茶鬼さんのレビュー一覧

臆病者の嘘 小説

神江真凪  高峰顕 

嘘に囚われて臆病になって

相手の事を「好き」だけど言えなくて、5年間自分がついたウソに囚われ続けた正に臆病者の主人公の話。
「嘘」というより、その気持ちも含めて「隠しごと」だったような気もします。
しかしながら、主人公・悠人の気持ちや取った行動は、実際身に覚えのある自分自身の体験と重なって、何だか切なくて共感を呼びました。
シチュエーションは違っても、こんな経験や感情を持った人というのは少なからずいるのではないでしょ…

0

その罪の行方 -贖罪- 小説

あしや可尋 

やっちゃったよ~

前編に当たる~原罪~の続き。
吸血鬼と聖人という二重の禁忌の立場で愛し合うヴィンセントとカレラに訪れたカレラの死(?)という終わりに、”ヒロイン死んじゃってどうなるの?”と、前作評価が高くなかったのですが、気になる続きを知りたくて後編を読んでしまいました。

聖人だからか、首を切り落とされたカレラはまるで生きているかのように3年経っても朽ちることなく、その身体をヴィンセントが保管しております…

1

虎王の祝祭 小説

神楽日夏  カズアキ 

虎と人間を飼いならす少年w

前作「魔人の婚姻」はアラブものらしくエロエロの監禁・花嫁ものでしが、同じアルハラードの砂漠の宮殿が舞台なのに、今回はかわいらしい仕上がり。
関連2作品なんですが、トーンががらっと違っていて、そんな工夫に好感が持てる作品でした。
評価は中立にしてありますが、どちらかというと萌え寄りです。
それは、人間のラージャについて今一つ??なところが拭えなかったからなんで。

動物学者の両親について、…

1

夢見る金糸雀は愛を囀る 小説

仙道はるか  タカツキノボル 

ツルの恩返しはエロで恩返し&水戸黄門!?

お笑い作品ではないとは思うのですが・・・何せ受け様が訳ありの箱入り蝶天然様だったので、展開が面白くてグイグイ引き込まれてあっという間に読めてしまいました!
善悪がはっきりしていて、良い人は徹底的に良い人。
悪い人は本当に悪い人で、グレーがなかったので、そこもスカっとして気持ちがいいです。

ある新興宗教団体の予言を伝える巫女(傀儡)にされていた珊瑚が、籠の鳥から自由になりたいと屋敷を抜け出…

0

白銀の麗人 小説

剛しいら  珠黎皐夕 

信じることさ、必ず最後に愛が勝つ~♪

「黒衣の公爵」で始まった本編のお話はこれが最後です。
コンピューター”イヴ”に支配・管理され、愛を失くした北青王国をイヴから解き放つため、シオンの不吉な影を打ち払う為、立ちあがった南紅大国の嵩原天人と、その正妃シオン、そして北青王国の皇太子でシオンの兄・レナード。
前巻でイヴの神殿を破壊し、アーサーの作ったプログラム”モーゼ”によりイヴを抑えたかに思えたのですが、イヴは北青王国の女王イザベラに…

3

ろくでなし刑事のセラピスト 小説

  新藤まゆり 

積極的でポジティブな受けに好感がもてます。

いつも少し温度が低めの洸さんの作品ですが、今回はトラウマ持ちのちょっと熱血入った刑事が出ている大人の話になりました。
一方の精神科医がゲイという設定もあり、すんなりと入れて、推理仕立てもあり、とても読みやすくてグイグイいけちゃいました(←酒か!?)

フィラデルフィア市警の殺人課刑事・アダムはとても優秀な刑事なんですが、犯人検挙の際に行きすぎた暴行を奮ってしまった為に謹慎処分に。
現場復帰…

1

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

さらっとしてベタつかない!

いつもの水原節ではないですね~
あれ?この作家さん誰?みたいなストーリーで新鮮でした。
『災厄を運ぶ男』という題名はその通りで、そしてもう片方は『災厄に自分を殺した男』とでもいいましょうか(?)
堕ちたというでもなく、引きずり込まれたというより、本人の選択ですから、それはまさに以前の自分を捨てるという行為により、殺すという言葉がぴったり。
トーンは、彼らに色々な苦難が降りかかるのに、全く暗…

2

愛の巣へ落ちろ! 小説

樋口美沙緒  街子マドカ 

生きることに真剣な姿に胸うたれました。

登場人物達が、シジミチョウ科やらタランチュラ科やら、スズメバチとかベッコウバチとかヘラクレスオオカブトとかカマキリとかetc、、、
擬人化のような要素を持ちながら設定が、人類が氷河期を迎え節足昆虫と合体して、その特徴を持ちながら人類が進化した姿みたいな設定。
でもSFではなくて、舞台はまるきり現代風。
それがすごく親近感をわかせるのですよね。
で、その昆虫の珍しや特徴なんかで完全にハイクラ…

4

残花 小説

水原とほる  高緒拾 

水原×高緒のゴールデンコンビ復活!

この本の発売、待ってました!
あの名作「箍冬 cotoh」「夏陰(cain)」のコンビで、極道の世界に生きる男と大学生の物語。
ここ最近の水原作品は健康的(?)なものが続いておりましたので、また鬼畜野郎と健気受けが読めるのかと大期待でした。
でも、そのまんまでいったらいつもと変わらない展開で面白くないわけで、この作品は、今までの容赦ない部分、健気な部分も残しながら、攻め様を二人にしたことで、…

3

恋人はバカ~理系彼氏のしつけ方~ 小説

楠田雅紀  陵クミコ 

バカはちょっと言い過ぎでしょ?でもバカって言いたくなる気持ちもわかる

この作品は作家さんが3年前「シャレード新人小説・期待賞」をとった作品だそうです。
言われてみるととても新鮮で、BLである為に、ノンケの男同士がどうやって意識したのか、男同志だからこうあって欲しいという部分が明確に表現されていて、とても面白くスイスイと読めてしまいました。
また主人公の気持ちもとても感じられて一緒に胸がキュンとしてみたり、やはりこういうポイントは大事ですよね。
それにしても”バ…

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