茶鬼さんのレビュー一覧

片恋の唇 小説

高尾理一  緒田涼歌 

夏目くんの初めて物語

前作『愛咬の掟』のスピンオフで、その作品に登場した二人のお話。
前作は多分ハードな感じの(でも甘い)ものだったのかな?と想像するのですが、こちらは受けちゃんが16歳の少年なんでちょっと甘い作りかも?
でも、背景にヤクザ世界が存在するので、受けちゃんの直接関わらないところでは、ものすごく容赦ない制裁とかあったりするんで、そのギャップに驚かされました!!
前作の恋人は猫なら、今回のは仔犬・・・

4

さみしがりな腕の中 小説

桂生青依  みずかねりょう 

誠実に暮らしているといつかきちんと報われるのです

この作家さんの、こういった素直な子と俺様気味の男性の組み合わせって、何でこうパターン化してるのかな?というほどに慨視感が。ちょっと乙女な王道モノ。
ですが、多少の苦労があっても真っ直ぐで皆に好かれる健気な受けが、不遜で傲慢でちょっとトラウマのある男性をほだしてうまくいくという、前向きなお話が好きな方には、とても好感のもてるストレートなお話だと思います。

主人公の高校生・実守は小学校の時に両…

1

この恋が終わるまで 小説

いとう由貴  木下けい子 

復讐と謝罪は、その底に初恋を持っていました。

03年のビブロス版に攻め視点『初恋の人』を書き下ろしで追加した新装文庫版です。
罪の贖罪と復讐がテーマの作品ですが、何故か胸に迫って苦しくなりました。
神にとても近い萌えです♪
イラストも最初は海老原さんだったのが、これは木下けい子さんに変わっています。
お話の割にあっさりした絵ではありますが、とりたてて美男でもなければ人並みなという主人公の風貌と雰囲気にぴったりだったと思います。

6

肉食上司のアイしかた 小説

砂床あい  麻生海 

お仕事ガッツリです

滅私奉公で働く、とても健気なリーマンに来たヘッドハンティング。
自分の身を削っても会社の為働く、とても尊敬する上司の為に働く、日本人の典型ともいえるそんな働く男が主人公で、そこにリストラの問題や、試薬の後遺症など、とてもリアルで働く者にとっては身近なテーマで、選んだ題材はとってもいいと思うんです。
組み合わせも面白くて、その影に隠された真実とか、すごくいいんです。

しかし・・・

題…

1

恋罪の傷痕 小説

  あじみね朔生 

きっといつかカカァ天下

この作品の攻め様の口数の少ない事と言ったら!
”男は黙って、、”なんてもんじゃなく、ハンパなくしゃべらない。
おかげで、受けさまがよく動くこと、動くこと。
本当に、恋に突っ走って、あれやこれやする乙女のような(ちょっと違うけど)体当たりする受け様になっておりましたww
若者でもないのに、こんなに突き進む受け様というのは、結構珍しい存在かもしれませんね。

弁護士の椎奈は、お気に入りにし…

1

犬と小説家と妄想癖 小説

高遠琉加  金ひかる 

題名も内容もとてもわかりやすいものでした

04年のビブロス版に書き下ろしを1本入れた新装文庫版。
登場人物達が不器用で(特に受け)、その描写が動きになって頭にとても浮かんでくる、本当はシリアスなのに、とてもコミカルに読みやすい作品で、一気に読めてしまいます。

人見知りで奥手の鮎川は親友の不破と大学時代一度だけニアミスがあり、ずっと友達でいたかった為に、それをなかったことにしてきた鮎川と不破ですが、不破が手を骨折し、職業である作家業…

2

ブラック・オパール 小説

吉田珠姫  みなみ恵夢 

エロエロエロエロエロロロロロロロロ・・・

4年前の刊行『ピジョンブラッド』のスピンオフというか続編になるそうです。
男性器・女性器の両方を持つ”ふたなり”の、男を惹きつけてホネヌキにしてしまう特異体質の者たちを探しだし、その特性から理不尽な目に会っているところから救い出すという仕事をしているという、同じく両性具有の身体を持つ天使のようなサフィールという男性が本当の主人公なんですね。
この本は、そういった身体を持つ”ましろ”という青年と…

3

僕が一度死んだ日 小説

高岡ミズミ  穂波ゆきね 

愛の執念はすごいです!!

”BLはファンタジー”と言いますが、まさにこれはファンタジーです。
でも高岡さんの淡々とした文体で綴られると、”ひょっとしてあるかも?”って思っちゃう。
いや、あるといいな~って思えるお話でした。
でも、、、、そんなに十数年も一途に一人の人を思い続けるって難しとは思うんですが。
だからそこもファンタジーなんですよね。

17歳の時、恋人を病で失くした啓一郎。
その亡くなった恋人・孝徳…

6

忘れても好きな人 小説

鹿能リコ  緒田涼歌 

まるで多重人格

「別れても好きな人」じゃないです。「忘れても好きな人」なんです。
記憶喪失モノで、産業スパイとかダブルスパイ、社内派閥争いも絡み・・・と書くと何やらシリアス?ドロドロ?と思いますが、鹿能リコさんなんで、そこは結構お手軽で軽いです。
ラスト、黒幕があまりにおバカで拍子抜けしてしまい、
いんや、こんなオヤジには、もっとお仕置きを!と思ったんですが、そこは事情が、、、ムニャムニャ。。。
緒田さん…

0

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

俺はホモじゃね~

英田サキさんの新作は、まだまだ序章。
餓死し、しかもペニスを切り取られのどに詰められた死体が発見されたことから始まる推理作品に仕上がっています。
これはBLのラノベではないのでは?と錯覚するほどに様々な登場人物が出てきて、謎解きが楽しくなりそうな半面、早く続きをーーーー!!と待望してしまいたい作品になっています。

まず、警視庁の刑事・上條と、高校時代の後輩で現在アメリカで心理療法士をして…

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