほしいかもです。さらに、ちょっと”税理士のおしごと”ものとしても面白かったです。最後に、やはり砂原先生のキレのあるエロ描写は素晴らしいです。

二度目は正直 コミック

喃喃 

ゴリゴリ&キューティ

攻×攻!に期待値高めに取り組みました。
喃喃先生、初読みだったのですが絵がきれいでよみやす~。

が、攻攻感が期待値とは違っていたな~ってゆ~印象でした。
仁は全方位圧倒的攻め!!って感じなんですけど、王子キャラ大和のバリタチ感をそれほど感じられず、むしろ頑張って演じてたスマートビジネスマンキャラ同様、この人本当はネコ属性だったんでは!?とか疑ってしまいましたwしかも、性格がめちゃ可愛らすぃ…。

んでね、急展開の初おせっせのときになんで大和は泣いてたのかしら…?生理的涙?真性攻め様のテクニックが気持ち良すぎて負けた気分で悔しくて?実は過去にネコやったつらい思い出が、みたいな遡りエピでもあるのかな~?とか思ったんですけど読み取れなくて軽くひっかかってしまったのでした…。負けず嫌いなだけの隠れネコちゃんに見えてしまったんですよね。つかね、高嶺さんのほうがよっぽど攻めっぽくないですか??とはいえ、元攻めの受けは大好物です。ケツで抱ける受けは男の中の男ですから。

というわけで、なんつっても、一番の見所は4Pじゃないですか、4P!!直接つながってないふたりが一番心をつなげちゃうっていうミラクルスケベなんですよね。この場面のエロさ、ふたりの関係の転機として素晴らしい演出だな~と思いました。苦手じゃなければ、この神懸った4Pのために読む価値のある作品ではないでしょか。

アダルトモダモダラブ

椎崎先生のタイトルセンスが好き、葛西先生のイラストが好き!というわけで購入してました。

存在を知っている程度の会社の同僚同士、偶然その筋のバーで知り合って…ゲイ×ノンケ。モダモダは得意科目なはずなんですけど、このモダモダは私には少しモダが多すぎたっていうか、、、それぞれが背負ってる過去が唸るくらいどシリアスでした…。でも互いに出会って交流しながら、それぞれの暗い過去から徐々に解放され癒やされていくっていう過程が丁寧に描かれていて、ゆったりと進む再生の物語BLとしていいお話でした。

ハマれなかったのなんだろ?っていうところで、この攻めさんが紳士すぎるところ?言葉が丁寧すぎて距離感遠いな…っていうか30代にしてはおじおじしすぎている印象を受けたのですけど、そんなもんなのかな。体感40代くらいな印象でしたw あと受けさんが”好き”って認識してからのぐるぐる考えすぎ(あるあるなんですけど)、、とか彼の遊び仲間たちにモヤる。そして、攻め受け双方の親友の過ぎる干渉にモヤるw

でもね、やり手のビジネスマンが恋心に翻弄されるってゆー構図は何周目でも美味しいものですよね。

クール系年上攻め

こちらの作家様、D+で連載しているミステリー風味のBLが好きなんですけど、本作は全く正反対の雰囲気でどんなもんなんだろ?と気になって購入しました。

あっさり爽やか音楽家同士ラブです。
音楽<<<ラブのシンプルなラブストーリーでした。ピアニストというお仕事とか周辺人物の描写もっと欲しかったな…って気分は残るんですけど、まぁシンプルなラブストーリーですね。ずっと憧れてたあの人のそばにずっといたいと望んだら実は…っつー両片思いの王道。

攻めのビジュアルが好みなんですよね。年上攻め!受けは健気で可愛いです。受けが無自覚に他の男に絡まれるところに、攻めが無表情ながらも嫉妬をにじませるところとか好きでした。基本的に周囲のひと・ものに執着がない攻めが受けにだけ発動する執着を美味しく感じる読者です。

ただ、思わせぶりなチェリストの当て馬とかさ…もっと活用してほしかったかなwこのチェリストが攻めについて”特定の恋人を持つとは思えない”とか語るところがあるんですけど、攻めの人物像についてもうちょっと説明ほしかったかな~とか思ったり思わなかったり…。んでもそんなドラマを盛り込んでたら1巻で終わんないよね(独り言)。

謎が…

初読みの作家様です。
こちら、イラストを手掛けている作家様の関連作品コラボカフェで販売されてて表紙買いです。あと、タイトルがかっこよ♪と思い。あとあと、高遠先生気になってたんで、この機会に!と思い。

開いたら2段組で少しビビりましたがw、読みやすかったです。ボクシングの元チャンプが主人公で、彼が巻き込まれた暴力団絡みの事件を中心に展開されます。下町っぽい新橋(もはやノスタルジック)が舞台の人情劇っぽさもあって盛りだくさんなんですが、、ラブ感はかなり低い印象でした。

なんといっても、受けが謎すぎるんです。一体何者??こんなに受けの正体がはっきりしないBLって初めて読んだので戸惑いましたw もしや続刊があるのかしら?って探してしまったんですがなさそうで…そっか、、こういうのもアリなのか…ってある意味新鮮でした。

犬猫じゃないんだから、、、行きずりの男を拾って捨て身で世話する元チャンプの心情がいまひとつ受け止めきれなかったんですが、大都会の片隅で孤独な者同士(ってフレーズ便利だ…)、惹かれ合うものがあったということなのかしら…?

