金ひかるさんのレビュー一覧

ナルシストの憂鬱 小説

西江彩夏  金ひかる 

攻撃性はコンプレックスの裏返し

気持ちいいくらいナルシストな男前と人と衝突するのが嫌いなお人よしゲイの話。
最初の印象は最悪なんだけど、ナルシストの意外に繊細さや優しさ、臆病さに触れるたび主人公は惹かれていく。
ナルシストはノンケだけど、自分の性格が災いしてこれまで友人も恋人もいなかったので、仲良くなれた主人公に心を許す。
ある日、主人公は突発的に自分の思いを告げてしまう。
断られるかと思いきや、山田は同情のような友情の…

2

犬と小説家と妄想癖 小説

高遠琉加  金ひかる 

じれじれ展開と甘々がお好きな方に

官能小説家・不破(26)×数学教師・鮎川(26)大学の同期生
待ちに待ったかいのあるラブラブHが読めます。
不破は作中で鮎川から大型わんこ・シェパードに例えられていますが、彼は待てが出来る男です。そこが可哀想で、素敵!

26歳の鮎川の中学生並に色恋に慣れていない反応を可愛いと取るか、ウザいと取るかで好き嫌いが別れそうな話です。
7対4で、私の場合は、可愛いが結構簡単に勝ちましたが、26…

0

コンティニュー? 小説

いつき朔夜  金ひかる 

子はかすがいモノの超良作

この「子はかすがいモノ」っていうジャンル分け、一度誰かが使ってるのを見て使ってたんですが、他に使ってる人をあまり見かけませんw
『子連れ狼』が有名ですが、子供を上手くストーリーに組み込ませてる作品、私、大好きなんです。
ただ、取り扱い注意で、舌ったらずで年相応に見えない子供とかだと萎えたりもするんだけど。
あと、子供や犬や障害者などを『無垢の象徴』みたく使うあざとい作品も、あんまり好きじゃなかった…

5

キケンな誘惑(表題作 恋かもしれない) 小説

遠野春日  金ひかる 

みんなまとまってよかったよかった

同時発売「キケンな遊戯」の番外編を集めた作品集になるんだとおもいます。本編の雅之×要カップルは添え物程度に登場するだけで、もっぱら要の父親・昶のカップルと、要の幼馴染・彰のカップルのお話です。

容姿端麗で仕事もバリバリなのに、中学生のこぶつきで恋愛事に淡白な昶は元妻と別れた後はまったくのフリー。彼のことを親の店に営業に来たときから知っていて、長い間片思いをしていた史朗が、あるきっかけで想いを…

2

ゆっくりまっすぐ近くにおいで 小説

渡海奈穂  金ひかる 

リアリティある!!!

 私、ついこの間まで印刷機を回してましたので、この会社のリアルさはなんだ!! と思ったら、作者はアルバイトをしたことがあるようです。なるほどー。

 と、印刷業界の厳しさや(夜中まで仕事してたりする)、仕事内容のリアルさも満足でしたが、なにより「ゆっくりまっすぐ」進む恋が、じんわりと心にしみました。
 泣けるわけでも、心を揺さぶられるわけでもないのですが、じわじわとよかったなーと思うのです。…

3

FLOWER 小説

木原音瀬  金ひかる 

悲しい結末

まず表題作の『FLOWER』はハッピーエンドではないのであしからず。
とにかく切なかったというか悲しかった。泣きました。
最後どうなるかはネタバレになるので言えませんが、切な過ぎる。

『FROWER』は『WEED』ででてきた谷脇の話。
この谷脇がとにかく最低最悪な攻めでして。
飲み会で松本(受け)に出会うのですが、酒に弱いことを知って酔わせてお持ち帰り。
そのまま松本を抱いて、朝松…

4

もしも僕が愛ならば 小説

松前侑里  金ひかる 

五歳児に完敗

いや~久しぶりに号泣しましたよ。・・・なんというか、弱いんです。
父と子。父だけでも、子だけでもヘーキなのに、セット販売されるとどーにもいけません。
そんな特殊体質だからってのもあるんですが。これは泣けましたよ。天使のよーな5歳児に!

その5歳児・瞬くんと父・慎一がね・・・いいんですよ。この親子がね。
慎一は大学の準教授で、ゲイなのがバレて離婚し、一人で瞬君を育てているんです。
瞬君…

2

POLLINATION 小説

木原音瀬  金ひかる 

自閉症

『FLOWER』に続き谷脇の話。
谷脇はほんとどうしようもない男ですね…
佑哉が朗(『FLOWER』参照)に似てるかもと気になり、自慰すら知らない佑哉の体を犯す気分はどんなものかと想像し、挙句手を出してしまいます。
相手は15歳ですよ…(^_^;)
谷脇にはもう最低通り越して呆れますよ。

そして問題なのが佑哉が自閉症ということ。
普通に生活していくぶんにはさほど問題はありませんが、…

3

ラブレター 小説

可南さらさ  金ひかる 

出来上がったあと、萌えない…

主人公は高校生。
両親を亡くし、父の友人の家族に引き取られ、その家の長男に恋してます。
気持ちを打ちあけたけどフラれてしまう。
その後長男は大学進学とともに上京し、交流が途絶える。
交流が途絶えて二年後、再会した二人。
長男の家に泊まることになり、一つ屋根の下で、ふりきったはずの恋心が再燃して――。

心が通じあってセックスするまでは、キュンキュン切なくて、ときめきました。
触れたいという欲望を持…

1

ロマンス作家は騙される 作家・羽根くんシリーズ 小説

榎田尤利  金ひかる 

この結末は

前回から微妙な三角関係継続中の羽根(駆け出し作家)と神楽坂(羽根の親友で編集部勤務)と千疋(カリスマ整体師)
二人から熱烈なアプローチを仕掛けられる一方で、羽根は執筆中の恋愛小説に行き詰まっていた。
そんなとき憧れの文学作家亘理と知り合うが、またこれが強烈な人物で?

榎田さんの書く強烈キャラが好きです。
鬱気質の困った文学作家亘理さん。
いいキャラです。近くにいたら絶対やってられない…

1
PAGE TOP