……ぼくが中にいるのが、わかりますか ?

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表題作恋人はバカ~理系彼氏のしつけ方~

杉義彦、ミシンメーカー設計25歳
飯山和弘、ミシンメーカー営業26歳

その他の収録作品

  • 恋人はバカ~理系彼氏のあやし方~

あらすじ

工業ミシンメーカーに勤める営業の飯山は、同じく設計部所属の杉と組むことに。
だが杉は、理系一筋の機械バカで…

――ぼくだけを見ててください。
工業ミシンメーカーに勤める営業の飯山和弘は、クレーム処理のため同じく設計部所属の杉義彦と組むことに。
だが杉は、愛想なし洒落っ気なしの理系一筋・機械バカだった。不安は的中し、杉は持ち前の「正論」で事態を
悪化させてしまう。堪忍袋の緒が切れた飯山は杉を叱りつけるが、それ以降、妙に懐かれる始末。
年下で、無口で不器用で同性で、なのにたまらなく可愛くて…。
いつしか欲情さえ覚える自身を恐れ、飯山は距離を置こうとする。けれど杉はそれを許さず、執拗に追いすがり…

作品情報

作品名
恋人はバカ~理系彼氏のしつけ方~
著者
楠田雅紀 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576100524
3.3

(29)

(2)

萌々

(11)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
93
評価数
29
平均
3.3 / 5
神率
6.9%

レビュー投稿数9

ギャップ萌えなワンコ攻め

ミシンメーカーの営業マンと技術者のリーマンラブ。

重要な取引先のアパレル会社に納品したマシンが、オーナーによって勝手にカスタマイズされた挙句に修理依頼を受けた営業担当の飯山。技術面でフォローしてもらうために選ばれたのが設計部の有能な若手社員、杉でした。

社会人としてのコミュニケーション能力が低すぎる杉は、大事な顧客を怒らせてしまいます。営業の立場からすると今後も機会損失を招きかねないと憂えた飯山は、杉にブチギレ。なのに、本人からはこれまでの勤務態度を変えるきっかけを得られたと感謝され、事態は意外な方向へ。

杉に期待をかける上司に教育係として見込まれてしまった飯山は、とりあえずヘアスタイルや眼鏡、服のチョイスなどの身だしなみから改造計画に取り掛かります。するとみるみるうちに周囲の見る目が変わって、杉の評価が大幅UP!しかも、同僚の女子社員すらソワソワしだす人気ぶりで、なんだか面白くない。

飯山の働きかけで仕事帰りに飲みに行くようになった二人。珍しく杉からの誘いで泳ぎに出掛けたある日、プールの更衣室で目撃した杉のオトコらしい体つきに妄想が止まらない飯山は、肉体的に反応してしまった事実に動揺しまくります。

ノンケ同士にもかかわらず、飯山にしてみれば自分だけに懐いていたワンコを独占したくなっていたわけで…

このシーンに男が男に欲情を感じてしまう説得力を感じて、ドキッとさせられてしまいました。ちなみにイラストの杉が超男前♡

誤解が転じて気持ちを確かめ合う段階では、この杉という男、やるときゃやる!エロなワンコに化けます。本人は大まじめなんですよね、理系ゆえに笑

後半の「あやし方」では、仕事の関係で遠距離の危機が訪れます。極端に走る杉と、これまた厳しく言い聞かせてブレーキをかける飯山のやりとりが見ものです。

理系=コミュ障な図式は、なぜかBLだといちいちめんどくさいところが可愛く思えたり、言葉も行動も不器用なくせに超絶エロかったりする、そのギャップがたまりません。

お気に入りのコミック、まさお三月さんの『それでも構わない』を読んだ時、この小説がシンクロしてしまいました。どちらのお話も攻めの属性にくすぐられます!

2

バカとかわいいはワンセット

面白かったです。

サブタイトルに「理系彼氏のしつけ方」とあるように、攻めは機械オタクで空気読めず正論で事態を悪化させちゃうようなやつなんですね。
アスペルガーなのか?と思ったほど。

自分だったらあんなメンドくさい男はイヤ……!と思ったくらいなんだけど、読んでる分には被害がないので楽しくて笑えます。

受け、がんばれー!って。

そんなめんどくさい攻めを愛おしく感じる心の広い男前受け。
実に手のかかる&理解しがたい言動を見せつけられるたびに「あんのバカっ!!」となるも、「でも可愛くて仕方ない」と思う受け。

