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女性カラフルさん

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JUNEのような濃厚な世界観が◎

読み始めたら止まらないほど面白かったです!
一気に読んでしまいました。
想像より重厚で官能的な小説でした。
BLというよりJUNEな濃厚な世界観にハマりました。


一巻では策略が蔓延るヴェーレという国での宮廷劇が舞台の中心でした。華美な宮廷文化の中、王族や貴族間等で高度な策略合戦が日常繰り広げられます。高度な策略と肉体美饗宴という対を成すものが共存しているヴェーレという国が興味深かったです。その中逞しい肉体を拘束されて無力化され、自由を失ったデイメンに次々と重くのしかかる現実が心苦しかったです。
◯◯から奴隷にという落差感が大きく。鎖に繋がれた状態でどんな苦境にも立ち向かうデイメンの姿が良かったです。
立場上もあるけれど、策略家のローレントに比べて素朴で真っ直ぐな気性なデイメンがどうしてもピュアに見えて仕方がなかった。
ローレントとデイメンは二人のルックスから受ける印象と気質が逆転しているのが面白かった。

 金髪で翠の瞳のローレントがテンプレな金髪萌えキャラじゃ無かったのが良かったです。
最初はとっつきにくかったですが、だんだん萌え所が掴めてきて愛着が湧きました。ツンデレでなく、いつもツンツンとしていて、決してデレないところが新鮮でした。
策略と享楽、虚飾で蠢く美しきヴェーレの国で王子として産まれたロレントが今の彼の気質に形成されるまでには、生い立ちにさぞ色々な事があったんだろうな…と慮る事が容易いのが物哀しい…。
王子であるにも関わらずヴェーレの国に馴染めていない、浮いてしまっている感もあります。

 一巻では、ディメンとローレントは結ばれるどころか、ブロマンスの域にも達していない状態でした(笑)後半で若干(腐れ縁)の兆しは見え隠れするものの、二人がLOVELOVEになるまでの想像がつかない…。

 叔父とローレントの歪な関係も気になります。過去に二人に何があったのか…。
ローレントとデイメン二人の数奇な運命が交差して、これからどういう化学変化を起こすのか、、。これからの展開が楽しみです。どう転んでも血生臭く重苦しい話は避けられそうにはないですが…。

なかなか心に残る作品

 タイトルが「優等生」でなく「優・等・生」がミソです。読み進めるにつれ、登場人物の誰が優等生なのか…悩む作品でした(笑)プロローグで大まかな顛末が出てきますが、そこに至るまでの過程が想像ができない展開でした。なかなか読後感があり、最後まで読んで涙が溢れました。

表紙から見るとsweetな学園LOVEものに見えますが、五百香先生らしく、普通では終わらない話でした。大好きな先輩と恋が成就して幸せなはずの主人公の良に暗い陰をおとす元寮の同室の結城という存在。読み進めるにつれ??の部分が多くなり、やがて読者も二人の関係性を誤解をしていた事に気づきます。
このくらいの年の子にはアリなのか、当事者間でしか理解できない世界があって。二人の共通項は人知れず闇を抱えている部分と汚れのない世界(光)を求める潔癖性。共感しつつも同族嫌悪もあり、かなり複雑な関係性。それは恋人ですら踏み込めない領域で、、。

 同調性に引きずられる怖さと結城という存在が妙にリアル感があり不気味で恐ろしかったです。良の好きな先輩の匳は過去の女性関係が生々しくて余りBL萌えは無かったです。そこに重きは置かれていないと思います。

一見明るく見える人でも闇を抱えている事もあり、人の内面は計り知れなく、人と深く関わる事の難しさを感じます。寮生活ってランダムに同室者が決められるので、同室ガチャってあるんだなーと思いました。
現代人は只でさえストレスフルな社会生活に晒されているし、狭い密室内での人間関係が余計に難しそう。

 初期の頃の作品なので、荒削りの部分のある作品でしたが、心に残るストーリーでした。磁石の同じ極同士は引き離される方がいいんだね。。
そう実感する話でした。

これも一つの愛の形…

映画版のエンディングの先こそがこの物語の真髄でした。何度も涙してしまいました。甘いBLに慣らされていると、ズーンと心に来る内容でした。「トリステ」という言葉の意味を身を持って味わいました。それでも読んで良かったです。

