木原音瀬さんのレビュー一覧

こどもの瞳 小説

木原音瀬  街子マドカ 

ものすごく不完全燃焼

 妻を病気で亡くしてから、二年。
 柏原岬は、小学生である自分の子どもと、二人で慎ましく生活をしていた。
 高卒で自動車工場に勤める岬は、収入は少ないけれど、仕事の仲間に恵まれ、何とか生活をしていた。
 そんな岬の元に、突然、生き別れになっていた兄・仁の会社の人間が現れた。
 彼らは、兄が記憶喪失になったと言い、岬の名前を呼んでいるので会いに来て欲しいと言うが、二年前、病気の妻に手術を受け…

6

牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

再読して

ちょっと癇癪持ちで我儘な年下の坊ちゃんの亮一郎(攻め)
亮一郎を大切に思っている穏やかで優しい口がきけない使用人の徳馬(受け)。
二人の関係が、とても可愛らしく読んでいて楽しかったです。現代物ではないのですが、文章も読みやすく楽しく読めました。

序盤は、攻めがお金持ちの坊ちゃんという雰囲気がありありとしていて、自分の側にいつも徳馬を置いて、我儘言ったりして徳馬に甘えて頼ってる感じが、子ど…

5

片思い 小説

木原音瀬  伊東七つ生 

犬と猫、4人4様

比較的新しく腐の世界に入った身には、絶版の新装版は特に関連性のある作品が、とてつもなく分厚くなってしまったとしても一気に見られることは嬉しい。
旧版は桑原さんがイラストだったが、端正な絵柄で目を引く伊東七つ生さんのスタイリッシュなイラストになって今によみがえるのも新鮮です。
ただ、同時収録でそちらの方が評価が高かった作品はどうなるのか?ちょっと心残りもありながら・・・

【片思い】
猪突…

7

キャッスルマンゴー 2 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

びっくりした

こちらの本、発売日に買って読むのを楽しみにしてたのに、すっかり忘れて本棚の奥に眠ってました。
昨日発掘した時の驚きと後悔ったらもうね(笑)


さくっと感想。
十亀も万も面倒くさいキャラクターで、非常にやきもきさせられました。分厚い本の最後の最後にやっとくっ付きますが、それまではずっとすれ違い。
頑固で意地っ張りな万にイライラしましたが、後半必死になっていく様子は可愛かったです。
十亀の過去を知っ…

2

パラスティック・ソウル -おわりの章- 小説

木原音瀬  カズアキ 

ぜひ最後まで読んで欲しい

次々と解き明かされていく謎・・・最後まで気の抜けない展開でしたが、はじまりの章の3話目あたりから最後が見えてしまった;;;
それでも、おわりの章、ボリュームたっぷりで最後まで楽しめました。
おわりの章も3つのお話が入っています。
最後にはBL的描写もありましたがこれくらいなら一般の方でも読めるんじゃないかな?
おわりの章なのでここで終わってくれる事を願いますが・・・まだ何か起こりそうなちょ…

4

パラスティック・ソウル -はじまりの章- 小説

木原音瀬  カズアキ 

願いの叶う薬がもたらすもの・・・

なんとも不思議な読後感です。
はじまりの章を読む限り、愛の物語だけれどBLとはちょっと違う感じがします。
ま、木原さん=BLというのも乱暴な話なのかも・・・。
物語は、ブロイルスというひとりの老人の死から始まります。
屋敷にブロイルスと一緒に暮らしていたと思われるビルア種のライヴァンはブロイルスの葬儀に参列した4人を「最後の晩餐」に招待し個人の形見分けとして「願いの叶う薬」を二粒ずつ渡しま…

2

リバーズエンド 小説

木原音瀬  小椋ムク 

過去と今

区分すると2つのお話入りかと思います。

1つは、十亀さんの「過去」のお話。
もう1つは、十亀さんと万の「今」のお話。

十亀さんの過去のお話は・・・
キャッスルマンゴーでの十亀さんの言動が、
こういう過去があったからだったんだ・・・と
よりキャッスルマンゴーを深く理解できる
お話となっていました。

そしてもう一つの「今」の方はというと、
やっぱり!万がイイ!!
キャッ…

2

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

生き抜くことができて良かった

ここまでやるかという、いつ誰が死んでもおかしくないような展開の中、誰も死ななかったのが奇跡。
敵対する相手(惣一)の甘さと運の悪さ、良太と路彦を助けた医療の素晴らしさに乾杯。
路彦は、中学生の頃がリアリティがあって弱さも狡さもうまく描かれていたけれど全て読み終えると信二にあそこまで傾くという部分において現実感がなかった。
物語は、路彦から始まったけれど路彦の目を借りて見た信二の物語だったよう…

2

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

リアルな現実を突きつけられるような気がした

中学生の路彦をとりまく「いじめ」の環境がリアルだなと思った。
今の義務教育の現場で普通にある話なんじゃないかと思うと憂鬱になる。
「あんたみたいな大人がいる限り、何人も子供が死ぬよ」路彦の言葉がすごく印象的だった。
じゃあ、どうしたら良いんだ・・・というところは、するっと流して話は違う方向へ。
信二が死んでしまったと思っていた路彦だったけど実際は助かっていて二人はまた出会い交流が始まるあた…

1

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

再生の物語

最終巻「COLD FEVER」いきなり、透の記憶が戻ったところからスタートです。
記憶喪失になり記憶が戻ると記憶を失っていた間の記憶はまたまた失われるらしいですね。
人の脳って不思議。
透も例に漏れず・・・事故を起こした時間に戻ってしまいます。
目を背けたくなるような狂気と暴力。
そんな中から再生するふたり。
最後にふたりで出かけた海で、藤島がたった1枚残っていた記憶を失っていた頃の透…

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