憑き物ごと愛してよ

tsukimono goto aishiteyo

憑き物ごと愛してよ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神27
  • 萌×211
  • 萌11
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
212
評価数
49
平均
4.3 / 5
神率
55.1%
著者
渡海奈穂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010378

あらすじ

僕の中に巣喰う化け物を殺してくれ――
特殊な一族の青年と魔物退治を生業とする男の、
運命の恋!!

僕の身体に巣喰う、強大な憑き物を
祓ってほしい――18歳になったら憑き物の
花嫁として孕まされ、殺される運命を
背負う温(ゆたか)。並みの術師では太刀打ち
できず、一縷の望みで最後に縋ったのは、
最強の憑き物落とし・陸海(くがみ)。
「たとえ1億積まれても、俺は助けない」
冷たく拒絶する陸海の元に、諦めず
通い詰める日々。ついに根負けした陸海は、
「このままじゃ寝覚めが悪い」と
渋々引き受けてくれて!?

表題作憑き物ごと愛してよ

陸海与志等,25歳,「憑き物」を祓う祓い屋
古久喜温,17歳,古久喜家の12代目の当主

同時収録作品憑き物ごと愛してよ

奥(仮称)、古久喜家二代目が招き入れた憑き物
古久喜温,17歳,古久喜家の12代目の当主

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

引き込まれるストーリー展開、そして萌えも滾る。

渡海さんの新刊はファンタジーもの。
ファンタジーもの、と言うとちょっと語弊があるかな。オカルトな、といった方が正解か。ミドリノバエさんの描かれた表紙やタイトルにも興味を引かれ、発売を心待ちにしていました。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。







人にとりついた「憑き物」を払う祓い屋を生業としている陸海は、祓い屋として高い能力を持ち、そして己の信念に従って祓い屋をしている。そんなある日、祓い屋の能力を聞きつけたという一人の少年が彼のもとにやってくる。

若干17歳のその少年・温は憑き物を飼いならし、その力を使って巨額な富を得てきた古久喜家の12代目の当主だという。温が言うには、彼の中に憑き物が巣くっており、18歳の誕生日を迎えたら温はその憑き物に孕まされるのだという。

憑き物を自分の利益のために使役する人物を好まない陸海はその依頼をすげなく断るが、温は何度も訪ねて依頼してくる。温のため、ではなく、その憑き物を滅するために渋々温の依頼を受けることにするが―。

というお話。

序盤、温という少年が掴みどころがなくてですね。陸海と共に温に対して不信感を若干抱くんです。が、彼らがともに「憑き物祓い」を行うために行動を共にするようになると、そこから少しずつ温という青年の中身が見えてくる。そして陸海という青年の中身も。

彼らはともに「憑き物」の存在によって人生を狂わされてきた。二人とも過酷な過去持ちさんなのです。けれどそれに対抗する手段が、二人は異なる。
陸海は憑き物を払うことで。
そして温はー。

憑き物の存在によって陸海は人と関わることを避けて生きてきた。そんな彼が温と出会い、少しずつ変わっていく。

ベースとしてはシリアスでダークな内容です。そこに加わるのが憑き物が温に仕掛ける「とあること」。古久喜家に居ついている憑き物はとある理由から温を孕ませようとしていますが、その下準備として憑き物が温に仕掛ける行為がゲスいです。夜な夜な身体をまさぐり無理やり快楽を引き出させる。温にとって屈辱で自尊心を傷つけられる行為なのですが、それを助けるのが陸海さん。

憑き物によって乱される姿を、陸海に見られ、助けられる温の心情を慮るとなんとも切ない…。でもそれがまたエロティックなんですよ。背徳的な行為、ということもあるのですが、その憑き物を温から引き離そうとする陸海の「行為」がエロい。

この行為によって、より一層陸海と温の距離が縮まっていく。
お互いにダメだと思いつつ惹かれていく、その一端を担っており激萌えしました。

身体を憑き物に浸食された温が助かるすべはあるのか、とハラハラしつつ読み進めましたが、いや、そうきたかー!という結末を迎えます。個人的には凄く大団円な終わり方だな、と思いました。

なんて言うんですかね。
愛、があるんですよ、そこかしこに。切なくも、さまざまなカタチの愛が、ここにはありました。

キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良し。
めちゃめちゃ面白く、そして萌える作品でした。

11

続編お願いします!

