月夜の珈琲館さんのレビュー一覧

恋のハレルヤ 小説

月夜の珈琲館 

絶妙に

表題作自体はN大付属病院シリーズではございません。
しかしながら併録作によって絶妙なリンクを果たしました。
どう言うリンクを果たしたかはネタバレになりますので
申し上げませんが。

ただ一言。
一文でこの一冊を表現せよ、と問われたら筆者はこう返します。

『毒こそ、甘美で愛しいもの』と。

2

眠れぬ夜のために 小説

月夜の珈琲館 

時代を感じますね

このN大付属病院シリーズを読み返していると、
柄にもなく医療の進展について考えてしまったり
します。
そう、この頃は心療内科と言っても話の通じ方が
本当に悪かったな、とか。

併録作では麻酔医と外科医の少年時代の事が
語られます。まあ、彼等の事ですから一筋縄な
子供ではない訳ですが。

表題作の主題は、評者が感じる所では『癒し』です。
それに相応しい展開も致しております。

1

危険な恋人 小説

月夜の珈琲館 

深い一冊

帯コピーは併録作『クリスマスの記憶』由来かと
思われます。
軽やかさと深さを併せ持った味わい深い短編です。

表題作ですが今回は豪華キャストですね。
ゲストカップリング【刑事×刑事】にメインカップリング、
そこに麻酔医ともう一人が絡んで、と言う趣向に
なっております。
後は選択されたトーンから推測して戴きたく。

このシリーズを読み進める事が出来るかどうかは、
ひとえに一瞬の…

1

記憶の数 小説

月夜の珈琲館  邦久十也 

粗筋は実は…

実はこの掲げられている粗筋、表題作のもの
ではありません。表題作の舞台はアメリカですし、
主人公達はN大付属病院とは一切関わりのない
人々です。
しかし、評者は敢えて表題作の一読も奨めます。
関係描写の描写が見事な作品ですから。

短編集の中にN大付属病院シリーズが一作
紛れ込んでしまったこの一冊。
これもまた『月夜の珈琲館』と言うユニットの
持ち味を詰め込んだ一冊なのでしょう…

3

おいしい水 小説

月夜の珈琲館 

間合いの湿度

表題作に具体的な描写は殆ど出て参りませんが、
かなり濃厚な情感漂う作品である、とだけ申し上げて
おきます。

後の併録作について言えばそれぞれに閉じる物語
ではなく開かれる物語である、と申し上げつに留め
ましょう。
少なくとも登場人物達の日々のひとコマから
切り取られたものである事は確かです。

0

浮気な僕等 小説

月夜の珈琲館 

絡む糸

今回の表題作はカップリングを明記している事から
何がしか思っておいでの方もいらっしゃるかと愚考
します。
実際、激しい事は確かかと思われます。但し肉体的に、
ではなく主に感情の面で。
昨今のBLから見れば多分大人しい部類に入って
しまうのでしょうね。

併録作の後者はメインカップリングの出来上がるまでの
修羅場の一幕。BLと言うよりはまだ耽美の文脈の中に
あるのかも知れません。…

1

夢の後ろ姿 小説

月夜の珈琲館 

懐かしく新鮮

評者のホワイトハートと言うレーベルに対する印象を
がらりと変えさせたシリーズの一作目でございます。
往時は『そうか、講談社でももうここまで描いて良い様に
なったんだ』と複雑な気分になったものです。

この方々、紅野隆一さんの小説と邦久十也さんの絵に
よって展開されるN大付属病院シリーズは一寸複雑な
構造をしております。
メインカップリングは外科医・青木克己と内科医・菊地
尊臣です…

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