渡海奈穂さんのレビュー一覧

未熟な誘惑 小説

渡海奈穂  二宮悦巳 

誘惑したのは

表題作と短め続編の2本が収録されています。
どちらも小川(受け)の目線で進んでいきます。

表題作「未熟な誘惑」では、小川は大型量販店の販売員。義兄に無理矢理に10年も奉仕させられたり、遊び相手にしかされなかったりで、恋愛方面では諦めていたところ、本社から来た専務・志木(攻め)と恋人同士になります。

続編「曖昧な誘惑」では、志木の補佐に異動し、義兄の脅されるもはねのけ、過去と決別して、…

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さらってよ 小説

渡海奈穂  麻々原絵里依 

これでもかとやってくる

表題作と短めの続編の2作品が収録されています。
受けと他の男の事後描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。

表題作は三木(受け)が主人公です。
三木は、男と浮気したり女と付き合う平尾と別れたいと思いつつも、「都合の良い男」のまま10年ずるずる付き合っています。仕事で知り合った有元を好きになりますが…という内容です。

三木は平尾に振り回されますが、一方で有元を振り回します。いきな…

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小説家とカレ 小説

渡海奈穂  穂波ゆきね 

良い男過ぎる当て馬

1冊丸ごと表題作です。

芦原(受け)は小説家。大学生にしてデビューを果たし、卒業後はプロとして活動していますが、隣人で幼馴染の高槻(攻め)は小説なんて書くなとずっと言い続けています。会えば衝突してばかりの関係に疲れる日々の中、デビュー作品がドラマ化されることになり、主演俳優の四方堂が芦原のファンだと近づいてきて…という内容です。

芦原と高槻の膠着状態に、四方堂が入ってきて、臆病な芦原の…

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わけもなく、もっと 小説

渡海奈穂  有馬かつみ 

肉食×鈍感、プラスもう1カップル

1冊丸ごと表題作です。

有佐家には、真子、克、裕真という姉兄弟がいて、末っ子の裕真(受け)が主人公です。克が行方不明になってしまい、会社をを辞めて実家の和菓子屋の仕事を手伝います。顧客の開拓中に、茶道教室を営む唐木(攻め)と出会いますが…という内容です。

主人公の裕真が良いです。
結局、唐木にも偉介にも、克の行方は知らないと嘘をつかれていたのに、その辺は余り尾を引きません。唐木には嫉…

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その親友と、恋人と。 小説

渡海奈穂  北上れん 

価値観の違いを分かり合う

1冊丸ごと表題作です。
朝日奈(受け)の目線でストーリーは進んでいきます。

朝日奈が通う「バーMISAKI」のバーテンダーのリサを、家族や友人に黙って地元から出て行ったことに腹を立てた湯上(攻め)が、連れ戻そうとやってくることから始まります。

最初はリサ(本名・杉吾)や朝日奈の性癖や考えが分からない湯上に、朝日奈は怒ったり傷ついたりしますが、価値観の違いを理解しあったり、悪い方に自己…

4

厄介と可愛げ 小説

渡海奈穂  橋本あおい 

主人公がイイ!

表題作と続編、中編2作品が収録されています。どちらも加辺(受け)の目線で進んでいきます。

「厄介と可愛げ」で二人は譲をかわして恋人同士になり、「恋と追跡」では譲と脇田(瀬ヶ崎の元彼氏)の攻撃をかわして将来的には結婚することになります。

序盤部分で、「友人」の名前が出てこないのに、あれ?と思っていたのですが、その理由が途中で分かり、思わずうなりました。加辺と瀬ヶ崎、それぞれが譲に留守電メ…

1

正しい恋の悩み方 小説

渡海奈穂  佐々木久美子 

「長年の夢だから」

1冊丸ごと表題作です。
友人から恋人への物語としては、比較的王道です。
尾崎(攻め)はカズイ(受け)を6年間思い続けています。だけど、友人としてでも傍にいたいから女の子と付き合ったり努力します。けれど、あるとき想いがあふれてキスをしてしまい、バレてしまいます…。

しかし、好かれるカズイのキャラが一癖あります。尾崎を拳で殴って友人にもどれと命令するような暴君です。一度寝れば尾崎もスッキリす…

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おうちのひみつ 小説

渡海奈穂  六路黒 

読むのに疲れた

『おうちのひみつ』、その1年前の『おさかなを食べる日』、本編から6年後の『蜜月』が収録されています。
執着&ヤンデレ具合がスゴイらしいと聞いて、購入。
ガチ兄弟ものでした。
お話も面白いし、文章も読みやすい。
そして、登場人物もキャラが立ってる。
申し分ない作品なのですが、なんだか私にはダメでした。
すごく読みにくかった。
文章の構成の問題なんだと思います。
つまり、視点が…

5

甘えたがりで意地っ張り 小説

渡海奈穂  三池ろむこ 

テーマはキャラ変?

最近、BL小説を手当たり次第に読んで、①受視点のみの作品:5割、②攻視点のみの作品:2割、③章・節・段落単位で両方の視点が切り替わる作品:3割、という感じかなーとわかってきました(自分調べ)。で、このタイプ③で面白い作品はとても少ない(これも自分調べ)。上手い作家さんでないと、どっちにも感情移入できなかったり、感情面で早々にネタばれしてそれが絶妙な焦れったさを通り越して単にイライラしながら読む羽目…

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兄弟とは名ばかりの 小説

渡海奈穂  木下けい子 

家族思いの優しい兄弟

同じ高校の同級生でありながら両親の再婚で突然兄弟になってしまった稜と伊沙。
普通に生活していたら仲良くなれない生真面目な優等生と怠惰な遅刻常習者という正反対の二人ですが、それぞれ片親で育った経験からお互いに理解しあえる一面ももっています。

ただ、なんでも我慢してしまう稜と誰とでも気さくでオープン伊沙という全く違う感情表現のふたりゆえに、なかなか素直になれません。
そんな二人が徐々に相手を…

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