 今年の冬が例年になく寒いので、寒い国に住むヨーロッパの人達が陽光を求めてイタリアに来るような気持ちで原作を手にしました。
イタリアでの滞在生活気分をオリバー達と共に楽しめました。陽光、海のきらめき、地中海の風土にそぐった陽気な人達や様々な国からの滞在客がもたらすもの、シエスタが必須のまどろんだ日常。どれもエリオットとオリバーが愛したものたちでいっぱいで。

ひと夏の年齢差のある恋、しかも同性で遠距離の…。行く末がどうしても見えてしまう中で、読者もエリオットともに若さ故に甘酸っぱい、盲目的で大胆な恋を堪能できます。
最後の二人っきりでローマで過ごした日々が描かれた章もとても良かったです。二人の愛を暗喩する、二人にとって特別な存在であるサン・クレメント聖堂。今後ローマに行く機会があれば行ってみたいと思いました。

私と同じく映画の結末に「エ…ッ。」となった人には原作を読んで欲しいと思いました。非常に「トリステ」に満ちた内容になっていますが…。
その後のエリオットの生き方、オリバーの生き方。二人の生来の気質もあって、感受性の強いエリオットらしいし、奔放に見えて律儀なオリバーらしいと言えるかな。一度は重なり合った二人のどちらかが選ばなかった道。
 エリオットの年齢がオリバーと変わらないくらいの年だったら、二人の愛は違う道を辿っていたのかとか、エリオットの父親がキーパーソンだったのか、とか色々考えたりしてしまいます。 

 二人の愛はあの二十年前の別れで終わりじゃなかったんだね…
最後まで読んで、表紙を見た時また泣かされました。
人生引きずるもの、背負っていくものもあり、割り切れるものでないね。。

歳月を重ねて感覚が鈍くなってくる…、だからこそ再会しえた二人でないかと思われるのですが、メンタル的には別れたまま会わない方が無難かな。文学的で素晴らしい作品でした。 

映画の方は続編の噂もあるようですが、実現化は難航しているようでどうなるのか…。
小説の方の続編を読みたいです。 
年老いた二人の再会の話になりそうかな…

三位一体…

山藍先生のAllアダムのクローズドサークルものです。
BLものにある、或る場所に男性ばかりが集められるという設定には、それなりに納得できる理由が必要です。設定が不自然だと話に入り込みにくいです。この小説では、犯罪を起こした青少年の更生のための島という名目で入りやすかったです。角川文庫から出版されていますが、なかなかノワールな内容で耽美度も高く、最後までハラハラドキドキ楽しめました。BLゲームの「Paradise」がツボに刺さった人には、オススメです。当方も定期的にこういう系の読み物を発作的に手にしたくなります。

 ストーリーの進行により、クリスという天使のような容姿をした妖艶な少年のヴェールに包まれた本性が剥がされていくところが見どころでした。島での人間模様も興味深かったです。島に送られた理由が理由だけに皆逸物を抱えている人物ばかりで、、。そんな彼等の中でも、お山の猿のように力関係ができ、適応していけない弱いものは去っていく。。BLを楽しむというより、青少年で構成された社会の縮図を眺める系の読み物でした。
 
 若さの漲った彼等が、抜けられることのない、終わりの見えない絶望的な閉鎖空間の中で生きざるを得ない、という現況は想像を絶します。自分で選択できない環境って辛い。。それでも人間は受け入れられる生き物で、クリスに何かと助けられて秋生は試練を乗り越えていきます。クリスを手にした秋生、最後はカッコ良く決めてくれるのかと思ったら…相変わらずクリス主導でおかしかった。
 
 クリスには謎が多く、掴みどころのないキャラでした。クリスはいかほど秋生が好きなのか最後まで読めなかった。ある意味大変な人物を愛してしまった秋生。最後に仄めかされていましたが、表紙のように2人は海人と合流して三位一体で生きていくんでしょうか??それが彼等の自然な生き方なんでしょうか。クリスと海人との関係もBLあるある、な腐れ縁で続きそう。。都会が似合うクリス、最後はホント生き生きしていました。続きがあってもおかしくない終わり方でした。