いやぁ面白かったです。あっという間に読了しました。とにかく設定も秀逸ならば読後感も良かったです。
ひと月前に「御曹司は獣の王子に溺れる」を読んだんですが、そちらと同じくらいに面白かったです。

温という少年がとにかく不憫で健気で可哀想なんです。
そしてそんな温を初めは厭い憎みさえしてた陸海が、彼の本質を知るに付けて絆されて行く様子に萌えました。
陸海の憑き物よりそれを利用しようとする人間が嫌いな面も好きだと思ってしまいました。

温の生い立ちを知れば知るほど可哀想で、陸海と一緒に買い物に行く様子とか料理に挑戦して外の世界を楽しもうとする様子も面白かったんです。

また温の身の内に存在する憑き物が徐々に変わって行く様子にワクワクさえしました。

あとがきにその後の陸海とか温のこれからについて、渡海奈穂先生がつらつらと考えてるとあったので続編を是非お願いしたいです。

温の憑き物に自らの呪具で反撃された借金まみれのあの方がどうなったのかも気になるし、陸海と温のコンビで活躍してたら楽しそうだなとも思いました。

シリーズ化しても良いくらいの作品だと思います。

7

イラスト込みで完璧

好きな作家様なので例によってあらすじノーチェック。タイトルがトリッキーで、一体どんなお話だろうかとワクワクしながら読み始めたのですが…

さらさらと読めてしまう文章、物語の構成、BLで描くオカルト、そして敵対関係にある二人が体を繋ぐエロス。どれもがあまりにも完璧すぎて、読後「神」評価ってなんだっけ?としばらく意味飽和状態でした。

オカルトと書きましたけど、代々憑き物によって繁栄してきた古久喜家の禍々しい因習を断ち切るというのがストーリーの趣旨で、受け攻めを登場させる順番とか、各々のキャラ付け、視点の入れ替えによる描写が巧みなんですよね。最初、攻めは受けだと思っていたし、越阪部の使い方も上手いなぁと。

BLはハッピーエンドじゃなくてはならない掟?も、するりとかわす結末は素晴らしい…‼︎勧善懲悪はエンタメの中にだけ成立するカタルシス。この世に存在するもの全てに意味があるとするなら、たった一つが欠けても世界は崩壊してしまう。悪を排斥しない、逆に手懐けて一緒に愛してあげる。……BLの目指すところじゃないですか。ちなみに、最後にはちゃーんとラブ描写有りで、そこを外さないところも期待を裏切られず、なんだかホッとしました笑

夏にピッタリな、低体温系カプ。心をどこかに置いてきてしまった陸海が、イノセントな温に絆されていく様子が見ものです。中身は結構、熱い男たちのお話かも。

6

淫靡なホラーストーリー

夏だ、ホラーだ、悪霊退治だ!という気分の時にピッタリな作品。キャラ文庫のホラーBL大好きです。渡海さんのホラーも怖くて好きだし、スタイリッシュなミドリノエバさんのイラストも素敵。

ホラーBLってホラーストーリー重視でエロは事件解決後の最後におまけ的にってパターンが多く、ホラージャンル好きなのでそのタイプも好きですが、今作はエロ配分がストーリーに沿っていて序盤から淫靡な雰囲気なのが良いです。憑き物に内側から犯される若き当主(受け)と腕の良い憑き物祓い(攻め)だけど、彼も家族を全て失い心に傷を負っている…という設定も良かったです。

ラストも「祓ってお終い」という普通の悪霊退治ものとは少し変わった結末で意外でした。受けは17歳と若くて辛い状況で育ってきたにも関わらず、芯の強い気丈な性格で攻めに対して最初は強がっていたのにだんだん惹かれていってしまう様子に萌えました。

あとがきによると続編の構想もあるみたいなので出版されたら是非また読みたいと思います。

4

ラストは純愛かよ(///∇///)

何かの喩えじななく、本当に憑き物のお話。
2人の心情が切なくて、どうなるの〜と一気読みでした。


受け様は、17歳の温。
憑き物を飼っていた旧家の当主であり最期の1人。
取り憑いている憑き物を祓ってもらうために頼ったのが、攻め様である祓い屋の陸海。

大事な人を、憑き物やそれを使役する人間によって奪われた陸海。
身内により、贄のように当主にされ、飼い殺しのような生活を強いられてきた温。

憑き物に自ら関わってきた家系の温に対し、最初は冷たい態度だった陸海だけど、一緒に過ごす内に、本当の温の姿を知り、情がうつっていく。

受け攻め両視点で進むので、2人の変わっていく気持ちがよくわかり、とてもよかったです。

温の身の内にいる憑き物を祓うやり方が、とっても淫靡。
温に執着し、しがみつく憑き物を無理やり剥がすのではなくすいとるΣ(゚∀゚)
もちろん祓うためなんだけど、想像したらなんだか見ちゃいけないものを覗いてるような気がしちゃいます。

