栗城偲さんのレビュー一覧

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

見られたくない人と見えない人

のっぺらぼう×中途失明者の青年。
14歳で失明し、21歳になった現在、コールセンターで働いている受け。職場でももてあまされ、公園で1人昼食をとっていると、風で狐面を飛ばされた男と遭遇する。
面を拾ってやったことにより、顔を隠すために始終狐面をかぶっている男・のっぺらぼうと、彼を奇異の目で見ない唯一の存在である受けとのぎこちない交流が始まる。そんな2人の昼休みだけのささやかな逢瀬は、受けの部屋で…

7

てのなるほうへ コミコミスタジオオリジナル特典書き下ろし小冊子 特典

本編の、その後の二人のお話です

コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける書き下ろし小冊子です。A4の紙3枚を真ん中で折ってつくられているA5サイズの大きさの小冊子です。本編と同じ表紙がプリントされているのでムクさんの描かれた可愛らしい表紙を大きく見ることができるのが嬉しい。また小説部分のページ数は7Pと枚数も多く読み応えがあります。

さて内容は、というと。すみません、ネタバレしてます。


時系列としては本編…

7

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

優しいお話でした

ムクさんの綺麗な表紙が気になっていたのですが、初読みの作家さまだったので購入を悩んだのですが、あらすじが面白そうだったこと、レビューが高評価だったことなどから手に取ってみました。

すごく良かった。トラウマもちが愛情に満たされ回復していく、というストーリーが好きなこともあるのですが、ツボにどんぴしゃなお話でした。

のっぺらぼうで、仲間の妖怪からも疎まれ孤独に生きてきた草枕。
14歳で視…

14

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

落ち着いて楽しませてくれる良作

も、もったいない…!
それにつきる。
設定も、イラストも、前半の流れも申し分ない萌成分で大変癒やされ、しかしページが進むごとに、ページが残り少なくなっていくごとに、頼むから急がないでくれ、ゆっくりとやってくれ!と不安がつのる。

もっと後半を丁寧に進めて欲しかった、という願望がここまで大きいのは、この作品を好きな気持ちも同じように大きいからです。
嫌いになりようがない成分で構成されていま…

5

上下の沙汰もネコ次第 初回限定特典書き下ろしショートストーリー 特典

猫のお話

こちらのおまけペーパーは、本編で登場した、涌谷の飼い猫シロとクロの、現実世界ではなくて猫の国でのお話。
猫の国に累が迷い込む前の、まだ、シロがクロに片想いしていた頃、クロがシロの思いに気づくどころか恋愛そのものすらわかっていなかった頃のお話。
クロがミントを避けるようになった、その理由が明らかにされます。
なんと言っても二人とも(二匹とも?人化しているからやっぱり二人でいいのか?)本性は動物…

0

上下の沙汰もネコ次第 小説

栗城偲  陵クミコ 

痴話喧嘩を食わないのはイヌですが

こちらは、上下の決着でもめる痴話喧嘩を、ネコに託して解決するお話です。
BLで、特にこの作品のように、ゲイの自覚のある子が、ノンケの幼なじみにずっと密かに片想いしていて、何かのきっかけでノンケだった子の方が、ゲイの子に思われているのに気づいて、そこから恋人関係になるお話は、受け攻めどちらが上下になるかですったもんだするのは定石ですが、こちらの作品では、その問題の解決に、猫の世界を登場させました。…

1

うちの子が可愛くて 小説

栗城偲  六芦かえで 

甘々ペット生活

可愛い(*´Δ`*)❤
なんかこう疲れてるときの糖分摂取用だわー。

社長の比護さんとペットのヒナちゃん…って書いたらどんないかがわしい関係だよ!ってか無理やりかっ?!と考えちゃいそうですが溺愛過保護な飼い主さまです。
あれです、溺愛過保護すぎてもはや主従関係逆転してんじゃね?ってレベルです。
尽くす攻め様です。
ヒナちゃん可愛いー。

ってか個人情報流出からのネット反響もっと詳し…

2

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

癒されます

作者買い。人外ものが苦手な私が内容も確認せずにネットにて購入してしまいました。
届いた本を見てびっくり!小椋先生のかわいい表紙を飾るのは、獣どころか妖怪です…マジか。
ダメだったら途中でやめてしまおうと、半ば投げやりに読みだしました。
ところが…すごくおもしろかったです。思いがけず一気読みしてしまいました。
攻めの草枕、受けの巽、どちらも周囲の人(妖怪)とは違う〝ふつうじゃない自分〟に、孤…

7

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

現代版のおとぎ話

いやぁ〜〜〜〜。よかった!
ものすごく好みのお話でした。

最近早い刊行スピードで作者さんの本が出版されていて、なんとか追いかけていますが、あまり好みのにぶち当たってなかったんですが……

これは、ツボでした。小椋ムクさんのイラストもぴったりだし。

のっぺらぼうって、どうなの!!! 

いけました! ほぼ視点が視覚障害者の巽なので、読んでいても周りが見えなくて、不思議な感じでし…

10

てのなるほうへ 小説

栗城偲  小椋ムク 

普遍的な愛の寓話

目の見えない受けと、顔のない攻め。
それぞれ別の意味で視覚的情報のない二人が、それ以外の感覚を頼りに心を通わせていく様がとても感動的な作品です。

江戸時代から生きる妖怪・草枕(攻め)は、顔のないのっぺらぼう。
ある日、意地悪な妖怪に鏡を渡されたことで、自身に顔がないことを知ってしまいます。
そのことで傷つき、周囲に気味悪がられぬよう他者と関わることも避けがちになってしまう彼は、とても真…

20
PAGE TOP