咎井淳さんのレビュー一覧

非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

蛇と最後の一節

タイトルのみ既知、前情報なしの初読み。世のあちこちに深い考察が溢れている作品だと思うが、書き散らした初読の感想を置いておく。

まず一番驚いたのは、これが90年以上前に書かれたこと。差別表現が多く時代を感じる。とはいえ人間の本質はあまり変わらないんだな、とも思った。
一人称で、主人公が読者に語り掛ける形で進む物語。すぐに引き込まれ、一文字も読み漏らしたくない心持ちで気合いが入った。特に後半は…

1

THE DOLL 小説

Guilt|Pleasure  咎井淳 

かっこいい恋

 作者さんのこだわりが伝わってくるような小説でした。

 私はguilt pleasureのin these wordsが好きで買いました。

 私がこの本を読んで思ったのが好きな人と嫌いな人で大きく別れる本だと言うことです。この本を買う前にレビューを見ましたが、辛口コメントも多数ありました。作者さんのこだわりとして今回の作品は、ベットシーンはありませんでしたがキャラクターそれぞれ個性があ…

2

THE DOLL 小説

Guilt|Pleasure  咎井淳 

2人のその後がもっと読みたい。

所々自分の中で理解しにくいところがありましたが、深く考えずにキャラの感情だけで読んでいくと、すんなり入り込めました。 仕事であるアンドロイドを探して連れ戻す依頼を受けたが、そのアンドロイドに出会って惹かれていき、依頼者の元に戻さず逃げるリンチ。 最終的には見つかって連れ戻されてしまうのですが、数年後目の前に現れた人物は… アンドロイドから死というものはないのでしょうが、二度と会えないと思ってたので…

2

THE DOLL 小説

Guilt|Pleasure  咎井淳 

ほろ苦くも救いあるアンドロイド物

『FATHER FIGURE』に次ぐGuilt|Pleasureさんの小説邦訳二冊目。
前作は猟奇サスペンス的な作風でしたが、本作はアンドロイドを題材としたSF寄りの(現実にも有り得そうな設定ではありますが)作品。
前作程の衝撃はありませんが、アンドロイドの自我や自由意志といった王道のテーマが丁寧に描かれた佳作という感じです。

あらすじ:
ギャラに応じてあらゆる仕事を請け負うリンチ(攻…

4

THE DOLL 小説

Guilt|Pleasure  咎井淳 

救いのあるギルトプレジャー

GuiltlPleasure の小説世界、再来。
とはいえ「FATHER FIGURE」ほど痛くはないので、GP未体験の方は本作から始めるのもいいかもしれません。
物語は、行方不明の青年を捜索して欲しいと依頼を受けるシーンから始まります。
しかしその青年は「ドール」というアンドロイドのプロトタイプで、開発担当の男が連れ出したとみられる。セックスドールを連れ戻す仕事なんて、という内心を抱いてい…

3

First,DO NO Harm コミック

Nurcissus  咎井淳 

浅野とデビッドのお話です

3巻の初回限定版特典がこちらの同人誌になるんですね。とっても読み応えがありましたよ〜❤︎
なのに評価が「萌」なんですね。ごめんなさい、これは自分でも驚きました。ちるちるに登録したばかりの頃にマイ本棚に登録していったんですけど、「神」に入れたとばかり思ってました。おかしいな・・面目無いです、すみません。
さて、内容ですが。これは浅野のニューヨーク時代の話になります。ニューヨーク市警の刑事、デビ…

1

Equilibrium 小説

Nurcissus  咎井淳 

不協和音のはじまり

官能的な表紙絵が素敵でした。
この作品を読む前にできれば「Lucidity」を読んだ方がよりわかりやすいと思います。
克哉の誕生日を祝う食卓の話題の流れからデビッドが以前、常連客だったSMクラブのことに興味を持ち二人で行くことになった。
クラブの元締め、Mと呼ばれる男との軽い面接の翌日、克哉のもとに彼から招待状とともに銀製の首輪を贈られる。そして・・・。

「Equilibrium」では…

4

Equilibrium 小説

Nurcissus  咎井淳 

痛みによる均衡

『IN THESE WORDS』の前日譚で、同人誌『Lucidity』の続編となる本作(小説)。
前作未読のため細かい事情は分かりませんが、浅野先生(以下、克哉)がSMプレイを通し真の自分を見極めようとする展開が興味深く、本編との繋がりを色々推測するのが楽しい一冊です。

"M"というSMクラブの主(表紙の長髪の人物)の招待を受け、彼の屋敷を訪れる克哉。
そこで全裸にさ…

5
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

鬼とは誰か

―「君の頭はまっ白だよ」
道雄はそういって妙な笑い方をした。
それが私には泣いているように見えた。

私こと蓑浦が白髪になってしまったのは、自分の所業によることを悟った諸戸の描写です。

「生地獄」の章で、
「地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」
という諸戸の台詞がありますが、地上の一般社会が諸戸にとっては地獄で、彼は「不幸」だった…

4
非BL作品

江戸川乱歩傑作集 (1) 孤島の鬼 小説

江戸川乱歩  咎井淳 

原作は大好き! でも…

没後50年を経て、著作権保護期間が切れたので刊行されたもよう
皆さん仰っていますが、リブレ公式に『挿画:咎井 淳』とあるにもかかわらず挿絵がないので……結局、図書館にある既刊と変わらないです
この値段ですが、ハードカバーでもないです

個人的には本作、特に諸戸は笠井あゆみさんあたりの耽美系絵師さんにも描いてほしいなあ

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