 山藍先生比では少なめかもしれませんが、相変わらずエロスの度合いが多くヴァーリエーションに富んでいました。何でもありで、マヒしてきました(笑)慣れってこわいな…。せっかく話が面白かったので、島での生活にもう少し尺があると良かったかな。没頭しすぎて、あっという間に終わってしまった感じです。
他のレビュアーさんの情報により、続編的な位置付け(?)の「ネメシス」もぜひ読んでみたいと思いました。


至福の時間を過ごせた…

 ちるちるユーザーの方の評判に違わず圧巻の読み応えでした。まるで上手く翻訳された英米小説を読んでいるようでした。転生ものなので、よくあるライトノベルを想像していたら重厚な内容で驚きました。こういう才気溢れる方がBL小説界に来られたのは、小説好きとしては嬉しい限りです。

 過去にWEB小説の単行本が読み辛い事がありましたが、本作は小さな章毎にタイトル管理されていて、読みやすかったです。夢中になってやめ時が見つからない時に、章の区分が程良い休止符になって良かったです。

 凄まじいボリュームでしたが、文章も流暢で想像力をかき立てられるので、読み出すと止まりませんでした。小説の中で繰り広げられる華やかな世界にうっとりしました。単調な日常を忘れて、至福の時間を過ごせました。あくまでレオリーノ(イオニア)、グラヴィス、ルーカスというBL当事者で盛り上がるのでなく、政情や様々な人物の思惑が絡んでくるので非常に面白かった。貴族社会のトリセツ的なものも味わえて興味深かった。

 イオ、ヴィーという呼び名や長年拗らせている三角関係に萌えました。イオニアー、グラヴィス、ルーカス、それぞれの立場や心情が理解できて、恋って本当罪作りだ。時の経過に伴う彼等の変化が切なくて…。彼等の中で変わったこと、変わらないこともあって、グッときます。。
個人的にはルーカスのキャラが気に入っているので、粗末な扱いをして欲しくないなと思った。2巻以降も過去のイオニアのエピソードが交じるといいな。
読み進めるにつれて、タイトルの意味が重くのしかかって物哀しかった。今生(?)ではレオリーノとグラヴィスがどういう関係性(守り守られる?)になるか気になります。 
 
 彼の姿を一目見た国中の人を驚かせるような絶世の美貌を持つ主人公レオリーノ君の設定がツッコミどころが満載で面白かったです。どんな美貌だよ??当方は少年マンガの主人公のようなキャラが好きなので、イオニアの方が正直萌えますが、レオリーノ君もほっとけないような、応援したい気持ちになるような愛すべき主人公でした。
レオリーノ君の乳母日傘育ちの余りの箱入りっぷりにも笑えた。イオニアと対照的過ぎるけれど、瞳の色と根本は似ているのかな?

 グラヴィスへの想いの自覚をきっかけとして、イオニアとしての前世の記憶に葛藤を抱えつつも、急速に変貌を遂げ、自我も目覚め、着実に大人の階段を登るレオリーノの今後に期待が募ります。ソムリエさんの情報では、1巻より2巻、2巻より3巻とどんどん面白くなるとの事…。1巻でこんなに楽しんでしまったので、先の事を考えると末恐ろしい。。やっぱりBL以外の土台部分がしっかりしているBL小説は格別だな。
 一つ欲を言えば、若い頃のイオニア達3人の挿絵をもっと見たかったな。レオリーノの挿絵は充実しているだけにちょっと残念です。

拍子抜けした…

 ミステリーものとして評判が良いようなので期待して手に取りましたが、真相にガッカリしました。以下個人的な辛口感想になります。

 真夏の豪華リゾートツアーに参加したら、事件に巻き込まれて…というよくあるライトミステリーものです。参加したメンバー達は現実にもいそうなアクの強い人ばかりで、掛け合いは面白かったので、後半まで合間に入るソフトなBLではダレつつ、それでも事件の結末が気になって読み進めましたが、まさかこんなエンディングが待ち構えていたとは。。

 途中過程で他のメンバーに比べて、主人公や恋人候補と思われる相手の影が薄かったり、クローズドサークルものや連続事件ものとしては緊迫感も無いところは気になったり、一部のキャラが意味深に匂わすシーンもありましたが、「まさかそんな展開では無いだろう…」とたかを括っていたら、そうだったので驚きました。展開が読めると、ミステリーとしての面白さは半減してしまって…。