どっちもどっちの良いカプだと思いました。

楽しく読めたんだけど、何度も読み返す本になるかというとちょっと疑問。
それは多分、攻めに萌どころが見つからなかったからかもしれない。
おまけして萌萌で。


1

バカはちょっと言い過ぎでしょ?でもバカって言いたくなる気持ちもわかる

この作品は作家さんが3年前「シャレード新人小説・期待賞」をとった作品だそうです。
言われてみるととても新鮮で、BLである為に、ノンケの男同士がどうやって意識したのか、男同志だからこうあって欲しいという部分が明確に表現されていて、とても面白くスイスイと読めてしまいました。
また主人公の気持ちもとても感じられて一緒に胸がキュンとしてみたり、やはりこういうポイントは大事ですよね。
それにしても”バカ”って・・・大胆な題名ですww

ミシンメーカー営業の飯山が顧客のクレームに対応するため、設計の杉の元を訪れるのですが、愛想はない・空気は読まない・外見も冴えない、そんな人間にイラっとすると案の定顧客を怒らせてしまう。
しかし、苦言を呈する飯山に妙に懐き、それも悪くないと思いだし、会社の女性との付き合いをきっかけに、このモヤモヤは恋だと気が付くと・・・

この杉はコミュニケーション能力のとても低い人で、最初”アスペルガー症候群”の人なのか?と思ってしまいました。
しかし、設計一途の人間で情緒とかに疎く、理系にありがちな論理的に物事を捕えて発言するクセのあるただの”理系バカ”ということがわかります。
飯山のイヤミも言葉通りに受け取り、それにイラっとする姿を読むと、ああー、こんな人いるよね!と思います(多少誇張はさせているが)
いい意味でバカ正直で、悪い意味で融通がきかない。
でも、飯山が丁寧にそれを説明すればそれを理解して、そんな風にきちんと自分の非を指摘して訂正してくれる飯山に、まさにワンコになって懐くのです。
それだけだったら、どうしてそれが愛になるのか?というところですが、ちゃんとその後にゲイ要素であるべき部分があるのです。
杉は鈍感ですから、しかし、同じような経緯をたどって飯山の事を意識します。
好意の同意に至る道のりは同じだけど時間差があったということでしょうか。
杉が理系で生真面目だけに、初エチに持ち込む時もきちんとした調べしていたと言う部分が何と言うかww
その会話部分で指1本だけって言っていたのが3本入っていたのに飯山が怒ると、それでは一本にしますって、太い1本にするという下りが思わず笑ってしまったデス♪
クソ真面目だけど、トンチンカンになってない会話なんで、まだコミュニケートできる人なんだな~とは思いますが、「平均10回やると苦痛がなくなる」とデータ重視のところがやはり理系?

そして書き下ろし『~理解彼氏のあやし方』でその後、やはり杉の生真面目さが災いして音信不通になったり、転勤話がでてすったもんだするお話になっています。
飯山は相変わらず苦労しているようですが、ラブラブなのは間違いないでしょう。
ここで二人のネックとなる転勤の話、これはゲイガプとしてどうありたいか、片方が女性でないことから発生する現実を男ならではだからこういう選択ができて気持ちがいいのだと納得させてくれます。

面倒見がよくて明るい飯山と、ぶきっちょな杉のカプは、とってもおもしろかったです。


2

理系彼氏って最高。

こういう設定はかなり美味しかったです。待ってましたー!というくらい好物でした。杉が面白く、可愛く、どとらかというと変わっているので、読んでいて楽しかったです。言葉足らずで、飯山に怒られて嬉しい!とか言ってる時点で(●∀●)ニヤニヤでしたwww

攻めが理系というのもいいですね!理系の人って少々好きなことになると子供っぽくなるので、大好きなんですよ!今回の杉も自分の専門のことになると話が弾んだり、興味津々になるので可愛かったです。杉がこんなに可愛いなんて…!

エッチのシーンでは、杉が面白く飯山がちょっと大変そうでしたがクスクス笑いましたwww言葉のキャッチボールというけど、飯山がストレートで投げても、杉は解釈を間違えカーブで返しちゃう感じでwwww
飯山が杉のことを「機械バカ」とか言うんですが、私もこいつちょっとバカだな(いい意味で)とか思いましたね。アホではなくバカですwww

飯山も杉もノンケなんですが、飯山は杉のことがだんだん可愛くて構ってしまいたくなる、という状況になり杉のことを自覚します。杉の自覚は…ちょっとウケたwwwそれで自覚したの!?とかwww
まあ、こちらは読んでからのお楽しみで。そこまで、え?っと思うような自覚ではないんですけどね。
飯山は男を好きになるはずがない、と自分自身に戸惑ったりするんですが、そういう描写があって良かったです。やはり、少しは戸惑ってくれないとね、男同士の恋なんだしwww

この作品はぜひ続きが読みたいくらいです!うーん、設定はいいんですが、ちょっと物足りないというか少々淡泊な感じで話が進むので、もっとストーリーの幅を増やしたら神評価だったかもしれません。それくらい私にとってはいい設定でした!
この続きだしてほしいなー。同棲してからの2人とか読んでみたいwww

2

なんて可愛いのか!!

