木原音瀬さんのレビュー一覧

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

リアルな現実を突きつけられるような気がした

中学生の路彦をとりまく「いじめ」の環境がリアルだなと思った。
今の義務教育の現場で普通にある話なんじゃないかと思うと憂鬱になる。
「あんたみたいな大人がいる限り、何人も子供が死ぬよ」路彦の言葉がすごく印象的だった。
じゃあ、どうしたら良いんだ・・・というところは、するっと流して話は違う方向へ。
信二が死んでしまったと思っていた路彦だったけど実際は助かっていて二人はまた出会い交流が始まるあた…

1

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

再生の物語

最終巻「COLD FEVER」いきなり、透の記憶が戻ったところからスタートです。
記憶喪失になり記憶が戻ると記憶を失っていた間の記憶はまたまた失われるらしいですね。
人の脳って不思議。
透も例に漏れず・・・事故を起こした時間に戻ってしまいます。
目を背けたくなるような狂気と暴力。
そんな中から再生するふたり。
最後にふたりで出かけた海で、藤島がたった1枚残っていた記憶を失っていた頃の透…

2

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

破局が見える展開

「COLD LIGHT」は、藤島視点です。
ここで驚愕の過去が明かされます。
藤島の出生の秘密。藤島と母親との関係。そして、藤島と透の出会い。裏切り。
もう、ちょっとやそっとじゃ修復できない。
そんな事情があり、藤島は透と距離をとった態度でいるのですが、記憶喪失の透は、今の自分を好きになって欲しい、愛して欲しいと迫ります。
結局、それに根負けする形で藤島は透を受け入れます。
つかの間の…

0

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

なかなかCOLDの世界に入っていけなかった

今更ですが・・・。
「頭の隅々まで掃除機をかけたら、こんな感じになるんじゃないか」高久透、彼はどうやら交通事故で大怪我をして記憶もなくしてしまったらしい・・・。
外傷が完治して退院した後、彼の友人である藤島啓志のマンションで暮らすことになります。
「COLD SLEEP」は、ここから始まるのですが、とにかく最初がとってもわかりづらい。
記憶喪失になった透の視点でお話が進むのでわからなくて当…

2

美しいこと(文庫版) 小説

木原音瀬 

BLを一般文庫化する難しさを考える

「箱の中」に続いて一般文庫版の第二弾。
ノベルズ版を若干改稿して、『愛しいこと』の収録のない純粋に『美しいこと』だけの収録。
比較をしましたが、改稿といっても内容を削ったり省略したりという部分はなく、時間だったり微量の言葉の修正のみで、ほとんど変わりはありませんでした。
(ひょっとして携帯のやりとりがスマホに?とか思ったけどwそんなにすごく古い作品でもないですもんね)

前作の時、初の一…

15

キャッスルマンゴー 2 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

リバーズエンドを読みたくなる

(リバーズエンド読んでません)
1巻と2巻を一気に読みたかったのですが、
なかなか時間がなくてちょっと間が空いて読んだのですが、
私の中で1巻がものすごい大ヒットだったので、
あれ?それほど2巻で盛り上がらないぞ?
と思ってしまいました。

あと、お互いに色々あるのはわかるけど、
意地を張りすぎではないかと思ってしまいます。
もどかしいのは好きなのですが、なんだかだれてしまったよ…

3

ROSE GARDEN -ローズガーデン(1) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

天使と悪魔と人間。その違いはどこにあるのか?

読む前はファンタジー好きだし、読みやすいかな~と軽い気分で手に取ったのですが、とても心に残る作品でした。個人的に2冊セットで(特に2巻が)神の中の神です。挿絵もとても綺麗で幻想的な異国の世界にぴったりで、好きです。

--(以下ネタバレと感想が含まれます)--
1巻は主にウォーレンの過去とカイルとの出会いの話です。

祖母とケンカをした男の子スネアは、魔物が住んでいるという森に飛び込んで…

5

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

上下まとめての感想です

木原さんの作品なのに、これは痛くない!
そう思ってしまう私は立派な木原ジャンキーかもしれません。
辛いだけのお話ではなく、くすっと笑えたりほっこりする箇所もある。
そういった意味では、「こどもの瞳」「薔薇色の人生」なんかとひと括りにしたいなと。

中2の路彦は、同級生から夜の公園で激しい暴行を受けているところを、4つ年上のチンピラの信二に助けられる。
そんな出会いから10年間にわたる二…

9

夜をわたる月の船 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

どし-ん…

木原さんの作品を読むぞ。読む。読むんだからね。と覚悟して読み始め、ものの5ページで決心は挫けそうになりました。体調も万全だったのに。
約1年半振りに読む木原作品ってのもあると思う。
いくら覚悟はしてても、そうだ、こういう感じだわよ。と、忘れてる部分も多かったですもの。
パンチが重くて、喰らったときにも相当な衝撃があるのに、あとからまたじわじわボディブローのように効いてきて、どうしようもないで…

10

ROSE GARDEN -ローズガーデン(2) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

1,2まとめての感想です

たまたまでしょうが、木原作品の英語のタイトルの作品は、苦手だと気づきました。
この天使は・・・いや、正直参りましたよ。
木原さんお馴染みの、好きになれる要素皆無のキャラが、この天使カイルなんだもの。
ここまで傲慢で利己的で甘え腐ったカイルのいったいぜんたいどこがいいのさーウォーレン!という自分の叫びも、また毎度お馴染み。
でも、叫びながらもどこかうっとりしてる自分が怖い。
真っ向からのフ…

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