読み応えはあるんですけど、ラブエロ期待して読むとそういうムードの作品でもないかな〜と。そして、メインCPの一方が何者かわからないとなんだか評価しづらく。。。というわけで、脇を渋く固める素敵ヤクザの飴屋氏が一番BL的逸材に見えてしまいました。

エモエモ師弟愛

おじさま受けはそんなに好きじゃない読者です。
こちら、タイトルと草間先生に惹かれて購入したのですが、
な!な!めちゃくちゃいいお話じゃないですか~~!!
これは、ジャンルを超えて小説好きに推したい逸品でした。

秀才(理系)×秀才(理系)のとことん感情を落とし込んで言語化するコミュニケーションが面白かったです。”恋”という抽象的な感情が、彼らにかかるとこんなにも曖昧さのないw具体的なイメージになるのか~と感心しまくり。文系の私にとって理系への憧れもあるんですけど、うらやましい理路整然…。さらに、理系の研究室で恋文の添削っていう設定がいいっ!!お手紙ってやっぱりいいですね。三段論法と対偶を駆使したラブレター…理系ふたりが”恋”について数学的に論じているエモさがたまりませんでした。印象的だった、”やらせてください”論議。”ふれる”と”さわる”…確かに、”さわる”のほうがいやらしい…!ただ、そんなこと考えたことなかったw 恋を知らない48歳が恋文を添削するっていうなんとも面白くて切ないシチュにほのぼのしちゃいました。

おじさんの一人称小説なのです。これがちょっと古風な情緒を醸し出していて、とてもよいです。エンタメっていうより文芸味が強い印象でした。相手の才能や研究へのリスペクトが思慕へと変わり…、純愛でしたね~。もう、プラトニックでも全然いいんだけど~ってうっかり思ってしまったくらい…後半がなかったら完全に師弟愛の文芸では!?って思いました。(先生、無自覚に伊瀬君頼りすぎで可愛い…”伊瀬君”言い過ぎw)

アラフィフはいろんな意味で厳しいかも…とか腐った脳みそが考えてしまったのですが、30や40のおじさんでなくて、むしろ50近いおじさまが主人公っていうのが、この設定に深みというか説得力をもたせている気がしました。海野先生、お見事です。

大いなる遺産

最近めっきり希少な現代モノで尾上先生と草間先生のタッグ…と聞いて
これはもう買うしかないでしょ!
というわけで、端正な美しい文章で綴られていたのは再生をテーマにした”寓話”という印象で、”萌”で括れない作品だなと思いました。(でも、喪服とか敬語とか男秘書とかに地味に萌え…)

正直なところ、やはりBたちがLする生々しい関係性やモダモダが好きなので、”あぁ~なんて清らかなんだ~!”とちょっと物足りなさを感じてしまいました。攻め受けのLっていうより麒一郎氏の大いなるLに全体が包まれている物語でした。

遺言によって共同生活を始め、互いに足りないものを補いあうという、出会いの化学反応をめっちゃ活用していくふたり。桂路は画家としてのアイデンティティを見失ってて、慧は麒一郎氏の死という大きな喪失を抱えてて、それを互いに癒やしあいながら満たし、さらにプラスに広げていくんですよね。”愛せよ。人生においてよきものはそれだけである”でした。

あと、”好きなことをみつける”とか”普通の生活”ってわりと誰にとっても難しいお題な気がしたのでした。喜びや楽しみを知りなさい、っていうことなんだろうなって解釈したのですが。慧はちょっと設定不足なアンドロイドっぽいけど、葬儀で悲しみに暮れる様子はたぶん誰よりも人間みあったし、、なんといってもエロかったw攻めが一目惚れするのわかります。攻めには受けほど魅力を感じなかったんですけど、彼の画家というお仕事についてのあれこれが興味深く読めました。ただ、透明感のある世界観でふたりともギラついてないし、なんとなく清いままのほうが収まりがよかったのでは?って思えなくもなく…。(エロ大好きなんですけど)