最後の強力な憑き物の対し、陸海は祓えるのか、どう決着をつけるのか、めっちゃドキドキしながら読み進めました。

別の祓い屋が横から手を出してきた時は、なんだこいつ〜〜って思わず憑き物の応援をしたくなり。
その後の陸海の慟哭。
こんな攻め様の姿が大好物なので、萌えマックスですσ(≧ω≦*)

祓うためじゃなく、ただ純粋に愛しいという気持ちでの愛の行為。
まさか陸海の口から"純愛"なんて言葉が出るとは( 〃▽〃)


イラストはミドリノエバ先生。
お話にぴったりの分があるイラスト。
特にラストのえちシーンでの陸海が、大人の男の色気がダダモレの表情で、めっちゃ萌えました(///ω///)♪

4

滾って、泣けて、唸った

護摩業とかやられて苦しくて憑き物が体から滲み出ちゃったりする時の人の悶える様ってエロいと思っちゃうんですよ、私は。
薄暗い屋敷で衣擦れの音がした後に御簾から女人の長い髪が少しばかりはみ出したりするのとか、めっちゃくちゃエロいと思っちゃって鼻息が荒くなるのですよ、私は。

そう、渡海さんがこの本のあとがきに「淫靡な話という風情にしたかった」と書かれておりますが、私が滾るのはまさに『それ』!温の、いや、ひょっとすると温に憑いている『何か恐ろしいもの』の淫靡さに私はノックアウトされてしまいました。

ところが同時にこの温は本当にいじらしいのですよ。
世を儚んだり、自らの運命を恨んだりして当然なのに、ほんの少しだけ自分に優しくしてくれた人たちの想い出から「自分は人間が好きだ」と言ったりします。
憑き物の依り代としてしか育てられなかった彼は、ちゃんとした教育を受けていません。知識というノイズがない分だけ余計、純に見えちゃうのよ。
そんなシーンがある度に涙ぐんじゃったりして。

とんでもなく強い祓い屋の陸海(『陸と海』なんて世界最強の名前じゃん)ですら手こずる憑き物。「どう解決するのか、下手なやり方で興ざめさせないでね」と思って読み進めましたが……なるほどねー、そう来たか。なかなか力技とも思いますが、確かに『最強であることは、世界を倦むことでもある』訳ですから、なんか納得しちゃうんですよ。

そしてね、何と言っても『物語の初めには受けを忌み嫌い軽蔑すらしていた攻め』が『受けの仮面の下にある傷つきやすい善良な心』に気づき『魔物を退治(この辺『退治』といっちゃって良いのか疑問ですが)する』というのは、古くから脈々と続いてきたロマンティックなおとぎ話ではないですか!

登場人物の名前の読み方が覚えられず、するする読めなかったことを差し引いても、べらぼうに萌え滾りました。

3

生まれた時から背負う災いから逃れる方法

今回は憑き物払いを家業とする祓い屋と
憑き物を飼い続けてきた家の最後の当主のお話です。 

憑き物を宿す受様が攻様との出会いで新たな関係を築くまで。

攻様は人に害をなす憑き物を祓う家に生まれます。

進んでやりたい仕事ではなくてもその力があり
成り行きで憑き物落としを繰り返してきた攻様は
一時期は会社勤めするものの今では
こちらが本業としています。

憑き物は人の負の感情や強い物欲や野心を餌にし、
その欲を満たす事で人の願いを叶えます。

そのため憑き物を利用して財を成したり、
地位を高める者もいますが、
彼らの欲で利用したつもりの憑き物に
呪われていく者が後を絶ちません。

攻様は様々な人々から依頼を受けますが
罪も過失もなく人についた憑き物落としのみで
人を呪って憑かれた者の依頼は決して受けません。

それは攻様も身内を憑き物絡みで亡くし
本音では憎い憑き物に関わらずに生きていきたい
と願っていたからです。

そんなある日、攻様は祓い屋仲間から
"とんでもない憑き物"の話をきかされます。

その憑き物とは300年の昔から
憑き物を飼い慣らしす事で利益を得てきた
古久喜家のモノで

憑き物が一族の者を喰らって生き続けた結果、
今では最後の1人となった現当主が
憑き物落としを願っているという依頼でした。

代価は古久喜家の全財産という触れ込みでも
めぼしい仲間はほとんどが手に余ると断り
多額の報酬で引き受けた者は皆亡くなっていて
そのうち攻様に依頼が来るだろうと言うのです

