青石ももこさんのレビュー一覧

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

必要な時間

『ステノグラフィカ』『off you go 』と世界観が同じ作品。
時系列にいっても、最初の作品です。
攻め、受けの両方の視点が楽しめます。

受けの一束は香港からの帰国子女。
高校時代はクラスに馴染めず、旧校舎の空き教室が唯一息抜き出来る場所でした。
現在は29歳。
堪能な中国語を使い、香港で仕事をしている。

攻めの圭輔は高校時代は水泳部。
世話好きで気さくな性格。
旧校…

7

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

全てが愛おしい

一穂作品の中でも最も好きな一冊です。
やはり佐伯という人物の強烈な魅力が大きいですが、
文章や物語の構成も素晴らしい。


四十代半ばの幼なじみ男女三人。
根の深い三角関係の正体を、過去-現在をオーバーラップしながら徐々に解き明かし、ある一点で爆発してまた穏やかな日常に戻る…という構成に大変引き込まれます。

この繊細な物語世界を、
三人のうち最も鈍感でまとも(に見える)良時の視…

11

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

ハードルを上げすぎたかな

そろそろ新しい作家さんの作品も読んでみようかなとレビューで高評価だった一穂さんの作品に初めて挑戦してみました。
が、ちょっとがっかりです。
確かに言葉遣いも丁寧で書き込んでいらっしゃるんですが、それが周りくどくて私には合いませんでした。
高評価の作品だから面白いだろうという前提で読み出したからかもしれませんが、なかなか萌にいきつかず疲れて読むのが嫌になりそうでした。
違う作品も読んでみて無…

4

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

料理・ご隠居老人・心理描写が秀逸でした。

『ふきのとう、みそを入れたおにぎり、甘くない玉子焼きと、だしがらの煮干を天日で干してからしょうゆで炒りつけたもの。しょうがをきかせて煮つけた金目鯛。ほうれん草のピーナツ和え。梅酢につけた大根。』
昼ごはんにこんな気の利いたお手製弁当を持って来ている碧(受け)に対して軽くムカついた。
男のくせにこんな手の込んだ料理を作るなんて女子として負けた気がして許せないっ、今すぐ私のところに嫁に来なさい!!…

10

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

もう一般書籍に行って良し

BL要素をすっぽり抜けば、きっと一般でも勝負できるだろうと思えるほど文章の書き方がお上手だな~と思いました。
やはり自分にとっては読みやすい人、一穂さんの作品のため、この作品も割とすんなりと文章が頭に入ってきました。

しかし、この内容、趣味か趣味じゃないかと言われたら『趣味じゃない』んですよね~。
40になったおじさんの歯車合わせの恋愛が描かれているんですが、
なんか二人のエロの部分要…

10

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

高校時代の描写は間違いなく神

さすが一穂さん、青々しい高校生の描写が秀逸でした。
何がどうしてか、とにかくこの方の文章は脳にスッと入ってくる。
そういう意味で私にとっては相性の良い作家さんです。

一穂さんは高校生の自意識過剰加減とか、ちょっとしたことで世界の終わりや運命を感じてしまうような、繊細な、そんな心の機微を文章にあらわすのがお上手な方だと思うのです。

この作品も一束や圭輔の細かな人となりの描写が良かった…

7

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

大人しい大人、落ち着いた大人

 国会で議員などの発言を書き留める速記者をしている碧と、新聞記者の西口のお話です。

 判で押したような毎日がずっと続けばいいと願っている碧ですが、碧とは対照的で、明るく、何か人を惹きつける何かを持っている西口と出会うのです。碧は真面目で、自分で家事炊事全般をこなしてしまいます。そして、西口はそんな彼の作った手作り弁当を見てすでに結婚していると勘違いするのです。

 最初は気になって、話す…

6

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

やっと読んだ

うっかり off you goから読んでしまったため
なかなか読むに読めなくて積本してしまっていました。
そしたら、off you goの方を軽く忘れた状態で読めたので
私個人的には良かった。
実際順番逆でも読めちゃえますが、香港時代の佐伯を知った上で
off you goを読んだら違ったレビューになったでしょう。

さて、分かりやすいからでしょうか?
is in youの方が私は…

3

ハニーデイズ 小説

杉原理生  青石ももこ 

攻キャラクターが気分悪くて、最後まで読めないかと思った。

杉原さんの他の作品よりはよかったんですが、所謂『萌え』は皆無です。

こういうほのぼの・焦れ焦れなストーリーは結構好きなんです。好みの分かれそうな国巳(受)も、私は別にダメじゃない。

でも、諒一郎(攻)のキャラクターが私の我慢の限界を遥かに超えていました。こんな鬱陶しい男、絶対に無理です。文字通り耐えられない。読みながらイライラが抑えられませんでした。

私、受はどんなに『ネガ…

4

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

この声が聞けて、わたしも嬉しかった。

一穂さんの本はこれが4冊目。
一穂さんの書かれる言葉の数々は、わたしの心を強く掴む。
時々それが強すぎて、深く爪を立てられた跡のように少々の傷になって暫く心から消えていかない。
よかったとか、好きだとか、共感したという気持ちと一緒に、ダメージまで残していく。
この本は、今まで読んだ本の中ではそのダメージが一番少なかった。
なので、一番楽しく読めたと思う。

人の声や話し方、
それは…

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