ボタンを押すと即立ち読みできます!
まず最初に、私はこれすごく好きです。渡海さんでいちばん好きかも知れないと思うほど。
『年の差(年上攻)』しかも『先生×高校生』と言うのは、私が断トツで好きなシチュエーションなんですよ。
いうまでもなく王道中の王道設定ですから数はかなり多いんですが、好きだからこそ期待値が上がり過ぎるのか、読んでみると『・・・う~ん』と言うこともよくあるんです。というよりそれが大半かもしれないですね。
王道で作品数が多いからこそ、いうなれば『出尽くしてる』んですよね。
だからこれももう読まないでおこうかと悩んだんですが(渡海さんで『今ひとつ』と私が感じるものが続いたせいもあります。一時はもう新作はやめようとさえ思ったほど)、悩んだ結果読んでよかったです!
もともと渡海さんは好きなんですが、先にも書いたように、正直なところ最近はどうも微妙・・・と感じることが多かったんですよ。でもこれを読んで、私は(極めて!もうホントに極めて個人的に、ですが) もうすっごい満たされました。『あ~、やっとキター!』と叫びそうになった。我ながらどんだけだ、と思います。
そして、渡海さんの他の作品の評価やレビューも見直して、たぶん私が渡海さんに求めるものが、他の方々とは徹底的に違うんだな、ということにいまさら気付いたような気がします。いえ、うすうす感じてはいましたが。
さて本題です。『先生はダメな人』というタイトルですが、私はこの先生・篠原(攻)は、『ダメ』と言うより『ヘン』な人だな、と思いました。あるいは『不思議ちゃん』?
でも、最低限現実にも適応できてますし(教員の仕事も)、我慢してでもなんでも、必要なことはちゃんとできてる人でしたよ。ただ、大変にわかりにくい・めんどくさい人なのは間違いないですけどね。
だからと言って、私も篠原が『ダメじゃない』とは思っていませんが、この『ダメ』さは私は別に大丈夫だなあ、ということです。BLの攻キャラクターとして好みのタイプかと言われれば、決してそんなことはないんですが、私の大キライな『俺様・傲慢攻』に比べれば、むしろ好きですよ。
まあ、同じ『ダメ男』のカテゴリーに入るにしても、『自己中で自分勝手な酷いヤツ』より『呆れるほど情けないヤツ』の方がよっぽど好みですしね。
この篠原は、ものすごく(あくまでも私の好きな傾向の)渡海さんらしい、らし過ぎるくらいのキャラクターだなあ、と思いました。作家として『売れっ子』じゃないところがまたそれらしい。
そして千裕(受)も、BLの高校生(受)キャラクターでは、私のかなり好きなタイプです。でもそれとは別に、千裕の感じる息苦しさ(?)のようなものが、手に取るようにわかってしまって、妙に共感を覚えました。なんか他人じゃないみたいな感じでしたね。
淡々とした日常の地味な、また不思議で可愛い雰囲気のストーリーなんですが、それだけではなかったです。渡海さんの、ほのぼのしてそうで実は結構陰性の(と言ってしまうとあんまりかもしれませんが)キャラクターが織りなすストーリーがすごく好きなんです。
結論として、私はすごくよかったと思いましたが、正直オススメかと訊かれればちょっと考えます。そんな感じです。
まあでも、とにかく非常に私好みの作品でしたね。
一緒にバケツの水を被ったり、"先生"が同じ高校の卒業生で、貸してくれた制服からは当時高校生だったのに煙草の匂いがしたり。ところどころくすっとしつつ制服の貸借りなんかは男同士だからという感じが心地よくて。お茶が趣味だったりお互い黙っていても気にしないだろうなあとか、ひとつひとつ知っていく先生に、始めローテンション×ローテンションだと思っていた千裕(生徒)の赤面だったり声を荒げたり反応してしまったり(!?)が見れました。
「どこまで赤くなるのか試そうとしているのかもしれない。最初のあの日、花壇でまじまじと花の造りを見ていたみたいな、わけのわからない好奇心を抱いて。」にはハッとさせられました。(伏線でもなんでもないとは思いますが)そこに繋がるのか…!と。
相手は先生だけど授業を受けている描写がなかったり、つき合い始めがさらっとしていたりと予想外!
