金ひかるさんのレビュー一覧

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

僕を嫌いだと言っておかないと、君は怖いですか?

この作品、一言で言っちゃえば
傷だらけで、気の荒い野良猫ちゃんを拾っちゃって、その可愛さにメロメロになって、快楽で餌付けして、とうとう手懐けちゃうお話。
津久井って、相当「S」だよね。

ピアスだらけの新二、
津久井とのセックスで、ピアスをはずしたり、つけたりするシーンが切ないなぁ
体中のピアスや、透けるほどに色を抜いた金髪と、心のありようがストレートに外見に反映している新二。
ピア…

4

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

『期待すること』が一番怖いから……

『夜明けには好きと言って』のスピンオフ作品です。
『夜明け~』は好きだったのですが、「チンピラ?ヤクザ?えっ、この嫌なヤツの番外編!?興味ねー…」というかんじで、ずっと敬遠してしまっていました。

……が。

読んでよかったです!
穏やかでキリンのようだと称されるが、実は男らしく粗野な一面も持つ男・津久井と、
寂しくて臆病者が故にツンデレな、チンピラホストの金崎のおはなしです。
こ…

5

スイート2・バケーション 小説

うえだ真由  金ひかる 

海に潜ってみたくなる。

うえださんの作品は初めてだったんですが、とても読みやすかったです。
攻めがダイバーなだけにダイビングシーンがあるんですが、とても海の世界が魅力的に描かれていて青の世界を体験してみたくなりました。

ただ、いまいち受けにも攻めにも魅力を感じる事が出来なかったので中立で。
文章自体はとても読みやすい作家さんなので他の作品をもう少し読んでみてから相性を判断しようかと。

0

犬と小説家と妄想癖 小説

高遠琉加  金ひかる 

何歳だよおまえ(笑)

主人公の純情っぷりは、26歳とは思えない。年齢設定をもう少し下げてくれたら良かったのになァ。
でも、私好みの作品で、面白かったです。

主人公の受けは数学教師です。
攻めは官能小説家。
主人公は攻めを怪我させてしまい、口述筆記を引き受けたことから、二人の関係が微妙にかわりはじめます。
長ーく友達をやってる二人なんですが、攻めのほうはずっと受けのことが好きなんですよね。受けも実は攻めのことが好きなん…

0

ナルシストの憂鬱 小説

西江彩夏  金ひかる 

攻撃性はコンプレックスの裏返し

気持ちいいくらいナルシストな男前と人と衝突するのが嫌いなお人よしゲイの話。
最初の印象は最悪なんだけど、ナルシストの意外に繊細さや優しさ、臆病さに触れるたび主人公は惹かれていく。
ナルシストはノンケだけど、自分の性格が災いしてこれまで友人も恋人もいなかったので、仲良くなれた主人公に心を許す。
ある日、主人公は突発的に自分の思いを告げてしまう。
断られるかと思いきや、山田は同情のような友情の…

2

犬と小説家と妄想癖 小説

高遠琉加  金ひかる 

じれじれ展開と甘々がお好きな方に

官能小説家・不破(26)×数学教師・鮎川(26)大学の同期生
待ちに待ったかいのあるラブラブHが読めます。
不破は作中で鮎川から大型わんこ・シェパードに例えられていますが、彼は待てが出来る男です。そこが可哀想で、素敵!

26歳の鮎川の中学生並に色恋に慣れていない反応を可愛いと取るか、ウザいと取るかで好き嫌いが別れそうな話です。
7対4で、私の場合は、可愛いが結構簡単に勝ちましたが、26…

0

コンティニュー? 小説

いつき朔夜  金ひかる 

子はかすがいモノの超良作

この「子はかすがいモノ」っていうジャンル分け、一度誰かが使ってるのを見て使ってたんですが、他に使ってる人をあまり見かけませんw
『子連れ狼』が有名ですが、子供を上手くストーリーに組み込ませてる作品、私、大好きなんです。
ただ、取り扱い注意で、舌ったらずで年相応に見えない子供とかだと萎えたりもするんだけど。
あと、子供や犬や障害者などを『無垢の象徴』みたく使うあざとい作品も、あんまり好きじゃなかった…

5

キケンな誘惑(表題作 恋かもしれない) 小説

遠野春日  金ひかる 

みんなまとまってよかったよかった

同時発売「キケンな遊戯」の番外編を集めた作品集になるんだとおもいます。本編の雅之×要カップルは添え物程度に登場するだけで、もっぱら要の父親・昶のカップルと、要の幼馴染・彰のカップルのお話です。

容姿端麗で仕事もバリバリなのに、中学生のこぶつきで恋愛事に淡白な昶は元妻と別れた後はまったくのフリー。彼のことを親の店に営業に来たときから知っていて、長い間片思いをしていた史朗が、あるきっかけで想いを…

2

ゆっくりまっすぐ近くにおいで 小説

渡海奈穂  金ひかる 

リアリティある!!!

 私、ついこの間まで印刷機を回してましたので、この会社のリアルさはなんだ!! と思ったら、作者はアルバイトをしたことがあるようです。なるほどー。

 と、印刷業界の厳しさや(夜中まで仕事してたりする)、仕事内容のリアルさも満足でしたが、なにより「ゆっくりまっすぐ」進む恋が、じんわりと心にしみました。
 泣けるわけでも、心を揺さぶられるわけでもないのですが、じわじわとよかったなーと思うのです。…

3

FLOWER 小説

木原音瀬  金ひかる 

悲しい結末

まず表題作の『FLOWER』はハッピーエンドではないのであしからず。
とにかく切なかったというか悲しかった。泣きました。
最後どうなるかはネタバレになるので言えませんが、切な過ぎる。

『FROWER』は『WEED』ででてきた谷脇の話。
この谷脇がとにかく最低最悪な攻めでして。
飲み会で松本(受け)に出会うのですが、酒に弱いことを知って酔わせてお持ち帰り。
そのまま松本を抱いて、朝松…

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