 真相はミステリー好きなら、どこかで見た設定のオンパレードだし、トリックはITで説明されると面白くないです。種明かしの全容に拍子抜けしました。
ミステリーとしての派手な手法が使用されるほど、作家さんの力量によって出来栄えが変わってくるなーと感じました。目新しさのないよく使われる手法でもあるので、余計に物足りなかったです。ミステリーを普段見ない、読まない人や苦手なライト層向けだと感じました。
 作家さんが描きたかったであろうテーマも、社会問題提起に至るほどの重みや訴えかけられるものが感じられず、個人的な悲劇と戒めで終わってしまった印象が惜しかった。描き方次第では女性としてグッとくるものがあったと思うのに。。

 コロナで夏のバカンスを楽しめなかったので、本格的ミステリーを味わいつつリゾート気分を…という夢から一気に覚めてしまいました。
BLもミステリーもどっちもどっち感があり、残念でした。
少数派かもしれませんが、本格的BLミステリーが読みたいです。

センセーショナルな家族…

 かつての昼のメロドラマのような「これでもか、これでもか…!」というドロドロした展開が続く二重螺旋シリーズの5巻目。他の巻に比べて、読みやすく引き込まれました。

 一般ピープルは経験することのない、自分の身近な人が暴露本を出して一連の騒動に巻き込まれたら…という話でした。それぞれの人物に言い分や思惑があって考えさせられる内容でした。
毎度毎度センセーショナルな家族です。長男の雅紀のオーラは強烈だし、長女の沙也加もなかなかにキツい性格でした。
次男の尚人も情が深そうに見えるけど、意外にcoolな面もあるなーと。リアリティ溢れる内容で感情移入しました。芸能人を身内に持つか、家族が事件を起こしたり、被害者になったりした場合に起こりうる話です。
同じ事を経験しても、家族間の温度差もありますね。。
多くの修羅場を乗り越えて、強くなってきた男三兄弟が頼もしかった。

 家族の問題で家を早くに出た沙也加の疎外感も分からないでもなかったです。4人兄弟のうち1人だけ性別が違うので、一連の騒動に対する感じ方も違って。他の男三兄弟のように、気持ちの上で割り切れないのもわかるし。ますます残された男三兄弟は絆を深めるばかりだし。色々な人の視点に立って物語を俯瞰できるのが面白かったです。

 最後にまた大きな爆弾が投下され…。続きが気になります。これはきっと立派に「二重螺旋シリーズ」にハマってしまってるんだろうな。

ヤクザものとBLのバランスが◎

 谷崎作品にしてはしっかりBLしていた巻でした。
三部作の2巻目。威士、蓮、凪を中心に話が進むのかと思っていたら、第三の男セキが登場しました。
東京、京都を舞台に硬派なヤクザ抗争ものの小説としても読み応えもあり、蓮や威士のそれぞれの想い人であるセキ、凪に対する想いの強さも味わえて、とても満足な一巻でした。

 東京では尋常でない学生生活を送る蓮。一般の人の想像の右斜め上の人生を進む、底知れなさを感じさせる蓮。掴みどころが無い人物なのですが、セキに対しては人間らしい執着心を見せるところに萌えました。青年になった威士と蓮も本人の思惑はどうあれヤクザの世界にどっぷり浸かり出しているようです。

 ラストは衝撃の展開で、蓮や興津組の運命がどうなるのか気になります。
次巻はセキが主人公でいよいよ完結編。セキも謎の多い人物だけに楽しみ。
タイトルが暗示している通り、哀しい結末になるか心配です。

和貴にお株を取られた…巻

 没落華族の清澖寺家のシリーズ第三弾。利用価値のある華族であり、社交界で醜聞の多い色めきだった艶やかな家系のために、色々な欲望が渦巻く中で、ただ1人誰の毒牙にかかっていないピュアな三男の道貴が主役でした。

