茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

明日が世界の終わりでも 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

好き過ぎてヤバイ

表題作、受けの「望」視点で語られていながらも、話が進むにつれて、攻め「御厨(みくりや)」の静かでもってマグマの様な恋情に、心が揺さぶられてどうしようもなかったです。
この2人の愛の形が歪(いびつ)だと、お互いが分っていて苦しんでいて。
愛されているのは分っていても我慢を強いられた愛だから、若い望の渇望が破裂してしまった結果が、痛すぎて悲し過ぎました。
ため息を吸い込んだ位に深く沈みました。

3

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

つ、続きをーー!!

前作の完成度も高かったですが(神評価)今回もまた面白いんだ、これが!

今度も舞台は渋谷。
前作でも登場した以知子の弟、双葉という少年が今回の事件の軸になってきます。
ある少年が双葉のナイフによって刺殺され、警察によるその犯人探しが始まります。
それと同時に黒澤〔攻〕は姉の以知子から弟の無実を証明したいとの依頼を受けるのです。

現在進行形の事件と、そしてもう終わったと思っていた黒澤…

3

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

余韻がホントに堪らない

あらすじ読んだだけではちょっと読むのに気後れしちゃったんですよ。でも違いました、全然違う。木原作品はホントに読んでみないとわからないものや面白さがあるなと、改めて感じた1冊です。

殺した元恋人の死体を自宅の冷蔵庫に入れている理由で家に帰りたくない啓太は、誰でもいいから家に泊めてもらうためにゲイバーで充という男に出会います。

「秘密1」では啓太視点、「秘密2」では充の従兄弟・榎本視点、「…

9

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

続きを~!早く~!!

高遠先生、またなんてところで終わってくれたんだろう…
続きが気になって仕方がない。
事件の真相も、二人の行く末も
はっきり言って凡人な私には先が読めません。
続きを!ギブミー高遠先生!!

今回は前作にちょっと登場した女とその弟が関係した殺人事件です。
それに絡んだ統一郎を、警察のお偉いさんが目をつけて
雪人に統一郎の監視を命じるんですが、
目的はこの殺人事件だけじゃないんですね…

2

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

3巻はいつ…!?

今自分の中で最も続きが気になるシリーズです。
茶屋町先生の絵も好きなので、
2巻と一緒に新装版揃えました。
この作品でも高遠先生の文章・表現力が
際立っています。

統一郎(攻)と雪人(受)が
ある双子の片割れの失踪事件を解決していくお話ですが、
その合間合間に雪人の回想っぽいものが入っています。
先を読んで行くうちに事件は解決へと向かっていきますが、
統一郎の悲しい過去と、二…

3

造花の解体 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

肉体と精神の物語

実に9年ぶりの西条さんの新刊!
といっても、「スペル・イー・エス」のシリーズの未掲載分とウェブ発表短編、そして書き下ろしが1本のまるまる新作というわけではありませんでしたが、西条ファンとしてはこれが足がかりで電子書籍以外の紙媒体の新作をまた見られるきっかけになるといいな、と密かに期待と応援をしております。

壊れたモノ(身体)を専門に撮るカメラマン・エスと、彼に仕事を依頼してくる人々のお話は…

7

Home A place in the sun 小説

かわいゆみこ  茶屋町勝呂 

生い立ちと性癖、嫌悪と諦めを持つ者同士の出会いでした。

ハードカバーです。
登場人物達は“大人”ばかりで静かな文章なんですが、だからこそ吐露するその思いは、とても現実的で切実でした。

ヤクザの妾腹の自分の生い立ちを卑下していながら、その繋がりで仕事をする弁護士の八神と、自分を壊す程の辛い恋愛をしてしまう桂木。
どちらも仕事に関しては“やり手”だけど、消せない過去がそれぞれを卑屈にさせていて空気感は重かった・・・
とくに、八神の母の死の章は、…

1

刑事と検事のあぶない関係 小説

愁堂れな  茶屋町勝呂 

乞続巻、期待してます!

茶屋町イラストで手に取りましたが、ふんふん(^~^)、愁堂先生のお話もなかなかイケていましたよ~!

2時間刑事ドラマ路線は相変わらずの愁堂先生の。
2時間で決着付くから思った通りの事件解決なんだけど、だからこそ安心して読めます。
それとキャラが良かった~♪
椎名の親の転勤で高3で別れた(付き合ってはいない)主カップルも気に入ったし、再会後のその2人の相棒役に期待持てます!
美形・椎名…

1

鋭利な刃物 Spell e.s.series 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

性は生

この評価に普通の「萌え」という言葉通りのモノを思ったらそれは全く違い、どちらかというと共感度かもしれません。
BLと呼ぶにはあまりに猟奇的で節操もなく、いわゆる”ヘンタイ”と呼ぶ特別嗜好の者達の物語ではあるからです。
作者さんがうつ病を発症する前に書かれたものか、その前後を含むものなのかは不明ですが西条作品らしい壊れた人々が満載です。

主人公は通称「スペルE.S」=エスと呼ばれるアンダー…

5

魚住くんシリーズ(5) リムレスの空 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

物語は続いている

読み終わった後、思わずほろっときてしまいしました。
ほんのり切なくて、でも胸があたたかくなるそんなラストでした。

魚住の留学が決まって、おそらく最終章は魚住と久留米のひと悶着ありつつも帰ってくるのを待っている、というよくあるラストを予想していたのですが、予想外に語り手が太一という初登場の少年。

少年から見た魚住と久留米という人間。そしてこの世界。
辛い境遇である太一は、この世界に対…

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