柏枝真郷さんのレビュー一覧

硝子の街にて(15) 転 WALLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

ミステリーと童話

小学校で銃乱射事件が起きるという、日本ではちょっと有り得ない事件が題材になっています。
でも、海外では実際に起こっている事件なんですよね。
こういうお話を読むと、やっぱり日本との違いを実感するというか。

しかし日本との違いが悪いばかりじゃないと思える回です。
作者さんは、自分が書く小説は子供の頃に読んだミステリーや童話がツールになっていると言ってるのですが、それが正しくその通りだなあと…

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硝子の街にて(14) 塵 WINDROW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

可愛い嫉妬

ちょっとというか、結構重くて鬱になりそうなエピソードもあるお話なのですが、同時にかわいらしいエピソードもいっぱいある作品です。

シドニーは今回、軍隊にいたころの同僚の葬式に出るためニューヨークを離れます。
戦争の身体に見える後遺症に苦しむ人もいれば、シドニーのように目に見えない傷に苦しむ人もいる。
同僚の、後遺症からくる死を知って呆然となるシドニーを伸行がただ抱きしめるシーンがありますが…

1

硝子の街にて 13 黄 YELLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

少し日常に戻れる巻

前回がけっこう重めの話だったので閑話的な回になっているような巻。
重たい展開がずっと続いていたので、なんだか最初の1巻~4巻くらいに戻った感じでこのくらいが好きかも。

今回も伸行が仕事中に巻き込まれた事件と、シドニーが追っている事件が最後の方で繋がってきます。

見知らぬ子供の大学合格を祝ってあげたりとか、アメリカって感じの気さくさが伺えるシーンが好きです。内容はけっこうシリアスですが…

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硝子の街にて(12) 禁 DISALLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

辛いカップル

長い間隣人で幼なじみで、やっと恋人になったシドニーと伸行。
でも本当に相手に全てを打ち明けられるのはまだまだ先…というじれったいお話です。

シドニーが、まだ伸行に打ち明けられないことがたくさんあるからなのですが、今回はシドニーが伸行に行き先を告げすニューヨークを離れてしまいます。
以前に伸行がシドニーに黙って日本に帰ってしまった時の逆バージョンですね。

久々に2人の別々の視点でお話…

2

硝子の街にて(11) 矢 ARROW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

なんだかもやもやとした回

重い内容の作品よりは明るく軽い作品のほうが読みたい、と普段から思っていますが、これはこうなると知っていて読んだわけでなく、途中から思いがけなく重くなってきた…という感じの作品です。

最初は友情が愛情へと変わる純真でほのぼのしたお話だったのが、今ではニュースで飛び交う世界情勢の悪化から、これから戦争が起こるかも…などという世界的懸念が絡んでいます。

恋愛のドロドロやシリアスでなくて、社会…

1

硝子の街にて(10) 烏 CROW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

近くなるほど遠くなる

最初は可愛くてピュアなラブストーリーという感じだったのが、巻を重ねて結び付きが強くなるほどせつなくて苦しいラブストーリーになっていってる…感じがします。

この巻数まできていっきにシリアス度を増したような。
片思いだった最初らへんのほうが安心して読めたなあ。両思いになった途端にこんな苦しいカップルってあるんでしょうか。

10年以上の片思いをやっと実らせたのに、ようやく恋人になったのに、…

3

硝子の街にて(9) 渦 BILLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

友情物語からラブストーリーへ

前巻まであんなに純情な友人同士を見せられていたのに、両思いになってからは普通のカップル以上にキスばかりしている2人。
幸せそうで可愛いです。

でもキスと言っても頬だったり額だったり、ディープな関係にはなかなかなりません。可愛いけどじれったいです。

ようやく恋人になったのに、一緒の部屋で寝たいと言っても伸行はシドニーにやんわりと拒否されます。
伸行のせいでなくシドニーの問題だと説明さ…

3

硝子の街にて(1) 窓 WINDOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

苦しさの余韻が堪らなく良い

一巻は'96年発行の、ながーいながーいシリーズ物です。
わたしは柏枝さんの他の作品が好きで読んだのですが、エロほぼ無し(Whiteheart文庫だしね)のまま進むというこちらのシリーズにとうとう手を出してしまいました…
わたしがエロ無しなんて!読み切れるのか?という心配もございましたよ、最初は。
もう昨今のエロ当たり前という作品(好きです)に慣れていましたので。
でも柏枝さんの作…

5

硝子の街にて(8) 宵 AFTERGLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

世界で一番大好きな友達

この2人が大好きで大好きで可愛くて仕方ない。2人とも20代の後半なのに、少年のような恋をしているのが、すごくきゅんとなってせつなくて何とも表せない気持ちになります。

すでに完結している作品ですが、途中何度も、最後まで早く読みたいけどまだ読み終わりたくない!って気持ちになりました。
お話がすごく面白い!て感じではなく、人によってはなかなか進展しないお話を退屈に感じるかも・・・。内容も、毎回刑…

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硝子の街にて(7) 燕 SWALLOW 小説

柏枝真郷  茶屋町勝呂 

故郷はどこ?

自分はいったい何物か?という、前回の悩みを引きずったまま、日本に戻ってきた伸行サイドのお話と、今回初めてシドニー視点でお話が交互に進んでいきます。

NYで不法滞在の日本人に会い、アメリカ国籍を持ってるのに日本人にもアメリカ人にもなりきれていないと感じた伸行。
自分は何をしたいのか、これからどうなりたいのか、その折り合いをつけるため、二度と戻ることはないと思っていた日本へ帰国します。
根を…

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