もうとやかく言うつもりは有りません。
とにかく杉くんが可愛すぎた。 …それだけです。

興味深かったのは、この理系男子は、理系なのに恋愛において計算というものをしない、ということです。
杉くんは理系は理系でも自分の興味に一直線なタイプなので、その対象へ、駆け引きだの作戦だのは立てないんですよね。
飯山への思いに正直すぎるほど正直で、見ているこっちが恥ずかしすぎます!自分にも飯山にも上司にも、とにかく飯山への好意を認めているし、気持ちをサラッと言ってのける。
そして彼の可愛いところは、大好きな飯山に叱られた時に拗ねてしまうところ…!!!!
彼の “どうすればいいか解らない” 状態がすっごく可愛い…。コピー機で言えば紙詰まりでしょうか。自分自身ではどうにもできずに困っている状態です。杉は電話もメールもどうすればいいのか判らずに返さないから、いつも飯山が仕方なく折れてあげるという…。
「なんで解ってくれないの」
と、なじってしまいたくなるような彼の不器用の総てが、飯山を好きが故に起こるエラーなんですよね…。

杉の解らんちんぶりは付き合いだしてからも (というか付き合ってから更に) 健在で、後半の杉の転勤問題は…9割方萌えていた気がします…!
大好きな飯山と離れたくないがゆえに頑なになる杉と、もちろん杉と離れるのはイヤだけど、彼の将来性の為に背中を押す飯山。お互いの言い分がすごくすごくわかるから、最終的にどちらに転んでも良いな、と読み進めていました。
けれどやはり、飯山の力で杉は気持ちを改める。
飯山ってすごくイイ奴だなぁと思うんです。ちょっと変だけど、自分への好意をたくさんぶつけてくる恋人。離れたくないと泣いてまでして訴える相手を導いてあげるのは、すごく努力の要る作業だと思うんです。杉が “行かない” と主張するのは、その主張のぶんだけ “飯山が好きだ” と言っているようなもので。恋人としてすっごく嬉しいことだと思います。それを受け入れるのではなく、ちゃんと杉のこれから…自分達のこれからのために否定してやる姿がカッコいい。
しかも彼の場合、その説得に説教臭さがまったく感じられないんですよね。あくまで自分と杉を対等に見て、同じ目線で導いているように感じます。これがもし、少しでも上から目線な雰囲気を感じ取ったら、これほど感動はしません…。このあたりはほんとうに絶妙なニュアンスで、杉が愛しい分だけ飯山も大好きになります……!

感動ポイントと言えば、やはり 「嫌わないで」 のくだりなんですけれど…
この怖がっている感じがすごく泣けた…。
転勤よりなにより杉が嫌なのは飯山に嫌われることなのだ…と、解り切ったことですが、こうして言葉にされるとグッときます…!
「好きになって」 より、「嫌わないで」 の方が何億倍も奥ゆかしくて可愛い。だから、別れる宣言をした飯山に対し、杉が 「嫌わないで」 と言ったのはかなりかなりツボでした。
嫌いになんてなるわけ無いでしょ!!
もう飯山とともに杉の頭をぐりぐり撫で回してやりたくなっちゃいました。

やはり当事者だったらイラッときてしまうような言動が多い杉なのですが、こうして読んでいる限り、なんて可愛い生き物なのかと。もう可愛すぎて可愛すぎてきりが無いです…、こんな宇宙人系ワンコ、初めて見ましたよ。
私自身は理系ではありませんが、周りに居る理系っ子の特徴がちょいちょい出ていてすごくおもしろかったです。
「あ~、あるある!」 って。
好きな話題には急に言葉が多くなって早口。
可愛い。 ←
もう可愛いしか言ってない気がするのですが、べつにそれはよいのだと思っています。
だって事実ですから。 ←
このお話は、8割方が杉くんの可愛さで作られていました。私の今年のベストオブ攻め、暫定一位です☆☆

2

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