最後に、ひっそりと緒川さんから”トロイメライ”の黒田氏を連想してしまったのは私だけでしょうか?このおじさまに、とても尾上イズムを感じてしまったのでした。

スウィートダーリン連雀さん

作家様買いの読者です。
このシリーズ、本当に作家様の画力がすばらしくて、モノクロの印刷からも色彩が感じられるような繊細で美しい描写に感心して見入ってしまいます。

あんこChan。さまのご質問の件、私も”なんで?”って思ってました。
確かに連雀さん、”散らされたい(下)”で葉那のうなじ噛んでますよね~。
ただ、オメガバって基本設定はあっても”公式”はないので、作家様のアレンジでどうとでもなるみたいなんで、新アレンジもあるのかなとか…。いつかオチとして回収されるとこだと思ってて、、、以下は単なる私の考えでしかないんですけど…
実は、番契約が成功してないんじゃね…?
”公式”がないので真偽のほどはアレなんですけど、番の成約率って7割くらいらしいという情報があって(噛んだら100%じゃないと)、ゆえに、もしかして実は成立してなかったじゃないのかなとか?上巻で、連雀妹が葉那から連雀さんに噛んでほしいっておねだりしてるって話を聞いたときの意味深な微笑がw、ひっかかってるんですよね。なんつっても、葉那って発情期も遅かったし抑制剤もそんなに利用してないみたいだったので、バース性の知識があまりなさそうだな~、葉那が可愛いアホだからそこに落とし穴が?!とか思ったりしたのでした。(でも正直わからんです!)

あと、このふたりは番だけど結婚してないっすよね。葉那母はちょっとおかしいし、当て馬ジョエルは連雀さんとはれるスパダリ感あるし、まぁ不安要素多くて、そもそも自己肯定感低い葉那に一気にいろんなライフイベント(結婚、就職)が押しよせてw不安定に…まぁこのじれったさがまた楽しいんですけど♪

というわけで、今回なんといっても、ちょっとめんどくさくなってるwパートナーに対して連雀さんがスーパー優しいスウィートダーリンっぷりを発揮してて、惚れ直してしまいました!(連雀事務所で働きたいよ…。)
書き下ろし、ヒートじゃないときのおせっせにほのぼのしちゃいました。

New矢代

やっと出たぁ…の気持ちが強い8巻。
イアハーツ読んでたんですけど、隔月だし休載あったしで、すっかり何が何やらだったんで…6巻から読み直して、なんとか点と点が線になりました…。BのLの前に盗難の顛末やら組間の抗争やら…交通整理が必要でした、私には…。”あれ?ただのヤクザ漫画なの?”っていうモヤっとした不安がうっすらあったのですが、BたちのLする気配が、じわじわ盛り上がってきていてホッとしました…。複雑で関連人物が多い事件に、がっつり百目鬼と矢代の再会における関係性の変化がのっかってます。

前巻から新章ってことで、これすっかり矢代と百目鬼の立場や感情が、1巻からはじまった物語と逆転してるんですね…(EDとかさ〜)。なんというトリック!これは、まだまだ続きまっせのフラグなのかしら?(長生きしないと…)

すっかり雄みあふれる極道になっちまった百目鬼が、さらに雄オスしてて非常に好みの攻めでゾクゾクしました。もはや捨て犬の番犬じゃなくて、狙った獲物は逃がさない有能な狩猟犬です。なんとなく、百目鬼が組持っちゃうんじゃね?な気分になってます。つか、矢代を手に入れたいなら組持ったらいいんじゃね?な気分だったりします。そもそも百目鬼がヤクザでいることにこだわった最大の理由って“矢代“ですよね。

そして、奇跡の40歳・矢代。EDだったのに百目鬼の愛撫に感じまくるって可愛すぎる。EDだった百目鬼が矢代と…っていう過去を嫌でも思い出しますね(遠い目)。もはや百目鬼とのおせっせで感情を持ってしまった身体は淫乱でなくなり…4年間貯め込んでいた想いが、再会して利子がついて払い戻され、その想いに身体が支配されちゃっているように見えました。百目鬼に対しての距離感に戸惑う自分を冷静に認めている矢代は、完全にNew矢代でした…。でも百目鬼もNewなため、以前とは違うかたちですれ違ってままならないっていうのが切なくて、矢代的に言うと”笑える”。

というわけで、百目鬼が本気出しそなところで次巻へ…ワクワク(じれったい寸止めも萌えるんですけど、そろそろください…)。”犯される”っていうラベリングで”禁断の果実”を封印しようとしてる?百目鬼に対してこんなにも劣勢な矢代って想像してなかったな〜…だから長期連載なんですけど、ここにきて新鮮なんですよ。
ただ、もう少し早いペースで次巻くると嬉しいな…。