「まあ一応、客が来るんで」って千裕のためにモップがけしている篠原先生が微笑ましい。笑 し、その後の映画を観る件もよかったです。手持ち無沙汰になると構ってくれる先生。
勇気を出してごはん作ろうかと言った千裕に「ーーマジですか?」とか、ね。そしてその後の"火の通ってない食べ物"どんだけ嫌いなんだよ!!笑 とツッコミたくなる好き嫌い。なんだかんだしてあげたくなるような先生は拗ねてふたりに慰められる様子も可愛かった。
家政婦になりかけている千裕は切なくギュンギュンしつつ、仕事いつ終わるのに対し俺が聞きたいとか返す先生は変わらず(笑いました)、その時偶然目にしたこの作品のタイトル、『先生はダメな人』にアーッ!!と。やっと、理解しました。丁度その時読んでいた先生、本当笑っちゃうくらいダメな人で。家に来て鉢合わせた千裕に対し最初「どうも」、間を設けて「相谷(千裕)か」って。御前の彼氏だろwww気付けwww状態でした。(すみません)
千裕が、自分に好意を寄せている女の子を見た時、俺も篠原先生の前でこんな感じなのかなって胸を痛めていて、こちらまで胸が痛かった。期待して、純粋に会いに行けたあの頃を遠く感じて。
でも、会えないよりしんどいことって、ないんじゃないの。この千裕の想いにはきっと、解る人は大きく頷かれると思います。
で、ですね!寝ている先生に千裕が「……浮気してごめん」と呟いた瞬間
「……は?」
「え、先生、起きて」
「何それ」
「浮気って何」
この件よかった〜!;;(拍手) そして裏切らずその後の展開には笑いました。
先生…。
因みに一番驚いたのは先生の名前。
ふたりが幸せそうで、心から嬉しいです。最後まで面白かった〜。
(元卒業生の臨時)教師×生徒の組み合わせは数あれど、ありそうでなかった味付けがツボにハマり、あ〜〜!なんだこれは…これは絶対に好きなやつだ〜!と思いながら終始楽しんで読めた1冊。
何気ない会話がすごく良かったなあ。
教師と生徒の組み合わせといえば、微かな後ろめたさだとか、禁断のなんて言葉が似合いそうなものですが、こちらの作品にはあまりそういった言葉は当てはまらない不思議。
するする〜っと入って来て、独特のリズムでぽつぽつ進み、気が付けば篠原と千裕が自然と作り出す緩やかなでちょっぴりむず痒い雰囲気に心地良くなってしまうんです。
万人受けするかは分からない。でも私は好き。
青春ものほど甘酸っぱくもなく、劇的な何かがあるわけでもないのだけれど、なんとも言えない魅力がある作品でした。
高校生の目で見れば大人にあたる年齢であっても、いざ自分が大人だと思っていたその年齢になってみると実際はたいしたことがなかったり、まあこんなもんかと思ったりしたことはありませんか?
タイトル通り、高校生の千裕視点で見る先生こと篠原はダメな人なのかもしれません。
ところが、読み手視点だと篠原はちょっと…いえ、やや独特な感性を持っただけの、ほどよく大人過ぎない20代半ばの男性にしか見えないのが面白くって。
初めての大人とのお付き合いについてもやもやと思い悩む千裕には申し訳ないのですが、次第に大人だと思っていた篠原のそんなに大人じゃない部分がどんどん見えてくる度に楽しくなっちゃうんですよ。
独自の世界観を持った篠原の生態はパクチー的と言いますか、好悪が分かれそうなものだと思うのです。
なんだろうな…アンニュイ+微ジャイアン…?