 道貴と元貴族でイタリアの商社の経営者一族のクラウディオとの華やかで因縁深い愛がテーマでした。王道感が漂います。ピュアで真っ直ぐに見える道貴にも、その実は清澖寺家の家系や因習に縛られて、もがいている素顔が意外でもあり、読んでいて切なかったです。
周囲から目立つ華やか家系であったり、色々醜聞の多い身内を持つのって大変なんだな。。かえって反面教師で必要以上に人格者になるのかも。
 クラウディオがプレイボーイなイタリア人男性のテンプレートのような人で可笑しかった。条件が揃えば揃うほど、胡散臭さが漂うのは世の常。それでも一途に彼の事を信じられる道貴がスゴイなーと思った。最後の軽いどんでん返しが良かったです。人のいい道貴らしいエピソードで微笑ましかった。

 神評価にしたのは、この巻の表題作である道貴主役の「切なさは夜の媚薬」でも存在感を示していた次男の和貴&深沢の行末が読み進めるにつれ、気になって仕方がなかった所に、同時収録作として和貴&深沢のその後を描いた「禁じられた夜の蜜」が読めたからです。
 前巻の和貴&深沢がメインの「夜ごと蜜は滴りて」では余りに2人の歪な愛を見せられて、2人に全く共感できないまま読み終えました。和貴から色々なものを奪い、虐げる姿勢を貫く深沢とそれを受け入れる和貴。2人の想いが交差される事がなく、いつも一方通行なところが理解を超えていて、歪んでいるとしか言いようが無く、モヤモヤしていましたが、今巻でようやく2人の愛の世界が理解できたのが良かったです。
この二人は、これからも独自路線で行き着くところまで行って欲しいです。

「切なさは夜の媚薬」でも「夜ごと蜜は滴りて」も大正時代の激動の時代が描かれ、その頃世界的に広まった社会主義思想や資本家と労働者の対立といった図式が各地に広まる労働運動などの社会現象に財閥が巻き込まれていく時代背景も描かれていて、耽美小説で終わらないところが良かった。その時代だからこそ、美しく血筋が良いものの、儚げで精神の脆い冬貴、国貴、和貴、道貴がこぞって利用し合う関係にしろ、自分達より強い漢を必要とした事も分からないでは無いかも。庶民に限らず、華族にとっても生き長えるのに必死な時代だったんでしょう。清澖寺家シリーズの世界観の理解が深まって良かった。

 次巻ではそもそもの発端のお父上の冬貴がいよいよ主役。期待感が高まります。

想像以上に面白くて大満足

 壮大な海洋ファンタジー・ロマンスものものの「コルセーア」シリーズの中の登場人物のヤーンとセサームに焦点を当てたスピーンオフものです。
表紙の示すように、BLでは珍しいイスラムな世界観です。

 本編シリーズを読んだ時から、この2人の事がとても気になっていて、何度も2人の出てくるシーンを読み返したくらいでした。その後2人を主にしたスピン・オフ作品があると知り、速攻購入しました。

 想像以上にストーリーがドラマティックで面白く、長い間腐れ縁であった二人のじれったい関係性に萌えました。
 2人とも只でさえ年齢が30才を過ぎてなかなか素直になれない上に、お互い帝国の宰相と司法長官という立場もあり、、で糖度は少な目ですが、お互いを想い合う気持ちが伺えるので、とても萌えました。
正直本編のカナーレとアヤースよりこの2人のカップリングの方が好きかも。

 セサームとその従兄弟のナナミを見る限り、ここの家系はツンデレ家系なのかと思いましたね。天邪鬼気質なので周りは振り回されます。
特にヤーンがかなり犠牲になってしまって、ちょっと可愛そうだった。それも根底に深い愛があって…なんですが。エピローグの10歳の頃の運命の話はジーンときました。もう一度読み返すとまた違った印象になるんでしょう。。
読み終えると、萌えと切なさが半々でした…。

 本編の最後の語録の索引の膨大な量を見て驚きました。本編シリーズを含めてなのですが、緻密で壮大な世界観だと改めて思いました。
世界観とストーリーがしっかりしていてこそ、BLが最大限に活きることを実感できる模範のような作品です。
「コルセーア」シリーズの面白いところは暗殺が絡むところです。これも本格的な描写なのでハラハラします。因縁も深くなりますし。
本編シリーズも面白かったので、また読み返そうと思います。

残念な所はただ一つ「何故カラーイラストはカナーレとアヤースなの??」でした。ヤーンとのセサームで無かった事が実に無念でした。。