茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

非BL作品

Lamento -BEYOND THE VOID-1 コミック

Nitro+ CHiRAL  茶屋町勝呂 

紡がれるはじまりの物語

耳としっぽ、敏捷でしなやかな肢体を持つ猫型種族のリビカ。
彼らが暮らす世界で起こる禍々しい浸食と、
知らずに世界の運命に巻き込まれた青年達の物語で、
同名BLゲームのコミカライズです。

ゲーム内で印象的な深い森の風景が、
コミックスでも十二分に描き込まれています。
鬱蒼とした自然風景が大好きなので、
これぞファンタジーの醍醐味といった所でしょうか。

ゲーム内におけるキャラル…

0

3は、キライ。 コミック

茶屋町勝呂 

3冊目の単行本だそうです

99年発行ですが茶屋町さんの絵はやっぱ上手いですねー。
表題作は3の数字を嫌う受験生(多分浪人生)公和は商店街のくじ引きのくじを交換したのを切っ掛けに同じ受験生のユキヒコにアパートに居着かれちゃいます。
ユキヒコは公和に夜中にそっとキスをするんですが、そのキスシーン自体は描かれてはいません。そこがいいんですよねーーーそこが!
実は幼馴染みでしたってお話。
BL色が一番強いのは「ベッドロー」…

0

CHAYAMACHI CHiRAL WORKS コミック

茶屋町勝呂 

再構築された世界

BLゲーム「咎狗の血」「Lamento」のコミック版から、
カラー、モノクロの扉絵を含め
70点以上のイラストが収録されています。
巻末には出典記載があり大変参考になる上、
今ではお目にかかれない書店用POPや
店舗配布ペーパーも載せている豪華さ。

ゲームのコミカライズにあたって、
ご本人は「大胆な世界観の解釈が許されること」を
条件とされたそうです。
キャラの仕草や背景、色…

1

カオルくん コミック

茶屋町勝呂 

純粋なキス

表題のカオルくんが主人公。
彼が子供の頃から始まり、学生になってからの彼と彼が出会う人々との短編集です。
トーンも効果線も殆ど無し、しっかりしたデッサンで描かれた人物とモノクロの空間は時に冷たく、時に暖かく見る者を持って迎えます。

エロは皆無、BL要素は薄いです。
けれどそれだけに巻頭での不法滞在労働者ユニさんの虐待され愛されない幼いカオルへの純粋な慈愛のキスが心にすーっと染みて行きま…

3

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

胸が痛い!

イラストレーターが変わるとこうも与える印象も変わるのかと思うほどに、重苦しさが押し寄せて、胸がつぶれそうになる。
1作目も切なさが押し寄せて苦しかったが、今作もどうしようもない、やりきれない2人の想いがひしひしと迫ってきて、思わず悲しくなってしまう。
そこまでして、2人が追い詰められるほどに警察と一般人の溝は深く、自分の中に気持ちを抑え込んでいる黒澤が、どうにかしたいのにどうしようもできない雪…

8

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

一人でも多くの人に読んで欲しい。

じつは木原作品の中で別格に好きなお話。
いやまあ、正確に言うと、【秘密】と【COLDシリーズ】と【箱&檻】が同列で別格なんですが(笑)

私は木原さんの作品を知らない人に何かをオススメしようとするなら、一番にこのお話を薦めます。
木原さん独特の、痛さ、苦しさ、ズルさ、醜さ、人の欠けた部分、それでも生きなければいけない葛藤と矛盾、そういうのが全部ぎっしりつまっていると思います。
(そして痛…

15

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

あ、れ?ホラーだったっけ

真夏の夜、眠る場所を探して街を彷徨っていた啓太は杉浦という純朴な男と出会う。
セックスを条件に彼の部屋に泊めてもらうことになった啓太。
彼には部屋に戻れない理由があった。部屋の中で不気味な唸り声をあげる巨大な冷蔵庫。
その中には、かつて啓太の恋人だった男が眠っている。
そう、啓太が殺した。
ただ都合のいい相手に過ぎなかった杉浦の一途な想いに次第に惹かれ始める啓太だったが……

前半は…

5

明日が世界の終わりでも 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

崩壊のあとに残る希望

自分の恋人が他の男に抱かれるのを「見る」こと。
それが玲治が望に求めたセックスだった。
行為の最中、狂おしい視線を感じるものの、自分には指一本触れてこない恋人に次第に不安感を募らせて行く望だったが、玲治の性癖には深い傷の記憶に関わっていて……

訳あって自分の恋人を抱けない代わりに恋人に他の男との行為を求める男と、そんな彼を愛してしまった青年。
表題作のおそろしく重くて痛い展開とラストに…

2
非BL作品

咎狗の血(8) コミック

茶屋町勝呂 

コミカライズも終盤

相変わらずゲームに忠実なんだけど、先の読めないコミカライズです。
シキルート監禁イベントとリンの過去話メインな8巻。
だいぶ物語は終盤に近づいて来たかな。
しかしこうして見るとゲームと違ってルート分岐がない分だけアキラは全ルートの酷い目にあっている気がする。不憫な。
表紙の禍々しいリンが格好いい。さりげなく活用されているスチルと同構図のコマも。
全体として殺伐とした展開の中で猫とキリヲに…

0

魚住くんシリーズ(1) 夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

きれいで透明な世界を圧倒的文章力で描いた超作品!

とても綺麗でボーっとした男・魚住と、大学時代からの友人・久留米が主軸になって話が動いていきます。メイン二人だけでなく、どのサブキャラに至るまで生き生きと、リアルな性格で描かれている。魚住くんは割と浮世離れしていますが、そういう人、たまにいますよね。キャラ一人一人が、「こういう性格のヤツいるよなー」と思わせます。それに付加する設定が少し小説なだけで。

魚住くんは不幸に見舞われた人生を送ってきま…

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