攻様はそんな依頼を受ける気はありませんでしたが
駅の改札口で聞き覚えの無い声に
呼び止められてしまうのです。

まだ成人していないだろうスーツ姿の青年は
正に先の祓い屋が告げた家の名を告げ、
この青年が今回の受様となります♪

攻様は受様に自死すればいいとまで言いますが
憑き物は古久喜家の最後の1人となった
受様の身に棲みつき事で受様を何をしても
死ねない体にしていたのです。

攻様は躊躇なく刃物を首に当てた受様を
放っておく事ができずに依頼を受けることにします。

果たして攻様は憑き物を落とす事ができるのか!?

最強の早いやと呼ばれる攻様と
憑き物を飼う一族の最後の1人となった受様の
ダークホラーファンタジーにります♪

渡海先生のファンタジーは
人と対峙する存在のとらえ方が独特で
いつも私の予想とは斜め上な展開が待っていて
毎回ワクワクで手にしている1冊です。

今回はあらすじが受視点だったので
古くからの因習で人外の存在に囚われた薄幸な受様が
攻様との出会いで救われる感じかな!? と
思って読み始めたのですが

受様が攻様によって救いをもたらされる展開は
鉄板な王道展開ではあるものの
受様の憑き物の最後はそうくるのか!? と
まさにびっくりな結末でした (^O^)/

憑き物の化け物設定なのでその想いは判りませんが
受様が攻様と関わる事で受様自身とともに
受様に憑いたの憑き物も徐々に変化していくのが
とても面白かったです。

この結末は王道なパピエンではありませんが
この選択は2人にとって最良になるかは
2人の未来に託されています。

これからの2人には
それぞれ沢山の初めてがあると思われますが
互いの手を離さず新たな道を進んで欲しいです。

2

憑き物をどう扱う?

2021年刊。
実は数か月前に読んだ渡海さんのファンタジー作品が面白かった(*女の子が主人公の非BLですが)ので、今回の新刊は何気に期待を寄せていた。
今回はファンタジー、というよりも除霊ものだけどね。

しかし、
陸海 与志等(くがみ よしひと)、古久喜 温(こぐき ゆたか)、越阪部(おさかべ)、更に僅かしか顔出ししない脇役の東間(あずま)、志菜(ゆきな)と難しい名前のオンパレードだね。
ちょっと登場人物の名付けに凝りすぎじゃね?…なんて思ってしまった。

同業者内でも異彩を放つ凄腕の憑き物祓い・陸海と、体内の憑き物を祓ってほしいほしいとしつこく依頼してくる温。
陸海が抱く温の第一印象は最悪なものだったに違いない。
温が自分を放っておけば他人を巻き添えにするばかりだと淡々と告げる様子は脅しっぽくて好きになれないし、憑き物を憎んでいる陸海から見て嫌悪感しか抱けないだろうってのも無理はない。
最初のうちは望まずとも体内で憑き物の共存を許しているとなれば、そりゃ図太いわな、としか思えないのだ。

温自身が背負っている境遇ってのは読み進めていくにつれ見えてくるのだが…
陸海が温の気持ちを汲み取ってお互いが絆されていき、読み手側にも情が湧いてくるのが残り1/3に迫る辺りでやっとって状態とは何てこったい!?

ちなみに、この話は『憑き物をどう扱う?』ってのが肝かなと思ったのだけどね。
作中の憑き物には"名前を付けるべからず"と言われているのだが、自分は読んでいてまず"疫病神"って呼び名が閃いてしまった。
まぁそれ以上に業の深い存在だった訳だが。
よくある除霊ファンタジーだと、古久喜家のような憑き物を悪用する側もそれなりの術者(遣い手)だったりするのに、ずっと丸腰で為す術もなかったというのも不思議ではある。

憑き物と陸海の力バランスが釣り合っていたのか、相性が噛み合ったのか。
温が『手懐けた』っていうのも何だか違うし。
ただ、読み終わった後は憑き物への印象が180°変わってしまったのには自分でもびっくりだ。

3

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