だというのに、なぜか嫌な気持ちにはなれず「分かりにくいけどこういう人なんだからまあしょうがないよね」と許せてしまうし、しまいには分かりにくさとダメさにかわいげを感じるマジックにかけられました。
煙草の匂いが染み付いた社会科教官室で一緒に昼食を食べたり、お茶を飲んだり、お菓子を食べたり、寝顔を眺めてみたり。
そこまで接点のなかった変わり者の教師と同世代に馴染めていなかった生徒が、ひょんなことから2人だけが知る居心地の良い時間を過ごすようになる。
燃え上がるような派手さとは真逆の恋です。ただそれがすごく良かった。
受け視点をじっくり楽しんだ後の攻め視点がこれまた楽しくて、最後までツボにハマってくれる1冊でした。
ララ子さんのイラストだった為購入しました
先生と生徒はそんなに好きなジャンルがではないのですが
今回のは非常によかった
先生がダメな人ではないと思いました
が、想像力というか独特の世界観がある
人なのだと思います
そりゃひかれてしまうでしょうけれど
好き嫌いは大きくわかれるタイプの人種だと思いました
生徒はなぜそんなに先生が好きなのだろうと
思うほど好きです
女性を怖く思ったり逃げたりしてるので
ちょっと遅めの思春期なのかもしれない
くらいな気持ちでよみました
ちょっと生徒がか弱すぎるのが
ひっかかったりもしましたが
アンニュイな先生とそこは相性がよく
2人でいる世界は読んでいるこちらまで
心地よかったです
イラストが好きで買ってしまったので
ララ子さんが描いている幼少期おもかげ全開の
男の子のイメージが脳内で
形成されすぎちゃったせいもあるかも
うまくまとまってませんが
とても面白かったです
この本をきっかけに渡海さんの
本を進んで購入するようになりました
かなり分かりずらい作品に入るのではないかな。
高校生の受け様が臨時採用の先生との交流から
好きになって行く様子を受け様目線で綴っているお話。
高校2年の受け様は今どきの学生にしてはどこかテンションが
低め、クラスの仲良しテンションになんだか違うと感じながら
過ごしてるのですが、ある日上級生の女の子たちから
からかわれるのが嫌で逃げていた時にとっさに出た先で
攻め様と遭遇してから、普通の教師とは違う攻め様に
何気なく興味をもってしまいます。
チョットしたトラブルで汚してしまった制服の代わりを
たまたま卒業生だった攻め様に貸してもらった事を
キッカケに攻め様の教科準備室で昼食を一緒にするように。
受け様は自分の周りにはいないタイプの攻め様と
一緒にいることに居心地の良さを感じ始め
いつしか好きだと自覚するようになります。
そんな時に臨採の期間が終わり学校で会えなくなる
事になって思わず攻め様の前で泣いてしまう。
攻め様から外で付き合えばいいと言われ同意。
でもこの時も特に好きだからとか前振りも無しで
学校が無理なら自分の家で会えばいいとかなり簡単に
淡々と決まっちゃうんですよね。
ダメな先生と言うよりはかなり分かりづらい変人部類です。
他人を観察するのが好きで、でも自分は人との接触は嫌。
パーソナルスペースがかなり狭い人なんですよね。
そんな攻め様が初めて傍にいてもいいと思ったのが
受け様なんですが、そんな事受け様が理解出来る訳もなく
初めは先生に会えるだけで嬉しくなっていたのに
先生の仕事で(実は作家)家にいるのに全然話も出来ない
状況に寂しさと不安でグルグルしてる受け様は
かなりお気の毒でした。
好きの一言も無く、来たいならくればいい。
ダメなら来なくてもいいし、なんて感じですもの
受け様にしたら付き合ってるなんて思えない状況です。
感情を簡潔に言っているようで実際は気持ちを
言葉にして話す事が苦手な攻め様でしたね。
後半まで感情のやり取りが無いままに受け様の
感情の揺れと思いだけで進みます。
こんな攻め様を好きになってしまった受け様は
今後、精神的に早く大人になってしまうのではと
思えるお話でした。
「先生は思ったよりさらにダメな人」は攻め様目線です。
本編でかなり分かりにくいキャラの攻め様の考えや
気持ちがわかるお話です。
まぁ、読んでも理解しにくいお人認定なんですけどね。
気長に読んで欲しい1冊です。