竹田やよいさんのレビュー一覧

波の名前 小説

原田千尋  竹田やよい 

これは角川ルビー文庫向きではない

青春群像劇。

著者がエゴサしている可能性もあるので、あんまり批判めいた事は書きたくないと思いつつも、あくまで一読者の感想ということで…

お世辞にもうまいとは言えぬ文章です。
数行の間に視点がコロコロ変わり、読み辛い事この上ない。誰の独白か分からず、思わず前のページまで遡って読み直した箇所があるほど。
登場人物多すぎるし、皆めんどくせ〜レベルにワケありすぎ。
おまけに人間関係が複雑…

1

滄の残像 小説

鷲尾滋瑠  竹田やよい 

美しい純愛メリバとSMプレイ

江戸から昭和初期の男色が現在よりも多かった時代を背景にした、純愛ロマンポルノなBL短編小説集。

三篇の短編小説が収録されているが、時代背景や登場人物が違うだけで展開はどの作品も同じ。
・美青年×美少年カップルが愛し合う冒頭シーン
・不憫な境遇に堕ちた健気な美少年に、ドSな当て馬オジサンが苛烈なSMプレイをする。
・遅れてやって来た美青年がなんとか救おうと頑張るが、美少年は助からない。

1

花ごろも 小説

江上冴子  竹田やよい 

和菓子への愛で綴られたビルドゥングスロマン

秋田県能代市から、「一流の和菓子職人になりたい」という夢を抱いて上京した、松井旭のビルドゥングスロマン(自己形成小説)。表紙絵は、江上さんの代表作である「エデンを遠く離れて」シリーズと同じく、竹田やよいさんです。タイトルの「花ごろも」は、作中で主人公が感激した上生菓子に由来しています。あとがきによりますと、この作品の取材のために、数年間で全国の銘菓子を百種以上試食したとのこと。
耽美小説シリーズ…

1

恐怖の男たち 3 小説

花郎藤子  竹田やよい 

予想違わず、運命に流されるまま終焉を迎えてしまいました

電子書籍で読了。挿絵有り。

最終巻ではイライジャとライラによるCIAからのイェンホワ奪還と、その結果が書かれています。
あらすじについては書くのを止めておきますが、一気に全巻入手しようと考える方のために『地雷よけ』だけ置いておきます。物語の終焉は全くもって救いのない悲劇的結末ですので、苦手な方は避けた方が良いかと。あと、LOVEがありません。家族幻想や自己愛(特に自分の信条に対する愛着)が…

2

恐怖の男たち 2 小説

花郎藤子  竹田やよい 

あれ?BLじゃないよ?

電子書籍で読了。挿絵有り。

アルメニアで死にかけたアッシュはパルミラで起きたことも傭兵時代のことも全て忘れ、全く無垢な存在としてイライジャに保護されています。イライジャはソ連に亡命を望んでいる英国海軍提督の息子を東側に連れて行く仕事を請け負っているのですが、米ソの陰謀が入り乱れる中、トウキョウ・ジョーに嫉妬をかき立てられたアッシュの行動によって瀕死の重傷を負います。ショックを受けたアッシュは…

2

恐怖の男たち 1 小説

花郎藤子  竹田やよい 

大国の諜報機関がからむがメロドラマ風味

電子書籍で読了。挿絵有り。

花郎さんの『寂しい金魚』 が期待以上にハードボイルドのいい感じだったので「これは長編を読まねばならぬな」と思い手に取った一冊。
結論から言ってしまうと、お話に乗りきれずちょっと嫌な予感がしています。

主人公のアッシュ(本名はシャオラン)は、神秘の小国パルミラ王国の王位継承者でしたが、クーデターで両親を殺され、妹を手にかけた過去を持つ傭兵。彼自身は王位に一切…

4

恐怖の男たち 1 小説

花郎藤子  竹田やよい 

JUNE時代の大作

花丸文庫の無料お試しで読んだことがきっかけで、手に取ることにした作品です。
表紙が印象的なので知ってはいましたが、JUNE時代の作品(これは'97年。同人誌先出で、それはもっと前です)なので躊躇しておりました。
ただ、読むと凄かった!
無料である程度読ませてくれてありがとう、花丸さん。

**********************
受けは特出した美貌の傭兵で、無口で感情をほ…

6

金環蝕 短編集1 小説

山藍紫姫子  竹田やよい 

BLの文豪と呼ぶに相応しい

山藍先生というと、難解な文章でキワモノ書いているイメージをお持ちの方も
いらっしゃるかと思いますが、山藍初心者にはまずこれをおススメしたいです。
とくに難解な文もありません。山藍先生の作風の広さを実感できる短編集です。

非常に高レベルです。
昨今のBLに見られるような予定調和で成り立つ世界じゃないですね、コレ…。

しばしば「BLの枠を越えた」とかって評される作家さんはいますが、

6

彼の時刻を止めて 小説

原田千尋  竹田やよい 

セックスより切ない

原田さん作品を初めて読んだのはベトナム戦争帰りの男が主役の話だったのですが、今回は舞台は日本で関わってくるのは第二次世界大戦。

といっても世界観は全く違って、こちらは現代日本舞台とした日常ファンタジー。
ファンタジーというより夢の様な、幻の様な、という表現が近い気がします。
主人公の千郷が祖父の元実家である長崎を訪れ、その先で加納敬吾と名乗る謎の青年に出会います。
戦争資料館に展示され…

1

エデンを遠く離れて 旅立ちの楽園 小説

江上冴子  竹田やよい 

加藤好きなら

えーと、とりあえず全巻読破した自分おめでとう、パチパチパチ~!
正直、途中でダレて2巻程抜かし読みしそうになったですがくじけずセット買いした全巻読み通しましたですよーー!!
長かったですわーー、奥様。
オレ様生徒加藤×教師芹沢話で全寮制の学園物。
途中からずっと同じパターンだし、展開進むか!と思ったらなんか暢気に国内旅行とかしてるしーー!旅行先でも寮でも学園内でも加藤[攻]がイヤイヤする芹…

1
PAGE TOP